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全日本選抜柔道体重別選手権男子マッチレポート 60㎏級、66㎏級、73㎏級

2012年5月31日


※eJudo携帯版「e柔道」5月14日掲載記事より転載・編集しています。

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全日本選抜柔道体重別選手権男子マッチレポート
60㎏級、66㎏級、73㎏級 1/3


60kg級
平岡拓晃が冷静さ見せ5連覇、ライバル候補は総崩れ


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写真:木戸慎二の大内刈で
川端龍は場外へ崩れ伏せる
優勝候補は平岡拓晃(了徳寺学園職)と山本浩史(ALSOK)。平岡には川端龍(了徳寺学園職)、山本には石川裕紀(了徳寺学園職)とそれぞれに過去敗戦歴がある刺客が配され、これを勝ち上がって決勝での直接対決なるかが試されるというトーナメント。
そんな中1回戦で番狂わせが2つ。

まず講道館杯王者川端龍が学生王者の木戸慎二(日体大4年)に敗退。
持ち前の元気が全くなく、前に出ずに止まって組み手争いを続けてしまい木戸に簡単に奥襟を叩かれ、先制攻撃を許し続けてしまう。2分40秒には場外ながら大内刈で大きく崩れ伏せるなど展開、技ともにボロボロ、立て直す気配のないまま立て続けに2つの「指導」を失って敗退した。
欧州シリーズでの負傷の影響か、減量失敗か、講道館杯とグランドスラム東京で見せた個性派ファイターの輝きは全くなかった。

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写真:志々目徹が右袖釣込腰で
高藤直寿から「有効」を奪う
さらに若手のホープ、高藤直寿(東海大1年)も前任の世界ジュニア王者・志々目徹(日体大3年)に敗退。「指導1」をリードしてまずまず順調に試合を進めていたが2分27秒に志々目の右袖釣込腰にほとんど相手をまたいでしまうほど深く引っかかってしまい、体をコントロールしきれず「有効」を失う。後は志々目の組み手の巧みさに攻撃の橋頭堡すら築けずタイムアップ。
川端、高藤と昨冬平岡を倒して名を揚げた2名が早々にトーナメントから姿を消すことになった。

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写真:準決勝、志々目徹が右袖釣込腰、
山本浩史肩をついて耐えるが
志々目が体を捨てて決めて「有効」
さらに準決勝で山本浩史が敗退。初戦は苦手の石川裕紀を相手に、得意の前に振り回す左内股で引きずり投げて「技有」奪取と完勝だったが、この試合は後輩の志々目に1分37秒の袖釣込腰で早々に「有効」を失う失態。
組み手でいなし続ける志々目を相手に内股一発を狙うことで中盤戦を消費してしまい、片襟を差しての足技連発で「指導1」を奪取したときにはすでに残り時間1分39秒。あとは志々目の巧みな試合運びに攻撃の矛先をズラされ続けてタイムアップ、失意の終戦となった。

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写真:準決勝、平岡は木戸の
後襟を掴んで掬投「一本」
全滅、と言ってよいほどの番狂わせ連発をよそに、平岡は順当に決勝進出。

1回戦は松木武志を相手に高い左一本背負投、片襟を指しての右体落、相手が崩れると見るや寝技と展開を積み重ね続けて1分47秒、3分16秒と「指導」を立て続けに奪取して勝利。相手が先の展開に希望を抱いて粘ることを許さない手堅い試合でまず発進すると、準決勝は木戸慎二と対戦。開始早々に左小内巻込に足を差し込んで前に出ると、背中を見せて逃れようとした木戸の足をキャッチ。電光石火の掬投で、手を突いて耐えようとする木戸を縦に一回転させて「一本」、僅か15秒で試合を決めた。

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写真:平岡両袖を持って右体落、
志々目は左内股で切り返す
決勝は平岡が右、志々目が左組みのケンカ四つ。
志々目開始早々の回し込みの左内股を放ってやる気十分。
お互い絞りあって両袖の展開が多くなるが、両者切りあいの中から、あるいは袖を相手に握らせたまま攻撃。平岡は右体落に、いずれも深く腰は入れないもののタイミング抜群の左一本背負投を数度。対する志々目は両袖の左内股で展開を切るのみで散発、1分すぎのこの技も平岡に足をキャッチされてしまい効かず。
平岡が巴投、そのまま自ら立って攻撃を継続せんとした1分19秒、志々目に「指導」。

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写真:平岡が左一本背負投から
朽木倒に繋ぐ
再開後平岡は再び左一本背負投の形で鋭く手を差し込んで腰を切り、再び巴投。棒立ちの志々目を投げきれないと見るやまたもや自ら立って、左小内巻込、右袖釣込腰と連続攻撃。鋭く左一本背負投に入らんと手を差し込む動きも交えて攻め続けると、志々目は片手の左内股を場外に向かって放ってみずから展開を切る。この動きに主審は「場外」の判断で志々目に2つ目の「指導」を与える。経過時間は2分9秒。

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写真:平岡が巴投から志々目の
腕を刈り払って決めに掛かる
ポイント奪取後の大事な時間、平岡はいきなり巴投を放ち志々目は足を天井に向けて大きく体勢を崩し、手を畳について耐える。平岡この腕を掬って決めに掛かるが志々目膝から着地して「待て」。

以後引き手を争いながら志々目は左内股、連携しての朽木倒を見せるが平岡はオーソドックスな形の右背負投、さらにここまで有効だった左一本背負投のフェイント、巴投を繰り出して志々目に山場を作らせない。

残り30秒を過ぎて平岡さすがに守勢となり、志々目が釣り手で奥襟を叩いて腰を切って牽制すると崩れ伏せてしまう。残り19秒での志々目がクロスの組み手から左内股、さらに残り10秒で釣り手のみの片手内股に入ったところで平岡に「指導」。

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写真:平岡が左内股を捌いたところで
終了ブザー
しかし残り時間はあまりに少なく、平岡の出足払に志々目が最後の力を振り絞って左内股、これを平岡がしっかり体を開いて引き手を切ったところでタイムアップ。平岡が全日本選抜体重別5連覇の偉業を成し遂げた。

「平岡以外は全員負けた」と言っていいほどの荒れたトーナメント、この中をしっかり勝ちあがった平岡はこの日持ち前のアクロバティックな柔道を封印。組み手と技をピタリ、ピタリと要所に配置して相手の希望を殺ぎ続け、返される可能性の少ない、そして怪我の可能性の少ない技を積み重ねた我慢と冷静さが光った。コンディション調整の妙か、抜群の体のキレと一歩目のスピードがこの戦い方を支えた。

大物狩りで名を挙げたい若手3人は攻撃のための萌芽、前線基地となるべき組み手の一手目を叩かれ続けて、時間が経つほどにモチベーションを砕かれていく印象だった。

大会後の強化委員会で平岡は2大会連続の五輪代表に順当選出。選手の入れ替わりが激しいはずの軽量級で、しかも度々の怪我に悩まされた4年間をとうとう最後までトップファイターとして走りきった平岡の頑張りには敬意を表するほかはない。

「身体能力がありすぎて自ら転がってしまう」と評された平岡が、結果がシビアに要求されるこの日の大一番で見せた我慢の柔道。プレッシャーに押しつぶされた北京五輪から4年、精神面で一皮も二皮も剥けた平岡の健闘に期待したい。

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写真:優勝インタビューに臨む平岡。
今大会はこれで実に5連覇
平岡拓晃選手のコメント
「ワールドマスターズが終わってから3ヶ月、本当にこの大会に合わせてしっかりプログラムしてきた。4年前に北京で負けているわけですが、オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない。課題の足技、そして今日の試合の最後で見せてしまったような気持ちの弱さを直して死に物狂いで頑張りたい」

【入賞者】
優勝:平岡拓晃(了徳寺学園職)
準優勝:志々目徹(日体大3年)

【1回戦】
平岡拓晃了徳寺学園職)○優勢[指導2]△松木武志(国士舘大4年)
山本浩史(ALSOK)○優勢[技有・内股]△石川裕紀(了徳寺学園職)
木戸慎二(日体大4年)○優勢[指導2]△川端龍(了徳寺学園職)
志々目徹(日体大3年)○優勢[有効・袖釣込腰]△高藤直寿(東海大1年)

【準決勝】
平岡拓晃○掬投(0:15)△木戸慎二
志々目徹○優勢[有効・袖釣込腰]△山本浩史

【決勝】
平岡拓晃◯優勢[指導2]△志々目徹

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