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皇后盃全日本女子柔道選手権マッチレポート

2012年4月26日


※eJudo携帯版「e柔道」4月15日掲載記事より転載・編集しています。

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皇后盃全日本女子柔道選手権マッチレポート 1/3

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写真:開会式。選手宣誓は
東北地区の渡邉悠季が務めた
体重無差別で女子柔道日本一の座を争う第二十七回皇后盃全日本女子柔道選手権大会は15日、横浜文化体育館で全国10地区の代表34名、推薦選手2名の精鋭36名が参加して行われた。

大会最大の話題は昨年初優勝を飾った杉本美香(コマツ)の2連覇なるか、そして今夏行われるロンドン五輪の78kg超級代表の座を杉本と激しく争うワールドランキング1位・田知本愛(ALSOK)との直接対決の実現なるかだ。
結果次第では代表の座がその場で決してしまいかねないこの大一番、両者とも他を大きく引き離した優勝候補であり、実現の可能性は限りなく高い。この一番を見逃すまいと例年以上の報道陣、観客が終結、オリンピックイヤーならではの緊張感の中で熱戦の火蓋は切って落とされた。

一回戦

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写真:1回戦、
藤原恵美が払腰で津金恵を大きく浮かす
1回戦は4試合。注目を集めたのは、ともに地区予選を1位で通過した藤原恵美(大成高3年)と津金恵(松商学園高3年)の高校生同士による一番。先日行われた全国高校選手権では藤原が無差別、津金は63kg級でともに2位を獲得している強者であり、高校カテゴリでは団体戦での再戦の可能性も高いエース同士でもある。互いに引けない一番だ。

この試合は藤原右、津金ともに右組みの相四つ。動きの良い藤原が組み手の一手目を制して圧を掛け、津金は横変形で距離を取りこれを掻い潜っての右背負投、一方の藤原は右払腰に右一本背負投で攻めあう。藤原の右払腰に津金が大きく浮いた直後の3分3秒に津金に「指導1」が与えられ中盤までは藤原が優勢。直後津金が軸足を大きく回しての右内股を2連発して藤原を浮かせ、ここからは津金がやや手数に勝り始める。藤原は圧が掛かりきらなくなり津金の反撃を許すも、足を抱えての右一本背負投に右内股と要所で技を繰り出して展開を切り双方ポイントなく時間。旗は3本が藤原に揃い、僅差3-0で藤原が勝ち抜けを決めた。

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写真:1回戦、柴田まどかは終盤右払巻込、
崩れた中西優美を足と背中で押し込んで
「技有」を奪う
濱田尚里(山梨学院大4年)は松尾千香(松山東雲女子大4年)を圧倒して、払腰で崩してから腕を極めて縦四方固に移行し1分半かからず一本勝ち。

熱戦となった柴田まどか(新潟県警)と中西優美(龍谷クラブ)の試合は軽量の中西が左相四つの柴田を捌きながら技を仕掛け続け4分35秒には支釣込足から繋いだ巴投で「有効」奪取。展開、そして具体的なポイントと9分9厘まで中西の試合だったが、残り21秒、柴田が払巻込一発の「技有」で逆転。優勢勝ちで2回戦進出の権利を手にした。

次戦に大野陽子(コマツ)との大一番を控えるもと78kg級学生王者川島巴瑠菜(北海道警)は低い右背負投に掛けつぶれ続ける木村知畝(環太平洋大3年)から取りきれないうちに自らも疲労、奪ったポイントも木村の偽装攻撃による「指導1」のみだったが試合の流れを渡すことはなく、フルタイム戦った末に僅差3-0で勝利を飾った。

【一回戦結果】

濱田尚里(山梨学院大4年)◯縦四方固(1:24)△松尾千香(松山東雲女子大4年)
藤原恵美(大成高3年)◯優勢[僅差3-0]△津金恵(松商学園高3年)
柴田まどか(新潟県警)◯優勢[技有・払巻込]中西優美(龍谷クラブ)
川島巴瑠菜(北海道警)◯優勢[僅差3-0]△木村知畝(環太平洋大3年)

二回戦

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写真:杉本美香が組み際の支釣込足で
「有効」を奪う。濱田尚里の
健闘が光る試合だった
シード選手、有力選手がいよいよ登場。まず上位候補の戦いぶり、そして注目対決を追ってみたい。

杉本美香は右相四つの濱田尚里を相手に圧が掛かりきらず、組み手の切りあい、やりなおしに応じすぎて中盤までスコアに差をつけることができない。しかしジワリと前に出続けて濱田が手詰まりとなってきた2分42秒、組み際に突如スピードアップ、鋭い支釣込足で「有効」を奪うとそのまま横四方固に抑え込んで一本勝ち。初戦ということもありやや慎重、はっきり堅さの見える試合だった。

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写真:田知本愛が畑村亜希から
払腰で「技有」を奪う
田知本愛は畑村亜希(帝京大4年)と対戦。こちらもやや動きが堅く、36秒に「指導1」を宣告されたがさすがにこれには奮起、直後激しく前に出て、51秒に内股をストンと決めて「有効」を奪取、1分9秒には豪快な払腰で畑村を浮かせ、畑村は一瞬伏せたが勢いは減じずそのまま転がってこれは「技有」となる。以後は両者決定打なく時間、田知本がそのまま優勢勝ちで3回戦進出を決めた。
取るべき場面での激しさ、そして安定した試合ぶりという好材料の一方、「技有」奪取後自ら選んだスタティックな展開に嵌り追加点を奪えなかったことなどこちらも2戦目以降に向けて満点とまでは言い難い出来であった。

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写真:萩原久美子は左払巻込で
先手を取ろうとするが、
偽装攻撃と判断される
2回戦最大の注目対決、昨年準優勝の無差別職人・萩原久美子(兵庫県警)と東京地区予選1位の未完の大器・烏帽子美久(東海大3年)。試合は萩原、烏帽子ともに左組みの相四つ。

試合をコントロールするのは地力に勝る烏帽子だが、慎重にジャブを出し続けるところから一転、機と見ては縦回転で派手に奥襟を叩いて圧を掛け、さらに機先を制して巻き込み潰れる萩原の「大きく組んで小さく掛ける」老練な戦いぶりにほとんど技が仕掛けられず、2分7秒には烏帽子に「指導1」が宣告される。

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写真:烏帽子が
萩原を横四方固に捕らえる
萩原は投げる予感こそ漂わせないものの組み手の巧さと手数で攻勢、あとは手数の中に本気の技を紛れ込ませて一発取るという昨年の戦いぶりの再現を狙えるかというところだったが、3分33秒に両袖から繰り出した左外巻込に偽装攻撃の「指導1」が与えられて試合の様相は一変。前に出てくる烏帽子に間合いを詰められて下がり始め、4分10秒に烏帽子の支釣込足を切り返し潰れた左外巻込が再び偽装攻撃と判断され決定的な「指導2」失陥。

アドバンテージを得た烏帽子はジワリと前に出続けて疲労した萩原を足技で崩し続け、終盤払巻込に潰れた萩原の首を制して絞めながら回して横四方固に抑え込んで「一本」。上位進出への最難関と目された初戦を突破した。

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写真:谷村美咲の低い左背負投、
左体落に橋口ななみは先手を許してしまう
ベスト8候補が潰れるアップセットが1試合。橋口ななみ(近畿大4年)と谷村美咲(帝京科学大1年)の一戦だ。
この試合はケンカ四つの橋口に対してその圧を掻い潜りながら谷村が左背負投に背負投崩れの左大外刈、左袖を両手で握っての低い左体落を仕掛け続ける。序盤はほとんど崩れずにこれを受け続けた橋口だが対処が遅れるうちに展開を失い2分50秒に橋口に「指導1」。橋口奮起して主導権を取り返すも中盤は橋口が前技を仕掛けて片足となる瞬間を谷村が待ち受けて横倒しに返しかかること3度。これで橋口の思い切りが悪くなり決定打が出ないまま試合は終盤へ。
残り58秒で谷村に「指導1」が宣告されるが、両者疲労してスピードが落ちたこの残り1分を谷村が必死に攻め切ってタイムアップ。旗は2本が谷村、1本が橋口を支持し試合は決着。僅差2-1で谷村が3回戦進出を決めた。

国内での実績がほとんどないまま、また国内の実績で上を行く山部佳苗(山梨学院大4年)に冷飯を食わせる形で次々と国際大会に派遣されるという厚遇を受けてきた橋口。真摯な稽古態度と素質を見込まれての重用だったがこの大事な皇后盃でも初戦敗退で結果を残せず、強化陣の期待に応えられないまま大会を終えた形となった。

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写真:山部佳苗が気合の入った試合振り、
払腰「一本」を奪う
昨年3位の山部佳苗は高校生の滝川真央(富士市立高2年)を開始早々の払腰「有効」、さらに2分25秒には右大外刈で滝川の右ひざを止めるとそのまま前に回して畳に叩きつけ一本勝ち。技の威力以上に山部の気合の凄まじさに会場がどよめく一番だった。

同じく昨年3位の立山真衣(フォーリーフジャパン)は相四つの藤原恵美に得意の角度のないところから足を先に差し込む右内股をことごとく受け止められたが、攻勢が評価され2分38秒に「指導1」を奪取。直後の組み際、焦った藤原が右一本背負投を仕掛けたところを落ち着いて捌き、絞めながら回して崩上四方固に決め「一本」。危なげなく初戦を突破している。

78kg超級シニア強化選手の市橋寿々香(大阪府警察)は木村輝美(環太平洋大2年)を一蹴。手合わせ一合、21秒に支釣込足で「有効」を奪い、そのまま横四方固「一本」で1分掛からず試合を決めた。

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写真:穴井さやか(白)の大内刈を
岡村智美が小外掛で切り返す力勝負
78kg級の強者同士、岡村智美(コマツ)と穴井さやか(ミキハウス)が対戦した一番は岡村に軍配。
互いに引かずに奥襟を叩き合ったところから2分16秒、穴井の右大内刈を岡村が左小外掛で切り返す力勝負。これを岡村が辛くも制して自らも倒れこみながら「有効」奪取、そのまま袈裟固に決めて一本勝ちした。
長身、奥襟、正面からのパワーファイトとよく似たタイプのこの2人らしい内容と結果の一番だった。

大野陽子と川島巴瑠菜の対決は僅差3-0で大野に軍配。
ケンカ四つ、階級が上の川島が奥襟を叩くもののパワー負けを感じたがその技はことごとく場外へ向けて放たれるのみで大野にプレッシャーは掛からず。以後も場外へ誘導を続ける川島に対して鋭い技を連発して一発を狙う大野という展開が続く。
川島の掛け潰れの間隙を縫って大野がいつ仕留めるかというこの構図は、川島が疲労した終盤に加速、3分51秒に川島に「指導1」が与えられ、その後も大野が攻め続けて川島の技は展開を切ることのみに終始。具体的なポイントこそなかったが圧倒的と言って良い内容で大野が3回戦進出を決めた。

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写真:朝比奈沙羅は払腰「一本」
で皇后盃デビューを飾る
ほか、初出場の稲森奈見(三井住友海上)は昨年ベスト8の後藤美和(創価大3年)をまったく問題にせず合技で一本勝ち。高校1年生の朝比奈沙羅(渋谷教育学園渋谷高)も清水真琴(松山東雲女子大4年)を相手に払腰「一本」で皇后盃デビューを一本勝ちで飾っている。高校新卒の吉村静織(三井住友海上)も、細かい足技と思い切りの良い内股で土屋文香(東海大4年)を圧倒、「指導2」の優勢勝ちで皇后盃初勝利を挙げた。

稲森、吉村の同門の上野巴恵(三井住友海上)は菊池舞美(仙台大柔道クラブ)を問題にせず。「指導1」奪取後、菊池の左一本背負投を潰すと、引き込んで寝技勝負を挑んできた相手の膝をあっさりパスして横四方固。2分15秒「一本」で3回戦進出を決めた。

【二回戦結果】

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写真:稲森奈見が、腰を切って
前に潰れようとする後藤美和を
左内股で捕らえて「技有」を奪う
柴野亜希(北関東綜合警備保障)○優勢[僅差2-1]△前田奈恵子(帝京大3年)
市橋寿々香(大阪府警察)○横四方固(0:50)△木村輝美(環太平洋大2年)
吉村静織(三井住友海上)○優勢[指導2]△土屋文香(東海大4年)
杉本美香(コマツ)○横四方固(4:08)△濱田尚里
谷村美咲(帝京科学大1年)○優勢[僅差2-1]△橋口ななみ(近畿大4年)
上野巴恵(三井住友海上)○横四方固(2:15)△菊池舞美(仙台大柔道クラブ)
岡村智美(コマツ)○崩袈裟固(1:44)△穴井さやか(ミキハウス)
立山真衣(フォーリーフジャパン)○崩上四方固(3:21)△藤原恵美
烏帽子美久(東海大3年)○崩上四方固(5:40)萩原久美子(兵庫県警)
谷口亜弥(了徳寺学園職)○払巻込(2:45)△渡邉悠季(仙台大4年)
朝比奈沙羅(渋谷教育学園渋谷高)○払腰(1:03)△清水真琴(松山東雲女子大4年)
柴田まどか○不戦△池田ひとみ(自衛隊体育学校)
山部佳苗(山梨学院大4年)○払腰(2:25)△滝川真央(富士市立高2年)
稲森奈見(三井住友海上)○合技[内股・袈裟固](1:08)△後藤美和(創価大3年)
田知本愛(ALSOK)○優勢[技有・払腰]△畑村亜希(帝京大4年)
大野陽子(コマツ)○優勢[僅差3-0]△川島巴瑠菜

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