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全国高等学校柔道選手権大会男子個人戦レポート

2012年4月6日


※eJudo携帯版「e柔道」3月28~30日掲載記事より転載・編集しています。

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全国高等学校柔道選手権大会男子個人戦レポート 1/2

60㎏級
大島優磨が手堅さと激しさ見せて順当V


決勝に進出したのは第1シードの大島優磨(国士舘高)とダークホースの林浩平(北海高)の2人。

昨年の全日本ジュニア体重別選手権2位、絶対の優勝候補と目された大島は黙々とトーナメントを勝ち上がる。2回戦で林孝太(豊栄高)にGS延長戦まで粘られたものの得意の寝技に引きずり込んで袈裟固「一本」(GS1:58)、3回戦も杉本大地(京都共栄学園高)を袈裟固(1:43)、準々決勝は末木貴将(近大福山高)をこれもGS延長戦で袖釣込腰「一本」。準決勝の竹内文汰(東海大仰星高)戦は「有効」による優勢勝ちでオール一本こそ逃したが4戦して3つの一本勝ちと圧倒的な勝ち上がり。激しい柔道スタイルと、スタイルと裏腹の試合振りの手堅さ、勝負どころを見極めるカンの良さと大島らしさを見せての決勝進出。

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写真:準決勝、林浩平は
強気の組み手でIH2位の
田中崇晃に判定勝ち
一方の林は無印の強者。2回戦で廣川諒(武蔵越生高)に「指導2」、3回戦でインターハイ3位の強者・枠谷一平(箕島高)にGS僅差、準々決勝で10年全国中学大会王者の小倉拓実(柳ヶ浦高)にGS延長戦の末「指導2」(GS1:08)を奪ってベスト4に進出すると、ここで第2シード、インターハイ2位の田中崇晃(白鴎大足利高)をGS僅差2-1で食って決勝へ。「一本」はゼロだが強気の組み手としぶとさを生かしてついに全国の頂点を決める畳に上がることとなった。

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写真:決勝、大島は左背負投で攻撃、
主導権を握る
決勝は大島、林ともに左組みの相四つ。
互いに引き手を得ようとするところから駆け引きが始まるが、組み手の引き出しが多くスピード豊かな2人の攻防は非常に軽量級らしくめまぐるしい。林は釣り手から奥襟を叩き、大島は侵入の角度を変えて、動きと思考のスピードが早すぎる序盤はお互い攻撃に至るまでの組み手は作れず、展開上の差はほとんどつかず。

30秒を過ぎたあたりで大島、奥襟を持ちにきた林の左手をいなして袖を釣り上げて左背負投、40秒にも奥襟を叩きに来たところを左袖を両手で握った左背負投に切り返す。50秒過ぎには低い左袖釣込腰、林は座り込んでこれを切り、大島を引き込んで果敢に寝技を挑むが、これは大島があっさり被り返し、林は足を絡んでなんとか耐え切り「待て」。どうやら地力に勝るのは大島、試合は徐々に大島ペースとなっていく。

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写真:大島が林の小内刈を弾き返す
再開後林ふたたび釣り手で奥襟を叩きに来るが大島これを与えずにいなし、釣り手一本の左背負投、外に払い出すような左小内刈で林を崩す。続く展開、林が釣り手で背中を持って内股巻込を試みるが大島余裕を持って潰し、寝技に引きずり込んで国士舘返し。残り58秒、打開を狙った林は背中を持ったままいわゆる「小内掛」の形で足を絡めるが大島そのまま押し返して弾き飛ばし「待て」。

大島優位の展開、あとは具体的な点をどこで挙げていくかだが、林、圧倒的に攻められた後のこの展開のエアポケットを縫って、大島が引き手を得たところに絶妙のタイミングで横落に座り込む。大島大きく崩れかかるがなんとか踏みとどまり、寝技を選択して「待て」。残り時間は17秒。

優位な状況で集中力を欠く悪い癖を見せた大島にベンチから「ボーッと立ってるな!」と叱咤の声。
気を取り直した大島が釣り手のみの左背負投から一回転、右の朽木倒を見せたところで試合は終了。勝敗の行方はGS延長戦に持ち越されることとなった。

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写真:延長戦、
大島が朽木倒で「有効」を狙う
開始直後、林は左手で大島の左袖を握る変則の形。組み手の一過程のはずのこの形、しかし釣り手一本の大島この袖を持たせたまま深く足を絡ませる左小内刈。右手で林の腰に手を当てて小内掛、というべき深さで入ったこの技に林慌てて伏せようとするが大島よどみなく右手で林の膝裏を抱えて動きを限定、林勢いよく畳に倒れて「有効」。延長開始僅か10秒の早業だった。

試合は決着。優勝候補の大島、全ての選手から狙われるプレッシャーをものともせずに見事優勝を決めた。

優勝の大島はしかしほとんど笑顔を見せず、「団体戦が終わるまで油断できない」と、負傷者続出の中団体戦を戦うチーム状況を考えてか厳しい表情。「この後すぐにブレーメン国際があるので、気を緩めずにいきます」とカデカテゴリで世界の強者と戦ってきた意識の高さを見せていた。

3位には前述のとおり、竹内文汰と田中嵩晃が入賞。
55kg級全日本ジュニア王者泉谷僚児(天理高)は準々決勝で竹内に背負投「一本」で敗れた。全日本カデ55kg級王者の平鍋達裕(福井工大福井高)は3回戦で小倉拓実(柳ヶ浦高)に「有効」で敗れている。

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写真:優勝の大島優磨
【入賞者】
優勝:大島優磨(国士舘高)
準優勝:林浩平(北海高)
第3位:竹内文汰(東海大仰星高)、田中嵩晃(白鴎大足利高)
ベスト8:末木貴将(近大福山高)、泉谷僚児(天理高)、青木大(市立習志野高)、小倉拓実(柳ヶ浦高)

大島優磨選手のコメント
「勝ったことは良いですが、内容はダメでした。狙われる立場といわれますが、特に意識はしなかった。『みんな強いんだ』と一戦一戦戦っていたらもう決勝かという感じでした。団体で優勝するまで気を緩められないですが、自分がチームを盛り上げようというよりも、自分のことだけで精一杯。泥臭くても勝とうと思っていました。すぐにブレーメン国際もありますし、気は緩められないです」

【準々決勝】
大島優磨○GS袖釣込腰(GS0:05)△末木貴将
竹内文汰○背負投(2:44)泉谷僚児
田中嵩晃○GS僅差△青木大
林浩平○GS指導2(GS1:05)△小倉拓実

【準決勝】
大島優磨○優勢[有効]△竹内文汰
林浩平○GS僅差△田中嵩晃

【決勝】
大島優磨○GS有効・朽木倒(gs0:10)△林浩平

73㎏級
村上洋平が橋口祐葵破って全国大会初優勝


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写真:決勝に臨む橋口祐葵
第2シードの磯田範仁(国士舘高)が3回戦で武居世悟(東海大三高)にGS僅差で敗れる波乱。磯田は2回戦は細木智樹(高知南)にGS延長戦の末大内刈「一本」で勝利していたが、左膝負傷の影響か初戦から動きは本来のものではなかった。

決勝に進出したのは第1シードの橋口祐葵(延岡学園高)と村上洋平(新田高)の2人。

10年に1年生でインターハイ66kg級を制している橋口は2回戦で小笠原佳輔(青森北高)から得意の袖釣込腰で一本勝ち(2:23)。続く3回戦、大きな山場と目された鎌田嵩平(東海大浦安高)戦を「技有」の優勢勝ちで乗り切ると、準々決勝の片岡振哉(茂木高)戦も「技有」、準決勝では三浦拓海(盛岡大附高)を相手に僅か37秒、袖釣込腰を決めて一本勝ち。圧倒的な強さで決勝へと駒を進めた。

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写真:1回戦、
村上洋平が隅返「技有」を奪う
一方の村上は09年全国中学大会2位の強豪。1回戦は戸板太一(前橋育英高)から「技有」の優勢勝ち、2回戦は元嶋一也(柳ヶ浦高)に一本背負投(2:51)、3回戦は宗像駿(北越高)から隅返(2:04)、準々決勝は畑中秀飛(箕島高)から合技(0:49)と3連続「一本」で準決勝へ。磯田を破った武居から「有効」を奪って勝利、決勝に進んだ。

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写真:決勝、橋口は足持ちの
袖釣込腰から左小内刈に連絡
決勝は橋口右、村上は左のケンカ四つ。
橋口開始早々から右内股、これは村上が耐えるが橋口はなおも右小内刈で前に出て攻め、40秒の右内股は村上が体を釣り手側に預けて返そうとするが「待て」。
相手をよく見て淡々と技を打ち出し続ける橋口、1分には右袖釣込腰から逆手で相手の足を抱えて持ち上げ掛け、果たせぬと見るやすかさず左小内刈に連絡。直後の1分、村上に「指導1」。


奮起した村上、組み付いて背中を抱え隅返を放つが橋口は空中で1回転して着地、動ぜず。流れはいまだ橋口。

村上さらに引き手争いから袖を得るや左背負投。さらに続く展開で左朽木倒を仕掛けて前に走る。橋口下がって場外に出ながら、力の圏外に身を逃がすべく自ら遠くに向かって飛んで伏せ「待て」。

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写真:橋口再三袖釣込腰に飛び込むが、
持ち上げ決める力を欠く
この攻防で負傷したが、立ち上がった橋口は足を引きずってなかなか開始線に戻れない。再開指示とともに淀みなく動き出すが、直後に放った左袖釣込腰は深く入り、相手の足を抱えるもののそこから投げきる力が出ない。村上は膝を着いてこれをいなし、崩れず。

しかし橋口、上から釣り手を叩き、引き手を狙って前へ。村上はこれを左背負投、横落に切り返すがいまだ主導権は橋口。残り30秒、奥を叩いた橋口奥襟をたたいて右内股、足だけでヌルリで村上を持ち上げ、村上は崩れ伏せる。
さらに橋口は左袖釣込腰、村上が押し返すところを右内股と優勢のまま本戦は終了。試合はGS延長戦に縺れ込むこととなった。

延長も橋口ペース、右腰車を仕掛けて村上が抱きついたところを右内股で跳ね上げ、村上が前に出てきたところに再び右腰車を仕掛けて攻勢。

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写真:隅返で優勝を決めた村上。
橋口はしばし立ち上がれず
しかし延長40秒を過ぎ試合は意外な結末。村上が左小外掛で腰に抱きついたところを橋口右内股。ここから互いに腰を切りあって半身となり、窮屈な組み手のまま頭を下げあったところに、村上左釣り手で背中を叩く。組み手の力の圏外から一息にコントロール圏内への侵入を許したこの状況に橋口やや対応が遅れ、畳に手をついて頭の下げあいを収束させようとしたところに村上思い切った隅返。橋口回転しながら身を捩じって逃れようとするが村上の腕の極めが良く、ブリッジの形で畳に落ちてしまい「技有」。村上が嬉しい全国大会初制覇を決めた。

橋口は優勢、負傷後もむしろ冷静に試合を進めて一発を狙っていた印象だったが、やはり怪我の影響か、取るべき場面で取りきれなかった、決めきれなかったことで最後に勝負を失った。劣勢にもあきらめず一発を狙った村上は見事。隅返の一発はリアクションではなく、自らが距離を詰めるところから生まれた展開。積極性が最後に勝利を呼び込んだと言ってよいだろう。

3位には前述の武井世悟に、準々決勝の東北勢対決を小外刈「一本」で制した三浦拓海(盛岡大附高)が入賞した。

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写真:優勝の村上洋平
【入賞者】
優勝:村上洋平(新田高)
準優勝:橋口祐葵(延岡学園高)
第3位:三浦拓海(盛岡大附高)、武井世悟(東海大三高)
ベスト8:片岡辰哉(茂木高)、岩崎康介(田村高)、土井康孝(小城高)、畑中秀飛(簑島高)

村上洋平選手のコメント
「新田高は井上(愛美・山梨学院第)先輩が2年連続で全国を獲っている。学校の名誉のためにも勝ちたかったし、勝ちたいというよりも『勝たなければいけない』という気持ちでした。そのプレッシャーが良かったんじゃないかと思います。尊敬する選手は高校の先輩の中矢力選手。自分も東海大に行きたいのでもっと活躍して、欲しいと言われるような選手のいなりたいです」

【準々決勝】
橋口祐葵○優勢[技有]△片岡辰哉
三浦拓海○小外刈(0:58)△岩崎康介
武井世悟○腕挫十字固(0:19)△土井康孝
村上洋平○合技(0:49)△畑中秀飛

【準決勝】
橋口祐葵○袖釣込腰△三浦拓海
村上洋平○優勢[有効]△武井世悟

【決勝】
村上洋平○GS技有△橋口祐葵


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