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全国高等学校柔道選手権大会男子団体戦マッチレポート
決勝

2012年4月3日


※eJudo携帯版「e柔道」3月21日掲載記事より転載・編集しています。

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全国高等学校柔道選手権大会男子団体戦マッチレポート
決勝 1/2


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写真:決勝に臨む東海大浦安高
東海大浦安高は初の決勝進出。昨夏の金鷲旗、インターハイの活躍で手応えを感じた2年生が新チーム結成後に奮起して急成長。松前旗争奪柔道大会で東海大相模、若潮杯争奪武道大会で国士舘と冬季の最重要大会2つで昨年までの「2強」をそれぞれ倒して今大会は優勝候補筆頭。補欠まで含めた7人全員が悪童タイプのファイター揃い、どこからでも「一本」を狙う攻撃的柔道が売りだ。

今大会は2回戦で長崎日大高を3人残し、3回戦で日体荏原高を1人残し、準々決勝を四日市中央工高を3人残し、そして準決勝では東海大相模高との注目対決を1人残しで制しての決勝進出。持ち前の野性味をやや欠いた内容ではあるが、勝負どころでしっかり地力を発揮しての勝ち上がり。

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写真:好内容で
決勝まで勝ち上がった桐蔭学園高
一方の桐蔭学園高は西潟健太らを擁して優勝した05年大会以来の決勝進出。小型チームながらどこからでも得点できる手駒の豊富さでこれも新チーム結成以来非常に評判の高かったチームだ。竹内信康が左手首を骨折、岡田敏武も腰を痛めてチーム状態の悪かった1月の神奈川県予選は東海大相模高の後塵を拝し、ゆえに今大会はBシード配置だったが2回戦で近畿大附高を4人残し、3回戦で新田高を3人残しと圧勝スタート。準々決勝の勝負どころ、大牟田高戦は1人残し、準決勝の天理高戦は2人残しで勝ちあがって堂々の内容での決勝進出。 2年ぶりの開催となる高校選手権、稀に見る戦国大会の決勝はともに前評判の高かった関東勢同士の戦いとなった。

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写真:決勝戦のオーダーが映し出される
オーダー順は下記。

東海大浦安高 - 桐蔭学園高
(先)女良魁人 - 渡部達也(先)
(次)石神大志 - 岡田敏武(次)
(中)ウルフアロン - 藤井靖剛(中)
(副)鎌田嵩平 - 竹内信康(副)
(大)ベイカー茉秋 - 山本幸紀(大)

取り味のある大型選手を中堅に据え、副将にファイタータイプの軽量選手を配置、そして大将に最も信頼できるエースを控えさせる、という共通項のあるオーダー。東海大浦安・竹内徹、桐蔭学園・鈴木寛人の両将ともにバランス勝負、総合力勝負を志向した手堅い駒の配置を行った。

先鋒戦はいうまでもなく、前半のポイントになる選手は桐蔭学園高・岡田敏武。技の質的に典型的な重量選手と軽量選手が揃い、そしてカチ合うこのラインナップにあって担ぎ技で大型選手の懐に潜り込んで取ってこれる中量選手の岡田は変化球的存在になり得る。パワーがある反面疲労時の受けに脆さも併せ持つ石神、足腰は柔らかいが体型的に上半身が重くくっついてしまえばついて来る可能性のあるウルフと、重量選手を苦にしない岡田がこれを取る絵は比較的イメージしやすい。他の前半戦対決で最も可能性が高い結果が「引き分け」であることと比べると、試合を揺らす要素として大きいのはこの選手だ。

中堅のウルフ、藤井はともに重量選手。位置がズレずにかちあった場合、1年生の藤井が勝負どころでリスクのあるエリアに軸足を突っ込んでの攻防を選択するタイプではないこと、そしてこの日のウルフが見せている、意外とも言うべき畳際でのあきらめの良さからすると引き分けが濃厚。もし岡田で差がつかない場合、中堅までにどちらかが抜け出すことは非常に難しいのではないだろうか。

副将は双方ともに軽量選手。桐蔭学園高は鈴木監督が「もっとも信頼している」という竹内、これはアクシデントが起こった場合でも大将山本の前に試合の形を整えられると計算しての配置だろう。一方の東海大浦安・鎌田も強気を持って鳴る選手で、こちらは試合状況に関わらず一発持っていく意外性が持ち味。

いずれどちらも手駒が分厚い両チーム、最後は大将に控える両エースのクオリティが勝負を分けることは確実。また、引き分け濃厚とは書いたものの、ともに攻撃が売りの両チーム、全員に前半戦で「走る」ことが可能な因子があり、また1人でも走らせてしまえばこれはイコール結果に直結する。攻撃志向のチーム同士だからこそ、絶対に抜け出す選手を作ってはいけない。両者とも、一試合目から全く気の抜けない、息詰まる配置だ。

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写真:寝技に引き込む女良を
渡部が持ち上げて「待て」
先鋒戦は東海大浦安・女良魁人、桐蔭学園高・渡部達也ともに右組みの相四つ。互いに先に引き手を欲しがり、渡部は引き手の袖を抑えたところから左袖釣込腰、女良は釣り手一本の右内股で攻める。女良は巴投から引き込んでの表三角、腕挫十字固を見せるが心得た渡部はこれに付き合わず持ち上げて「待て」。

中盤を過ぎ、女良は奥襟を叩くが渡部はすぐに切り離して両袖の組み手争いに引きずり込み、展開は動かず。残り30秒を過ぎ、女良釣り手一本で奥襟を叩くが、これを渡部が切り返して前襟を握って両手で落とすと女良の頭が下がり、そのまま伏せてしまう。残り22秒で女良に「指導1」。奮起した女良が右内股を仕掛けるがすでにゴールの見えている渡部、しっかりこれを突いて耐え、タイムアップ。この試合は引き分けに終わった。

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写真:岡田、
石神にアオリが効くと見るやこれを徹底
次鋒戦は東海大浦安・石神大志が右、桐蔭学園・岡田敏武が左組みのケンカ四つ。
開始から石神は背中を持っての右内股、岡田は左内股で攻める。

1分15秒、岡田左内股からさらに踏み込んでの左背負投、これは深く入ったが石神が耐えきる。直後石神は背中を持っての右内股、岡田浮くが伏せたまま耐える。1分36秒、岡田下から釣り手を持っての左内股、しかし石神は右払巻込に切り返し「待て」。この時点で残り時間は2分8秒、ここまで試合内容には全くと言ってよいほど差がつかず。

しかしこの再開直後、岡田が石神の左片襟を両手で持って激しく上下にあおると意外にもまっすぐ力を受けた石神の頭はあっさりと下がり、危機を感じた石神は逆らわずに自ら畳に伏せてしまう。1分59秒、石神に「指導1」。

この攻めが効くと見た岡田、再び片襟を掴んであおり、左背負投。石神辛くも小外刈を仕掛けて脱出するが、直後岡田はまたも左背負投に飛び込み、石神は畳に体を伏せてなんとか耐える。石神のスタミナが切れ始め、試合の流れは明らかに岡田に傾き始める。

再開後、岡田は警戒する石神を前に、間合いのフェイントを入れるや矢を引くように手を伸ばし一呼吸で片襟を掴み、再び両手で激しくあおって左背負投。これを見た主審、ついに石神に「指導2」を宣告。2分40秒。

これに奮起した石神、右内股、右小外刈と気力を振り絞って技を仕掛けるがすでに消耗激しく、いずれの技も追いかけきれずに潰れてしまい、岡田は立ったままこれを捌く。

残り30秒を過ぎ、もはや「待て」が掛かってもなかなか立てない石神を岡田はあたかも観察するように組み手でいなしつつ、下から釣り手を差し込んでの左内股で伏せさせるなど消極的になることなく上手く時間を使って試合終了。岡田が「指導2」による優勢勝ちで1人抜き、桐蔭学園がまず先制点。

石神は岡田の最初の「あおり」に安易に伏せてしまったことで試合を失った。これを見逃さない目、かつ警戒されてもプランを完遂しきった岡田の上手さが光る試合だった。

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写真:ウルフの両脇を差しての
「振り回し投げ」、しかし岡田は崩れず
次戦は、勝ち抜けの岡田に東海大浦安の中堅・ウルフアロンがマッチアップ。
岡田、ウルフともに左組みの相四つ。開始早々岡田の座り込んでの左背負投にウルフが乗り伏せて潰れ、場内大いに沸く。
ウルフ冷静に岡田の奥襟を叩いて圧力を掛け、38秒、岡田に「極端な防御姿勢」の判断の「指導1」。

ウルフ、引き手を脇に挟み込んでの左大外刈を見せるも岡田崩れず。
岡田はウルフの圧力を両袖を得ることで組み捌き、左小内巻込から左背負投と連続攻撃。手順をスキップすることで打開を図ったウルフは、脇を差して背中の帯を掴み、岡田を持ち上げながら1回振り回して崩し、遠心力を利用したそのままの勢いで朽木倒。しかし崩し下した際にやや距離が離れてしまい、これは岡田が後方に数歩下がって耐えきる。このウルフの朽木倒が「足取り」ではないかと審判団は合議を行ったが、ウルフは振り回しながら2回転目で相手の左足を支釣込足の形で蹴り崩しており、連続技との判断でこれは続行。

ウルフはさらに奥襟を狙って前に出続け、支釣込足に左大内刈と攻める。圧を受けるのを嫌った岡田、さきほど「振り回し投げ」を食いかけた影響もあってかジャブを打つようにこれを突き離す展開を続けてしまい、2分18秒、岡田に「取り組まない」判断の「指導2」。

以降ウルフは組み際に両袖を持っての左大内刈に大外刈、岡田は左背負投に小内巻込と攻めるが試合を動かすには至らず終了。ウルフが「指導2」による優勢勝ちを果たし、再びスコアはタイとなる。

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写真:藤井のケンケン内股、
しかし引き手が剥がれてしまい両者伏せる。
ウルフも手を離してコントロールを放棄
次戦は勝ち残りのウルフに、桐蔭学園高中堅の藤井靖剛がマッチアップ。
ウルフ、藤井ともに左組みの相四つ。藤井は左大内刈、ウルフは片襟の左大外刈などを繰り出す。30秒過ぎ、お互い奥襟を叩いた頭の下げあいからウルフが左大内刈、さらに1分には支釣込足で藤井を伏せさせる。さらに釣り手のみを持った大内刈で藤井を崩し伏せるなど攻勢。
技出しでやや出遅れた感があった藤井はここから逆襲。1分40秒、ウルフが前に出てきたところにケンケン内股を合わせてウルフを大きく浮かす。これは藤井の引き手がはがれてしまい、両者はもろとも崩れ伏せる。
直後、両者圧力を掛けて頭の下げあいとなるが、2人とも潰れてしまい「待て」。

2分、藤井、ウルフが釣り手を噛み殺そうと頭を下げた瞬間に合わせて左大外刈。しかしこれもウルフが耐えきって「待て」。

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写真:ウルフが藤井を相手に
大内刈を掛けつぶれる
残り1分を切ったあたりから両者は明らかに疲労。双方払巻込に大外刈と一応攻めあう姿勢は見せるものの決定的なところ、投げる可能性もあるが返されるリスクもあるというところには踏み込まず、耐えず、自ら引き手を離して崩れ伏せる展開に終始。最後はウルフが押し込んだところを藤井が巻き込み潰れて展開を切ってタイムアップ。この試合は引き分けに終わった。


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※eJudo携帯版「e柔道」3月21日掲載記事より転載・編集しています。

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