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グランドスラムパリ各階級概況×詳細

2012年2月18日


※eJudo携帯版「e柔道」2月6、7日掲載記事より転載・編集しています。

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グランドスラムパリ各階級概況×詳細 1/2

60㎏級
「際」の強さ見せ付けたソビロフが順当優勝、キムウォンジンの健闘光る


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写真:優勝のソビロフ
※写真は世界選手権東京大会時
【入賞者】
1.SOBIROV, Rishod(UZB)
2.KIM, Won Jin(KOR)
3.JANG, Jin-Min(KOR)
3.PAPINASHVILI, Amiran(GEO)
5.DAVTYAN, Hovhannes(ARM)
5.ENGLMAIER, Tobias(GER)
5.MSHVIDOBADZE, Robert(RUS)
5.MUSHKIYEV, Ilgar(AZE)

優勝は第1シードのソビロフ(ウズベキスタン・WR1位)。決勝はこの日初戦から抜群の動きを見せていたキム・ウォンジン(韓国・WR28位)と対戦、開始早々にケンカ四つのキムが絡みつくような左小外掛でかぶさってきたところを、右釣り手で脇を差して反時計回りに振り投げて「一本」。わずか11秒の決着だった。

準決勝でジャン・ジンミン(韓国)に延長いっぱい戦っての僅差判定勝ちなど、全戦圧倒的な強さを見せたわけではなかった今回のソビロフだが、勝負どころでの爆発力はさすが。距離を取られて崩しきれない場面が散見される一方、近接戦闘での力比べになるとやはりこの階級では頭一つも二つの上だ。
ソビロフは今大会の優勝で300点を追加、これで合計2430ポイントを積み上げてランキング1位での五輪出場は間違いない情勢。2位の山本浩史(日体大4年)は1150点、3位の平岡拓晃(了徳寺学園職)は1144点、4位のザンタライア(ウズベキスタン)が1104点(大会前)と第2クラスは小差に固まっており、五輪の第2シード争いはいよいよ熾烈だ。

今大会ソビロフと2強を形成すると目されたザンタライアは3回戦でキム・ウォンジンに大苦戦、終盤「有効」を失った後も猛然と追いかけたが左変形のキムの組み手を最後まで崩せず、入賞なしという最悪の結果に終わった。

日本の川端龍は2回戦は余裕の一本勝ち、3回戦はケンカ四つのミロウス(フランス)に釣手で背中を叩かれ続けて「指導2」まで失ったが「韓国背負」を押し込んで逆転勝利、上位進出に期待を抱かせたが、4回戦では試合終了目前の4分20秒に左袖釣込腰で「技有」を失ってしまう。取り返そうと前に出る川端だが、残り数秒、左背負投で前につんのめったところに足を抱えられて転がり、「有効」も失って万事休す。残念ながら入賞には手が届かなかった。

【日本人選手勝ちあがり】
川端龍(国士舘大4年)
成績:4回戦敗退
[2回戦]
川端龍○横四方固(2:01)△トアラ(エクアドル)
[3回戦]
川端龍○優勢[技有・背負投]△ミロウス(フランス)
[4回戦]
川端龍△優勢[技有・袖釣込腰]○エンゲルマイアー(ドイツ)

66㎏級
地元ラロスが優勝、モンゴルの2強はともに韓国勢に敗れる


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写真:優勝のラロス
※写真は10年ワールドマスターズ時
【入賞者】
1.LAROSE, David(FRA)
2.CHO, Jun-Ho(KOR)
3.KHASHBAATAR, Tsagaanbaatar(MGL)
3.LIM, Sergey(KAZ)
5.KHAN-MAGOMEDOV, Kamal(RUS)
5.KOWALSKI, Tomasz(POL)
5.OATES, Colin(GBR)
5.POLLACK, Golan(ISR)

優勝は地元のラロス(フランス・WR13位)。もっとも力が落ちると目されたプールDから、シード選手のミラグチャ・サンジャスレン(モンゴル・WR7位)の早期敗退を利してスルスルと勝ち上がり、決勝では絶好調のチョ・ジュンホ(韓国)と対戦。
ラロスは右内股、チョは左内股に左体落、左背負投と激しく攻めあうが、GS延長戦残り0秒でチョが頭を抱えて放った左内股をラロスが裏投に捕まえて放り投げる。これはタイムアップのブザー後という判断で無効となったが、完全に「一本」だったこの技の印象も効いてか旗判定は2-1でラロス。片手技が多く評価の分かれる戦いぶりだったが、最後まであきらめずに技を放ち続けたラロスにはうれしいビッグタイトル獲得となった。

ラロスの決勝までの相手は、日本の高上智史、無名のラトビア選手コズロフス、カーン・マゴメドフ(ロシア・WR24位)、リム(カザフスタン・WR25位)と優勝候補は一人もおらず、一本勝ちもコズロフスからの一つのみ。グランドスラム王者という結果を正当に評価するには次戦以降を待つべきだろうが、試合ぶりからさほどの脅威はないように思われる。

優勝候補筆頭のツァガンバータル(モンゴル・WR9位)は準決勝でチョ・ジュンホに一本負け。
ミラグチャ・サンジャスレンも3回戦でチェ・ミンホ(韓国)に掬投で高々と放られて一本負けを喫し、1位2位を独占したワールドマスターズの再現はならなかった。

この試合で存在感を見せ付けたチェ・ミンホだが次戦ではカーン・マゴメドフに一本負け。階級変更後、スポット的に強さは見せるものの未だこれが具体的な成績にはつながっていない。韓国はこの階級に有力選手がひしめいており、もはや五輪出場の目は全くないと見ていいだろう。

グランドスラム東京優勝の高上智史(日本体育大2年)は3回戦敗退。次週のワールドカップ・オーバーヴァルトに捲土重来を期す。

【日本人選手勝ちあがり】
高上智史(日本体育大2年)
成績:3回戦敗退
[2回戦]
高上智史○崩袈裟固△ザグロドニック(ポーランド)
[3回戦]
高上智史△優勢[技有・隅返]○ラロス(フランス)

73㎏級
優勝候補軒並み不在の混戦階級、第3シードのセインジャルガルがV飾る


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写真:優勝のセインジャルガル
※写真は11年グランドスラム東京大会時
【入賞者】
1.SAINJARGAL, Nyam-Ochir(MGL)
2.VOELK, Christopher(GER)
3.BONHOMME, Gilles(FRA)
3.OZDOEV, Zelimkhan(RUS)
5.DELPOPOLO, Nicholas(USA)
5.GANBAATAR, Odbayar(MGL)
5.IBRAGIMOV, Rinat(KAZ)
5.SHARIPOV, Mirali(UZB)

中矢力(東海大4年・WR1位)と秋本啓之(了徳寺学園職・WR4位)の日本勢2人にワンキチュン(韓国・WR2位)、さらにイサエフ(ロシア・WR6位)、エルモント(オランダ・WR3位)にファンティシェル(ベルギー・WR7位)と五輪のメダル候補が軒並み出場回避。グランドスラム・パリという最高権威大会にして第1シードがジュラコビロフ(ウズベキスタン・WR8位9という寂しい顔ぶれの大会となった。

優勝は第3シードのセインジャルガル(モンゴル・WR10位)。フォエルク(ドイツ・WR24位)との決勝は一進一退だったが、残り20秒にケンカ四つのフォエルクが左釣り手で肩越しに背中を持ったところに応じたセインジャルガルが、右釣り手で背中の帯をつかむと、右足を上げて相手を持ち上げながら唸る勢いでフォエルクを反時計回りに振り投げる。これは辛くもフォエルクが顔から落ち伏せてノーポイントだったが、直後にセインジャルガルが両袖をつかんだまま右大外刈。
直前の展開で毒気を抜かれたかフォェルクはこれをまっすぐ下がりながら受けてしまい、セインジャルガルは相手の右ひざを固定すると一歩踏み込んで刈り切る教科書通りの「ケンカ四つの大外刈。フォエルク豪快に吹っ飛んで「一本」。セインジャルガルにとっては思わぬビッグタイトルの獲得となった。

2番手グループ以降の欧州勢、中央アジア勢は今大会も食い合いを続けて、抜け出してくる選手はおらず。五輪の優勝争いはやはり前述の通り東アジア勢が中心になりそうな気配だ。

日本の大野将平(天理大2年)はふてぶてしい柔道でキム・ジョジン(韓国)にダルベレ(フランス・WR13位)と中堅の強豪を次々降したが、4回戦でシャリポフ(ウズベキスタン・WR22位)と戦い、GS延長戦突入直後に隅返を食ってしまい「有効」失陥で終戦。シニアと学生カテゴリの実績ゼロでありながら、超の字のつく大抜擢で出場した「フランス国際」だったが、期待に応えるだけのインパクトは残せなかった。

【日本人選手勝ちあがり】
大野将平(天理大2年)
成績:4回戦敗退
[2回戦]
大野将平○優勢[技有・大外刈]△キム・ジョジン(韓国)
[3回戦]
大野将平○小外掛△ダルベレ(フランス)
[4回戦]
大野将平△GS有効・隅返○シャリポフ(ウズベキスタン)

81㎏級
優勝はビショフ、期待の長島啓太は3位に終わる


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写真:久々のビッグタイトルとなった優勝のビショフ
※写真は11年グランドスラム東京大会時
【入賞者】
1.BISCHOF, Ole(GER)
2.CIANO, Antonio(ITA)
3.NAGASHIMA, Keita(JPN)
3.TOMA, Sergiu(MDA)
5.BOZBAYEV, Islam(KAZ)
5.HARUYAMA, Yuki(JPN)
5.MARIJANOVIC, Tomislav(CRO)
5.VASYLENKO, Artem(UKR)

一段抜けた強さを示すキム・ジェブン(韓国・WR1位)とギヘイロ(ブラジル・WR2位)の2強をはじめメダルクラスの強豪は出場せず、第1シードがランキング9位のマレシュ(ドイツ)という今回のトーナメントの行方は混沌。
グランドスラム東京(3位)と直後のグランプリ青島(優勝)で圧倒的なパフォーマンスを見せていた日本の長島啓太(日本中央競馬会)に優勝の期待が掛かったが、長島は準決勝敗退、惜しくも3位に終わった。

シアノ(イタリア・WR25位)との準決勝、奥襟を叩いて試合を引っ張ったのは長島で、シアノの攻撃は明らかな手数志向。しかしこれを捕まえきれず、GS延長1分40秒には右組みのシアノが左襟を両手で握った左背負投、長島はこれに転がり伏せてしまい、主審は思わず「有効」のゼスチャー。これは副審2人の異議で取り消しとなったが、以後の猛攻をはぐらかされた長島はこの技の印象を覆すだけの攻勢点を挙げることが出来ず、旗判定は3本がシアノに揃う。長島小差の敗退となった。

長島はここまでの4戦をいずれもパワーファイター相手に「一本」3つに「技有」1つという素晴らしい勝ち上がりだったが、12月の圧倒的な強さと比較するとその内容はいまひとつ。この日は粘り強く攻勢を取り、相手が消耗した終盤に深く技に入り込んで一発獲りきるという冷静な戦いぶりではあったが、強力の相手を一瞬の組み手の技術で崩し、切れ味の鋭い投技を連発したグランドスラム東京とグランプリ青島の印象があまりに強く、勢いが落ちたという印象は否めない。グランドスラム東京では、今回優勝したビショフ(ドイツ・WR10位)を僅か38秒で「一本」に仕留めているわけで、今大会は実力を発揮仕切れなかったと評して良いだろう。
勝ち続けるしかない五輪代表争いのさなかにある長島だが、もしこのパフォーマンスの差の原因がコンディションだとしたら、非常にもったいない大会であったと言える。
これまでの実績からすると「3位」は十分合格と言えるが、長島を裏の本命と推す向きもあった代表争いという文脈では一歩後退。次週、川上智弘(國學院大4年)と同時出場するワールドカップ・オーバーヴァルトが最後のアピールの機会となる。

春山友紀(国士舘大3年)も非常によい位置に配されたがシード選手のトーマ(モルドバ・WR11位)の壁を崩せず準々決勝敗退、5位に終わった。

優勝を飾ったのは北京五輪王者のビショフ。オール一本で決勝まで勝ち上がると、決勝はシアノに圧力を掛け、細かい足技で翻弄。「指導2」を奪って快勝した。

このところ元気のないバートン(イギリス・WR13位)は初戦で無名のベルギー選手に敗退。2番手グループが「日替わり」の81kg級の状況を崩すような選手は見当たらなかった。

【日本人選手勝ちあがり】
長島啓太(日本中央競馬会)
成績:3位
[2回戦]
長島啓太○袈裟固(4:56)△アブド・アル・アカー(エジプト)
[3回戦]
長島啓太○大内刈(4:45)△プシマコフ(ロシア)
[3回戦]
長島啓太○優勢[技有・大内刈]△マレッシュ(ドイツ)
[5回戦]
長島啓太○袈裟固(3:16)△マリジャノビック(クロアチア)
[準決勝]
長島啓太△GS僅差0-3○シアノ(イタリア)

春山友紀(国士舘大3年)
成績:5位
[2回戦]
春山友紀○合技[袖釣込腰・背負投](2:49)△ダルウィッシュ(エジプト)
[3回戦]
春山友紀○三角絞(2:22)△ルセンティ(アルジェリア)
[4回戦]
春山友紀○GS僅差2-1△クレアゲット(フランス)
[5回戦]
春山友紀△隅返(0:39)○トーマ(モルドバ)

90㎏級
チョリエフがオール一本で優勝、日本人選手は出場なし


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写真:優勝のチョリエフ
※写真は11年グランドスラム東京大会時
【入賞者】
1.CHORIEV, Dilshod(UZB)
2.GONTIUK, Roman(UKR)
3.DENISOV, Kirill(RUS)
3.GONZALEZ, Asley(CUB)
5.LIPARTELIANI, Varlam(GEO)
5.MAMMADOV, Elkhan(AZE)
5.SONG, Dae-Nam(KOR)
5.VAN LAARHOVEN, Robby(NED)

五輪で優勝を争うと目されるイリアディス(ギリシャ・WR1位)、西山大希(筑波大3年・WR2位)、小野卓志(了徳寺学園職員・WR3位)、西山将士(新日本製鐵・WR4位)のランキング上位4人が全て出場を回避。
大会は第1シードのカミロ(ブラジル・WR5位)以下、欧州勢を中心とした中堅の実力者による激しい食い合いの様相を呈したが、その激戦を勝ち上がって優勝を飾ったのはチョリエフ(ウズベキスタン・WR8位)。

チョリエフは初戦でブライソン(フランス)と対戦、早々に「技有」を失う厳しいスタートだったが、「技有」「有効」「技有」と立て続けに奪い返して一本勝ち。以降はクラウチク(ポーランド)、ママドフ(アゼルバイジャン・WR10位)、準決勝でデニソフ(ロシア・WR13位)と対戦する難しい組み合わせだったが、これを全て「一本」で乗り切って決勝へ。決勝はパワーファイターのゴンチュク(ウクライナ)を相手に慎重に組み手を進め、2分16秒、左大腰に飛び込んで「一本」。全試合一本勝ちの圧倒的な強さで優勝を決めた。

爆発的なパワーがあるわけでもなく比較的柔道に癖のないチョリエフは、難剣使いが揃うこの階級の中堅選手の中にあって近年苦戦が続いていた。突如復活を果たした陰に何があるのか、今後の大会をしっかり注視する必要がある。

第1シードのカミロは、ノーシードのヴァンラホーフェン(オランダ)に食われて3回戦敗退。第2シードのペソナ(ブラジル・WR6位)もソンデナム(韓国・WR25位)に3回戦敗退で、シード選手4人のうち決勝ラウンドに進んだのはチョリエフ(第4シード)だけ。荒れた大会だった。

100㎏級
北京五輪王者ツブシンバヤル・ナイダンが優勝、羽賀龍之介は5位


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写真:優勝のツブシンバヤル・ナイダン
※写真は11年グランドスラム東京大会時
【入賞者】
1.NAIDAN, Tuvshinbayar(MGL)
2.BORODAVKO, Jevgenijs(LAT)
3.BATTULGA, Temuulen(MGL)
3.SAYIDOV, Ramziddin(UZB)
5.GROL, Henk(NED)
5.HAGA, Ryunosuke(JPN)
5.HWANG, Hee-Tae(KOR)
5.MARET, Cyrille(FRA)

優勝を飾ったのは北京五輪王者、ノーシードのツブシンバヤル・ナイダン(モンゴル・WR12位)。

初戦はビアドリン(ベラルーシ)に僅か8秒で一本勝ち、3回戦は地元のファブレ(フランス・WR16位)にこれも2分掛からず一本勝ち、ファン・ヒーテ(韓国・WR6位)との準々決勝も序盤に「指導」、残り29秒で「技有」を奪って圧勝し、サイドフ(ウズベキスタン・WR11位)との準決勝はGS延長戦、釣り手を肩越しに流した大外刈で膝を捕まえると、外巻込に体を捨て「技有」を奪い決勝進出。

ボロダフコ(ラトビア・WR15位)との決勝は長身の相手を組み手と足技で崩し、機を見て担ぎ技に潜り込む。32秒に右一本背負投に相手を巻き込んで「有効」奪取、3分18秒には「指導2」も奪って一方的展開。ボロダフコも3分58秒、右釣り手でツブシンバヤルの背中を叩き、嫌ったツブシンバヤルが左背負投につぶれ、立ち上がろうとしたところを両足を刈る谷落に捕まえて「有効」奪取。これは「一本」級の技で明らかな誤審だったが、ツブシンバヤルは以降慎重な組み手と担ぎ技で相手にチャンスを与えず逃げ切り、優勝を決めた。

バトトルガ・テムーレンも混戦ブロックを勝ち上がって3位入賞、モンゴル勢の躍進が目立つ大会だった。ツブシンバヤルは双手刈オンリーで制した北京五輪以降、ルール変更に合わせてスタイル変更を試みていたが、凌ぎながら、振り崩しながら担ぎ技を狙い、朽木倒し巻き込みに繋ぐスタイルがすっかり板についてきた印象。受けのもろさはあるが、一発勝負では油断のならない相手だ。

ランキング1位のグロル(オランダ)は準々決勝でボロダフコ(ラトビア・WR15位)に敗れて5位。
日本期待の羽賀龍之介(東海大2年)も準々決勝敗退の5位。バンデギースト(ベルギー・WR7位9を含む3人をいずれも内股「一本」で屠り去る圧倒的な勝ち上がりだったが、この試合は返し技の巧みなサイドフ(ウズベキスタン・W11位)の掬投に捕まりあっという間の一本負け。内容は抜群だが明確な結果が伴わない、ここまでの国際大会と全く同じ様相で大舞台へのチャレンジを終えた。次週のワールドカップ・オーバーヴァルトは優勝の期待が掛かる。

【日本人選手勝ちあがり】
羽賀龍之介(東海大2年)
成績:5位
[1回戦]
羽賀龍之介○内股(3:29)△フムベルト(フランス)
[2回戦]
羽賀龍之介○内股(0:43)△バンデギースト(ベルギー)
[3回戦]
羽賀龍之介○内股(4:35)△サッソン(イスラエル)
[4回戦]
羽賀龍之介△掬投(0:46)○サイドフ(ウズベキスタン)

100㎏超級
リネール全試合「一本」で貫禄の優勝、期待の石井竜太は玉砕


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写真:優勝のリネール
※写真は世界選手権東京大会時
【100kg超級】
1.RINER, Teddy(FRA)
2.SILVA, Rafael(BRA)
3.KIM, Sung-Min(KOR)
3.TANGRIEV, Abdullo(UZB)
5.BONVOISIN, Jean-Sebastien(FRA)
5.CERAJ, Matjaz(SLO)
5.THOREL, Matthieu(FRA)
5.WOJNAROWICZ, Janusz(POL)

王者リネールがまさしく圧倒的な強さで優勝。初戦でグアム選手を「有効」2つに「一本」と問題にせずに勝ち上がると3回戦の石井竜太(日本中央競馬会)を大外刈「一本」、準々決勝の「返し技ファイター」巨漢のウォジナロウィッチ(ポーランド・WR13位)はクロスの組み手の内股から振り返りざまの大内刈「有効」に、内股「一本」で勝利。内股は完璧ではなかったがあまりに勢いにウォジナロウィッチが吹っ飛んでしまうという態の破壊力だった。
準決勝は両袖を握ってぶらさがるタングリエフ(ウズベキスタン)を、組み手はそのままに起こしながらの大内刈で弾き飛ばし「一本」。決勝のワールドマスターズ王者シルバ(ブラジル・WR5位)は、支釣込足で崩しておき、釣り手で肩ごしに背中を持ったままの大外刈で「有効」。伏せたシルバの首に右手を突っ込み、上から被って圧力で絞めあげるとシルバは早々に「参った」。まさしく余裕の一本勝ちで見事優勝を飾った。

シルバはキム・スンミン(韓国・WR4位)に一本勝ち(1:29)しての2位入賞で、五輪では第2グループを引っ張る存在になってくる気配。

日本期待の石井竜太は2試合連続一本勝ちの勢いを駆ってリネールに挑戦したが結果は一本負け。相四つのリネールに引き手で脇を突き、支釣込足で伏せさせるなど非常に良い試合を展開していたが、2分19秒、組み手の切りあいの中から引き手一本で袖を得たリネールは、定石通りにこれを石井の腹側に織り込んで奥襟を握る。嫌った石井の戻り際に右大外刈一閃、これがリネール最初の技だったが、初顔合わせ、ファーストアタックでここまできちんと「作り」を踏まれては石井もたまらない。まさに吹っ飛ぶ勢いで畳に叩きつけられ、あえなく終戦となった。それまでの試合内容が非常に期待を持たせるものだっただけに、ここを凌げば面白いゲームになった予感。だけに残念な結果だった。

上川大樹(明治大4年・WR9位)は、またしても不甲斐ない試合ぶりで3回戦敗退。中堅以下と言って良いランクのセラジェ(スロベニア・WR20位)を相手に両者への「指導」、上川への消極的「指導」(3:23)と2つの指導を食ってあえなく敗退。2つ目の「指導」はやや厳しい判定だったが、技も組み手も散発、判定の是非を云々する意味がないと思えるほどの煮え切らない試合ぶりだった。ワールドマスターズ決勝で敗退したシルバに雪辱なるかというのが一つのトピックだったが、決勝のリネールどころかシルバとの準々決勝まで辿りつけない末期症状。

やはり負傷が癒えておらず試合が出来る状態ではないのか、単に先に見えないスランプに落ち込んでいるのか。判断、意見は分かれるところだが、入賞なしという結果は厳然として残った。

期待の石井は説得力のある結果には届かず、上川は入賞なし。日本の超級はいよいよ出口の見えない泥沼だ。

■100kg超級
上川大樹(明治大4年)
成績:3回戦敗退
[2回戦]
上川大樹○優勢[指導2]△クラコベツスキー(カザフスタン)
[3回戦]
上川大樹△優勢[指導2]○セラジェ(スロベニア)

石井竜太(日本中央競馬会)
成績:3回戦敗退
[1回戦]
石井竜太○大内刈(0:42)△シミオネスク(ルーマニア)
[2回戦]
石井竜太○合技[小外刈・小外刈](3:35)△ジンマーマン(ドイツ)
[3回戦]
石井竜太△大外刈(0:52)○リネール(フランス)

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