PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

グランドスラム東京 最終日展望

2011年12月11日



※eJudo携帯版「e柔道」12月10日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


グランドスラム東京 最終日展望

100㎏級
優勝して立ち位置を見極めたい穴井
羽賀は激戦ブロックから上位進出狙う


■階級概況・有力選手

パリ世界選手権で連覇に失敗した穴井隆将(天理大職・WR1位)が捲土重来を期す大会というのが日本人の目から見たこの大会の位置づけということになるが、ことはそう簡単ではない。
穴井の東京世界選手権の制覇は実は決して圧勝ではなく、穴井は以後、パリに至るまでの国際大会でもはかばかしい成績は残していなかった。人材豊富なこの階級では、穴井は優勝するだけの地力はあるが「平均点」の出来では勝利は覚束ないと見るのが正当だろう。穴井は再び挑戦者の座から自身の位置を見極める必要がある。今大会はシビアに勝ちきって、まず、自他ともに世界一に君臨するだけの地力があることを確認することが最重要課題だろう。疑心暗鬼のままで五輪に乗り込むことだけは避けたく、かつ、ランキングからも国内の代表争いの力関係からも来春の国際大会シリーズは回避の可能性も高い。勝っておくとすればこのグランドスラムと1月のマスターズしか機会はないのではないか。

日本人選手では負傷から回復仕切らず常時「慣らし運転」中の状態のまま講道館杯2連覇を果たした羽賀龍之介(東海大2年)も篠原監督が語るところではまだ五輪挑戦への権利を有する。ただし参戦の前提条件は間違いなく今大会での優勝。ここでいったん降りてしまうのか、唯一穴井を脅かす存在として欧州シリーズに乗り込むのか、覚悟の程が問われる大会だ。

■組み合わせ

ランキング2位のグロル(オランダ)こそ直前に出場を回避したが、やはり強豪が大挙来襲。楽なブロックはひとつもない。世界選手権と同レベルの、非常に厳しいトーナメントだ。
強いて言えば第3シード者が入るDブロックが比較的楽だが、それでも本命がサモイロビッチ(ロシア・WR5位)、対抗がクリパレク(チェコ・WR8位)という充実ぶり。見逃せない試合が続く。

【Aブロック】
第1シードは穴井。一戦目のアメリカ選手、2回戦のピータース(ドイツ・WR24位)は問題ないだろうが、準々決勝の相手は、大ベテランの一発屋ゼービ(イスラエル・WR11位)か、このところ再び存在感を増してきた北京五輪王者ツブシンバヤル・ナイダン(モンゴル・WR12位)とここからいきなり勝負のレベルがあがる。ツブシンバヤルはWC済州を制したばかりで勢いがある。注意が必要。

【Bブロック】
シード選手がファン・ヒーテ(韓国・WR6位)、準々決勝での対戦相手にバンデギースト(ベルギー・WR7位)と元世界王者コヘア(ブラジル・WR17位)が配された高密度ブロック。そしてその中で1回戦コヘア、2回戦バンデギーストという大変な位置を振られたのが羽賀。昨年この大会でコヘアを「指導」で降しているとはいえここから上がっていくのは容易ではない。
実力を出し惜しみするような戦いぶりのまま最低限の結果だけは残している最近の羽賀が、どこまでリミッターを外して戦えるか、このあたりに注目だろう。

【Cブロック】
第2シードの元世界王者ラコフ(カザフスタン・WR3位)が配されたブロックだが、1回戦が増渕樹(旭化成)、2回戦がチレギゼ(グルジア・WR22位)、3回戦がサイドフ(ウズベキスタン・WR10位)とテムーレン(モンゴル・WR13位)の勝者と、「第2シードなのに!?」と思わず気の毒になってしまう面倒なドロー。対戦相性的な勝ち上がり候補はチレギゼなのではと思うが、誰が準決勝に駒を進めてもおかしくない激戦ブロックだ。
増渕は比較的しっかり組んでくるラコフ相手であれば実力が発揮できる可能性大。トーナメントを引っ掻き回すような活躍を期待したい。

【Dブロック】
前述の通りサモイロビッチが配され、2回戦では熊代佑輔(日本中央競馬会)と対戦予定。勝ち上がり候補はサモイロビッチとクリパレク(チェコ・WR8位)か。熊代は2回戦を突破すれば粗さのあるクリパレクとは十分勝負となる。まず勝負は2回戦だ。

【準決勝-決勝】
穴井はBブロックの勝ち上がり候補であるファン、バンデギースト、コヘアにはさほど柔道の相性は悪くない。揉める可能性があるとすれば、羽賀が出てきたときだろう。
C、Dブロックからの勝ち上がり者を予想するのは難しいが、候補者はいずれもパワーファイター。パリ大会では早く投げたいあまり組み手が雑になって隙を突かれた穴井。技の切れ味を生かすためにまずしっかり組むことが肝要だ。穴井は東京世界選手権で見せたような慎重なリスク管理と攻撃に切り替える度胸、このいずれもが必要。

100㎏超級
負傷で低調も本命は鈴木、ダークホースは石井竜太


■階級概況・有力選手

1次エントリーの段階で来日が見込まれていたエルシャハビ(エジプト・WR2位)、テルツァー(ドイツ・WR3位)が出場回避、各階級に強豪ひしめく今年度大会には珍しくこの100kg超級はトーナメントの密度が薄い。
そんな中日本は今年度無差別世界選手権銅メダリストのベテラン、鈴木桂治(国士舘大教・WR5位)を代表に選択、そして五輪代表本命のこの選手以外は石井竜太(日本中央競馬会)、七戸龍(九州電力)、加えて世界ジュニア選手権2連覇の王子谷剛志(東海大1年)と次代を担う若手を送り込むという判断を行った。

若手の期待は講道館杯で一段違うスケール感を見せ「一本」連発で優勝した石井。グランドスラムのレベルでも快進撃が続くようなら間違いなく次代のスター候補。
七戸が持ち前の思い切りの良さに期待がかかる。前週のワールドカップ済州では韓国の一番手、キム・スンミン(WR4位)に大外返で敗れたばかりだが、どこからでも攻撃していく野性味が七戸の魅力。今大会も返し技を恐れずガンガン前に出る試合を期待したい。王子谷も完全に期待枠での選出で失うものはない。前に出て圧力を掛け順、逆と相手の弱い方向に攻め込む王子谷らしい柔道を見せてほしいところだ。

■組み合わせ

【Aブロック】
第1シードはキム・スンミン。前週のワールドカップ済州では無名のフランス選手に負けたばかり、五輪代表を争うキム・ソーワンが来日していないだけにこの大会にはかなり気合を入れてくるだろう。
王子谷は逆側の山に入り、1回戦からマラカウ(ベラルーシ・WR20位)、勝てば超ベテランのミハイリン(ロシア・WR19位)、準々決勝でキムという厳しい組み合わせ。とにもかくにも王子谷の柔道は前に出て圧を掛けなければ始まらない。果たしてマラカウにそのパワーが通じるのか、初戦から非常に興味深い試合が続く。

【Bブロック】
シード選手はシルバ(ブラジル・WR9位)。準々決勝での対戦候補は同国のエルナンデス(ブラジル・WR10位)ということになる。七戸がここに配され1回戦でシルバと対戦。ここを勝ち上がれば、樽型体型で柔道がオーソドックスなエルナンデスはさほどやりにくい相手ではない。初戦集中だ。

【Cブロック】
第2シードの鈴木の山。高ランキングを生かして比較的戦い安いブロック。おそらく準々決勝はパダル(エストニア・WR18位)だが、同世代で世界ジュニアから何度も対戦している鈴木はこの選手に負けたことはないはず。負傷で詰めた稽古ができていない鈴木だが、ここはまずまず準決勝進出は堅い。

【Dブロック】
シード選手は世界無差別選手権に優勝したばかりのタングリエフ(ウズベキスタン・WR8位)だが、そんなことはどうでも良いくらい面白い対戦がある。逆側の山の1回戦、石井竜太vsウォジナロウィッチ(ポーランド・WR34位)だ。
この圧力とリアクション専門の巨漢をご記憶だろうか。推定体重150キロ、昨年の東京世界選手権で鈴木桂治を返し技一発で地獄に送り込んだ「返し技ファイター」だ。
今期15キロ増量、講道館杯で圧倒的な攻撃力を見せ付けた現在の石井ならば「そのへんのトップ選手」を一発で片付ける可能性は十分、しかしこの選手に果たして石井のオーソドックスな柔道が通用するのか。こう言ってはなんだが、100kg超級のトーナメントの最初から最後までで、これ以上面白い試合はないのではないか。必見だ。

【準決勝-決勝】
Aブロックの勝ち上がり候補キムスンミン、Bブロックのエルナンデスともに手堅いタイプではなく、両者ともに常にアクシデントの可能性を纏いながら戦う選手。攻撃力で勝るキムが若干可能性が高いとみる。
Cブロック代表は鈴木として、Dブロックの勝ち上がりを読むのは難しい。期待をこめて石井の勝ちあがりを予想する。
鈴木-石井だが、本来の力関係から言えば鈴木にとって石井はやりにくい相手ではない。しかし負傷して完調とはほど遠い鈴木、昨季までは別人と捉えていいほどにレベルがあがった石井と、それぞれの上昇、下降カーブの交わりを考えると勝負は予断を許さない。手堅くみれば優勝は鈴木だが、一気の石井優勝も十分ありうる大会だ。

70㎏級
超強豪は出場回避、日本勢は高ポイント獲得のチャンス


■階級概況・有力選手

世界王者デコス(フランス・WR1位)が参加せず、来日して都内で稽古を積んでいたはずのボッシュ(オランダ・WR2位)、講道館杯で負傷した國原頼子(自衛隊体育学校・WR3位)、ファンイスル(韓国・WR4位)、メサロシュ(ハンガリー・WR6位)というメダル争いの中核を為す選手も軒並み欠場。
オールモスト「世界選手権」という豪華メンバーが揃う階級が多い中、正直寂しい顔ぶれのトーナメントとなってしまった。

日本勢は世界選手権に「一番手代表」として乗り込みながら入賞できず、11月の講道館杯でも敗れた田知本遥(WR5位)が捲土重来を期す。講道館杯優勝の今井優子(了徳寺学園職)と好パフォーマンスで2位入賞の上野巴恵(三井住友海上)はなかなか国際大会で結果が出せないでいるが、比較的メンバーの薄い今大会で入賞という果実を得ることができるか。今井はロンドン五輪テストイベントで3位、上野は講道館杯直後のグランプリアムステルダムでは1回戦敗退。今大会を浮上のきっかけにしたい。

期待が集まるのが、國原の負傷により繰り上がりで代表の座を手にした大野陽子(立命館大4年)。やや技出しは遅いがとにかく前にガンガン出る強気の試合ぶりと鉈で断ち割るようなパワフルな技が持ち味。11月のグランプリ・アムステルダムではボルダー(オランダ・WR9位)らの中堅選手を連続で降し3位に入っている。

■組み合わせ

第1シードがランキング5位の田知本、第2シードが同9位のボルダーということでわかるように、トーナメントの最大到達点レベルはさほど高くない。19人のうち18人がランキングポイントを持っているが粒が揃っているとはいえず、面子は「グランプリ以上、グランドスラム未満」とでも言ったところ。

【Aブロック】
第1シードの田知本の山。2回戦はダヴィドバ(ロシア・WR68位)でこれは問題なく、次戦の準々決勝はシエレ(ドイツ・WR19位)とバービエリ(イタリア・WR19位)の勝者との対戦となる。シエレはしぶといが技が切れるタイプではなく、つきあい過ぎずに、一手目から技出しまでのプロセスを早く踏むことが必要。とはいえ実力的にここは問題にならないだろう。

【Bブロック】
シード選手はズパンシック(カナダ・WR11位)、対抗として配されたのはパスケ(フランス・WR12位)。上野は初戦を勝ち上がると2回戦でズパンシックと対戦するが、この面子なら勝ち上がりの可能性は十分。準々決勝で田知本と対戦し、講道館杯に続いて連勝を果たしたいところ。

【Cブロック】
シード選手はボルダー。2回戦で今井、準々決勝はマルゾック(ドイツ・WR18位)ということになる。今井は大チャンス、逆にここを勝ちあがれないようでは以後の国際大会派遣の意義を問われる。講道館杯で見せた、内股を軸とした波状攻撃に期待したい。

【Dブロック】
シード選手はロブラ。初戦は大野陽子と対戦するが、大野は11月のグランプリアムステルダムでこのロブラを開始早々の内股「一本」で片付けている。勝ち上がりは濃厚、準々決勝ではブランコ(スペイン・WR14位)、ツェンドアユシュ(モンゴル・WR26位)と対戦するが、平均点の実力を出せば勝利の可能性大、入賞の大きなチャンスだ。

【準決勝-決勝】
日本の弱点とされる70kg級だが、さすがにこのメンバーであれば準決勝での日本人対決は濃厚だ。顔合わせは田知本-上野、ボルダ-もしくは今井-大野ということになる。

田知本-上野は講道館杯では上野が地力で押しこみ、かつ結果も手にする(大内刈「有効」)という形で勝利した。明暗を分けたのは組み手の一手目。とかく焦れると過程を飛ばそうとして雑になっていく田知本に対して上野はコツコツこれを続ける根気がある。田知本が自分の力が出るようにキッチリ形を踏めるかどうかが一つのカギになるだろう。

逆側の山は今井-大野となった場合今井がやや有利。パワー十分の両者だが、技を出せる形の多い今井、組み勝ってからの技出しにやや時間のかかる傾向がある大野という構図になる可能性が高い。今井ではなくボルダーが出てくるようであれば大野の決勝進出の可能性はかなり高くなる。

78㎏級
最大の山は準決勝、緒方-佐藤戦に世界の注目集まる


■階級概況・有力選手

五輪レースはパリ世界選手権で銀メダルを獲得した緒方亜香里(筑波大3年・WR2位)の独走状態だったが、負傷から復帰した佐藤瑠香(コマツ・WR20位)が講道館杯で緒方に勝って優勝したことで一気にこの階級はわからなくなってきた。

負傷前の佐藤は緒方と2枚看板、東京世界選手権の前哨戦だったグランドスラム・リオ(2010年)も優勝しており世界の注目の的だった。2人の五輪レースはこの大会から仕切りなおし、金メダル争いに絡む両者の戦いぶりは海外勢から見ても階級最大の話題と言えるだろう。

大会には、参戦予定だった王者チュメオ(フランス)が負傷のため遠征取りやめ。しかしランキング3位のアギアール(ブラジル)に東京世界選手権王者のハリソン(アメリカ・WR4位)らが参戦し、レベルは高い。

■組み合わせ

【Aブロック】
第1シードの緒方の山だが、低ランキング選手の悲しさ、ここに池田ひとみ(自衛隊体育学校・WR38位)と岡村智美(コマツ・WR13位)と日本人が集中してしまった。5人のうち3人が日本人、この階級が日本の「弱点」であること、層の薄さがあらためて浮き彫りになった組み合わせと言えるかもしれない。
勝ち上がり候補はもちろん緒方だ。

【Bブロック】
シード選手のプレフジャルガル(モンゴル・WR7位)に初戦で佐藤がマッチアップ。勝てば準々決勝はウォラート(ドイツ・WR8位)との対戦となるが、より厄介なのはパワーのあるプレフジャルガル。初戦集中だ。

【Cブロック】
シード選手はアギアール(ブラジル)。準々決勝で対戦が濃厚なジョンギョンミ(韓国・WR10位)、マルザン(ドイツ・WR14位)と力関係に決定的な差はなく、僅少差の勝負が予想される。

【Dブロック】
シード選手はハリソン(アメリカ・WR4位)。波のありすぎる選手だが、高ランキングが生きて対戦相手はカナダの無名選手とロウテ(フランス・WR9位)、ヴェレンセク(スロベニア・WR15位)の勝者と比較的楽。勝ち上がりはハリソンだろう。

【準決勝-決勝】
緒方-佐藤が争う準決勝の勝者が優勝する可能性が非常に高い。
両者は講道館杯で「ド突き合い」そのものの激戦を演じ、緒方が支配した試合を佐藤が、返し技一発でひっくり返すという小差で佐藤が勝利したばかり。
互いに奥襟を得たい展開で、講道館杯で組み勝ち、相手のスタミナを奪ったのは緒方だった。ポイントに近い技を連発して相手を崩していたのも緒方。大きな上積みがない限り、今大会は緒方が若干有利だろう。

とはいえ、どの階級にも言えることだが、続けて勝つということがもたらすアドバンテージは計り知れない。まだ一歩緒方が有利な五輪レースだが、前回「敗戦した」という事実が試合展開にもたらす陰影、これが大きなカギになるかもしれない。

78㎏超級
表彰台独占狙いたい日本、最大の敵はポラウデル


■階級概況・有力選手

トウブンがドーピングによる出場資格停止で不在だった昨年の東京世界選手権で日本の杉本美香(コマツ・WR4位)が78kg超級と無差別の2階級を制覇、日本勢が世界を席巻した。
そしてトウブンは今年2月の復帰後出場全ての大会を優勝、日本勢の成績は一気に暗転、もちろん対トウブン戦は全敗である。
というわけで、グランドスラム、グランプリ、ワールドカップにワールドマスターズと4カテゴリある現行の国際大会だが、日本勢にとって78kg超級の国際大会は実は2種類しかない。ひとつはトウブンの出る大会、もうひとつはトウブンの出ない大会だ。

そして今大会は「トウブンの出ない大会」。日本勢の採るべき道は当然上位独占しかない。
日本代表はランキング1位の田知本愛(ALSOK)と杉本のエース格2人に、田知本と東海大同期で2枚看板だった市橋寿々香(大阪府警)、実績なしで世界無差別選手権に抜擢され、今回も潜在能力を買われて起用された橋口ななみ(近畿大3年)という布陣。地元開催の地の利も駆使して表彰台独占を狙う。

■組み合わせ

出場選手僅か13人という寂しい階級。出場選手も常連ばかりで互いに実力もやり口も割れており、日本は真剣に表彰台独占を狙わなければならない。

【Aブロック】
第1シードは田知本で初戦がいきなり準々決勝。相手はブランコ(ベネズエラ・WR30位)とタンゴレ(イタリア・WR38位)の勝者で、これは勝敗の可能性を云々するレベルの相手ではない。有無を言わさぬ「一本」で勝ち上がるべきところだ。

【Bブロック】
シード選手は「圧力ファイター」キム・ナヨン(韓国・WR5位)。キムも初戦が準々決勝で、対戦相手はオルティズ(キューバ・WR7位)と橋口のいずれかだ。
キムはトップ選手と僅少差の「指導」の取り合いを演じて上位入賞するかと思うと、前週のワールドカップ済州のように全くの無名選手と泥沼の試合を繰り広げ敗退することもある選手。強いのか弱いのか判然としないところがあるが、済州の結果を見る限り「強くない」ことだけは確かのようだ。技が全くなく、消極的圧殺による「指導」が唯一の武器のキム。日本勢は地元でキムに優勝の栄誉を与えるわけにはいかない。
橋口は初戦がオルティズという厳しい組み合わせだが、ここは頑張ってもらわねばならない。なにしろ学生王者で講道館杯2位、成長著しい山部佳苗(山梨学院大3年)を押し退けて、しかも講道館杯では中学生の朝比奈沙羅(渋谷教育学園渋谷中3年)に一本負けするという大失態を演じながらの抜擢である。1回戦敗退では強化陣にも申し訳が立たないであろう。

【Cブロック】
第2シードのポラウデル(スロベニア・WR3位)の山。ポラウデルは超級の中では抜群に柔道が上手く、トウブンを除けば一番の難敵。初戦で日本が送り込む刺客は市橋でこれはなかなかの好カード。勝者は準々決勝でアドリントン(イギリス・WR29位)との対戦が濃厚。

【Dブロック】
シード選手は杉本。初戦は準々決勝で相手はブライアント(イギリス・WR17位)が濃厚。取り立てて突き抜けたところのある選手ではなく、しっかり組んで相手を動かす杉本の柔道ができれば敵にはならないだろう。

【準決勝-決勝】
田知本は技出しが遅い傾向にあり、キムはそもそも技がない。よって膠着に陥ることが多かった対戦だが、4月のアジア選手権団体戦ではついに投技によるポイントを挙げて勝利することに成功している。止まった状態ではなく、崩した状態、動きの中で仕掛けていくことがポイント。
逆側の山はポラウデル-杉本か。杉本は動きも切れ、むしろ軽重量級タイプの選手を苦にしない。ここは杉本が決勝に進むと見る。田知本-杉本に日本人決勝に期待したい。






※eJudo携帯版「e柔道」12月10日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る


supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.