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講道館杯全日本体重別選手権マッチレポート 最終日男子

2011年12月6日


※eJudo携帯版「e柔道」11月19日掲載記事より転載・編集しています。

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講道館杯全日本体重別選手権マッチレポート
最終日男子(60㎏、66㎏、73㎏級) 1/3


60㎏級
川端龍が優勝
高校生高藤直寿は平岡破って2位の衝撃デビュー


11年11月13日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・1回戦・高藤直寿
写真:1回戦、
高藤直寿は右田晃介を圧倒的に攻める
大会最大の焦点は、10年高校選手権とインターハイ、今年度はインターハイ、全日本ジュニア、世界ジュニアと各カテゴリで規格外と言っていい圧倒的な強さを見せて優勝してきた高藤直寿(東海大相模高3年)がシニア大会でどこまでやれるかだ。

おそらく初めて高藤を見るであろう観客も多い中、試合が始まると高藤はあっという間にその心をつかまえた。
初戦で学生の強豪・右田晃介(国士舘大4年)を小内刈「有効」に「指導3」で降して肩慣らしを終えると、2回戦では昨年グランドスラム東京2位の志々目徹(日体大2年)を小外刈「一本」(1:32)で一蹴。
さらに準々決勝ではなんと今季選抜体重別2位で実業個人優勝、代表レースでも好位置につける石川裕紀(了徳寺学園職)をあっさり掬投「一本」(2:52)に屠り去り場内は唖然。とかく実力派の中堅選手が選手同士の相性の良し悪しに嵌り、競技成績的にはドングリの背比べに陥りがちなシニアの中に飛び込んでも完全に「頭ひとつ上」と評して差し支えない衝撃的な強さを見せ付けて準決勝進出。いよいよパリ世界選手権銀メダリスト平岡拓晃(了徳寺学園職)との大一番を迎えた。

平岡はここまで2回戦で宮本拓実(国士舘大2年)から小内刈「有効」と背負投「技有」を奪っての優勢勝ち、準々決勝は学生2位の廣瀬裕一(日本大4年)から小内刈「一本」(3:31)という勝ちあがり。

11年11月13日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・準決勝・平岡拓晃-高藤直寿
写真:平岡-高藤の準決勝。
格上の平岡はやや様子見といった立ち上がり
平岡右、高藤は左組みのケンカ四つ。
両者釣り手一本での組み手争いからスタート。高藤は左内股、応じた平岡は釣り手を大きく振っておいての巴投を見せるが高藤これは余裕を持って捌く。
1分、平岡右釣り手で相手の左袖を殺して押し込むが高藤そのまま袖を流して左内股を仕掛け、この展開を切る。平岡は得意の連続攻撃を見せず、やや様子見といった立ち上がり。

11年11月13日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・準決勝・一本
写真:高藤得意の左小内刈が炸裂、
「一本」
2分を過ぎ、平岡、高藤お互いに巴投を打って立ち上がった直後、試合は大きく動く。お互いに横移動、平岡が高藤の引き手側に滑ってきたところに高藤得意の左小内刈が一閃。予想より一間速かったか平岡はリアクションを取れず、キメの強さが特徴のこの技を受けきれない。観客が息を呑む間もほとんどなく平岡背中から畳に突き刺さり「一本」、2分28秒。高藤は「やってやった」とばかりに会心の笑顔。平岡は唖然、場内は騒然。

平岡は様子見、一方失うもののない高校生の高藤は思い切り攻めたというバックグランドの差はあったものの、反撃の機会を与えず一発で平岡の首を斬りおとした高藤はやはり怪物。高藤は右田、志々目、石川、平岡という極めて厳しい組み合わせを3戦「一本」という抜群の成績で決勝進出、平岡は3位決定戦へと回ることとなった。

11年11月13日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・準決勝・川端龍
写真:準決勝、
後輩の松木武志を相手に攻め込む川端龍
もう一方の決勝進出者は川端龍(国士舘大4年)。こちらは2回戦を不戦勝、3回戦は宇城裕二(天理大4年)から巴投「一本」(0:14)、準々決勝で前戦で第2シードの山本浩史(日体大4年)を破って意気揚がる柴田大地(大阪産大4年)から背負投「一本」(0:56)、準決勝で松木武志(国士舘大3年)からGS僅差3-0で勝利して決勝へと駒を進めた。

11年11月13日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・決勝・高藤直寿の有効
写真:決勝、
高藤が横落「有効」で早くも先制
決勝は高藤左、川端が右組みのケンカ四つ。
開始早々に高藤が横落に飛び込むが川端これを捌いて横三角を狙い「待て」。
30秒、高藤が組み際の左小内刈を仕掛けたところに川端巴投に体を捨てるが、これは露骨な回避行動で、川端に偽装攻撃の「指導1」が与えられる。

高藤は釣り手を外から回し、両者引き手を争いながらの攻防。川端が片手の右背負投を見せるが高藤崩れず。1分13秒に高藤が再び横落。川端なんとか伏せるが高藤動きを止めずにこれをめくると川端の体が返り「有効」。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・決勝・高藤直寿が加点
写真:高藤は左袖釣込腰「有効」で加点、
圧倒的に攻める
勢いを得た高藤、右小内巻込の形で相手を押し込むと即座に相手の体を抱え挙げて背中に乗せる。掬投を狙った形のまま乗せられてしまった川端、高藤の背中から降りんと暴れるが高藤そのまま左回りに体を捨てて、袖釣込腰「有効」、1分40秒。
早くも2つのポイントをリードし試合は一方的な高藤ペース。以降も高藤は動き良く左背負投などで攻め、川端はスピード勝負を峻拒、圧を掛けながらこれを凌ぎ続ける。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・決勝・逆転
写真:川端が
右小内刈「一本」で逆転勝利
試合の興味は高藤の次の技がいつ飛び出すか、はたまたどのようにリードを保ったまま試合を終えるかというところに移る段階だったが、ここで川端が意地を見せる。
組み際に突如スピードアップすると釣り手一本で奥襟を握りながら深々と飛び込みの右小内刈。高藤がこれを引き抜く暇もあらばこそ、深く絡めた刈り足を振り上げながら左腕で高藤の右脚を取り一気に決めに掛かるとほとんど時間差なく高藤の背中は畳に叩きつけられ「一本」。逆転優勝の川端はガッツポーズ、やや間を置いて立ち上がった高藤は悔しそうな表情。大学4年生の川端が講道館杯初制覇を決めた。

「松本人志がライバル」と公言する「お笑い系志向」の川端は勝利者インタビューでも「顔がベスト16くらいなので柔道だけは優勝したいと思った。(高藤選手は?)強いですねー!」と爆笑会見。「誰が見ても川端ノリノリやなー、みたいな柔道がしたかった」と試合を振り返った。一方の高藤も「五輪は難しいと思うが、選考を悩ます存在になりたい」と自信溢れるコメント。平岡が独走態勢に入りつつあったこの階級は若手の台頭で非常に面白くなってきた。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・決勝・悔しそうな高藤直寿
写真:決勝で敗退し悔しそうな表情の高藤
さて、優勝は川端だったが、この日の主役は高藤と誰もが認めるところだろう。スピードとパワー、全方向に「一本」を狙える技のバリエーションと切れ味、そして世界ジュニア帰国後3日、時差ボケで「ウォーミングアップもほとんどできなかった」状態でここまでのパフォーマンスを見せるタフネスぶりと何もかもが規格外。その姿は数年前に若い平岡が「ポスト野村」として台頭してきた姿とかぶる。

篠原信一監督も「こういうギラギラした試合を他の選手にもしてほしい。このまま五輪で金メダル獲って欲しいくらい。高藤金メダル、いいじゃないですか!」と嬉しさを堪えきれないという風情で大笑い。グランドスラム東京にも選出された高藤が海外選手を相手にどのような試合をするか、必ず再戦することになる平岡とどう戦うか、いまから楽しみは尽きない。
3位には平岡と石川が順当に入賞。
ほか、第2シードの山本浩史は前述のとおり3回戦で柴田大地に敗退。「指導2」を失った末足取りの反則を犯すという完敗で、敗者復活戦にも進めず。

昨年グランドスラム3位、今季学生体重別を制した木戸慎二(日体大3年)は準々決勝で松木武志に肩車「有効」で敗退、3位決定戦は平岡にGS巴投「有効」で破れ入賞には至らず。

世界カデ選手権優勝の大島優磨(国士舘高2年)は1回戦でもとインターハイ王者黒瀬遼(桐蔭横浜大4年)に合技「一本」で早くもシニア初勝利を挙げたが2回戦で石川に僅か14秒、内股で放り投げられ一本負けで大会を終えている。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・60㎏級・優勝・川端龍
写真:優勝の川端龍。
インタビューの受け答えの軽妙さでも会場を沸かせた
【入賞者】
優勝:川端龍(国士舘大4年)
準優勝:高藤直寿(東海大相模高3年)
3位:平岡拓晃(了徳寺学園職)
3位:石川裕紀(了徳寺学園職)

川端龍選手のコメント
「顔がベスト16くらいなんで柔道だけは優勝したいなと思いました。高藤選手は強いし、自分は技がないんで、とにかくチャンスを持っていました。きょうは誰が見ても川端ノリノリやなー、と思えるような柔道をしたかった。決勝の小内刈は練習の賜物。あんなにうまく行くことはなかなかないです。学生体重別でケガをして、3日前くらいからようやく練習復帰。ぶっつけ本番みたいな感じで吹っ切れたのが良かったのではないかと思います。とりあえず次の試合を頑張ります」

高藤直寿選手のコメント
「悔しい。組んだ瞬間勝てると思ったのがいけなかった。俺のほうが強いと思ったら逆に投げられてしまいました。あんなに綺麗に一本取られたのはいつ以来か、覚えがないです。去年の講道館杯は1回戦負けで、この大会でなんとか戦える自信がつきましたが、決勝で負けたので満足はしていません。平岡さんは憧れの選手で試合が出来るのを本当に楽しみにしていました。組んだときはいけるかなと思いましたが、どんな技が来るかわからないのでとにかく自分の得意の技を掛けていこうと思っていました。
世界ジュニアから戻ってきたのが9日夕方(試合は13日)で、時差ボケがなおらず体調はよくなかったですが、気持ちは吹っ切れて戦えました。緊張もなかったです。ロンドン五輪はポイントもないので無理だと思いますが、選考を悩ませるような存在になりたいです」

【準決勝】
高藤直寿(東海大相模高3年)○小内刈(2:28)△平岡拓晃(了徳寺学園職)
川端龍(国士舘大4年))○GS僅差3-0△松木武志(国士舘大3年)

【3位決定戦】
平岡拓晃○GS有効・巴投△木戸慎二
石川裕紀(了徳寺学園職)○GS僅差2-1△松木武志

【決勝】
川端龍○小内刈(2:34)△高藤直寿


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