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講道館杯全日本体重別選手権マッチレポート 初日男子

2011年12月2日


※eJudo携帯版「e柔道」11月15日掲載記事より転載・編集しています。

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講道館杯全日本体重別選手権マッチレポート
初日男子(81㎏、90㎏、100㎏、100㎏超級) 1/4


81㎏級
長島啓太が川上智弘との攻め合い制して初V、代表2名は早々に敗退


11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・81㎏級・3回戦・大内刈を捌く高松正裕
写真:3回戦、吉井健の大内刈を捌く高松。
敗者復活戦に姿を現さず棄権負けとなった
唯一パリ世界選手権代表以外からのロンドン五輪代表選出が有り得る大混戦階級。ナショナル強化選手の代表権防衛、シニア強化選手の代表争い参戦、若手の「成り上がり」など様々な思惑が交錯したトーナメントは序盤から荒れる。

まずナショナル強化選手の中井貴裕(流通経済大3年)が3回戦敗退。2回戦の宇都宮光樹(筑波大1年)戦は「指導2」で勝ち上がったものの、この試合では海老泰博(旭化成)を相手に中盤の背負投「一本」に沈み敗者復活戦にも進めず。ナショナル強化選手の疲労は首脳陣も織り込み済みとは言え、投技による一本負けは歩留まりの良さ、安定感という自らのアピールポイントを失いかねないもの。五輪に向け痛い一敗だった。

もう1人の世界選手権代表、第1シードの高松正裕(桐蔭学園高)も準々決勝で姿を消す。2回戦で山邊章平(東海大3年)には「指導2」優勢勝ち、3回戦は学生の強豪吉井健(明治大4年)に攻め込まれながらも奇襲の右腰車「技有」でなんとか勝ち上がったが、迎えた準々決勝は長島啓太(日本中央競馬会)を相手に「指導3」を失った末、残り3秒の出足払で「一本」を奪われるという完敗。
高松は敗者復活戦に回ることとなったが、試合場に姿を現さず。呼び出しのアナウンスが何度も流れ続ける中、棄権負けが決定した。この時既にジャージ姿でアリーナ外を歩いていた高松に対し、首脳陣は「勝手に棄権した」(篠原信一監督)と判断。高松はグランドスラム東京の代表から外され、ロンドン五輪出場の可能性は限りなく小さくなった。

実業個人優勝、戦前評が非常に高く首脳陣の期待が高かった花本隆司(京葉ガス)もミッション失敗。初戦は青木一馬(防衛大4年)をあっという間に背負投「有効」に内股透「一本」で片付け鋭い動きを披露、山場と見られた3回戦の松本雄史(兵庫県警)戦も掬投「有効」で勝ち上がって順調だったが、準々決勝、海老泰博(旭化成)との「稽古で強い選手」同士の対決は、背負投「一本」で海老に軍配。失意のうちに迎えた敗者復活戦では塘内将彦に小外掛「技有」で敗れて3位決定戦にも進めず、「ありうる」と噂された五輪代表への道は完全に閉ざされた。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・81㎏級・準決勝・長島啓太
写真:準決勝、長島啓太が春山友紀から
左小内刈で「技有」を奪う
決勝に進んだのは昨年の学生王者・長島啓太(日本中央競馬会)と、選抜体重別2位のホープ・川上智弘(國學院大4年)。

長島は初戦でうるさい佐藤雄哉(国士舘大2年)を内股「一本」で一蹴、3回戦は豊田純(日体大1年)を上四方固「一本」、準々決勝は前述の通り高松を圧倒的に攻め込んで「指導3」奪取の末の出足払「一本」、準決勝は春山友紀(国士舘大3年)から「指導2」を奪った末、内股から変化しての小内刈「技有」で完勝。動きの良さ、仕掛けの早さとしつこさでノーシードから勝ち上がっての決勝進出。

一方の川上は第3シード。出だしは2回戦で田上康太(大分刑務所)に「指導2」勝ちとややもたついたがここからが凄い。3回戦で今期学生王者の小林雅司(日体大4年)を1分17秒の大内刈「一本」で片付け、準々決勝も塘内将彦(旭化成)を小内刈で畳に突き刺し「一本」、準決勝は海老泰博から3分32秒に背負投で「技有」を奪っての優勢勝ち。こちらも周囲と一段違う力を見せて決勝進出を決めた。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・81㎏級・決勝・めまぐるしい攻防
写真:川上が掬投から抱きつきの右小外刈、
長島はこれを支釣込足に切り返すめまぐるしい攻防
決勝は長島、川上ともに左組みの相四つ。
両者とも一手目の引き手と、奥襟の奪い合い。奥襟を得たほうが相手の頭を下げさせて攻撃に移るという展開。長島は左内股に大内刈、川上も大外刈を2連発と激しい攻めあいのまま1分が経過。

川上が釣り手から先に叩くと、応じた長島は釣り手で川上の肩越しに奥襟を取って頭を下げさせる。川上、「標準的でない組み手」と見てすかさず右手で長島の足を取って掬投に移行、長島が腰を遠ざけて踏みとどまったと見るやズボンを握ったまま抱き付いて右小外刈に変化。釣り手で長島の首を決め、足を高く刈りあげてこれを決めに掛かるが、ピンチと思われた長島その釣り手を下から引き手で持ち上げ、自身の釣り手で川上の首を制し、左支釣込足の形でこれを回して川上を叩き伏せる。川上は辛うじて身を捻って伏せノーポイント。双方極めて動きが良い。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・81㎏級・決勝・足車
写真:川上が組み際に左足車。
長島大きく宙を舞うが伏せて着地してノーポイント
川上が引き手で脇、釣り手で奥襟を叩いて左小内刈に左大外刈を放てば、長島も左大内刈を連発して対抗。川上、あるいは引き手を抱きこんで横変形を選択し足技で攻め、あるいは引き手で襟、釣り手で奥襟を握って長島を寄せる。2分40秒、長島がこれを嫌って川上の引き手を切ったところに川上飛び込んで右の一本背負投を見せるが不発。

3分11秒には長島が片襟の左大内刈。「待て」の直後、川上組みつきながらの左足車で長島を伏せさせる。

お互いキビキビとした動きで激しく攻めあう好試合、互いに攻め込み切れないものの、発する匂いは「膠着」ではなく「決着」の予感。試合はそのままGS延長戦へと突入した。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・81㎏級・決勝・大外刈
写真:川上の左大外刈。長島余裕を持って捌くが、
直後長島に「指導1」
延長はまず川上が奥襟を得て長島をひきずり動かして左内股、長島は伏せて耐える。
長島も組み付きながらの内股で対抗、川上大内刈で対抗して展開を渡さず。
40秒過ぎから川上が激しく前へ。長島守勢となり、1分過ぎに川上が組み際に釣り手で相手の左襟を持ちながらの左大外刈。長島の膝を捕まえて刈り足を上げ、決めにかかるが上体へのプレッシャーが足りず、長島立ったまま体勢を保ち、「待て」。
直後のGS1分9秒、長島に「指導1」。ついに僅かではあるが試合は動く。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・81㎏級・決勝・大内刈で有効
写真:長島、ケンケンの左大内刈、
一旦伏せかけた川上を強引にめくって「有効」
ところがこの再開直後にドラマ。この「指導」失陥で腹が決まったか、長島が組み付きながらの左大内刈。一段ギアを上げたこの飛び込みに対処が遅れた川上に対し長島はケンケンでこれを場外付近まで追いかける。川上必死に身を捻り、刈り足を抜いてほとんど伏せかけるが、長島は後ろ襟を握った釣り手を畳に突き刺すようにコントロールしながら川上の体をめくり上げる方向に体を捨ててこれを決めきり、「有効」。
これで試合は決着。攻め合いを制した長島がうれしい講道館杯初優勝を成し遂げた。

決着へのトリガーを引いたのは前述の通り直前の「指導」であったことは疑いがない。互いに角を突き合わせるような積極的な試合が続いたからこそ、「指導」という僅かな介入で試合が大きく動いた。消極的姿勢に対する「指導」が果たすべき役割、審判介入の本義を果たしたジャッジであったと言える。この展開上の「揺れ」に鋭く反応した長島、直後の最も試合が動くはずの時間帯のリスク管理が甘くなった川上、この一瞬の差が勝負を分けた試合だった。

いずれ川上、長島とも動きの良さ、結果、勝負を挑み続ける姿勢と少なくともこの日に関しては文句なしのナイスパフォーマンス。2人ともに順当に選出されたグランドスラム東京に一層の期待が掛かる。

11年11月12日講道館杯全日本体重別選手権大会・81㎏級・優勝・長島啓太
写真:優勝の長島啓太
【入賞者】
優勝:長島啓太(日本中央競馬会)
準優勝:川上智弘(國學院大4年)
3位:永瀬貴規(長崎日大高3年)
3位:春山友紀(国士舘大3年)

長島啓太選手のコメント
「優勝出来てうれしい。出だしは良かったが、後半下がったりする場面もあって課題が見つかりました。またしっかり稽古しないと。去年学生王者でこの大会に出て、1回戦で川上選手に負けたので決勝は借りを返すつもりでやりました。決勝は圧力負けしたり自分の悪いところが出ましたが、「指導」が来たので、返されても良いと思い切って技に入りました。国際大会で使って貰えたら、しっかり結果を残したいと思います」

【準決勝】
長島啓太(日本中央競馬会)○優勢[技有・小内刈]△春山友紀(国士舘大3年)
川上智弘(國學院大4年)○優勢[技有・背負投]△海老泰博(旭化成)

【3位決定戦】
永瀬貴規(長崎日大高3年)○優勢[指導3]△海老泰博
春山友紀○縦四方固△塘内将彦(旭化成)

【決勝戦】
長島啓太○GS有効・大内刈△川上智弘(國學院大4年)


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