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講道館杯全日本柔道体重別選手権大会展望 最終日

2011年11月12日


※eJudo携帯版「e柔道」11月10日~11日掲載記事より転載・編集しています。

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講道館杯全日本柔道体重別選手権大会展望 最終日
1/2


60㎏級
主役は平岡、山本、最大注目は高藤直寿!


【有力選手×階級概況】

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写真:世界選手権銀メダル、
打倒ソビロフに最も近い
位置につける平岡
ご苦労様というほかはない。09年ロッテルダム世界選手権以降フル稼働、数度の大きな負傷にも強化陣の理不尽とも思える激に応えて常に早期復帰、主要大会ほぼ全てへの参加を続けてきたパリ世界選手権銀メダリスト・平岡拓晃(了徳寺学園職)が五輪一次予選の今大会から早くも出場する。
二番手の山本浩史(日体大4年)が台頭する中、今のところ国内では圧倒的な力を見せ続けており、今大会も順当であれば優勝はほぼ確実。ソビロフ(ウズベキスタン)が独り勝ちの様相を見せ始めた60kg級戦線、できれば代表候補にはジックリ力を養って欲しいこの時期、勝敗はもちろん怪我なくシーズンを終えてもらいたい。

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写真:内股の切れ味は
国内随一の山本
二番手は前述の山本浩史。ここまでが五輪出場枠に絡みうる選手だが、こちらはメダルなしに終わった世界選手権の結果を受け、平岡への「挑戦者」の地位を確保し続けるには今大会の勝利、最低でも決勝進出は必須条件。昨年学生優勝、今期選抜体重別2位、実業個人優勝の石川裕紀(了徳寺学園職)が存在感を増しているだけに、ここで突き放しておかねば平岡追撃は覚束ない。

山本の地位を虎視眈々とねらうのが「ビックリ背負い」ファイター石川裕紀と、昨年野村忠宏(ミキハウス)をこの大会で破って名を挙げた志々目徹(日体大2年)。石川は現在山本に直接対決2連勝中、実績を積み上げればその座に取って変わることは難しくない。志々目は世界選手権代表の目を残しながら選抜体重別で惨敗、やや存在感が薄れたが今大会で結果を残し、ロンドン以降の代表レースをアドバンテージを持って迎えたいところだろう。

そして今大会最大の話題は、今期インターハイ、全日本ジュニア、世界ジュニアとジュニア以下のカテゴリを総ナメにしてきた高藤直寿(東海大相模高3年)の参戦。抜群の運動神経とスピードをベースに担ぐ、跳ねる、払う、刈る、捨てると全方向に「一本」を獲れる大技を持つ高藤を今期止めえた選手はこれまで皆無。既にジュニアカテゴリ相手ではその実力を測りかねるこの高藤がシニアの強豪を相手にどこまでやれるか。講道館杯最大の注目ポイントのひとつだ。

【トーナメント】

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写真:階級最大の話題は
世界ジュニア王者高藤の出来
[Aブロック]
第1シードはもちろん平岡。準々決勝での対戦相手候補には西尾亨祐(天理大3年)、廣瀬裕一(日本大4年)、駒杵嵩大(東海大2年)と学生の強豪が名を連ねるが、平岡とはまだ一段も二段も力が違う印象。ここは無風だろう。

[Bブロック]
シード位置には志々目。
そして階級最大の注目を浴びる高藤はその隣の山に配された。対戦相手はまず右田晃介(国士舘大4年)、そして志々目、勝つことができれば石川という、はっきりキツい、試練の配置だ。
順当なら石川と志々目が準々決勝を争うことになるが、少なくともジュニア以下の高藤の戦いぶりには年齢差や階級の序列をひっくり返すのではという勢いがあった。注目ブロックである。

[Cブロック]
シード位置に山本。Bブロックとは対照的にここの配置は比較的緩やか。川端龍(国士舘大4年)と実業2位の竪山剛(鹿児島情報高教)の勝者が準々決勝で山本と矛を交えることになるだろう。

[Dブロック]
シード位置は松木武志(国士舘大3年)。実業3位の山岸将大(J-ROAD)、昨年グランドスラム東京3位で今期学生王者の木戸慎二(日体大3年)、矢野大地(パーク24)らとベスト4を争う。

[準決勝-決勝]
Bブロックの石川・志々目に高藤、それにDブロックの木戸-松木というブロックが読みがたいが、まずまず平岡-山本の決勝対決は堅いところ。
かつては平岡が小内刈で脳震盪を起こさせた(09年グランドスラム東京)ほど実力差のあったこのカード。半分オフシーズンとはいえ、勝敗以上に春の再対決を睨んで2人の実力差、試合の様相の変化に目をこらして見守りたい試合だ。


66㎏級
海老沼追撃へ、世界王者森下が挑む第一関門


【有力選手×階級概況】

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写真:国内大会初制覇に挑む
世界王者・森下
森下純平(筑波大3年)、海老沼匡(明治大4年)と2大会連続で、それも若い世代から2人の世界選手権覇者を出した事実を持ち出すまでもなく、国内のこの階級は非常にレベルが高い。ジュニア、学生から実業団に至るまで各カテゴリに有望選手に強豪選手、実力者がミッシリだ。

しかしそれでも今大会最大のみどころは森下。

それは、柔道界の誰もが期待する来春の選抜体重別、海老沼との「世界王者同士による五輪代表決定戦」という垂涎カードが実現するかどうか、これに向けてこの講道館杯が第一関門となるからである。
なにしろ森下は国内でまだ一度も勝っていない。第二代表として参加した世界選手権東京大会で実力差を一発で覆す強烈な内股一本を武器に一気に優勝、以後「強者のオーラ」を纏うようになったとはいえ、良くも悪くも海外勢向き、やや不安定なその試合振りは実力者が揃う日本の66kg級では格好の的。いままでのような(国内での)試合を続けるようだと、選抜体重別にたどりつく頃には、試合前に勝負が決している状況、勝っても代表権を得られない陥穽に陥ってしまっていてもおかしくない。

柔道ファン以外の一般スポーツファンにも大きくアピールするはずの「海老沼-森下」戦実現に向け、今大会は是非ともしっかり勝ってもらいたい。大物食いを狙って実力者が次々に噛み付いてくるこの状況は、森下の力を一段確実に引き上げてくれるはずだ。

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写真:昨年のグランドスラム東京、
海老沼を腕挫十字固に仕留めた福岡政章
優勝戦線での対抗馬はなんといっても東京世界選手権で60kg級代表を務めた福岡政章(ALSOK)。昨秋の階級変更以降圧倒的な勝ちぶりの良さで快進撃を続け、海老沼にも関節技で2連勝。選抜体重別での失態(1回戦で高上智史に一本負け)がなければ確実にパリ世界選手権代表に選ばれていた強者である。スピードと組み手のうまさ、しぶとさ、そして階級変更以降はこれに一発の威力を盛って実力は国内随一。森下には「嫌な相手」では留まらない、まさに強敵だ。

ほか、選抜体重別2位で今期国際大会でも活躍した吉田惟人(東海大4年)、学生で3度目の優勝を飾った小倉武蔵(筑波大4年)、実業個人を好内容で優勝した青木勇介(パーク24)、前野将吾(東海大4年)、森下の同門同期の元ジュニア王者小寺将史(筑波大3年)、60kg級から転向の10年実業王者浅野大輔(自衛隊体育学校)、高上智史(日体大2年)、世界ジュニア王者の竪山将(鹿児島情報高3年)など有望選手は数多い。

【トーナメント】

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写真:選抜体重別2位の吉田惟人
[Aブロック]
森下がシード。準々決勝で前野か青木の勝者と対戦する。勢いから森下への挑戦権を得るのは青木か。
青木はスピード豊かだが比較的ガンガン打ち合うスタイルで近接戦闘を厭わないタイプのため、森下にとってはさほど相性の悪い相手とは思えない。勝ち上がりは森下だろう。

[Bブロック]
シード位置は吉田。このブロックは人材がやや薄く、逆側に配された高上にとっては今大会は出世の大チャンス。三原弘士(警視庁)戦をなんとか切り抜けて吉田に挑戦したい。
吉田-高上は実績と今期の経験値の上積みから吉田有利と見るべきだろうが、動きながら、相手に体勢を崩されながらでも技を打ち返す高上はこれをひっくり返す要素も十分持っている。面白い試合。

[Cブロック]
福岡のブロック。初戦でインターハイ王者高市賢悟(新田高3年)-正治和也(日本大4年)の勝者、引き続き準々決勝で浅野-小倉の勝者と対戦する。先手で技を出しながら一発を狙う小倉は簡単な相手ではないが現在の福岡ならばこれは勝ち上がるだろう。60kg級時代からお互いをよく知る浅野は要警戒。最終的な勝ち上がりは福岡と見る。

[Dブロック]
シード選手は小寺、準々決勝での対戦候補は清水健登(山梨学院大2年)、樋口真広(パーク24)にジュニアの竪山。ニューカマーの竪山は割り引くべきだが、残りの3人はいずれも好選手でここの勝ち上がり予想は非常に難しい。

[準決勝-決勝]
決勝は森下-福岡と見るのが順当。
手足の長い福岡は距離のコントロールが巧く森下には厄介な相手。加えて66kg級転向以後の福岡は圧力も半端ではなく、前に出るときの迫力とタイミングの見定めは特筆もの。受けて立ってしまうとどこまでも試合をコントロールされる可能性があるため、森下の活路は前に出ての思い切った攻撃だろう。試合中、福岡を内股で恐怖させることが出来れば試合展開も転がり込んでくるはずだ。


73㎏級
秋本啓之直前で欠場、グランドスラム東京の残り2枠目指す混戦


【有力選手×階級概況】

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写真:東京世界選手権
銅メダルの粟野靖浩
パリ世界選手権優勝の中矢力(東海大4年)は出場免除、第1シードには東京世界選手権金メダリストの秋本啓之(了徳寺学園職)が座っていたが大会前日に負傷による欠場が発表となりここにはポッカリと穴が開いた。
グランドスラム東京大会の出場枠は「4」。2枠は中矢、秋本で決まりとして、本大会はその残り2枠をめぐる戦いのみがクローズアップされることとなった。

有力候補は東京世界選手権銅メダリスト、今大会も第2シードの粟野靖浩(了徳寺学園職)、投げ技の切れ味抜群で首脳陣の評価も高い若手の西山雄希(筑波大2年)、実業個人2連覇の齋藤涼(旭化成)、学生体重別優勝の中村剛教(山梨学院大3年)。

粟野は昨年の世界選手権直後、ボロボロの状態でこの講道館杯に強行出場、ここでの敗退からやや低迷し8月のユニバーシアードではなんと2敗で入賞すら逃す失態。しかし10月のグランプリ・アブダビで2位入賞しどうやら体勢は整ってきた。この1年の「休養」を以後の猛ダッシュに繋げることが出来るか、この講道館杯は真価を問われる。

西山、齋藤の強さとポテンシャルはいわずもがなだがここへきて評価を高めているのが中村剛教。9月のワールドカップ・タシケントで肩甲骨にヒビが入り、稽古不能の状態で臨んだ10月の学生体重別では「一本」連発で優勝するというド根性を見せた。負傷の回復具合は気がかりだが、着実に地力が上がっている印象。決して天才肌タイプではないがその地力を利して勝ち上がりは抜群、出場叶うならば注目してみるべき選手。

【トーナメント】

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写真:大怪我を負いながら
学生体重別を制した中村
[Aブロック]
秋本欠場で穴が開いたブロックは榎本収(新田クラブ)と六郷雄平(明治大2年)の一騎打ちか。
榎本には土井健史(天理大1年)、六郷には太田慶一(東海大3年)と星光(日本学園高3年)が配されているがここはこの2人の戦いと見て間違いないだろう。過去、第1シードの直前欠場の山から入賞、国際舞台への活躍に繋げた選手は数多い。最近存在感の薄くなってきた榎本、売り出し中の六郷ともに大きなチャンスを得た格好だ。

[Bブロック]
シード選手は齋藤涼、準々決勝で戦うのは中村剛教。
中村の豪快な技はいずれも組み勝って相手を追い込んでの一発。力強く、かつ遠間近間を問わずガンガン技の出てくる齋藤にこの展開が作れるかがひとつのポイントだ。

[Cブロック]
粟野の勝ちあがりがほぼ確実。2回戦の金岡真司(警視庁)はやや厄介だが、星を落とす可能性は低いと見る。
逆側の山に配された世界ジュニア王者大野将平(天理大2年)は欠場。ここは81kg級から転向の橋本壮市(東海大2年)と住谷仁志(国士舘大3年)の学生2人が粟野への挑戦権を争う。

[Dブロック]
西山雄希のブロック。ここは逆側の山に大束匡彦(旭化成)という難敵がおり西山はシビアに今の実力を測られる形になる。

[準決勝-決勝]
C-Dブロック代表による準決勝、粟野と西山の対戦が事実上の決勝だろう。
西山は一発を持つが、線の細さと、背負い系に組み手でどうしても後手を踏む積年の課題がある。タイプ的には粟野に分があるが、西山にも粟野を恐怖させる一発がある。ともに「攻めだしたら止まらない」選手でもあり、一手目、組み手の組み立てが大きく勝敗を分けることになるのではないだろうか。

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