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全日本学生柔道体重別選手権大会 初日マッチレポート

2011年10月25日


※eJudo携帯版「e柔道」10月8日掲載記事より転載・編集しています。

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全日本学生柔道体重別選手権大会・初日マッチレポート
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平成23年度全日本学生体重別選手権大会は8日、東京・日本武道館で開幕。初日は男子が60kg級、66kg級、73kg級と81kg級、女子は63kg級、70kg級、78kg級、78kg超級とそれぞれ4階級の競技が行われた。

この日は当日になって60kg級世界選手権代表の山本浩史(日体大)が国民体育大会(10/2~10/4)での左膝負傷のため辞退することが判明。73kg級大野将平(天理大)、81kg級丸山剛毅(天理大)の世界ジュニア出場組も欠場することとなりスケールダウンの感は否めないこととなったが、各階級ともいずれ劣らぬ熱戦が展開された。

60㎏級
山本浩史は欠場、木戸慎二が待望の学生日本一獲得


11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・60㎏級・準々決勝・木戸慎二
写真:60kg級準々決勝、木戸慎二が西尾享祐から
大内刈「技有」を奪う
第1シードの山本浩史(日体大)が欠場、有力選手の1人である07年インターハイ王者黒瀬遼(桐蔭横浜大)も棄権、昨年講道館杯3位の川端龍(国士舘大)も3回戦進出の時点で棄権とやや荒れたトーナメントを決勝まで勝ち上がったのは木戸慎二(日体大)と廣瀬裕一(日本大)の2名。

昨年講道館杯3位、グランドスラム東京3位で名を売った木戸は今大会の第2シード。2回戦で荒殿大樹(鹿児島大)を僅か15秒の内股「一本」、3回戦は蓬田克也(東海大)を2分10秒縦四方固「一本」と好スタートを切ると、山場の準々決勝で10年全日本ジュニアチャンピオン西尾享祐(天理大)と対戦。
この試合は互いにノーポイントのままGS延長戦に突入する激戦だったが、GS2分3秒、木戸が組み際に左大内刈で食いつき、身を捻る西尾を逃がさずに決めきって「技有」奪取で勝ち上がり。

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・60㎏級・準決勝・廣瀬裕一
写真:準決勝、腰車で攻め込む廣瀬裕一
大きな山場を越えた木戸は準決勝で宇城裕二(天理大)から見事な掬投「一本」(2:44)を奪って勝利。4戦して3つの一本勝ちという好成績で決勝に進むこととなった。

一方の廣瀬はノーシード、1回戦からの登場。初戦は熊谷樹(金沢学院大)を「指導3」の優勢、2回戦は森田知徳(大阪体育大)から「指導3」と「有効」を奪って勝ち上がると、3回戦は河野海(岡山商科大)から内股「一本」(2:24)の快勝。準々決勝は柴田大地(大阪産業大)から「指導3」を奪った末に肩固で抑え込んでの総合勝ち、準決勝は宮本拓実(国士舘大)から「指導2」を奪って勝利して決勝へと駒を進めた。

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・60㎏級・決勝・内股で再三攻撃
写真:木戸は足を差し入れておいての
左内股で再三攻撃
決勝は木戸が左、廣瀬は右組みのケンカ四つ。

木戸開始早々から奥襟を叩いて廣瀬を振り回し気合十分。左内股を引っ掛けて廣瀬を伏せさせ、寝技を狙う。
これまで圧力の強さを利して勝ちあがって来た廣瀬、釣り手で木戸の肩裏を捕まえて寄せ、小外刈で前に出るが、木戸はこれをいなしながら脱出。釣り手を振って前に出、1分30秒には左小外刈からケンケンの左大外刈に繋ぐと、直後の1分11秒、廣瀬に「指導1」。

奮起した廣瀬、釣り手で再び肩裏を握り圧力を掛けるが、木戸下がりながらも左大内刈の形に足を差し入れ、ケンケンの左内股につないで攻撃継続。肩裏を握り続ける廣瀬の圧力が徐々に掛かり始め木戸は苦しいところだが、それでもこれをいなしずらしながらケンケン内股でこの形を脱出し攻撃を止めない。この攻勢が認められ、2分49秒、ついに廣瀬に「指導2」。

廣瀬なおも釣り手で相手の肩裏を掴んで寄せ、3分18秒には「待て」の後ながら抱きつきの小外掛で場外で木戸を放り投げるなど試合は予断を許さない。

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・60㎏級・決勝・内股で攻撃継続
写真:前に出る廣瀬に対し、
木戸は下がりながらも左内股で攻撃継続
しかし残り1分を過ぎると廣瀬に焦りが出始め、釣り手一本の右内股で攻めるもアドバンテージのある木戸は余裕を持ってこれを捌く。残り50秒を過ぎ廣瀬ガップリと奥襟を握る良い形を作るが、木戸下がりながらも足を差し入れてケンケン内股、さらに左小内刈で廣瀬を崩し伏せるとすかさず寝技に引き込んで時間を消費。これに「待て」が掛かった時点で残り時間は23秒。

木戸しっかり釣り手を突いて距離をキープ、廣瀬を近づけず残り時間を消費。前に出る廣瀬の釣り手を木戸がいなしたところで時間となり、木戸が「指導2」による優勢勝ちでうれしい学生体重別初制覇を成し遂げた。

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・60㎏級・決勝・涙の木戸慎二
写真:待望の優勝に思わず涙の木戸
決勝は圧を掛けられた状態、接近した状態からでもまず足を差し入れてケンケンの大内刈、内股という対抗手段があったことが大きく木戸を利した。下がりながら、いなしながらでも確実に攻撃につなげてくる木戸を前に廣瀬は相手をコントロールしながらも展開で後手を踏むことになり、終盤までこの構図を変えられなかった。

勝ち名乗りを受け、観客席の歓声に応えた木戸の顔は涙でグシャグシャ。「2番か3番ばかりで、今回はどうしても優勝したかった」とインタビュー中も感激の涙を流し続けた木戸を、同僚たちも笑顔で祝福していた。

木戸慎二選手のコメント
「ずっと2位か3位ばかりだった。今回ようやく努力の成果が出てうれしいです。自分は一流じゃないしセンスもない。持っている力でやるしかないと思っていました。いつも連戦で疲れてしまい準決勝あたりで「3位でいいかな」と思ってしまう自分がいましたが、今回は絶対に気持ちを切らずに戦い抜く覚悟でした。去年「今からでも遅くないから一流を目指そう」と考えたのが転機になりました。山本(浩史)に追いつけるように頑張りたいです」

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・優勝・木戸慎二選手
写真:優勝の木戸慎二選手
【入賞者】
優勝:木戸慎二(日体大)
準優勝:廣瀬裕一(日本大)
第三位:宮本拓実(国士舘大)
第三位:宇城裕二(天理大)

【準々決勝】
宮本拓実(国士舘大)○優勢[有効・背負投]△三木秀輝(天理大)
廣瀬裕一(日本大)○総合勝[指導3・肩固]△柴田大地(大阪産業大)
木戸慎二(日体大)○GS技有・大内刈△西尾享祐(天理大)
宇城裕二(天理大)○合技[小外刈・横四方固]△三枝智哉

【準決勝】
廣瀬裕一○優勢[指導2]△宮本拓実
木戸慎二○掬投△宇城裕二

【決勝】
木戸慎二○優勢[指導2]△廣瀬裕一


66㎏級
小倉武蔵が復活の狼煙、学生体重別3度目の制覇


11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・66kg級・3回戦・内村将大の右払巻込
写真:66kg級3回戦、内村将大が前野将吾から
右払巻込「技有」を奪いベスト8入りを決める
東京世界選手権の森下純平(筑波大)、パリ世界選手権の海老沼匡(明治大)と現役学生から2年連続で世界チャンピオンを輩出したこの階級は当然全体のレベルも高く、今大会も人材密集の激戦階級。

有力視された選手のうち序盤戦で脱落したのは昨年の講道館杯王者小寺将史(筑波大)と09年選抜体重別2位の前野将吾(東海大)の2名。
小寺は3回戦で正治和也(筑波大)に残り1分50秒で背負投「有効」失陥。残り時間を猛然と攻めたが正治を崩すには至らず優勢負け。
前野は2回戦では10年高校選手権王者白座康雄(山梨学院大)を内股「一本」で一蹴するなど順調だったが、3回戦で内村将大(同志社大)に背負投「技有」を奪われシナリオが狂う。「指導2」まで追いかけたが今度は払巻込「技有」を失うという完敗。合技「一本」で畳を去った。

決勝に進出したのは高上智史(日体大)と小倉武蔵(筑波大)の2名。

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・66㎏級・3回戦・高上智史の引込返
写真:3回戦、高上智史が引込返で攻める
高上は10年講道館杯3位、今年度選抜体重別3位と売り出し中の2年生。2回戦は白川周翼(日本文理大)を「指導2」の優勢、3回戦は伊場友哉(龍谷大)を開始32秒の背負投「一本」で勝ち上がると、準々決勝は小寺を降して勝ちあがって来た正治和也を背負投「一本」で降して準決勝進出。準決勝は昨年2位の第1シード、清水健登(山梨学院大)とGS延長戦にもつれ込む激戦となったが、開始早々の延長15秒の組み際に送足払で「有効」奪取。反射神経が売りの高上らしい鋭い技で見事決勝への切符を手にした。

一方の小倉は筑波大主将、昨年の講道館杯王者。この大会は1年次(08年)、2年次(09年)と優勝経験のある強豪だ。この日は2回戦で白川大雅(金沢学院大)を「指導2」の優勢、3回戦で下山徳大(明治大)を大内刈「有効」、準々決勝で松本元太(国際武道大)を背負投「一本」、準決勝ではこの日の台風の目・内村将大(同志社大)を2分17秒、鋭い小内刈「一本」に仕留めての決勝進出。

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・66㎏級・決勝・高上智史の右背負投
写真:高上が片手の右背負投。
序盤は双方不完全な技が続く
決勝は高上が右、小倉が左組みのケンカ四つ。
引き手争いが続き、高上が片手のみの右体落、小倉は襟を両手で握った「韓国背負い」で攻めるがいずれも不十分、小倉の技は回転の途中で高上に止められてしまう。
43秒、小倉が右手指を負傷して中断。一瞬小倉の指が変形したようにも見え試合続行が危ぶまれたが、これは指が攣っただけで小倉が指を伸ばしほぐして試合は再開。
一進一退の攻防も、小倉は左小内刈に大内刈と技を繰り出し、高上の右背負投は単発が多く試合はやや小倉優勢。2分42秒には引き出しの左小内刈で高上を大きく崩して伏せさせ、3分5秒には十分な組み手から左背負投を放つ。

小倉にやや疲れが見えた3分32秒、ついに高上に「指導1」。
奮起した高上、組み際に左一本背負投に深々と入り込みあわやという場面を作るが、これは小倉が伏せて逃れ「待て」。小倉も、残り13秒で両襟を掴んだ左背負投を仕掛け、振り回すように高上を崩すがここは高上なんとか踏みとどまって試合続行。

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・66㎏級・決勝・小倉武蔵の技有
写真:終了間際、小倉が燕返を合わせて
決定的な「技有」を奪取
ここで組み手は絞りあいとなり、お互い袖を掴んでしばし膠着。小倉はこの攻防で引き手をしっかり抱きこむ。直後、高上自ら左に一歩動いて相手を釣り出しながら得意の右送足払。小倉これに鋭く反応してヒラリと燕返を放つと、まともにこれを食った高上は跳ね上がって畳に落ち「技有」。小倉は間を置かず横四方固に移行、「抑え込み」が宣告される。既に試合時間が過ぎたことを悟った高上は戦意喪失、そのまま20秒が経過し合技「一本」で小倉が勝利を決めた。小倉の学生選手権制覇は2年ぶり、実に3度目。

決勝の燕返は、自らも動きながらこれを仕掛ける小倉の身体能力の高さ、センスに加え、直前に引き手を抱きこんでいた事前作りが大きく生きた一撃だった。66kg級は同期の海老沼、同門で一学年下の森下が世界王者という厳しい階級だが、小倉も大学1年次から国際大会に抜擢され続けた有望選手。この優勝をきっかけに追撃なるか、今後の活躍に注目だ。

小倉武蔵選手のコメント
「勝てない時間が長かったので、内容はどうあれ負けるよりは勝ったほうが良い。素直に嬉しいです。「インカレ男」じゃないですけど学生では勝てても講道館杯で負けてしまうことの繰り返し。4年になって主将にしてもらって、チームとして団体戦で勝とうと頑張ったことが凄く糧になりました。勝てないときでも先生や周囲が見捨てないで応援してくれたということで、本当にありがたく思っています。筑波の中でも強いのは腐るほどいるし、森下が世界王者になって一番悔しいのは自分かもしれない。今年の講道館杯では優勝するしかないです」

11年10月8日平成23年度全日本学生柔道体重別選手権大会・66㎏級・優勝・小倉武蔵選手
写真:優勝の小倉武蔵選手
【入賞者】
優勝:小倉武蔵(筑波大)
準優勝:高上智史(日体大)
第三位:清水健人(山梨学院大)
第三位:内村将大(同志社大)

【準々決勝】
清水健人(山梨学院大)○背負投(3:20)△魚山皓平(鹿屋体育大)
高上智史(日体大)○背負投(4:23)△正治和也(日本大)
小倉武蔵(筑波大)○背負投(3:17)△松本元太(国際武道大)
内村将大(同志社大)○GS僅差△田原高志(日本経済大)

【準決勝】
高上智史○GS有効・送足払△清水健人
小倉武蔵(筑波大)○小内刈(2:17)△内村将大

【決勝】
小倉武蔵(筑波大)○合技△

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