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全日本ジュニア柔道体重別選手権大会女子マッチレポート

2011年9月24日


※eJudo携帯版「e柔道」9月10日掲載記事より転載・編集しています。

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全日本ジュニア柔道体重別選手権大会女子マッチレポート
1/4 44㎏級、48㎏級


■44㎏級
世界ジュニア王者濱田が初の全日本タイトルを獲得


11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・44㎏級・決勝・濱田早萌
写真:決勝進出の濱田早萌は昨年2位、
世界ジュニア1位
注目対決は準決勝、10年世界ジュニア選手権優勝の濱田早萌(大成高2年)と、8月の世界カデ選手権で2位入賞の松尾美沙(南筑高1年)の対戦。
この試合は濱田が右内股、右背負投、右小内刈に右大内刈と終始エンジンをふかしっぱなしで攻め続ける。松尾は組み際に抱きついての大内刈で逆転を狙うが、技を繋ぐことができず、結局「指導2」の優勢で濱田がこの試合をモノにした。

決勝に進出したのはその濱田と、安達沙緒里(阿蘇中央高2年)。第1シードと第2シード選手による期待どおりの一戦となった。

濱田は2回戦で東川梨奈(奈良育英高2年)を袈裟固で一本勝ち(2:37)、3回戦の齋藤望(秋田商高1年)戦も体落「有効」、一本背負投「有効」、大内刈「技有」と圧倒して勝利すると、前述の通り準決勝は松尾美沙に優勢勝ち。2年連続の決勝進出を決めた。

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・44㎏級・決勝・安達沙緒里
写真:決勝進出の安達沙緒里
一方の安達は3戦オール一本での決勝進出。2回戦は川辺亜梨奈(武蔵越生高3年)を袖釣込腰(3:37)、3回戦は坂口仁美(小諸商高3年)を上四方固(1:44)で仕留めて好スタート。準決勝は廣木あすか(大垣日大高1年)に大内返「有効」を奪われて試合終盤を迎えるという苦しい試合だったが、残り18秒に背負投「有効」、そのまま横四方固に抑え込んで逆転の一本勝ち。初のジュニア決勝の舞台へと駒を進めた。

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・44㎏級・決勝・一本背負投
写真:安達が攻勢、右一本背負投で攻める
決勝は濱田が右、安達が左組みのケンカ四つ。
開始早々から安達が得意の寝技に引き込み、下から攻めるが濱田これに応じて上から相手の足を捌き抑え込みを狙う。

濱田、キビキビと右大内刈、右体落と攻めるがいずれも浅い。安達は濱田の釣り手を叩き落し、同時に持ち替えて自身が奥襟を得るという動作が非常に速く、濱田は組み手で不利をかこつこととなり形勢は安達有利。安達、左小外刈に右一本背負投と技を連発、さらに座り込む形の左小外掛で濱田を崩した2分8秒、濱田に「指導1」。

ここから濱田が奮起、右一本背負投に右内股、右大外刈と組み際から先に仕掛けはじめる。安達は寝技で応戦、相手の腕を抱えた引込返で濱田を回し、抑え込みを狙うが濱田なんとか逃れ「待て」。

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・44㎏級・決勝・横四方固
写真:明らかに持ち直した濱田、
延長戦では安達のお株を奪って
横四方固
残り1分となり、安達は上から肘を入れて濱田の釣り手を潰すが、濱田自身の肘をこじり上げての右釣込腰、釣り手を振っての右背負投、抱きつきながらの右大内刈と明らかにペースを取り戻し、再度釣り手の肘をこじあげる右内股で安達を伏せさせた残り2秒、ついに安達に「指導1」。試合はこのままGS延長戦に突入する。

延長開始早々、安達が粘りつくような左内股巻込に打って出るが、やや疲労が見えてスピードが出ず、濱田余裕を持ってこれを捌く。
濱田はこの延長も釣り手を下、外側に置きながら捻り上げるような右内股、右体落で攻め続ける。1分10秒にはこの体落を受けて寝技に引き込んだ安達に逆に覆いかぶさり横四方固に移行するが、これは6秒で「解けた」。

対抗したい安達は残り30秒を切って左内股で前に倒れこもうとするが濱田これを許さず腰を差し返しての速い右内股、安達は崩れ伏せる。
残り10秒を切り、濱田が右一本背負投を2連発、押し込むように安達を崩したところで時間。旗は3本を得た濱田が僅差3-0で勝利、うれしい全日本ジュニア初制覇を達成した。

序盤、組み手の手順で後手を踏んだ濱田だが、早々にこれを読み、戦法を変えて試合展開を作り直した。試合巧者の濱田が世界の舞台での経験を見せ付けた一戦だった。

濱田早萌選手のコメント
「去年決勝で負けたので今年はどうしても優勝と思っていました。まだ一度も日本一になったことがなかったので嬉しいです。決勝は組み手がまずく、正直苦しかったです(笑)。気持ちで乗り切りました。次の目標は高校選手権。52kg級からしかないんですが、そこで勝ちたいです。将来は48kg級で戦うつもりです」

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・44㎏級・優勝の濱田早萌選手
写真:優勝を決め、
インタビューに応える濱田早萌選手
【入賞者】
優勝:濱田早萌(大成高2年)
準優勝:安達沙緒里(阿蘇中央高2年)
第三位:廣木あすか(大垣日大高1年)
第三位:松尾美沙(南筑高1年)

【準決勝】
安達沙緒里(阿蘇中央高2年)○横四方固(4:15)△廣木あすか(大垣日大高1年)
濱田早萌(大成高2年)○優勢[指導2]△松尾美沙(南筑高1年)

【3位決定戦】
松尾美沙○GS僅差2-1△坂口仁美(小諸商高3年)
廣木あすか○横四方固(0:43)△嶋田裕里恵(夙川学院高1年)

【決勝】
濱田早萌○GS僅差3-0△安達沙緒里


■48㎏級
「無印」山崎珠美が衝撃デビュー、強豪ことごとく倒して初優勝


11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・48㎏級・準決勝・捌く山崎珠美
写真:準決勝、高野美咲の内股を捌く山崎珠美
48kg級は大波乱。この階級は関東予選2位の山崎珠美(三浦学苑高3年)の活躍を抜きに語ることはできない。

まず2回戦でいきなり、インターハイ王者の山田樹(宮崎商高1年)を僅か23秒、豪快に小外刈で仕留め一本勝ち。組み手がうるさく歩留まりの良い山田を相手に柔道をさせなかった見事な一発だったが、まだメジャータイトルが1つだけで評価が定まっていない山田が相手だけに、この試合はまだ単なる「番狂わせ」、大会全体を揺らすほどの衝撃には至らなかったが、3回戦で全日本ジュニア王者、世界ジュニア2位の玉置桃を大内返「一本」で裏返しにした段で俄然注目を集める。

関係者の熱い視線が注がれる中で行われた準決勝はこれも実力者の高野美咲(沼田高3年)を僅か38秒の小外刈「一本」に仕留めて評価を確定。比較的大人しい選手、組み手の一手目に慎重な選手が揃う48kg級の中にあってガンガン前に出て奥襟を叩き捲くるスタイルが嵌り、見事決勝進出を決めた。

逆側の山からは優勝候補筆頭の遠藤宏美(筑波大1年)が決勝進出。こちらは2回戦で谷口明恵(龍谷大2年)を2分4秒、上四方固に仕留めて一本勝ち。以降は3回戦で渡名喜風南(修徳高1年)を「指導2」、準決勝で岡本理帆(藤枝純心高2年)を「指導2」と高校生を相手にややもたついたものの、まずは順当に勝ち上がってきた。

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・48㎏級・決勝・展開を引っ張る
写真:山崎(左)が奥襟を握って展開を引っ張る
決勝は山崎が左、遠藤が右組みのケンカ四つ。
開始から山崎走りより、ドスっと音の聞こえてきそうな勢いで左釣り手を遠藤の奥襟に叩き込む。一瞬ひるんだ相手を寄せて引き手を得るとすかさず右袖釣込腰、これは遠藤が辛くも伏せて逃れたが、再開後も山崎の勢いは衰えず、再び左釣り手を奥襟に突き刺すと左大内刈、腰を切っての左釣込腰、左膝車と攻め捲くり、対処が遅れた遠藤は技がまったく出ない。41秒、遠藤に「指導1」。

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・48㎏級・決勝・大内刈
写真:山崎がケンケンの大内刈、
場外まで突進して遠藤を追う
以後も山崎は奥襟を叩き、ケンケンの左大内刈、足を絡み付けての左小外掛、左大外刈と攻め続け、再度の「指導」がないのが不思議なほど一方的な展開。1分、釣り手で相手のアゴを突いてようやく体勢の立て直しに掛かった遠藤が右内股を連発。しかしこれを山崎返して伏せさせ、再開後はまたもや内股に左小外掛と連続攻撃で圧倒的攻勢。山崎の左内股で両者ともに倒れた2分8秒、ついに遠藤に「指導2」が与えられる。

この段に至っても遠藤は技を打ち返せず、山崎は左内股に左大内刈とやりたい放題。
2分33秒、山崎が奥襟を叩いた瞬間を狙い済ました遠藤、左袖釣込腰で山崎を持ち上げ背中に乗せるが、山崎なんとかこれから降り、伏せて「待て」。

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・48㎏級・決勝・内股透
写真:遠藤が右内股、山崎大きく浮くが
股中で捌き、肩越しにこれを乗り越えて透かす
山崎この展開の後は両襟を握って圧力を掛け、左内股に左大外刈でなおも攻め続ける。
後がない遠藤は残り50秒を過ぎてから反撃開始。遠い間合いからの小内刈で山崎を伏せさせて手ごたえを得たか、右内股で大きく山崎を浮かせ、これは股中で透かされてしまったが、さらに山崎が奥襟を叩いてくるタイミングに右片襟背負投を合わせ山場を作る。

残り14秒、遠藤が組み際に抱きつきの右大内刈を見せ、山崎が伏せて逃れたところで山崎に「指導1」。遠藤、あと「指導」が一つ入れば延長戦に持ち込めるというところまで盛り返す。

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・48㎏級・決勝・小外掛
写真:山崎が左小外掛で食いつき「一本」
しかしこの「指導」の再開直後、山崎は逆に猛然と出、組み際に思い切り抱きついての左小外刈。前に出ようとしていた遠藤は一瞬対応が遅れてまともにこれを食ってしまう。山崎、足を引っ掛けたまま遠藤を持ち上げ、胸を合わせて後方に捻り投げれば遠藤は抵抗できず畳に叩きつけられ、これは文句なしの「一本」。
台風の目の山崎、ついに遠藤をも倒してジュニア日本一という快挙。4戦オール一本、インターハイ王者1人、ジュニア王者2人をなぎ倒しての堂々たる優勝となった。

所属の三浦学苑高・武田淳子監督は「取るか取られるかの選手なので結構ヒヤヒヤしましたが、力的には優勝する力はあるな、と思っていました」としてやったりの表情。「こんなに精神力が強い子は見たことがない、ちょっとオカシイんじゃないかと思うくらい(笑)」という大物だそうだが、今までは気持ちが空回りすることもあり、県予選で後輩に投げられてインターハイ出場はなし。あまりにも鮮烈な今大会での「全国デビュー」だった。

「48kg級は奥襟を持つ選手が意外といない。もともとは担ぎ系の選手だったが、抜群の運動能力という特徴を生かすために奥襟系、大外刈系の選手にコンバートした」という同監督の意図が3年目にしてまさに嵌った今大会であった。本人、監督ともに認める通り技術的にもまだ伸びしろは十分。技術的に優れているが試合運びがセンシティブというタイプが多いこの階級にあって、鉈で断ち割るような山崎の柔道は異色。今後が楽しみな選手である。

一方の遠藤は高校1年時から4年連続出場で、優勝、優勝、3位、2位と成績は伸び悩み。もともと相手を圧倒し続けて投げるというタイプの選手ではなく、足技の巧さ、リアクションの巧みさで得意の寝技につなげる選手ではあるが、投げ技によるポイントがなかった今大会の内容はややスケールダウンの印象は否めない。
海外大会でしっかり勝っている実績がモノを言い世界ジュニア代表には順当に選出されたが、ここで万が一「海外勢にも強い」という評価を失うようだとシニアでの活躍は難しい。奮起を期待したいところだ。

昨年優勝の玉置桃は山崎との試合が尾を引いたか、3位決定戦で岡本理帆を相手に一本背負投「有効」でリードしながら残り15秒に大外刈「技有」を奪われ敗戦。2位に終わったインターハイ同様、組み手の強引さ、技の詰めに課題を残し、今大会は入賞にも手が届かなかった。

11年9月10日全日本ジュニア柔道体重別選手権大会・48㎏級・優勝の山崎珠美選手
写真:優勝の山崎珠美選手
山崎珠美選手のコメント
「全国大会は2回目、優勝できるとは思っていなかったですが、今日は調子が良く、すべての試合で自分の柔道ができました。(自分の性格は?)負けずぎらいだと思います。目標は、日の丸を背負っても恥ずかしくないような試合ができる選手になること。将来は体育の先生を目指しています。」

【入賞者】
優勝:山崎珠美(三浦学苑高3年)
準優勝:遠藤宏美(筑波大1年)
第三位:岡本理帆(藤枝順心高2年)
第三位:高野美咲(沼田高3年)

【準決勝】
山崎珠美(三浦学苑高3年)○小外刈(0:38)△高野美咲(沼田高3年)
遠藤宏美(筑波大1年)○GS指導2(GS2:41)△岡本理帆(藤枝順心高2年)

【3位決定戦】
岡本理帆○優勢[技有・大外刈]△玉置桃(藤村女子高2年)
高野美咲○横四方固(4:24)△臼井茜(東海大1年)

【決勝】
山崎珠美○小外掛(3:51)△遠藤宏美


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