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パリ世界選手権第三日みどころ 81㎏級、63㎏級

2011年8月25日

※eJudo携帯版「e柔道」8月25日掲載記事より転載・編集しています。

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パリ世界選手権第三日みどころ
81㎏級、63㎏級


■81㎏級
キム・ジェブンとギヘイロの対決有力、ママドリ、ニフォントフらがこれに絡む


【有力選手】

11年8月25日世界選手権展望・キムジェブン
写真:ランキング1位のキムジェブン
世界大会の度に同じことを書いてしまうのだが、パワー、スピード、技と全てが高いレベルで揃うこの中量級は当然ながら優秀な人材が集い、入れ替わりが激しい。06年~10年に掛けては世界大会の度に上位の顔ぶれがめまぐるしく変わる階級だったが、良くも悪くもワールドツアー実施後は、試合数の増加により上位に絡む顔ぶれは一定の傾向が見えてきている。

まず一つ、その観点から優勝候補に挙がるのが10年東京世界選手権覇者のキム・ジェブン(韓国・WR1位)、そして同大会銀メダリストのギヘイロ(ブラジル・WR2位)の2人。
キム・ジェブンは世界大会で金、銀、銅の全てのメダルを獲得している強豪。韓国国内では「体力王」の異名を執り、互いが消耗する終盤戦に滅法強い。そしてこの体の強さを生かすべく練り上げた組み手の多彩さも特筆もの。投げるための準備行動というよりは、相手が不利な体勢、我慢できなくなる体勢、不利に見える体勢を作りあげる、それ自体がキムにとっては攻撃ともいうべき「組み手アタック」だ。引き手で袖を押し込み、奥襟を得るというのが最終形ではあるのだが、これを受け入れれば一発技、嫌えばそこを押し込み続けて「指導」を得るというのが必勝パターンだ。

11年8月25日世界選手権展望・ギヘイロ
写真:対抗馬はギヘイロ
ギヘイロはしっかり組んで左右に技があり、しかもその技が切れる。非常に日本的な柔道をする選手で関係者の評価も高い。東京大会決勝ではキムのパワーの前に封殺されたものの、その後もグランドスラム東京で中井に食われた以外は確実に上位に絡み、世界選手権直前の最終ハイレベル大会であるグランドスラム・リオではしっかり優勝を飾っている。
これにロッテルダム世界選手権1位のニフォントフ(ロシア・WR8位)、怪力のママドリ(アゼルバイジャン・WR3位)、北京五輪王者のビショフ(ドイツ・WR8位)が絡んでくるのが上位の様相。

こうして安定感がある、比較的長い期間実績を残してきた選手を挙げてきたわけだが、この階級は世界大会の度に爆発力のある新鋭が出てきた混戦階級でもある。その意味では直近の成績が大きな要素になってくるわけだが、その観点からのダークホースはグランドスラムモスクワ(5/31)で優勝しているマレシュ(ドイツ・WR11位)。ダイレクト反則とはいえキムを破り、ビショフに勝ち、さらにニフォントフを破った中堅選手のスティーブンス(アメリカ・WR5位)に「指導2」で勝っている。要警戒だ。
混戦ゆえこの階級はコンディション調整も非常に重要。特に体力がベースのキムはこの点で大きくパフォーマンスが変わるのではないかと思うが、モスクワでの敗退後、キムがどのような調整をしてきたかもひとつのカギだ。

ほか、長身のバートン(イギリス)、カント(ブラジル・WR17位)、シアノ(イタリア・WR15位)などもいるが優勝するだけの爆発力を秘めているかというと疑問だ。

11年8月25日世界選手権展望・中井貴裕
写真:中井は持ち味が発揮できれば
メダル圏内
そして、その爆発力、意外性というところで期待が掛かるのが日本勢。
変則柔道でグランドスラム東京ではギヘイロを翻弄、見事優勝を飾った中井貴裕(流通経済大3年・WR4位)は負傷のため今期国際大会ではほとんど成績が残っていないが、しぶとさと粘りに期待。確実に第2グループの中には入っており、これに「何か」を上積みして頂点を狙いたい。体力の要るタイプの柔道を志向しているため、負傷明け後の追い込み、そして後半戦に体力を残せるかどうかが課題か。

高松正裕(桐蔭学園高教・WR12位)も地力は第2グループ内。一発がある分、上位に絡む力はあるだろう。
苦戦は免れない階級だが初日、2日目の日本勢躍進の勢いを次につなぐような、元気のある試合を期待したい。

【組み合わせ】

11年8月25日世界選手権展望・高松正裕
写真:前回大会3位の高松
中井はベスト4でキムと対戦するが、それまでは悪くない組み合わせ。3回戦でシアノ、準々決勝ではスティーブンス、エルモント(オランダ)、チキラウリ(グルジア)の勝者と対戦する。この中で面倒なのはパワーファイターのチキラウリ。他は比較的オーソドックスなスタイルの選手で、相手の隙を突き続けながらチャンスを作る中井の柔道には相性が良いのではないだろうか。
キム戦は正直厳しい。中井の斜めから接近する組み手をキムが圧殺に掛かり一発を狙うという展開になるだろう。極端なパワー負けを起こさなければなんとかやれるというところになるだろうが、中井の負傷からの復活振りに期待するしかない。

逆側の山にいる高松は、ギヘイロとはブロックが分かれ準決勝までは対戦なし。超強豪との対戦は準々決勝のママドリ戦でこれが最初の山か。
バートンと2戦目で対戦するという山場もあるが長身の奥襟ファイター、斜めからまず片方を取りに接近してくるこの選手には高松の一本背負投が噛み合う。実際に一本勝ちも収めており、まずまず大丈夫だろう。

■63㎏級
強いヨーロッパ勢が3連覇狙う上野に挑む、大穴は阿部香菜!


【有力選手】

11年8月25日世界選手権展望・上野順恵
写真:3連覇を狙う上野順恵
3連覇に挑む上野順恵(三井住友海上・WR1位)が実績上は優勝候補筆頭となるはずだが、昨年の2連覇以降国際大会での成績は振るわない。試合内容も少々元気がなく、63kg級のメインストリームはパワーを前面に押し出した欧州勢に移行しつつある気配だ。

その代表格がエマヌ(WR2位)とアグベニュー(WR10位)のフランス勢とファンエムデン(オランダ・WR8位)とウィルボーダス(WR3位)のオランダ勢だ。いずれもまともに組めば上野の頭が下がってしまうパワーの持ち主。
特にここまで惨憺たる成績の母国フランスの期待を担う2人は気合十分に臨んで来るだろう。
そしてベテランのシュレシンジャー(イスラエル・WR9位)が今期は素晴らしい。今春は欧州選手権優勝の勢いを駆り、直後のグランプリ・バクーではファンエムデンを含む強豪たちからオール投技「一本」で圧勝。

上野は以前からこれらパワーファイターを捌きながらしっかり投げて勝利してきた。しかしそれは自身が前に出るだけの力の裏づけがあったから。「元気がない」と総括されるこのところの試合振りからこの点非常に心配。新たに取り組んでいるという新技、そして調整の妙に期待だ。

11年8月25日世界選手権展望・阿部香菜
写真:「アベ」は
トーナメントを大きく揺らすジョーカー
そして、トーナメント全体を通しての最大の注目のひとつは、グランドスラムリオでこれらの階級の序列を全て覆すほどの圧倒的な勝ち上がりで優勝した日本の新鋭・阿部香奈(三井住友海上・WR16位)だ。シュレシンジャー、ウィルボーダスにも内股「一本」、決勝ではエマヌに体落「有効」という内容。この成績を見る限りでは優勝候補の筆頭に挙げてもよいくらいのものだ。
ただしこの活躍で日本の新兵器「アベ」は各国の徹底マークを受けているであろうこともまた間違いない。決勝で勝利したエマヌに関しても得意の左一本背負投をほとんど仕掛けなかったというから不気味。間合いを測りながらも深く入ってはこないという状況で「相性が悪かったのであれば良いが、阿部を警戒して技を隠している可能性が高い」(園田隆二・日本女子代表監督)という観測もある。

ランキングがまだ低い阿部は組み合わせ配置が読みづらい。「アベ」がどこに配されるか、63kg級のキャスティングボードを握るのはこの人だ。

【組み合わせ】

11年8月25日世界選手権展望・アグベニュー
写真:フランス勢はアグベニューも強力
第1シードの上野の山がキツい。2回戦でしぶといジョン・ダウン(韓国)、3回戦で一息つくと準々決勝はファンエムデンとアグベニュー、そしてユスボア(アゼルバイジャン)の勝者と対戦することになる大山場。むしろ、ゾルニール、ジャービ(イスラエル)、マルザン(ドイツ)ら中堅の強豪が揃った準決勝の方が楽なくらいだ。
とにかく準々決勝、これが大山場だ。
それにしてもここまで振るわないフランス勢、アグベニューとファンエムデンが初戦(2回戦)で戦うとは何たる引きの悪さか。普通に散ればメダル2つの可能性が高いこの階級、さぞアグベニューは気合を入れられていることだろう。

阿部も準々決勝、第2シードのエマヌと対戦するここが大山場。
しかしその前に初戦でエスピノサ(キューバ)、2回戦でシュ(中国)、3回戦でコン・ジャヨン(韓国)というヨーロッパ勢とは毛色の異なる選手との対戦がある。

11年8月25日世界選手権展望・エマヌ
写真:もと70kg級でパワーのあるエマヌ
キューバはあまり国際大会に出てこず、時折思い出したように強豪を輩出する。世界デビュー初戦の相手が情報の少ないキューバ人というのは少々嫌な感じだ。
そして、ヨーロッパ選手相手に一本を奪い続けた阿部が、シュとコンの、しぶといアジア勢に対し力をしっかり発揮できるか。エマヌを前に、世界で戦うための「試験」が課された印象だ。

勝ち上がれば準決勝はウィルボーダス。とにかく63kg級の予選ラウンドは期待のカードが目白押し。

テレビで放映されるカードがあまりに少なく、かつ放映権の関係でIJFのライブ放送が視聴禁止となっている日本ではネット上などで柔道ファンの怨嗟の声が多々聞こえてくるという。今日はファンにとってはなんとももどかしい1日となりそうだ。


※eJudo携帯版「e柔道」8月25日掲載記事より転載・編集しています。

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