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パリ世界選手権第二日みどころ 73㎏級、52㎏級、57㎏級

2011年8月24日

※eJudo携帯版「e柔道」8月24日掲載記事より転載・編集しています。

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パリ世界選手権第二日みどころ
73㎏級、52㎏級、57㎏級


■73㎏級
昨年3位もトーナメントの軸はワンキチュン、挑むは中矢、秋本の日本勢


【有力選手】

11年8月24日世界選手権展望・ワンキチュン
写真:ワールドマスターズにも優勝、
やはり軸はワンキチュン
昨年の東京世界選手権では秋本啓之(了徳寺学園職・WR3位)が優勝、V候補筆頭だったワン・キチュン(韓国・WR1位)は秋本とGS延長戦をひとつの「指導」もなしにフルに戦いきる熱戦の末一敗地にまみれたが、やはり今回のトーナメントの軸は、このワンだ。


圧倒的なスピード、鉈で断ち割るような威力のある担ぎ技に刈り技、組み力の強さ、そして何よりも返す、食いつく、足を取ると勝つためには何でもやる、泥臭さを厭わない戦闘力の強さが持ち味だ。

11年8月24日世界選手権展望・秋本啓之
写真:秋本は
復調なれば金の可能性も十分
対抗馬は秋本と言いたいところだが、昨年12月のアジア大会での負傷以来良いパフォーマンスは見せていない。不調のさなか、選抜体重別でも圧倒的なメンタルタフネスこそ見せ付けたものの、直近のグランドスラム・リオ大会(6月)も3回戦でコトゾコフ(ロシア・WR9位)にGS僅差2-1で敗れて5位に終わっている。昨年以来、この6月までは明らかに下降カーブにあり、来年までを見据えたスパンで現在の仕上がりがどうなのか、ここが焦点になる。

11年8月24日世界選手権展望・中矢力
写真:上り調子の中矢、
一気の頂点到達なるか
一方、まさにマクロなスパンで上昇気流に乗っているのが秋本が破れたグランドスラム・リオで優勝を飾った中矢力(東海大4年・WR2位)。アジア選手権個人戦ではワンに敗れたものの、最終日の団体戦では巴投「有効」でリベンジを果たしている。

この「負けた後」、お互いの柔道を知った対戦の直後の試合で勝っているというところが中矢に期待を抱かせる所以だ。逆であれば勝ちはアクシデントによるものと言えるだろうが、負けを勝ちに転化したということは中矢にはカードを出し合った後に勝利できるだけの地力があったということだからだ。得意の寝技に加え投技でも取れるようになったことで圧力が上がり、さらに寝技が生きるという好循環にあることも買い。中矢には大いに期待したいところ。

【組み合わせ】

11年8月24日世界選手権展望・ファンティシェル
写真:欧州勢では安定している
ファンティシェルに警戒
ワン、エルモント、中矢、秋本はシード位置。 中矢と秋本の日本人2人は昨年同様準決勝で対決となる。昨年は粟野靖浩が絶好調、篠原監督をして「ここで当たるのはもったいない」と嘆息したが、今年の両者にも同様の出来を期待したい。

上り調子の中矢は初戦突破後の2回戦でトリトン(カナダ)、3回戦でセインジャルガル(モンゴル)との対戦がありまずはここをしっかり勝ち抜きたい。準々決勝はピナ(ポルトガル)か。ピナは出来不出来の激しい選手で危険もあるが、地力どおりに試合が進めばまずまず問題ない、悪くない組み合わせ。

秋本の組み合わせも悪くない。準々決勝でフォエルク(ドイツ)、ダルベレ(フランス)、イサエフ(ロシア)のいずれかと対戦し、準決勝では中矢との直接対決が待ち受ける。

逆側ブロックはエルモントとファンティシェル、ソロカ(ウクライナ)が潰しあい、準決勝でワンに挑む。

■52㎏級
西田、中村の一騎打ちに期待、大穴はムンクフバータル


【有力選手】

11年8月24日世界選手権展望・中村美里
写真:優勝候補筆頭は中村美里
この階級も日本勢の2人、昨年決勝を争った中村美里(三井住友海上・WR2位)と西田優香(了徳寺学園職・WR1位)の力が抜けている。

昨年の世界選手権決勝では試合をコントロールした中村、偽装攻撃スレスレながらも掛け数にこだわった西田という構図で西田が僅差優勢勝ちしたが、以降の対戦は1度のみ。その今春1月のワールドマスターズ決勝では中村が西田を崩して「有効」、そのまま横四方固に切って落としている。双方好不調の波はあれど地力、首脳陣の信頼はやはり中村。西田が来年の五輪に出場するためには今大会で中村に勝利して「世界2連覇」という文句のつけようのない成績を残すしかない。西田は世界選手権以降も柔道は上向き、中村対策にはライフワークと言えるほどの執念を燃やしてきただけに今大会も面白い戦いが期待できそうだ。

11年8月24日世界選手権展望・ムンクフバータル
写真:大穴はムンクフバータル
西田は直近のグランドスラム・モスクワ決勝でムンクフバータル(モンゴル・WR3位)にGS延長戦で内股「有効」を奪われ敗れている。ムンクフバータルは2月のグランドスラム・パリも中村敗退の間隙を縫って優勝を飾っており、いまだ「知られざる実力者」枠の選手であるが、今大会でこの2人に割って入る「大穴」がいるとしたらおそらくこの選手だろう。

11年8月24日世界選手権展望・西田優香
写真:連覇に挑む西田
ほか、海外の有力選手はゴメス(スペイン・WR4位)、カラスコサ(スペイン・WR6位)、ミランダ・エリカ(ブラジル・WR3位)、クズティナ(ロシア・WR7位)、ボナ(フランス・WR9位)、タラングル(ドイツ・WR15位)らがいるがいずれも日本勢に対抗するには線が細く、成績も不安定。

実力を超えた爆発力の可能性があるのはベルモイ(キューバ・WR10位)、大会ごとに成績をあげてきているケルメンディ(IJF枠)、日本勢との対戦に執念を燃やすキム・キョンオク(WR22位)ではないか。要警戒だ。

【組み合わせ】

11年8月24日世界選手権展望・ベルモイ
写真:毎回「面倒な選手」として
名前が挙がるようになったベルモイ
どちらもやや面倒な選手が周囲に集った。

中村は3回戦で北京五輪で敗れた曲者、アン・クンメ(北朝鮮)と対戦。その後の対戦では中村が勝利しているが、何しろ何をやってくるかわからない北朝鮮代表。油断は禁物だ。
続いて準々決勝ではクズティナとキム・キョンオクの勝者、準決勝はムンクフバータルとカラスコサ(スペイン)、そしてベルモイのいずれかを引き受けなければならない。ランキング1つの差が組み合わせに大きく影響した形だ。ベルモイとムンクフバータルのいずれかが潰れてくれるのはラッキーだが面倒な試合になるのは間違いない。

一方の西田は3回戦でボンナ(フランス)、準々決勝でタラングルとケルメンディの勝者、準決勝ではゴメス(スペイン)とミランダ・エリカ(ブラジル)の勝者と、それぞれ名前はあるが比較的戦いやすい選手ばかり。西田はここでいい形で勝利し、乗った形で中村との対戦に臨みたい。

■57㎏級
WR1位松本の敵は自分自身、追うのは「腹ばい逃げ」モンテイロ


【有力選手】

11年8月24日世界選手権展望・松本薫
写真:潜在能力はぶっちぎりの松本薫
東京世界選手権の覇者、松本薫(フォーリーフジャパン・WR1位)が潜在能力では抜けている。順当であれば問題なく優勝候補筆頭だろう。
が、あらゆる大会を勝ちに勝ちまくって臨み圧勝優勝した前回大会と今回はやや松本自身の状況が異なる。

ひとつには、ワールドマスターズで、昨年世界選手権決勝で「腹ばい逃げ」の醜態を見せたモンテイロ(ポルトガル)に一本背負投でポイントを失い敗退、さらにグランプリ・デュッセルドルフでもシルバ(ブラジル)に隅返「技有」を失って敗れるなど、にわかに受けの弱さがクローズアップされていること。「後から見たらなんで?という発想で受けていることが多い」と苦笑する松本だが、一発飛ぶというイメージを持たれていること自体がディスアドバンテージ。ライバルたちはかつてのように松本に引かず、一発逆転の希望を持ってしつこく戦ってくることが予想される。

もう一つは左膝の負傷。負傷自体よりも「稽古をしたいのに出来ない」という精神的な疲弊、コンディション調整の不足が懸念される。
そして、複数の関係者が「松本は優しくなった」と語る部分。「殺戮本能」と呼びたくなるほどの野性味とアグレッシブさで相手を追い詰める、松本最大の武器、「教えたくても教えられない部分」の減退だ。むしろこの世界の大舞台が松本復活のきっかけになればというところである。

11年8月23日世界選手権展望・モンテイロ
写真:ルックスの良さに「腹ばい逃げ」と
何かと話題に上がるモンテイロ
松本を追う強豪としてはやはりモンテイロ(ポルトガル・WR2位)、フィルツモザー(オーストリア・WR3位)、カプリオリウ(ルーマニア・WR5位)、地元フランスのパヴィア(WR8位)、同じくロッテルダム世界選手権覇者のリボー(フランス・WR6位)、それに佐藤愛子(了徳寺学園職・WR4位)が挙げられる。

強敵はモンテイロということになるだろうが、松本がきちんと力を発揮すれば海外勢はいずれも相手ではない。直前調整の妙、松本の野生の本能に期待したい。

佐藤は復帰後の国際大会での戦いぶりを見る限り、十分メダル圏内にいると目してよいだろう。

【組み合わせ】

11年8月24日世界選手権展望・佐藤愛子
写真:佐藤は久々のメダルなるか
当然のごとく松本は第1シード。 準々決勝でのリボーとの対戦は最初の山場だが、初戦のクアドロス(ブラジル)は現在のランキングこそ低いがあなどれないベテラン。ここをまずしっかり戦いたい。

佐藤はランキング配置の綾で、松本とは準決勝で対戦する。3回戦でガシモワ(アゼルバイジャン)、4回戦でルペティ(キューバ)、準々決勝でカプリオリウと、そこまでは悪い当たりではない。日本人対決は現実的だろう。

いずれが勝ち上がるにしても決勝はモンテイロの可能性が高い。
一見防御一辺倒に見える体勢からでも一発を狙ってこれる厄介な相手。組み勝ち、ポイントを挙げても最後まで油断せずに「詰め将棋」を続けることが肝要だろう。


※eJudo携帯版「e柔道」8月24日掲載記事より転載・編集しています。

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