PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

平成23年全日本選手権大会レポート 準々決勝~決勝

2011年5月10日

※eJudo携帯版「e柔道」5月2日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


平成23年全日本選手権大会レポート
準々決勝~決勝


【準々決勝(上)】

11年4月29日柔道全日本選手権大会・準々決勝・本郷光道優位
写真:地力で勝る本郷が優位に試合を進める
本郷光道○優勢[指導2]△西山大希

準々決勝第1試合は3回戦で高橋和彦を降した本郷光道と西山大希の顔合わせ。
本郷、西山ともに左組みの相四つ。
相四つということもあり、地力ではやはり階級が上の本郷に分がある。組み手争いからこの差がクッキリ。

本郷は引き手側をまず先に抑え、釣手で奥襟を握りながら仕掛ける左大内刈を駆使して先手先手で攻める。西山この左大内刈をあるいは抑え、あるいは抜いて捌くが、本郷の手数の前に肝心の攻撃は散発。2分47秒に繰り出した左大外刈も手が離れてしまい決まらず。西山それでも要所要所で技を繰り出してなんとか展開の均衡を保つが、3分35秒、ついに西山に「指導1」。

これに勢いを得た本郷、奥襟を制した左小外刈で西山を大きく浮かし伏せさせる。西山鋭い左小内刈に、本郷の大内刈に合わせた支釣込足で攻め返すが、残り1分を過ぎて本郷が奥襟をガッチリ握って再び攻勢。本郷が西山を上下にあおり、その体が上るところにタイミングを合わせての左大内刈を繰り出したところで、西山に決定的な「指導2」が与えられる。残り25秒。
本郷は西山をいなしながら残り時間の消費を企図。攻めのきっかけがつかめない西山はいちかばちかの左大外刈に飛び込むが、本郷がこれを透かし落として西山が腹這いに畳に落ちたところで時間。本郷の「指導2」による優勢勝ちとなった。

シード選手は手負いの高橋和彦、周囲には超級以外の有力選手がみっしりと配されてベスト4を巡る「功名地獄」と化していたこの激戦ブロックを勝ち抜いたのは近畿地区王者の本郷光道。増渕、高橋、西山と強豪選手を次々下した本郷、堂々の準決勝進出である。

11年4月29日柔道全日本選手権大会・準々決勝・七戸龍の内股
写真:若武者・七戸が思い切った
内股で攻め込む
鈴木桂治○優勢[僅差3-0]△七戸龍

第2試合は鈴木桂治にこの日絶好調の七戸龍が挑戦。ケンカ四つとはいえ、組み手の成否に関わらずブンブン技を仕掛けてくる若い七戸は鈴木にとっても嫌な相手のはずで、この顔合わせも好カード。

鈴木左、七戸右のケンカ四つ。
鈴木は下から釣手を握り、この曲げ伸ばしで距離をコントロールしながら引き手を争う慎重な組み手。対して七戸、引き手で襟を握る思い切った「両襟」の組み手からこの引き手を大きく振って鈴木を牽制し、右大内刈、右内股と繰り出す。
流れを渡したくない鈴木、片手の左大外刈で展開の留保を狙うが、七戸は右内股、さらに釣手で鈴木の脇を差しての右内股で鈴木をドウと伏せさせる。

七戸、引き続き引き手で襟を握り、これを上下にハタハタと振りながらチャンスを伺う。1分35秒には七戸の左大外刈を鈴木が辛くも後ろ回り捌きの大外返に切り返す。2分過ぎには引き手で袖を得た七戸、思い切った左大内刈を見せて、試合の流れは技を重ねた七戸へ。2分28秒、ついに鈴木に「指導1」。
鈴木奮起して攻めにでるが七戸も揺るがず。2分半すぎ、七戸、奥襟を叩いての左内股は鈴木が左背負投に切り返すが七戸長い足でこれをまたいで動ぜず。3分すぎ、鈴木奥襟を持っての思い切った左足車を七戸は左内股に切り返して鈴木を崩し返す。3分半、七戸、長い足を利してのケンケン内股を鈴木はなんとかこらえる。

11年4月29日柔道全日本選手権大会・準々決勝・鈴木桂治の小外刈
写真:鈴木が小外刈で七戸を伏せさせる
中盤を過ぎても試合は一進一退のまま動かず、ベテランの鈴木としては苦しいところ。しかし4分を過ぎてから鈴木の攻勢が始まる。七戸が組みついてきたところを左支釣込足ではたいて伏せさせたのが反撃の狼煙、左小外刈で七戸を下げて引き手を得ると、左小内刈で細かく崩して前へ。七戸場外まで押し込まれて「待て」を得ようとするが、鈴木あくまでこれを外に出さず、場内ギリギリに押し込んだまま細かく足技で攻撃。4分35秒には片手の左内股、4分50秒には七戸の右出足払を燕返で切り返し、七戸は勢い良く崩れて腹這いに。この展開の直後の4分56秒、ついに七戸に「指導1」。ジワリと展開は鈴木の方に傾き始める。

鈴木さらに前に出て押し込むと七戸は明らかにこれを嫌う。七戸が僅かに押し返したところを鈴木、鋭い左小外刈で伏せさせるとこれに座って横三角を狙うが、頭を極めたまま回した方向は場外で「待て」。
鈴木やや優勢で残り30秒、数少ない攻撃の機会をお互いが取り合う時間帯となったが、ここでも鈴木は譲らない。「始め」の声で前に出ると下から釣手を持って前に出続け、釣手一本で足を大きく振っての左内股。七戸はこの迫力に押されたか全く技を出せず、ようやく手順を放棄して奥襟を叩くも残りは7秒。試合は旗判定に縺れ込んだ。
旗は3本が鈴木に揃い、僅差3-0で鈴木の勝利。鈴木、ベスト4へと駒を進めた。

これだけ苦しい試合、我慢を強いられる展開を、しかも疲労が激しいはずの終盤の猛攻でモノにした鈴木の気力は見事の一言。若い七戸とお互いが元気な序盤に打ち合うことを避けて、凌ぎながら決着を先送り、ジワリと展開を戻した終盤、機と見て一気に攻め込む姿には勝負の見極めという部分を超えた心の強さ、気力の強さを感じざるを得ない。

これだけの疲労の中では、一度出来上がった不利な展開を押し戻すことは至難の技。展開に流されてしまえば楽になるという選択も当然頭をよぎるだろうし、思考を停止して一発に賭け、遮二無二掛け潰れて自滅してしまうというベテラン選手も多い。しかしこういった「楽になる」選択を拒絶して戦い続けた鈴木は素晴らしい。フルタイム戦い抜いての疲労はあるはずだが、鈴木にこの気力があればあるいは・・・、と思わせるこの日の鈴木のベストゲームだった。

好試合を演出した七戸にも拍手を送りたい。2、3回戦の豪快な一本勝ちで完全に会場を味方につけ、鈴木戦の序盤では技を仕掛ける度に観客席がどよめく名脇役ぶり。
技一発の威力を武器に地方から全日本に挑むというまことに昭和的構造のバックグランドも全日本の観衆の好みに嵌ったのではないか。スケールの大きさを失わずに、今後は代表戦線にも絡むような活躍を期待したい。


 次へ

 
1        


※eJudo携帯版「e柔道」5月2日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る


supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.