PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

若潮杯武道大会・男子マッチレポート・決勝

2011年1月13日

※eJudo携帯版「e柔道」12月27日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


[若潮杯武道大会・男子・決勝レポート]
倉橋功が遠藤翼破る殊勲、劣勢の評覆し東海大相模が国士舘に粘り勝ち


10年12月27日若潮杯・決勝・蓮池慎吾
(写真:東海大相模・蓮池が
国士舘・五十嵐から出足払「一本」)


東海大相模 ②代-2 国士舘
(先)小原拳哉×引分×金本翔太
(次)蓮池慎吾○出足払(0:09)△五十嵐涼亮
(中)富沢裕一○優勢[技有・浮技]△小川竜昂
(副)倉橋功△優勢[技有・払巻込]○遠藤翼
(大)河端祥也△合技[払巻込・払巻込]○浅利慎之介
(代)倉橋功○優勢[僅差3-0]△遠藤翼

東海大相模・小原拳哉に国士舘・金本翔太がマッチアップした先鋒戦はどちらもやや慎重な試合ぶりで、両者への「指導1」以外に大きな動きはなく引き分け。

試合が大きく動いたのは次鋒戦。
東海大相模・蓮池慎吾は右、国士舘・五十嵐涼亮は左組みのケンカ四つ。開始早々の9秒、五十嵐が前技に入ろうとステップを切ったところに蓮池これ以上ないタイミングでドシンと右出足払をぶつけると、まともにこれを食った五十嵐たまらず宙を舞い、背中から畳に落ちて「一本」。絶対的なポイントゲッターであるはずの五十嵐の、あまりに見事な一本負けに場内は騒然。東海大相模は大いに意気上がる。

ピンチの国士舘はここでエース格の小川竜昂が登場。東海大相模・富沢裕一を一方的に追い込んで1分59秒に「指導1」を奪うが、ここから富沢が奮起。ケンカ四つの小川の技に下がりながらも1回1回後ろ回り捌きの内股を打ち返し、必死で次の「指導」を食わないように展開を保ち続ける。この富沢の粘りが効を奏したのが残り3秒。ポイント奪取を焦った小川が遮二無二組みついてきたところを、背中に手を回して起死回生の浮技。前掛かりとなった小川この捨身技にがっぷり嵌って1回転し「技有」。宣告と同時に試合は終了、巨大戦力を誇ると見られた国士舘が2点ビハインドというまさかの展開で、試合は後半戦へ。

10年12月27日若潮杯・決勝・富沢裕一
(写真:東海大相模・富沢(赤)が
起死回生の浮技「技有」)


副将戦、後のない国士舘は大黒柱の遠藤翼が登場。対するは東海大相模のエース、倉橋功。
右の相四つ。開始早々の15秒、ガップリ組みあったところから遠藤が右払巻込。一瞬動きが止まったが倉橋これに体がついていってしまい、両者畳に落ちたところから遠藤が脚を利用して相手をめくれば倉橋緩やかに一回転して「技有」。
リードしているという局面を考えれば倉橋はやや軽率なだったが、ここは試合が落ち着く前に早々に勝負を掛けにいった遠藤が上手かったというべきだろう。
以降は、遠藤が得意の右釣込腰、倉橋はこれの返しを狙うという流れ。寝技が得意な遠藤、倉橋が掛け潰れるだけで国士舘サイドから「チャンス!」の大歓声が飛ぶ状況だったが、倉橋も遠藤の寝技は十分研究しておりことごとく逃れ、遠藤取りきれないまま試合は終了。

10年12月27日若潮杯・決勝・遠藤翼
(写真:遠藤翼が開始早々の払巻込
で「技有」を奪う)

この時点で2-1で東海大相模がリード。国士舘が勝つには大将が「一本」を取って代表戦に勝負を持ち込む必要がある。

大将戦は東海大相模が河端祥也、国士舘は浅利慎之介が登場。
河端は右組み、浅利は左組みのケンカ四つ。この試合も開始早々の23秒、118kgの浅利が思い切った左払巻込に飛び込めば河端たまらず1回転し「技有」。
一本勝ちが必要な浅利、さらに攻撃の手を緩めず左払巻込、左大外刈で攻め続ける。掛け潰れは多いものの、河端はこの怒濤の攻めの前に攻撃のきっかけがほとんど掴めず、1分0秒、河端に「指導1」。

10年12月27日若潮杯・決勝・浅利慎之介
(写真:浅利も試合開始早々の払巻込
で「技有」奪取)

奮起した河端、以後は浅利の圧力を凌ぎながら右内股、右大外刈を放ちなんとか試合を進めるが、残り1分を切ったところでこれも決壊、再び浅利の左外巻込を食ってしまう。一度動きは止まるが、体格差を利した浅利、ゴロリと脚を使って河端を回し「技有」。
この合技「一本」でスコアは2-2、ともに「一本」と「技有」を奪い合うまったくのタイとなり、勝敗の行方は代表者1名による決定戦に委ねられることとなった。


代表戦は東海大相模が倉橋、国士舘が遠藤という予想通りのエース対決。
倉橋、遠藤ともに右組みの相四つ。
パワーと体格に勝る遠藤、倉橋を組みつぶして前に出ようとするが、倉橋この試合は一歩も引かず。20秒には遠藤が奥襟を叩いた瞬間逆に前に出ての大内刈で遠藤をぐらつかせる。

10年12月27日若潮杯・決勝・倉橋功
(写真:必死の形相で攻め続ける倉橋)

以後も遠藤が組み勝つ展開が続くが、倉橋は遠藤の圧力に屈せず、組み際の大内刈に内股と強気に技を打ち返す。掛け潰れもあるものの、遠藤のバランスを崩す場面もあり中盤以降の流れは倉橋。遠藤は組み勝って圧力を掛けるところまでは達するがそこから取り味のある技を繰り出せないというもどかしい試合ぶりのまま試合は終了。
注目の旗判定は、中盤以降の攻勢を評価する形で3本が倉橋に揃う。
国士舘圧倒的と目された今季の2強初対決は、粘り抜いた東海大相模に凱歌があがることとなった。

東海大相模・林田和孝総監督は「チーム力を妥当に評価すると3-1で向こうの勝ち。そのくらいの差があった。代表戦はよく攻めたが、劣るチームが受けに回るようではこの先は戦えない」と渋い表情。
とはいえ、客観的に見てこの1勝は非常に大きい。単に若潮杯という前哨戦の勝ち負けを超える意味のある勝利だった。
戦力的に抜けている今季の国士舘に対し2点をリードする展開はまさに僥倖で、この先の試合ではなかなか計算できることではない。また、強豪同士の対決では先行逃げ切りが必勝策で、「逆転」を起すには敵に倍する実力が必要だ。

10年12月27日若潮杯・東海大相模
(写真:優勝の東海大相模高)

もしこの試合をあっさり落としてしまい、それだけの圧倒的なリードを以てしても覆されるだけの地力の差があることが証明されてしまえば、チーム内に徒労感が漂ったとしてもおかしくない。例えば倉橋が遠藤に一本負けして3タテの逆転負けでもしようものなら、この後立ち直るにはかなりの時間を要すことになったのではないか。その点を考えれば、本戦とは明らかに違う覚悟、思い切りの良さで勝利を呼び込んだ倉橋はまさに殊勲者だ。

この点に水を向けると「ポイントゲッター同士の戦いで得たこの勝ちは励みになるし、今後チームは闘志を持って稽古できる。大きい一勝です」と大きくうなずいた林田監督。年末年始は羽賀龍之介、高木海帆ら東海大の一線級15人を招いての合宿があるそうで「ここでしっかり鍛え直します」と力強く語ってくれた。

一方敗れた岩渕公一監督。審判の「指導」が遅かった部分もあり、不運なV逸と見ることもできるが「絶不調の五十嵐、怪我で追い込んだ稽古ができていない遠藤・小川らがこれだけ出来たのだから心配はしていない。我を忘れて一本取りにいって技を食らった小川、組み勝った場面で攻撃せず『指導』を狙いにいった遠藤など、試合の運び方をしっかり練習させます」と失望の表情はなかった。

国士舘の独走かと思われた今季の高校柔道界だが、今大会の東海大相模の頑張りで一気に面白くなってきた。地力のある大成、今大会には出ていないが着々と戦力を整えつつある修徳なども交え、高校選手権は思った以上に白熱の試合が展開されるかもしれない。

東海大相模・林田和孝総監督のコメント
「今日は1回戦から良くない立ち上がりだったし、決勝は相手が3-1で勝つくらいの力の差があった。優勝出来たこと自体は良いが課題は一杯。決勝も代表戦の倉橋は良かったが、受ける試合展開をしていてはいけない。早い展開で組み、技を出していく稽古を積む必要があります。今後を考えるとポイントゲッター同士の試合に勝ったのは大きい。これから厳しい合宿があるが、この勝ちのおかげで、イヤイヤ稽古するような練習ではなく闘志を持って今後に臨めると思う。高校選手権に向けてキーマンはやはり倉橋。さらに蓮池、小原、河端に秋吉を加えた4人で競ってチーム全体がレベルアップしてもらいたい」

岩渕公一・国士舘監督のコメント
「五十嵐は世界ジュニアで腰を怪我し絶不調だが、ここで出しておかなければと敢えて起用しました。思ったより出来ましたね(笑)。心も体もバラバラだが、もうこれ以上落ちることはない。上がるだけなので心配していません。我を忘れて獲りにいって一発食った小川、組み勝って勝負にいくべき場面で「指導」を待った遠藤など、状況が見えていない。試合運びの面もしっかり上積みしないといけません。」


※eJudo携帯版「e柔道」12月27日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


→eJudoトップページに戻る
→「ニュース・マッチレポート」に戻る



supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.