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グランドスラム東京・100kg級、100kg超級マッチレポート

2010年12月19日

※eJudo携帯版「e柔道」12月14日掲載記事より転載・編集しています。

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[GS東京100kg級マッチレポート]
穴井、手堅く戦って今季グランドスラム初優勝、羽賀龍之介は善戦も元世界王者ラコフに完敗

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg2回戦・羽賀龍之介
(写真:2回戦、コヘアを相手に攻め込む羽賀)


【日本人出場選手】
穴井隆将(天理大職)
羽賀龍之介(東海大1年)
熊代佑介(東海大4年)
本郷光道(フォーリーフジャパン)



9月の東京世界選手権で世界王者に輝いた日本のエース・穴井隆将(天理大職、WR1位)、先の講道館杯を制した19歳のホープ・羽賀龍之介(東海大1年)が注目を集めた100kg級。
羽賀は、初戦のコストエフ(ロシア、WR26位)を内股から小内刈への絶妙な連続技で一本勝ちすると、2回戦でも07年リオデジャネイロ世界王者のコヘア(ブラジル、WR5位)を、内股を中心とした攻めで優位に試合を進め「指導2」で破る大健闘。
続く3回戦の09年ロッテルダム世界王者・ラコフ(カザフスタン、WR7位)にはGS延長戦の末、右一本背負投で敗れた(6:20)が、非凡な才能の片鱗を見せた。

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg1回戦・穴井隆将
(写真:1回戦、穴井は余裕を持った内股で「一本」を奪う)

一方、穴井は初戦のフォン(香港)を内股(1:07)、2回戦のシュミット(アルジェリア、WR31位)を大外刈(2:55)、3回戦のクルバノフ(ウズベキスタン、WR18位)を大外刈と袈裟固の合技(2:53)といずれも危なげない一本勝ちで準決勝進出。準決勝では、羽賀を破って上がってきたラコフと対戦した。

穴井は内股、大内刈と果敢な攻めを見せるも、受けの強いラコフをなかなか攻略できず、逆にラコフも巴投、組み際の小外刈、意表を突く一本背負投で反撃するなど互角の展開。中盤、穴井の大内刈に対し、ラコフが回り込んで小外刈で切り返しあわや「一本」というシーンもあったが、これはその前に「場外」の合図が出されており無効。この勝負はGS延長に縺れる接戦となったが、手数で上回った穴井が際どい判定をものにし(2-1)、決勝進出を果たした。

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg準決勝・穴井隆将
(写真:ラコフー穴井の準決勝は接戦)

別ブロックから決勝へ勝ち上がったのはゼービ(イスラエル、WR30位)。かつて鈴木桂治が国際大会で2度敗れており、鈴木が苦手とする選手として日本では有名な選手で、アテネ五輪では銅メダルに輝いている曲者だ。

ゼービは、初戦のパチェック(スウェーデン)を「指導3」、2回戦のファン・ヒーテ(韓国、WR3位)を掬投「一本」、そして3回戦では、日大で修行していたバトゥルガ・テムーレン(モンゴル、WR21位)と接戦の末、肩固「有効」で優勢勝ちして準決勝進出。準決勝では、今年の欧州チャンピオンのカイブラエフ(ロシア、WR8位)を開始早々、組み際の左一本背負投で一本勝ちし(0:24)、決勝へ勝ち進んだ。

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg準決勝・ゼービ
(写真:準決勝、ゼービは一本背負投で勝利)

準決勝で不甲斐ない試合をした穴井は、有終の美を飾るべく気合を入れて決勝戦に臨んだ。
穴井左組み、ゼービ右組みのケンカ四つ。足技を出しながら内股や大外刈、大内刈を狙う穴井に対し、ゼービは場外際での背負投を掛けるくらいで、とにかく消極的。1分11秒に消極的「指導」、3分5秒に場外「指導」、さらに4分10秒にも場外「指導」が与えられるも、それでもゼービが勝負に出てくることはなく5分が終了。
優勝はしたものの、終了の瞬間に無念の表情を見せた穴井。世界王者として、日本のエースとして最後は一本勝ちで決めたかっただけに、"不完全燃焼"な決勝戦だった。

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg決勝・穴井隆将
(写真:組み勝ち続けて試合を優位に進める穴井)

とはいえ、相手はカウンター狙いだっただけに、ガムシャラに「一本」を取りにいけば、反撃を食うリスクもある。見ているほうとしてはフラストレーションのたまる部分はあったものの、場外際に追い詰め、相手の攻撃を完全に封じながら、常に優位に試合を進めることが出来るのは力の差があるからこそ。ワールドランキング1位として、世界王者として、穴井の安定感は着実に増しつつあると言ってもいいだろう。

昨年のグランドスラム東京、11月のアジア大会で穴井を破ったファン・ヒーテは今大会ではゼービに完敗しているが、100kg級は上位選手の力が拮抗し、世界選手権やオリンピックでの連続優勝も非常に難しい階級。そういう中で勝ち続けるためには、やはり競った時の戦い方が重要になる。今大会での優勝も、穴井にとって非常に大きな勝利であることに間違いない。

日本代表の本郷光道(フォーリーフ ジャパン)は初戦のバトゥルガに小外掛で一本負け、熊代佑輔(東海大4年)は初戦のブラタ(ルーマニア、WR22位)には小外掛で一本勝ちしたものの、続く2回戦でカイブラエフに袖釣込腰で一本負けを喫した。

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg入賞者
(写真:100kg級入賞者。左からゼービ、穴井、
カイバラエフ、ラコフ)


【準決勝】
穴井隆将○GS僅差2-1△ラコフ(カザフスタン)
ゼービ(イスラエル)○一本背負投(0:24)△カイバラエフ(ロシア)

【決勝】
穴井隆将○優勢[指導3]△ゼービ(イスラエル)

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg・穴井隆将
(写真:100kg級優勝の穴井)
穴井隆将選手のコメント
「今年は、グランドスラムは全て負けていたので、ようやく勝てて嬉しいです。
勝てたという結果だけは良かったですが、皆さんの思う通りつまらない試合でした。いつか、内容と結果、両方100点になるように精進していきたい。
あまりにも試合が続きすぎて、1回戦から全く緊張しませんでした。調子がいいのかどうか、仕上がっているのかどうか自分でもわからないくらい。体は疲れていないので、乱取りみたいな感覚だった。固くならなかったのでそれが正解だったのかもしれません。
(篠原監督からは)子供はほっといても大きくなるから東京で頑張れと言われましたので、これからさらに柔道人生に賭けたいと思います。
年齢的にもオリンピックはロンドン(2012年)しか考えられないと思うので、日々の精進をしっかりと続けたいと思います。
(今年1年を振り返って)グランドスラムも全部落としてアジア大会も負けて、苦しい一年でした。来年は全日本選手権奪回と世界選手権連覇、連覇が苦手な自分なので頑張ります」

篠原信一監督のコメント
「穴井は本来の柔道ではないが、悪いなりに結果を出したことは成長。(穴井選手は今後も東京で稽古を続けるか?)遠征以外は半分地元で、半分東京で。もう私の道連れです。アイツだけ楽しい思いはさせません(笑)。羽賀については、組めば切れる技を持っているのに、下がったり、持っているのに離したり、まだ力負けしている。基礎体力の強化からですね」


[GS東京100kg超級マッチレポート]
高橋和彦負傷棄権で銀メダル、上川は煮え切らない柔道で銅メダル


10年12月13日GS東京柔道大会・100kg超2回戦・上川大樹
(写真:2回戦、上川大樹がアジア大会で敗れた
キム・スーウォンから内股「一本」で勝利)



【日本人出場選手】
上川大樹(明治大3年)
高橋和彦(新日本製鐵)
立山広喜(日本中央競馬会)
百瀬優(国士舘大3年)



東京世界選手権無差別の金メダリスト・上川大樹(明治大3年、WR33位)の活躍が期待されたが準決勝で敗退。上川は2回戦のキム・スーウォン(韓国、WR9位)から大苦戦。先に消極的「指導」を取られ、その後もキムに完全に組み負け、左奥襟を取られて頭を下げさせられる展開。残り42秒に本領発揮の右内股で一本勝ちしたものの、ヒヤヒヤの一戦だった。

上川は続く強豪タングリエフ(ウズベキスタン、WR6位)とも大接戦。今度は先に「指導2」を取ったものの、左袖釣込腰「有効」で追いつかれてGS延長戦に突入。篠原監督の「おいこらぁ、やる気あんのかぁ!」の激しい檄に応え(?)、スタミナ切れの顕著なタングリエフの両襟を掴んでの払腰で「有効」を奪い(6:13)、辛くも準決勝進出を果たした。

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg超準決勝
(写真:準決勝、スタミナ切れの上川はキム・ソンミンの後袈裟固に仕留められてしまう)

ピリッとしない試合が続く上川の準決勝の相手はキム・ソンミン(韓国、WR17位)。開始早々、がっぷりと右奥襟を掴んだキムが強引に払巻込で上川を崩すとそのまま袈裟固に。なんとか14秒で逃げるも、これで上川はスタミナを消耗。再開直後、再度の払巻込で「技有」を取られると、そのまま後袈裟固に極められ万事休す。世界王者・上川はアジア大会に続き、今大会でもいいところを見せられず、準決勝で姿を消すこととなった。 上川を破ったキムは、3回戦ではワールドランキング2位のエルシャハビー(エジプト)を谷落(2:52)で破っての準決勝進出だった。

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg超1回戦・高橋和彦
(写真:1回戦、高橋は危なげなく内股で一本勝ち)

もう一人の決勝進出者は、高橋和彦(新日本製鐵、WR5位)。高橋は、1回戦のホシナ(フィリピン)を内股「一本」(0:58)、2回戦の百瀬優(国士舘大3年、WR38位)を「指導2」優勢勝ち、3回戦のブライソン(キューバ、WR12位)にも「指導2」優勢勝ちして準決勝へ進出。

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg超準決勝・脇固
(写真:テルツァーの脇固で負傷した高橋はしばし立ち上がれず)

準決勝のテルツァー(ドイツ、WR3位)戦では、開始早々、支釣込足で崩され横四方固に抑えられるも23秒で逃げ「技有」。そこから反撃に出ようとした矢先にテルツァーが、立ち姿勢から身体を捨てての脇固を仕掛け、テルツァーが反則負け。これで高橋の決勝進出が決まったものの、高橋は左ヒジ負傷のため、決勝を無念の棄権。この高橋の棄権により、キム・ソンミンの優勝となった。
今大会最後の試合が、棄権勝ちという、締まらない終わり方になってしまったが、高橋の負傷は、直後の痛がり方を見ても相当にひどいことが予想され、篠原監督の「大丈夫だぁ!」の一喝をもってしても試合は不可能で、高橋にとっても非常に不運な結末だった。

東京世界選手権3位の立山広喜(日本中央競馬会、WR13位)は、初戦不戦勝の後、2回戦のシウバ(ブラジル、WR18位)には、内股を小外掛で返して「技有」を奪い優勢勝ちしたものの、3回戦のテルツァーには払巻込「技有」の後、掬投で一本負け(4:21)を喫した。
百瀬は1回戦でメトレベリ(グルジア)を大外刈(2:33)で一蹴し、幸先のいいスタートを切ったが先輩・高橋との試合ではいいところを見せることはできなかった。

今大会で印象に残ったのが、優勝した韓国のキム・ソンミンと2回戦で上川と接戦を演じたキム・スーウォン、2人の韓国人選手。非常にパワフルで、技にも破壊力がある。韓国人重量級選手としては久々の強豪。日本人にとって、今後かなりやっかいな難敵になってきそうだ。

【準決勝】
キム・ソンミン○合技(1:41)△上川大樹
高橋和彦○反則勝△テルツァー(ドイツ)

【決勝】
キム・ソンミン○棄権勝△高橋和彦

10年12月13日GS東京柔道大会・100kg超入賞者
(写真:100kg超級入賞者。右から高橋、
キム・ソンミン、テルツァー、上川)
キム・ソンミン選手のコメント
「グランドスラム初優勝なのでとても嬉しいです。これからもっとスピードをつけ、攻撃的な柔道をしたい。決勝は高橋選手と試合をやりたかったのでとても残念です。ロンドンオリピックで金メダルが取れるよう、これからさらに頑張りたいと思います」

高橋和彦選手のコメント
「怪我は食らった自分も悪い。痛くても出たい気持ちがあったが、これでは試合にならないと思った。準決勝は負け試合に近いし、それまでの内容も悪い。(代表争いは)強い選手が多いし、まずは国内で勝って実力ナンバーワンであることを証明したい。それが今日だと思っていたのですが残念です。来年は自分の柔道人生の中でも一番大事な一年になると思います。あきらめないことが一番大事だと思いますし、最後は気持ちの勝負になるはず。頑張ります」

篠原信一監督のコメント
「高橋の怪我は、(脇固を)取られるほうが悪い。腕を伸ばしているから取られる。普段あそこが痛いここが痛いという選手ではなく、黙って試合に出てしまうような選手だが今回は無理。全日本王者でもあり、早く治してもらいたい。上川も世界選手権は勢いで勝っただけで、まだまだです。」


※eJudo携帯版「e柔道」12月14日掲載記事より転載・編集しています。

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