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グランドスラム東京・48kg級、52kg級マッチレポート

2010年12月19日

※eJudo携帯版「e柔道」12月11日~12日掲載記事より転載・編集しています。

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[GS東京48kg級マッチレポート]
福見、今季最終戦Vにおもわず涙。世界王者浅見は近藤香に完敗


10年12月11日GS東京柔道大会・48kg・福見友子
(写真:準々決勝、近藤香が浅見八瑠奈から小内刈「有効」)


【日本人出場選手】
福見友子(了徳寺学園職)
伊部尚子(ぎふ柔道クラブ24)
浅見八瑠奈(山梨学院大4年)
近藤香(帝京大4年)


前半戦の注目対決は東京世界選手権王者・浅見八瑠奈と、同学年で浅見に食らいつき続ける近藤香の準々決勝。
浅見開始とともに走り寄る勢いで気合十分だが、両者の対決の常でお互いに袖を絞り落とすような厳しい組み手争い。
そのさ中、45秒に近藤が組み際に鋭い左小内刈。浅見辛うじて身を捻り一本を免れるがこれが「有効」となる。崩れた瞬間の体勢からすれば浅見が「有効」でとどめたことがむしろ非凡と思われるほどの絶妙の小内刈で、文句なしのポイントだった。
以後浅見からポイントにつながる技の匂いはないまま試合は終了。世界選手権王者の浅見が準決勝を待たずして畳から去ることとなった。

10年12月11日GS東京柔道大会・48kg準決勝・福見友子
(写真:準決勝、福見が伊部を相手に優位に試合を進める)

準決勝の福見-伊部戦はGS延長戦にもつれ込む小差の試合だったが、度々伊部を浮かせ、寝技でも攻勢を取った福見が僅差3-0で勝利。
もう片方の準決勝は、メネゼス(ブラジル・WR6位)が昨年の今大会に引き続き、試合中に負傷して準決勝の畳には姿を現わせず。棄権勝ちで近藤が決勝に進出した。

福見はこの日も決して好調ではなかったが、2回戦でバットエルデン(モンゴル・WR22位)を1分34秒、所謂三角固(崩上四方固)で降し、準々決勝ではペイエット(フランス・WR13位)をこれも崩上四方固で降して勝利。準決勝の伊部尚子戦も僅差判定に縺れ込んだとはいえ危ない場面はほとんどなく、安定感を見せて決勝に進んだ。

10年12月11日GS東京柔道大会・48kg・近藤香の横四方固
(写真:横四方固でシライシを破る近藤香)

一方の近藤もシライシ(アメリカ)、ボグダノバ(ロシア)と2試合を横四方固で一本勝ち。準々決勝は前述の通り浅見を破り、準決勝は棄権勝ちしての決勝進出。

10年12月11日GS東京柔道大会・48kg決勝
(写真:福見-近藤の決勝戦)

決勝は福見が左、近藤は右組みのケンカ四つ。
序盤、福見が右一本背負投に深く潜り込むが、決めの段で近藤回転しながら伏せてこれを逃れ、返しを狙うが「待て」。
1分20秒過ぎから福見が引き手、釣手をしっかり持って圧力を掛けると、近藤やや押し込まれて斜めに場外際に下がる。

10年12月11日GS東京柔道大会・48kg決勝・福見友子の一本
(写真:福見、崩れた近藤を追いこんで浴びせ「一本」)

ここで福見、下がる近藤に左大外刈を放つ。福見の足は近藤の左膝外側に僅かに触れたのみだが崩しが効いてその膝を支点に近藤大きくバランスを失う。機とみた福見、これに追いかけて体を浴びせると近藤背中から落ちる。主審「技有」宣告も副審のアピールでこれは「一本」に訂正。
意外とも言える早い決着で福見が今大会連覇を達成した。

世界選手権、アジア大会と好調とは言い難い内容でスランプの声も聞かれた福見、優勝決定後は「理由はわからないが、勝つという感じを味わって素直に出てしまった」と珍しく涙を見せた。
「勝った瞬間は一歩前進したという安堵感があった。ずっとモヤモヤしたものがあったが、今年最後の試合を一本勝ちで終われて良かった」と語った福見。世界王者奪回に向けて来年の活躍に期待したい。

10年12月13日GS東京柔道大会・48kg入賞者
(写真:48kg級入賞者。左から近藤、福見、メネゼス、伊部)

【準決勝】
福見友子○GS僅差3-0△伊部尚子
近藤香○棄権勝△メネゼス(ブラジル)

【決勝】
福見友子○足車(1:39)△近藤香

10年12月11日GS東京柔道大会・48kg・福見友子
(写真:48kg優勝の福見)
福見友子選手のコメント
「内容は世界選手権、アジア大会と同じで相変わらず良くないが、最後に一本が取れて良かった、。今年一年モヤモヤしたものがあって苦しい年だったが、自分をみつめなおすチャンスですから自分の中ではこういう時期も必要なのかとも思う。来年も短期間に試合が集中するが、悪い中でもしっかり勝ち切る柔道をするのが大事、それを身につける、それを求めていく年だと思っています。」

浅見八瑠奈選手のコメント
「初戦から動きが悪かったが、いつも良い時ばかりではないので、悪い時もしっかり勝たないといけない。反省している。近藤選手は苦手というより、良く対戦する選手でお互いに手の内がわかっているというやりにくさはあります。(追われる立場のプレッシャーは?)ないと思っていますが、100%力が発揮できる準備が出来たか、モチベーションを上げきれたかと問われたらそうとは言いきれない部分もある。一番練習した人間が五輪に出られると思っているので、来年もそこは妥協なくやっていきたいです。」

園田隆二監督のコメント
「48kg級は誰が出ても勝てるという部分もあるし、その分代表争いという意味ではハードルが高い。浅見に関しては、『まだまだ成長しないと』という気持ちは良いが、負けられないという意地が感じられなかったのが少々残念」

[GS東京52kg級マッチレポート]
世界王者西田優香が力見せつけ優勝、16歳山本杏は大健闘の2位


【日本人出場選手】
西田優香(了徳寺学園職)
山本杏(桐蔭学園高1年)
加賀谷千保(山梨学院大2年)
橋本優貴(金沢学院大3年)

橋本優希は2戦目で西田と対戦する不運な組み合わせだったが、この階級の日本勢は一貫して好調だった。
その筆頭は今大会がシニア国際大会初参戦の16歳、今季の世界ジュニアを制した高校1年生の山本杏。
初戦でV候補のクズティナ(ロシア・WR3位)を左の片襟背負投「一本」に仕留める殊勲を挙げて波に乗ると2回戦はカツナ(ルーマニア)を場外際の巴投でこれも一本、準々決勝ではもと世界王者のベルモイ(キューバ・WR14位)を横四方固に仕留めるなどオール一本で準決勝へ進出。

10年12月11日GS東京柔道大会・52kg1回戦
(写真:1回戦、山本杏がクズティナを左背負投に切って落とす)

08、09年全日本ジュニア連覇の加賀谷千保もこの日は久々のハイパフォーマンス。カラスコサ(スペイン・WR4位)を内股、タラングル(ドイツ)を大内刈とともに「一本」で退けて準決勝に進出した。

10年12月11日GS東京柔道大会・52kg2回戦
(写真:2回戦、加賀谷が強豪カラスコサを内股に仕留める)

山本と加賀谷の準決勝は山本、加賀谷ともに左組みの相四つ。
加賀谷が左内股で攻勢に出、53秒にはほとんど角度のないところから足を深く差しこんでの左内股、さらに山本が下がるとみるや戻り際に左小外刈を仕掛ける。 一気にこれを決めんと加賀谷が体を捨てながら前に出た刹那、山本これを透かして後ろ回り捌きに体を浴びせれば加賀谷これに巻き込まれ低空で1回転して、山本の「一本」。わずか1分1秒という意外な早い決着で山本が決勝進出を決めた。

この日の加賀谷は絶好調で動きも切れていた。角度のないところから威力のある内股、ほとんど隙間のないところをさらに切り返して小外刈、山本が崩れるとみるやすかさずこれを追って体を捨てに掛かるという動きの鋭さと判断の速さはこの好調さゆえだが、その上を行った山本はすさまじい。

10年12月11日GS東京柔道大会・52kg準決勝・山本杏の一本勝ち
(写真:準決勝、山本が加賀谷の小外刈を透かし、体を浴びせて一本勝ち)

結果は早い時間での一本負けということで山本との間に差がついた形だが、加賀谷が好調でなければこれほどの早期決着はなかったかもしれない。負けた加賀谷も大いに讃えたいナイスゲームではあった。
もう片側からは西田優香が順当に決勝進出。準決勝はゴメス(スペイン・WR6位)を左背負投「技有」からの横四方固で一蹴するなど全試合一本、抜群の出来での勝ち上がり。

決勝は西田、山本ともに左組みの相四つ。
開始早々、西田、左の低い背負投。山本、両足を西田の腰の外側に逃がしてこれを防いだかに見えたが西田に上半身をコントロールされており、離れきれない。西田立ち上がって走りながらこれを決めに掛かれば頭の下がった山本たまらず回ってしまい「有効」。
これはまだまだかなりのパワー差がある、と見られたが、以後は山本が折を見て奥襟を叩くなど必死で食らいつき、西田はポイントを積み上げることができない。

10年12月11日GS東京柔道大会・52kg決勝・西田優香
(写真:決勝、西田が山本にかわされながらも背負投を押し込んで「有効」)

西田、山本の技は悠々と捌くものの、自身もいまひとつ思い切りのよい技が出せないまま時間は経過し、そのまま終了ブザー。西田が優勢勝ちで、見事優勝を飾った。

試合後「決勝が不甲斐ない。悔しいです。」と優勝したにも関わらず悔し涙を見せながらミックスゾーンに姿を見せた西田。
「落ち着いてやればなんでもない試合を、一本勝ちできなかった。精神面で成長できたと思っていたのに、自分にガッカリしている」とコメントは自責に終始したものの、その内容からも意識の高さ、目指す境地の高さが垣間見え、こういってはなんだが以前とは別人。「まだランキングでは1位ではないし、(中村美里に)追いついているとは思っていない」と上を見つめ続ける西田は、まだまだ成長を続けそうな気配だ。

10年12月11日GS東京柔道大会・52kg入賞者
(写真:52kg級入賞者。左から山本、西田、加賀谷、ゴメス)

【準決勝】
西田優香○合技△ゴメス(スペイン)
山本杏○隅落△加賀谷千保
【決勝】
西田優香○優勢[有効・背負投]△山本杏

10年12月11日GS東京柔道大会・48kg・福見友子
(写真:52kg級優勝の西田)

西田優香選手のコメント
「最後に悔いの残る試合をした。精神的に多少成長できたと思っていたのに、自分にガッカリしている。準決勝までは勝ち負けに関係なく自分の柔道ができればいいと思っていたのに、決勝は頭に違うことがちらついた。メディアやファンの「食ったら面白いだろうな」というのも伝わってきて、食われちゃいけないという気持ちが出てきた。気にしないようにはしていたが、どこかで「若手が出てきたな」という意識もあった、そんな試合でした。山本選手とは落ち着いた状態で試合をしてみなければいけないなと思いました。足技もだんだん使えるようになってきて技術的には上積みがあったと思いますが、精神面がまだまだ。ロンドンまで時間がないし、まだ(中村美里選手に)追いついていないので、来年も一戦一戦しっかり戦っていきたいです」

山本杏選手のコメント
「ランキング3位の選手とやれるのがうれしくて、組み合わせが決まってからテンションがおかしくなっていました。自分にマイナスになることはひとつもないので、思い切ってできました。今日はここまで来れるとは思っていなかったし、西田選手との決勝はとにかく楽しくて、息はあがっているのに疲れない、きつくない、自分の人生でも珍しい試合でした。奥襟を叩いたのは、欲しい前襟が持てなかったからで、西田選手は強かった。悔いは残らない、満足な大会でした。」

園田隆二監督のコメント
「(きょう一番の収穫は?)山本が勝ったこと。ロンドン、ブラジル五輪に向けすごい素材が出てきたなと。今、52kgは中村、西田が抜けているし山本も今の力ではまだ勝つところまでいかないが、こういう経験を積めたのは素晴らしいこと。」


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