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グランドスラム東京・60kg級、66kg級マッチレポート

2010年12月19日

※eJudo携帯版「e柔道」12月11日掲載記事より転載・編集しています。

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[GS東京60kg級マッチレポート]
日本人4人が表彰台独占、優勝は期待の一番手・山本浩史


【日本人出場選手】
山本浩史(日体大3年・WR25位)
松木武志(国士舘大2年)
志々目徹(日体大1年)
木戸慎二(日体大2年)


日本人出場選手4人が全員揃って準決勝に進出、その中から山本浩史と志々目徹の2人が決勝に進出した。
序盤の注目対決を挙げると、まず松木と、大ベテランのペイシャー(オーストリア・WR6位)が戦ったオープニングゲーム。
これは開始早々に松木が回り込みの右内股で「有効」を奪取。ペイシャーが潰れるとみるやすかさずこれをめくりながら体を捨てての見事な一撃だった。

10年12月11日GS東京柔道大会・松木武志の有効
(写真:オープニングゲーム、松木武志がペイシャーから開始早々に内股「有効」を奪う)

以後も動きに精彩を欠くペイシャーを相手に、3分に袖釣込腰「技有」、3分47秒に大内刈「有効」と圧倒的に松木が攻め、残り6秒に小内巻込を合わせて「技有」奪取の合技で圧勝。
この日のペイシャーは普段の試合よりも一回り小さく見えるほど痩せていて元気はなかったが、それを差し引いても松木の気の強さ、攻撃力の高さが際立つ試合だった。

もう1試合、準々決勝の山本浩史-ムーレン(オランダ・WR7位)の試合も圧巻だった。
粘りが身上のムーレンに対し1分53秒、山本が得意の左内股を仕掛けるとムーレンはアッという間に畳に落ちて「一本」。
ムーレンは「俺がこんな投げられ方をするとは」とばかりに畳を両手で叩いて呆然。山本の技の切れの良さを印象づけるシーンだった。

準決勝第1試合は松木-志々目。08年、09年のインターハイ王者による戦いということになった。
日本人同士、また引き手争いに陥りやすいケンカ四つということもあり試合はやや停滞し、2分20秒には篠原信一・日本男子監督が「2人とも勝負せえ!」と檄を飛ばす場面も。

10年12月11日GS東京柔道大会展望・70kg・國原頼子(自衛隊体育学校)
(写真:準決勝、志々目が内股「技有」を奪う)

そんな中、残り50秒、松木が左引き手を握った刹那、志々目これを握り返しながら左内股に入れば、松木スッポリとこれに嵌り意外というほどあっさり1回転して「技有」。
そのまま志々目は袈裟固に移行。松木これを15秒(有効)で逃れるも時間はほとんどなく、このまま志々目が優勢勝ち。見事決勝進出を決めた。

10年12月11日GS東京柔道大会・山本浩史の準決勝
(写真:準決勝、山本は釣手を流して内股巻込「技有」)

準決勝第2試合は山本-木戸とこれも日体大の同門対決。
山本、木戸ともに左組みの相四つ。内股の得意な山本に対し木戸は徹底してその釣手を抑えて対抗する。しかし足技を繰り出して相手を崩しながら慎重に引き手をたぐって持つ山本に徐々に試合展開は移っていく。3分26秒、山本引き手を握るや釣手を流して内股巻込を放てばこれが決まって「技有」。このまま試合は終了し、山本が初の決勝へと駒を進めることとなった。

10年12月11日GS東京柔道大会・60kg・決勝
(写真:志々目(青)-山本の決勝戦)

これも日体大の同門対決となった決勝は、新旧世界ジュニア王者(09年山本、10年志々目)による若い世代の戦いとなった。山本、志々目ともに左組みの相四つ。
開始早々、志々目が角度のないところから大内刈を放つと、山本伏せてこらえる。志々目序盤からやる気十分。
山本に釣手を許してはいけないと志々目は厳しい組み手でこれに対応。両袖を絞り合った形からでも攻撃の出来る志々目、40秒には右袖釣込腰、1分43秒にも小外刈から右袖釣込腰で山本を高く持ち上げる。
1分46秒、袖口を握った山本に「指導1」。
以後山本、得意の掛け倒すような小内刈に出足払、釣手を握っては内股と攻勢に出る。

10年12月11日GS東京柔道大会・60kg・山本浩史の一本勝
(写真:山本が志々目の左内股巻込を返して「一本」)

3分20秒すぎ、引き手を握った山本が出足払に小外刈と足技でプレッシャーを掛けると志々目は左内股巻込に逃れようとする。
これを潰れる前に空中で抱きかかえた山本、志々目が体を捨てるのをゆるさず、右側に体を捨てて志々目をめくれば、志々目耐えきれずに畳に叩きつけられる。
主審「技有」を宣告も、副審2人のアピールで即座にこれを「一本」に訂正、3分26秒。
日本期待の一番手、山本が見事に優勝を決めた。

山本自身「ワールドランキングの上位5人が出ていない大会」と語ったように、ソビロフ(ウスベキスタン)、ザンタライア(ウクライナ)、平岡拓晃の3強はいずれも出場していない。とはいえ、世代交代が急速に進む日本の60kg級の中で、若手が上位を独占したのはポジティブな結果だ。
ただし、終盤に日本人対決が多かったこともあり、正直3強に迫るようなインパクトのある試合だったとは言い難い。篠原監督の「平岡の尻に火がつけてもらわないといけない」とのコメントに応えられるような活躍を期待したい。

10年12月11日GS東京柔道大会・60kg入賞者
(写真:60kg級入賞者。左から志々目、山本、木戸、松木)

【準決勝】
志々目徹○優勢[技有・内股]△松木武志
山本浩史○優勢[技有・内股巻込]△木戸慎二

【決勝】
山本浩史○小外掛△志々目徹


10年12月11日GS東京柔道大会・60kg・山本浩史
(写真:60kg級優勝の山本)
山本浩史選手のコメント
「今日はランキング上位5人までがいない大会。優勝が目標だったので嬉しいです。準決勝、決勝は後輩が相手なので絶対負けられないとも思いました。準々決勝はランキング上位の選手に勝って少し自身になりました。日本のレベルは高いので、その中で一つ抜けて代表になるにはもっと頑張らないといけない、平岡さんにリベンジしたかったので欠場は残念でした。(今後の課題は?)内股しかないので他の技をしっかり作ること。精神面も含めて色々な面で成長していきたい。今年出れなかった世界選手権に出るのが来年の目標です」

篠原信一監督のコメント
「若い4人が上位に入ったこと自体は嬉しく思うが、日本人同士ということもあり内容は迫力に欠けた。やはりしっかり一本獲りにいく柔道を見せて欲しい。山本は準決勝までの勝ち上がりが良かっただけに、それ以降が残念。若い連中には、平岡の尻にどんどん火をつけてもらって、ゆっくりしていられないような状況を作ってほしい」


[GS東京66kg級マッチレポート]
階級変更のベテラン福岡、抜群の出来で2年連続優勝


【日本人出場選手】
森下純平(筑波大2年)
海老沼匡(明治大3年)
福岡政章(綜合警備保障)
小寺将史(筑波大2年)

序盤の注目対決、世界選手権のリベンジマッチとなった海老沼-クナ(ブラジル・WR12位)の3回戦は海老沼が勝利。
クナ得意の横落(足をとらない肩車)を1度は透かし、1度は潰して完封、ペースを握った海老沼が3分59秒に相手の背中越しに帯を持って豪快な釣腰を決め、「技有」奪取。 このまま勝利かと思われたものの、残り13秒でまさにその得意技にあっさりめくられ「技有」を失う。試合はGS延長戦へ。

10年12月11日GS東京柔道大会・66kg・海老沼匡の技有
(写真:クナを釣腰「技有」に捉える海老沼)

予想外に縺れた試合となったが、最後はクナの払巻込をめくり返して畳に抑えつけ、横四方固「技有」で辛勝。海老沼一本勝ちで世界選手権の借りを返した。海老沼も強いが、世界選手権で銀メダルを獲得したクナの強さもまた際立った一戦だった。

東京世界選手権王者の森下純平はモグシコフ(ロシア・WR5位)との準々決勝を落として入賞ならず。序盤にモグシコフと掬投の打ち合いの形で一瞬止まった後、モグシコフに帯を握られたまま浮技の形で後ろに放られ「技有」を失う。

10年12月11日GS東京柔道大会・66kg・森下純平
(写真:モグシコフの横捨身技に宙を舞う森下)

「まだ時間があるので取り返せると思った」森下だが、パワーファイターのモグシコフを前にペースを取り戻すことは叶わず、優勢負けで敗戦が決まった。

準決勝に進んだのはロッテルダム世界選手権王者のツァガンバータル(モンゴル・WR1位)と前述のモグシコフ、海老沼、福岡の4人。
ツァガンバータル-モグシコフ戦は、お互いに身体能力が高く、息もつかせぬ攻防が続く。4分35秒、モグシコフが小外刈のように高く足を挙げながら真裏にツァガンバータルを投げつけ、裏投「一本」で勝利。決勝進出を決めた。

10年12月11日GS東京柔道大会・66kg準決勝・モグシコフ
(写真:モグシコフが裏投「一本」で決勝進出)

海老沼-福岡の試合は海老沼左、福岡は右のケンカ四つ。
講道館で福岡に苦杯を喫した海老沼、気合十分で左内股、内股フェイントの小外掛を仕掛ける。会場がドッと沸くほどの絶妙のタイミングだったがバランスの良い福岡、倒れずこれを悠々捌く。
1分3秒、福岡、引き手争いの一瞬の隙を突いて横方向の巴投。浮いた海老沼を脚で制して畳に押しつけるとこれが「技有」となる。

10年12月11日GS東京柔道大会・66kg準決勝・福岡政章の腕挫十字固
(写真:準決勝、福岡は講道館杯に続いて腕挫十字固で海老沼を仕留める)

福岡、ここから海老沼の左腕を引っ張り出しにかかり、海老沼を伏せさせたまま腕挫十字固で一本勝ち。講道館杯と同じ決まり技で見事海老沼を倒した。
福岡は初戦のファルモノフ(ウズベキスタン・WR23位)戦の背負投「一本」を皮切りに、ミラグチャ(モンゴル・WR4位)、ウリアルテ(スペイン・WR8位)にこの海老沼と全試合を一本勝ち。抜群の成績で決勝へと駒を進めた。

決勝はモグシコフ左、福岡は右組みのケンカ四つ。

10年12月11日GS東京柔道大会・66kg決勝・モグシコフ
(写真:決勝、背中を叩いてパワーファイトを挑むモグシコフ)

典型的なパワーファイターのモグシコフ、奥襟を抱えて前に出るが福岡一歩も引かず腰に手をまわして応戦。モグシコフが背中を抱えて小外刈を放てば、福岡は後帯を握り返して大内刈に右体落と一歩も引かないノーガードの打ち合い。

森下、ツァガンバータルという強敵を破ってきただけあってモグシコフのパワー、運動神経は素晴らしい。1分30秒過ぎの波状攻撃の迫力、2分過ぎには福岡の深々と入った背負投をギリギリでかわして見せるその身体能力の高さに会場は大きく沸いた。後者はモグシコフが奥襟を深く叩きすぎていた場面ということもあり最低でもポイントは間違いないというところだったが、「投げた」と思った瞬間一瞬早く伏せて逃れてしまい福岡は取りきれない。

10年12月11日GS東京柔道大会・66kg決勝・福岡政章の背負投
(写真:完璧に潜り込んだに思われた福岡の背負投を伏せてかわすモグシコフ)

しかしこの背負投に潜り込んだことで感触を掴んだか、以後福岡はモグシコフに攻め込まれながらも度々背負投で反撃を試みる。2分半過ぎのモグシコフの内股、大内刈の連続攻撃を受けた際は一瞬「指導」かとも思われたが体勢を崩しながらもそのまま背負投で反撃して展開を切り、流れを押し戻す試合巧者ぶりを見せる。
3分52秒、福岡再び右背負投。モグシコフこれをガッチリ止めて福岡の背中に腕をまわして返しにかかるが、福岡抱きとめられながらもなんとか振り返ることに成功し、これに大内刈を合わせ「技有」奪取。

10年12月11日GS東京柔道大会・66kg決勝・技有
(写真:福岡、背負投を抱きとめられながらも右大内返に切り返し「技有」奪取)

こうなれば試合巧者の福岡はもう展開を渡さない。残りの約1分をしっかりと戦い切った福岡が優勢勝ちで勝利、60kg級からの階級転向後初の国際大会で見事一発回答、優勝の栄冠を勝ち取った。
優勝した福岡は嬉しそうにインタビューに答え「(階級を)上げるのは怖かったけど、上げてみて良かったと思っている」と一言。「先を見過ぎずに、一戦一戦しっかりやります」と60kg時代同様の真面目さでインタビューを締めくくった。

【準決勝】
モグシコフ(ロシア)○裏投(4:35)△ツァガンバータル(モンゴル)
福岡政章○腕挫十字固(1:10)△海老沼匡

【決勝】
福岡政章○優勢[技有・大内刈]△モグシコフ(ロシア)

10年12月11日GS東京柔道大会・66kg・福岡政章
(写真:優勝の福岡政章選手)
福岡政章選手のコメント
「結果が出せて良かったし、決勝は一本取れなかったですが、そこまでは全部一本取って勝っていけてその点も良かった。悪い面も見えたのでそれが課題。まだ、たまたま掛かるような技が多いし、続けて勝つためにもっと稽古したいですね。階級を上げるのは怖い部分もあったし、今日も未知の部分があったが、やってみれば体も動くし、60kg時代と力の差はそんなにないなと。減量もなかったし、違和感なくノビノビやれました。代表を目指しているので若い選手に負けないよう頑張ります。」

篠原信一監督のコメント
「減量から解放されて本来の力が出せたし、さすがベテランという上手さも見せた。世界と戦うにはもっと体も大きくしてほしい。森下、海老沼に加えて、きょう勝った福岡も合わせて強化していきます。」

森下純平選手のコメント
「調子はそんなに悪くなかったが、同じ柔道では通用しない。ポイント取られても時間はあったし十分取り返せると思ったのですが・・・。まだまだ組み手が出来ていない。組み手が弱いから掛けさせてしまうし、受けが弱いから投げられてしまう。まだまだ練習です。追われる立場というのは意識していませんでしたが、思うように自分の柔道が出来ませんでした。(この1年を振り返って?)世界選手権は自信になったが、これから勝ち続けられるような選手になれるように精神的にも肉体的にもパワーアップしたい。まだまだ66kgには強い選手が一杯いるので、気を引き締めて頑張ります」

海老沼匡選手のコメント
「1回戦から体も動いてしっかり出来た。日本人選手に負けて、国内での戦い、日本人との戦いがひとつ課題になってくると思います。準々決勝もそうですが、自分はどうしても『のるかそるか』になったしまうので少し遅れたら負けてしまう。足技からひとつひとつ崩していくような試合が出来るようになりたい。(腕挫十字固は)認めたらいけないけど、(講道館杯時の怪我で)腕に力が入らなかった。ただ立ち技でしっかり投げられているので。去年も言ったんですが、勝ち続けることが出来ないので、来年はコンスタントに勝てるような柔道を目指します」


※eJudo携帯版「e柔道」12月11日掲載記事より転載・編集しています。

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