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講道館杯63kg級・70kg級・78kg級・78kg超級展望

(2010年11月20日)

※eJudo携帯版「e柔道」11月12日~19日掲載記事より転載・編集しています。

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■優勝候補田中を追う谷本、阿部の実業勢。ダークホースは田代、安松・講道館杯63kg級展望

【有力選手】

第一人者だった谷本歩実(コマツ)がついに引退を表明、世界チャンピオンの上野順恵(三井住友海上)はアジア大会出場のため今大会には出場せず。

昨年優勝の平井希(自衛隊体育学校)も階級変更で姿を消し、ややラインナップの薄い今大会は、東京世界選手権で銀メダルを獲得した田中美衣(ぎふ柔道クラブ21)が頭ひとつ抜け出した優勝候補筆頭だ。

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(写真:世界選手権2位の田中がV候補筆頭)

世界選手権では「ここで活躍できなかったら二度と選んでもらえない」と、2番手代表のお手本とも言える決死の覚悟で臨み、素晴らしい内容で決勝進出。大いに評価を上げた。 巴投から、大学時代に磨きに磨いた寝技につなぐのが必勝パターンだが、世界選手権では左内股に大内刈と切れのある技も見せた。世界を経験して大きく成長して帰ってきた今大会、国内でどれだけの勝ちぶりを見せてくれるか大いに期待したい。

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(写真:実業個人優勝、上り調子の阿部)

田中を追うのは阿部香菜(三井住友海上)、谷本育実(コマツ)、小澤理奈(ミキハウス)の3人。

阿部香奈はワールドカップ・ブダベスト優勝で代表戦線に名乗りを上げ、8月の実業個人では初優勝。猛者揃いの三井住友海上の中でも投技の破壊力は随一と噂され、左内股や大外刈は国際級でも一発で持っていくだけの威力がある。この選手もまだ成績に波があるが、今大会優勝の目は十分にあると見る。

(写真:初優勝を狙う谷本育実)

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谷本育実は昨年のグランドスラム東京で2位入賞。まだ出来に波のある部分はあるが、嵌った時の払腰、内股は威力がある。実姉・歩実の引退で今大会には期するものがあるだろう。

小澤理奈は社会人になってから低迷し、成績、内容ともついてきていない。現時点ではこの3人の中では一段落ちる印象だ。学生時代のライバル・田中の活躍には思うところも多いはずで、今大会では奮起を期待したい。右大外刈、内股が得意技。

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(写真:世界ジュニア王者の田代はシニアでどこまでやれるか)

ダークホースは世界ジュニア王者の田代未来(淑徳高1年)。まだ高校1年生だが、格上も一発で持っていけるだけの力強さ、技のキレを併せ持つ。本番に強いタイプでもあり、比較的波のある選手が多い実業勢がモタモタしていると一気にゴボウ抜きという可能性もある。将来の日本を背負ってたつ選手であることは疑いなく、現時点でシニアの選手とどのような試合が出来るか、田代の出来は女子全階級を通じて大きな話題の一つだ。

もう1人忘れてはならない若手は安松春香(環太平洋大1年)。大学入学後一皮剥けた印象で急成長、ジュニアは田代と激戦を繰り広げ(僅差2-1で敗退)2位、学生体重別は見事優勝を果たしている。アグレッシブなスタイルながら安定感もあり、すでにシニア上位に食い込むだけの力は持っていると見る向きも多い。急成長してきたこのタイミングで国際大会を経験できるかどうかは非常に大きく、講道館杯ではぜひとも入賞を狙いたいところ。

【組み合わせ】

第1シード、Aブロックに田中。準々決勝は09年ジュニア王者山本小百合(筑波大2年)-松岡睦(帝京大2年)の勝者か。田中は初戦の米富由加里(大阪府警)にも気が抜けない。
Bブロックは小澤。準々決勝は渡辺華奈(東海大4年)-太田晴奈(淑徳高3年)の勝者となる。
Cブロックは谷本育実。ここは準々決勝で田代未来との対決が実現しそう。見逃せない一戦だ。
Dブロックは阿部香菜。安松は2回戦で中川愛子(警視庁)との対決が待ち構えており、これがひとつのヤマ場。乗り越えれば準々決勝で阿部に挑戦することになる。

■國原が頭ひとつ抜けたV候補、成長見せたい若手の上野、田知本・講道館杯70kg級展望

【有力選手】

アジア大会に派遣された09年ロッテルダム世界選手権銅メダリストの渡邉美奈(コマツ)が、東京世界選手権、世界団体選手権に続いて散々な出来で大会を終え(3戦2敗で5位)、評価を大きく下げた。

園田隆二・女子日本代表監督は、世界選手権後に「世界で金を獲れないのであれば、獲れる潜在能力のある選手に切り替えて集中強化することもありうる」旨の発言をしており、渡邉が失速した中で行われる今大会は、上を目指す選手にとっては非常に大きな意味を持つ。成績はもちろんのこと、精神面、柔道スタイルを含めた内容も大きく問われる大会になるはずだ。選手にとってはある意味大チャンスでもある。

優勝候補筆頭は東京世界選手権銅メダリストの國原頼子(自衛隊体育学校)。実力、実績ともに1枚抜けている。

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(写真:世界選手権で銅メダルを獲得、第一人者となった國原)

これに今井優子(了徳寺学園職)と岡明日香(コマツ)が同世代で3強を形成し、若手の田知本遥(東海大2年)、上野巴恵(三井住友海上)、飯田有香(山梨学院大4年)が挑むという構図になりそうだ。

國原頼子はこの階級の中では長身。右大外刈、内股の一発に寝技の強さをあわせもつ。戦いぶりはオーソドックスだが、パワーアップに伴い海外の強豪相手にも組み勝って柔道が出来るようになり国際大会でも安定して成績が残るようになってきた。
世界選手権は「メダル確実」との評通りに銅メダル獲得。実質この階級の国内一番手と言える立場だけに、世界で頂点を目指すためにもここで負けるわけにはいかない。 銅メダル獲得直後の園田監督の「金を目指せる選手がほしい」旨の発言もあり、勝つとともにまだまだ成長できるポテンシャルを見せられるかどうか、「やはりこの階級は國原」と思わせるだけの勝ちぶりが残せるかどうかにも注目したい。

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(写真:実業個人で3連覇達成の今井)

今井優子は8月の実業個人で3連覇を達成。10月の国体も全勝で千葉チームの優勝に貢献し、好調を保っている。同級生の國原、渡邉が世界選手権出場、実業個人の優勝後には「私もいるということをアピールしたい」とコメントし、この講道館杯には意欲十分。

岡明日香は10月の世界団体選手権に出場、得意の寝技で一本勝ちしチームに貢献した。まだまだ上位に絡む力は持っている。

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(写真:若手の田知本はそろそろ結果が欲しい)

田知本遥上野巴恵は高校時代からジュニアの国際大会で活躍し将来を嘱望され続けているが、この大会には挑戦する度に跳ね返されてきた。入賞者は2年連続で「渡邉・今井・國原・岡」で、国際大会である程度の活躍を見せても、この脂の乗った同世代4人に敵わず、桧舞台を踏むに至っていない。首脳陣が名指しで期待するこの2人は今年が正念場。

飯田有香は4月の選抜体重別で得意の内股で「一本」を連発し2位入賞、大きなインパクトを残したがその後成績を残せていない。10月の学生体重別は体重オーバーで参加すら叶わなかった。
波のある選手と言ってしまえばそれまでだが、選抜の勝ちぶりで見せたその波の「頂点」は素晴らしかった。一発屋で終わるか、逸材として上位戦線に生き残れるか。今大会で真価が問われる。

【組み合わせ】

Aブロックに國原。逆ブロックには学生王者の大野陽子(立命館大3年)、ジュニア王者の馬場菜津美(山梨学院大1年)、IH王者松延祐里(長崎明誠高3年)と若手が揃った。大野-松延が初戦で対戦し、馬場との対決を制した選手が準々決勝で國原と対戦する。

Bブロックは岡、今井が準々決勝を争う。岡は唐鎌千鶴(帝京大2年)、今井は高校選手権王者結城久美子(敬愛高3年)と初戦を戦うが、ここは波乱の可能性は少ないだろう。

Cブロックは上野。準々決勝まではまず順当に勝ち進むだろう。待ち受けるのは谷口亜也(山梨学院大1年)と前田奈恵子(帝京大1年)の勝者か。

Dブロックに田知本と飯田。飯田は2戦目の川上由貴(フォーリーフジャパン)との対戦をまずしっかり勝つことができるかどうか。

■優勝争いは岡村・穴井、注目株は高校1年生の梅木真実・講道館杯78kg級展望

【有力選手】

この階級で、世界を戦うべき選手として期待されているのは東京世界選手権銅メダリストの緒方亜香里(筑波大2年)と、世界選手権無差別代表にしてグランドスラム・リオ王者佐藤瑠香(コマツ)のジュニア世代2人。

しかし今大会は緒方がアジア大会出場のため欠場、佐藤も世界選手権で負った負傷のため出場は叶わず。この階級は主役が不在の中、この2人に挑む権利を争う戦いとなる。

優勝候補は選抜体重別2連覇、東京世界選手権78kg級代表の岡村智美(コマツ)。
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(写真:世界選手権代表を務めた岡村智美)

岡村は東京世界選手権大会では実力をまったく発揮できず初戦敗退。組めば技の威力はあるだけに常々プロセス、組み手が大事と指摘されていたがこの試合も課題はまったく解消されず同じことの繰り返しで4つの「指導」を次々に失って敗退。内股で「有効」を奪ったが、これすら試合運びのドタバタぶりを強調することとなってしまい、現在の評価は散々なはずだ。
階級きっての技の破壊力は誰もが認めるところ。まずこの講道館杯をしっかり勝って、次への挑戦権を得たいところだ。

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(写真:穴井さやかは代表戦線への復帰を目指す)

岡村の対抗馬は、穴井さやか(ミキハウス)。
選抜体重別まで緒方と並んで代表レースのトップに近い位置を走り続け、ワールドマスターズなどの国際大会でも海外のトップクラスと互角に戦ってきた。177cmの長身から打ち下ろす大外刈、大内刈は迫力十分で、化ければ世界でも十分やっていける選手だろう。 穴井の弱点は好不調の波が激しいことと、試合ぶりの単調さ。岡村同様、技にいたるまでのプロセス、組み手にはっきり難がある。学生時代のような激しい稽古で調子を維持できているかどうかと、この組み手の克服が大きなカギになる。

岡村、穴井ともにどちらかというと猪突タイプであり、直接対決ではパワーに勝る岡村がやや有利か。穴井が岡村をいなしながら技を仕掛ける柔道ができれば試合は面白い。逆に、穴井が弱気の柔道に陥り巻き込みで掛けつぶれる自滅パターンに嵌れば岡村がしっかり取るのではないか。

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(写真:昨年2位の池田ひとみ)

これに続くのは昨年準優勝の池田ひとみ(自衛隊体育学校)か。穴井、岡村とは対照的に158mと小柄な選手だが、この体格を生かして背負投や小内刈など相手の懐に飛び込む技を得意とする。
皇后盃で3位入賞、今期も警察選手権を制したベテラン堀江久美子(兵庫県警)も忘れてはならない。学生2連覇の川島巴瑠奈(旭川大4年)はそろそろシニアでの実績を残したいところ。

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(写真:IH王者、高校1年生の梅木はシニア初挑戦)

ジュニア世代ではIHチャンピオン・梅木真実(阿蘇中央高1年)に注目。

全日本ジュニアには出場しなかったが、柔道のスケールの大きさは同高の先輩・緒方亜香里に近いものを感じさせる。国民体育大会では今期高校柔道界で最強を誇った世界ジュニア超級王者・井上愛美を払巻込で放り投げ、実質まだ今期「負けていない」状態。どこでこれが止まるのか、シニアカテゴリの強豪が揃う今大会は梅木の実力を測る絶好のモノサシとなるだろう。

【組み合わせ】

Aブロックに第1シードの岡村。順当に進めば決勝までは無風と言っていい。準々決勝は石本智子(福岡大3年)、池崎春華(帝京大4年)の勝者との対戦が濃厚。

Bブロックに川島。準々決勝は高橋千尋(三井住友海上)と学生2位の三戸彩香(環太平洋大4年)の勝者と対戦することになるだろう。

Cブロックには穴井が配された。準々決勝は平岡麻美(平成国際大柔道クラブ)との対戦が濃厚。ジュニア王者の濱砂香澄(敬愛高3年)は2回戦で平岡と対戦する。

Dブロックには池田ひとみと堀江が配された。池田は鈴木亜紀奈(帝京大4年)との2回戦を戦い、堀江には2回戦で新鋭の梅木がマッチアップする。強豪堀江は少々厳しい相手だが、梅木の実力を測るには非常に面白い対戦と言えるだろう。

■立山、石山の実業勢に市橋・山部が挑む・講道館杯78kg超級展望

【有力選手】

アテネ五輪78kg超級王者、長年この階級の顔だった塚田真希(綜合警備保障)が去ることとなり、世界選手権2階級制覇の杉本美香(コマツ)、無差別銅メダリストの田知本愛(東海大4年)はアジア大会出場のためいずれも欠場。

今回は塚田の後継者の座を手中にしつつある杉本と、次代のエース田知本、その2人への挑戦権を賭けた戦いと位置づけられる。

優勝候補は実業個人で決勝を争った立山真衣(フォーリーフジャパン)と石山麻弥(丸順)の2人。

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(写真:未完の大器立山の奮起なるか)

立山真衣は学生時代から「ポスト塚田」候補として期待を集めた大器。社会人1年目の昨年は稽古不足もあり調子を落としたが、今年は4月の皇后盃3位入賞をきっかけに、全日本実業団体優勝大会(2部優勝)、国民体育大会(準優勝)など団体戦で活躍。世界団体選手権大会では日本代表も務めた。前者の2大会では、普段大人しい立山が声を出してチームを鼓舞しリーダー格として振る舞うなど「この選手はまだまだやれるのでは?」と思わせる一面を見せている。
大外刈に払巻込、支釣込足と持ち技はオーソドックスだが、この裏表の組み立てだけで「一本」を獲れる天分がある。課題は稽古量と、どこまで柔道に本気になれるかという精神面。

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(写真:実業個人を制して勢いにのる石山)

一方の石山麻弥は実業個人決勝でこの立山を降して優勝。161cm(95kg)とこの階級では小柄だが、一本背負投に小内刈、大内刈と攻め続ける積極性が持ち味。むしろ柔道は「重量級キラー」のそれで、大外刈に支釣込足、払巻込を中心に組みたてる典型的重量選手が多い日本の超級ではこの柔道は嵌る。面白い存在だ。

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(写真:チャンスが巡ってきた市橋)

この他、東海大で同学年の田知本と2枚看板を張る、学生体重別準優勝の市橋寿々香(東海大4年)、白石のどか(フォーリーフジャパン)、08年、09年ジュニア連覇の山部佳苗(山梨学院大2年)などが上位進出候補。ジュニア世代では、世界ジュニア王者の井上愛美(新田高3年)がどこまでやれるかに注目だ。

【組み合わせ】

Aブロックに山部。準々決勝は1年生ながら団体戦で活躍する山本恭奈(帝京大1年)との対戦が有力。

Bブロックは市橋と白石が準々決勝を争う。長年田知本の陰に隠れひのき舞台での活躍がなかった市橋、白石を破ればシニアでの活躍が見えてくる。

Cブロックに立山。初戦で杉渕りずみ(帝京大4年)、準々決勝で井上愛美の挑戦を受ける。

Dブロックには石山。高校カテゴリで大活躍の橋本朱未(淑徳高1年)と土屋文香(東海大2年)の勝者と準々決勝を争う。

準決勝まで勝敗の行方が揺れそうなのはBブロックのみで、それ以外はまずまず優勝候補である山部、立山、石山の勝ち上がりは堅い。


※eJudo携帯版「e柔道」11月12日~19日掲載記事より転載・編集しています。

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