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講道館杯48kg級・52kg級・57kg級展望

(2010年11月20日)

※eJudo携帯版「e柔道」11月12日~19日掲載記事より転載・編集しています。

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■浅見、山岸、近藤らが世界トップレベルの争い繰り広げる・講道館杯48kg級展望

【有力選手】

日本最強階級と言って良いこの階級には、東京世界選手権王者の浅見八瑠奈(山梨学院大4年)、09年ロッテルダム世界選手権王者福見友子(了徳寺学園職)、山岸絵美(三井住友海上)、ワールドマスターズ2位の近藤香(帝京大4年)と世界トップレベルの人材がひしめく。

このうち福見がアジア大会で欠場。
優勝争いは浅見、山岸、近藤の3人によって繰り広げられることになる。

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(写真:世界チャンピオンにのぼりつめた浅見八瑠奈)

実績においては世界選手権王者の浅見が格上だが、その浅見も国内で圧倒的な強さを誇るというわけではない。世界選手権代表を決めた選抜体重別決勝の山岸戦は僅差2-1という小差の勝利だったし、序列では4番手の近藤が、浅見(09年学生体重別)、山岸(09年GS東京)に勝利していることでもわかるようにこの階級の上位は大混戦、圧倒的に抜け出している選手はいない。今大会も、直接対決での勝敗は「やってみるまでわからない」というのが大方の見方で、その点非常に面白い階級だ。

浅見の特徴は勝負強さ。組み手と足技で主導権を握り、右組みからの背負投と崩してからの寝技で取りきるのが必勝パターン。強敵相手でも、コツコツと攻め続けて流れを持ってくる辛抱強さが身上。
世界王者になったとはいえ、国内には同等レベルの実力者がひしめいており、そこで勝つことのむずかしさは国際大会の比ではない。五輪を狙うには国内で続けて勝ち、地位を固めることが必須だが、世界選手権直後のこの大会は頭ひとつ抜け出す大チャンス。優勝以外は考えていないだろう。

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(写真:実力No.1の呼び声高い山岸絵美)

山岸はこの中ではもっとも華のある柔道をする。三井住友海上所属らしい手堅い組み手と足技、という土台に破壊力のある投技を盛って爆発力は階級随一。左内股、袖釣込腰、切れる足技に寝技とどこからでも一本を狙える選手だ。実力はもちろん、国際大会の戦績も現役日本選手の中ではトップと言って良いが、昨年は福見、今年は浅見に代表の座を奪われいまだ五輪・世界選手権への出場は果たしていない。世界王者の実力があることを自身が一番よく知っているであろうだけに、悔しさはひとしおだろう。これ以上福見、浅見に離されるわけにはいかない今大会は是が非でも優勝を勝ち取りたいところ。

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(写真:近藤香は気持ちの強さが身上)

近藤香は気持ちを表に出して戦うファイタータイプ。前に出続けて相手を押し込み、飛び込みの背負投に小内巻込、横方向への巴投で流れを握る典型的な軽量級柔道をする。相手が「受けて立つ」展開となれば試合は近藤ペース。この流れさえ掴めば浅見、山岸相手にも勝利の可能性は十分。

この3人に挑むのは、ワールドマスターズ3位の伊部尚子(ぎふ柔道クラブ21)、昨年この大会3位の遠藤宏美(比叡山高3年)だが、遠藤は欠場。

伊部以下は、09年ジュニア王者玉置桃(藤村女子高1年)、世界ジュニア金メダルの十田美里(近畿大2年)、44kg級世界ジュニア金メダル濱田早萌(大成高1年)、同じく44kg級09年世界ジュニア金メダルの蓬田智佳(白鴎大足利高3年)などジュニア世代の有力選手が揃うが、上位選手との差はかなり大きい。

浅見、山岸、近藤が3強、これに絡む力があるのは伊部ということになるだろう。

【組み合わせ】

浅見、伊部、山岸、近藤がキレイに各ブロックに振られ、準決勝カードはそれぞれ浅見-伊部、山岸-近藤となる見込み。

それぞれの選手のブロックに配された有力選手を見ていくと、
浅見は2回戦で全日本ジュニア44kg級王者深谷実紀(仙台大1位)、準々決勝で十田、玉置の勝者。
伊部は準々決勝で黒江優希(山梨学院大3年)。
山岸は2回戦で蓬田、準々決勝で07年IH王者浅香夕海(東海大3年)。
近藤は2回戦で10年IH2位の臼井茜(横須賀学院高3年)、09年IH王者の饒平名知子(沖縄尚学高3年)。

いずれも少々力の差があり、ベスト4のカードはまずまず堅いところ。

準決勝の山岸-近藤戦、近藤は片手でもガンガン攻めてペースを掴もうとしてくるだろう。山岸がこれを受けて立たず、自分のペースで試合が運べるかどうかがカギ。一発を狙い過ぎると近藤のペースに巻き込まれる可能性もある。

■西田優香が圧倒的なV候補・講道館杯52kg級展望

【有力選手】

中村美里(三井住友海上)がアジア大会で欠場のため、東京世界選手権金メダリストの西田優香(了徳寺学園職)が唯一絶対の優勝候補と目される。

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(写真:東京世界選手権王者の西田優香)

切れ味のある背負投と小内刈が武器で、瞬間的なスピードは階級随一。
世界選手権後も国民体育大会では全試合出場で地元・千葉の優勝に貢献、チームとしては3位に終わった世界団体選手権大会でも自身は全勝で気を吐くなどその勢いは止まっていない。西田の充実ぶりと他出場者の実績、力関係を考えると今大会は西田が全試合「一本」で優勝を決めてもおかしくないほどだ。

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(写真:世界ジュニアを制して復調の山本杏)

敢えて西田を追う選手を1人挙げるとすると、昨年中学生でこの大会3位入賞で話題となった山本杏(桐蔭学園高1年)になるだろう。こちらは抜群のバネと、異次元とも呼べる切れ味の足技が武器。インターハイ、全日本ジュニアを取り逃して(ともに2位)しまったが、10月の世界ジュニア選手権で金メダルを獲得し復調気配。 来年以降の階級アップが噂されるが、コンディション調整と、階級変更を前にしたモチベーションの維持がひとつのカギだろう。昨年のこの大会の西田との対戦ではパワー差がありあり、振り回された末の背負投で完敗しているが、今回は果たしてどこまで食い下がれるか。昨年までの爆発的な成長スピードがやや減速した面もあるだけに、西田との対戦は高校進学後のこの1年を測る良い指標になるはずだ。格上相手に思い切り出来る西田戦は逆に山本もやりやすいはず。

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(写真:昨年2位の渡邉美樹は力強い柔道をする)

ほか、昨年2位の渡邉美樹(東海大2年)、実業個人3連覇の近藤優子(STO)、学生王者の浅海静香(山梨学院大4年)、全日本ジュニア王者谷本和(環太平洋大1年)、08年世界ジュニア王者加賀谷千保(山梨学院大2年)などが有力選手だが、注目したいのは高校選手権、インターハイを制した宮川拓美(小松大谷高2年)。全日本ジュニアには出場していないが、格上でも一発で持っていく内股のキレと寝技の強さは次代を担う大物の風格十分。まだまだ線が細いだけにシニアで安定感のある柔道ができるかどうかは未知数だが、この階級に波乱があるとすれば宮川が大暴れを見せたときか。

【組み合わせ】

Aブロックに西田。西田は黒木美晴(宮崎商高2年)-塚原理早(環太平洋大2年)の勝者と2回戦、古杉友美(警視庁)-斉藤美貴(埼玉大3年)と準々決勝を戦う。

Bブロックは渡邉美樹の勝ち上がりの可能性が高い。実業王者の近藤とジュニア王者の谷本和が1回戦を戦い、勝者が2回戦で渡邉と対戦する。

Cブロックは加賀谷のほか、実業2位の小島愛子(自衛隊体育学校)が配された。両者は準々決勝で対戦予定。

Dブロックは激戦。浅見と宮川が2回戦、山本と実業3位の森本奈々美(了徳寺学園職)が2回戦を戦い、勝者が準々決勝で激突する。山本はインターハイで宮川に敗れたが、宮川が地区予選敗退のため全日本ジュニアに出場しておらず、いまだリベンジは果たせていない。世界ジュニアを獲った山本が、今年度唯一負けている高校生宮川との再戦をどう戦うか。両者が対戦すれば序盤の注目カードとして見逃せない試合となるだろう。

■汚名返上したい宇高、復活目指す佐藤・講道杯57kg級展望

【有力選手】

東京世界選手権で圧倒的な力を見せて優勝した第一人者、松本薫(フォーリーフジャパン)がアジア大会出場のため欠場。

松本に続く2番手を争うこの大会は、東京世界選手権代表の宇高菜絵(コマツ)に、07年リオ世界選手権銅メダリストの佐藤愛子(了徳寺学園)、昨年63kg級で講道館杯を制した平井希(自衛隊体育学校)が優勝候補。

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(写真:世界選手権は3回戦で敗退、結果以上に内容で評価を下げた宇高は今大会に復活を期す)

宇高菜絵は昨年この大会で松本を破って優勝、4月の選抜体重別決勝でも再び松本を破って世界選手権代表に選出された。しかし肝心の本番では持ち味の強気の柔道はまったく見られず3回戦敗退。「緊張感が違った。自分に負けた」と顔面蒼白のまま煮え切らない試合を続け、大きく評価を落としてしまった。
現状「国内で勝っても世界では戦えない選手」と評価されたとしても仕方のない結果ではあったが、だからと言ってこの講道館杯を落とすわけにはいかない。再び代表を目指すにはまずここで勝ち、国際大会で結果を残してみせることが絶対条件。正念場だ。

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(写真:実業個人を制し、虎視眈々と代表戦線への復帰を狙う佐藤愛子)

佐藤愛子は右ひざの大怪我から09年4月に復帰し、着実に復活の階段を登っている。昨年のこの大会は3位で、2月のワールドカップブダベストに優勝。4月の選抜体重別も3位、8月の実業個人はしっかり優勝を飾り「まだ(五輪・世界選手権は)諦めていません」とコメントするなど、意欲はまったく衰えていない。
東京世界選手権には間に合わなかったが、上昇カーブが続いているとしたら今大会は間違いなく優勝戦線に絡んでくる。右背負投と、粘り強い寝技が武器。

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(写真:昨年この大会63kg級を制している平井希)

平井希は左組みで、粘り強さが武器に体落で試合を組み立てる。実業個人決勝では佐藤に「指導2」で敗退しているが、63kg級の戦いでも見せた力強さは、他選手の脅威になることは間違いない。

以下は混戦。

昨年3位の野中未奈(コマツ)、昨年学生王者の牧志津香(筑波大3年)、実業3位の塩瀬絢子(三井住友海上)、藤田康恵(自衛隊体育学校)、岩田千絵(コマツ)、ジュニア王者の上村凛歩(三井住友海上)らが有力選手。

【組み合わせ】

Aブロックには第1シードの宇高。準々決勝は塩瀬と藤田の勝者とぶつかるが、しっかり力が出せればまず宇高が勝ち上がるだろう。
Bブロックは混戦。牧と、IH王者塚田紗矢(国学院栃木高3年)、廣村麻衣(自衛隊体育学校)、中里友理子(環太平洋大2年)らが配されているが、やや薄いブロック。少々予想の難しい山だ。
Cブロックは佐藤愛子に、準々決勝で岩田と警察王者七條晶(警視庁)の勝者が挑む。
Dブロックは平井希が配された。上村と野中が2回戦で対戦し、勝者が準々決勝で平井と対戦する。

決勝は宇高と、佐藤-平井の勝者という可能性が濃厚。
宇高は前述のとおり、世界選手権代表でありながら、次回以降の代表争いという意味では徳俵に足がかかっている。汚名をそそぐには少なくとも国際大会で抜群の成績を残すことが必要で、そのためには国内で負けている暇はない。メンタル面でどう立て直し、どうモチベーションを上げてこれるかがカギだろう。
佐藤は組み負けないで、先、先に担ぎ技で加点していきたい。


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