全国高校選手権展望・女子団体戦(2010年3月20日)※eJudo携帯版「e柔道」3月16日掲載記事より転載・編集しています。 ![]() docomo版QRコード au版QRコード -例年にない混戦、一歩抜け出すのは敬愛(福岡)、対抗馬は新田(愛媛)- 昨年は女子初の高校三冠を達成した埼玉栄(埼玉)という大本命がいたが、今年度の大会では傑出したチームは見当たらない。 第一シードの敬愛(福岡)、埼玉栄(埼玉)、新田(愛媛)、淑徳(東京)の4校に、宮崎商(宮崎)、長崎明誠(長崎)、阿蘇(熊本)の九州勢が優勝を争う戦力を有していると見られる。 敬愛はプレ大会と言っていい若潮杯を優勝。決勝では阿蘇を3-0と圧倒して見せただけでなく、強豪集う若潮杯を失点1で切り抜けた(帝京・谷村美咲に濱砂香澄が敗退)総合力の高さが売り。 中堅(63kg以下)のポイントゲッター木村輝美を中心に、大将(無差別)に09年インターハイ70kg級2位の結城久美子を据え、元全中70kg級王者の濱砂香澄が補欠に回るという分厚い戦力を誇っている。 先鋒(52kg級)の難波英里は普段は57kg級で九州上位を争う実力者だけに、前2人で試合を決め、無差別としてはサイズに劣る結城がしっかり試合を締めるのが勝利のシナリオだ。 吉本幸洋監督も「今年はなんとか一番上を狙いたい」と自信を垣間見せる。自他ともに認める優勝候補の筆頭だろう。 (写真:敬愛を支える木村輝美(左)と結城久美子) 第一シード校の中からこれに対抗しうるのは新田。 なんといっても大将に09年インターハイ78kg超級2位、110kgの体格を誇る井上愛美が控えるのが大きい。3人制で争われる女子団体は絶対的なエース、それも大将にエースを置くチームが強い。 これまでの大会でも大将の存在が前2試合を大きく左右し、試合全体の流れが全く変わってしまったケースは少なくなかった。例年新田はしっかり組んで掛ける良い選手でチームを構成してきており、先鋒の全中3位・魚山莉央を始め簡単に2つ落とすような試合はしないはずだ。 単純な戦力比較でなく、体重制限ありの3人団体戦の特性、試合の流れを考えれば優勝候補筆頭は実はこの新田かもしれない。 (写真:大会屈指のポイントゲッターと目される新田・井上愛美) 昨年優勝の埼玉栄は、「しぶとく戦い、凌いで勝つ」(本松好正監督)チーム。09年インターハイ57kg級優勝の武村綾華は体重区分的に起用されない可能性が高いが、逆にそれだけ層の厚いチームでもある。 大将起用が予想される畑中唯里が67kgとサイズには劣るが、52kg級でインターハイにも出場している羽成愛里、同じく52kg級の太田千鶴、63kg級の福島萌衣と全体で「しぶとい」チームを構成している印象。若潮杯では3位に終わったが、チームマネジメントの上手い本松監督がどこまでチームをまとめてくるか注目だ。 ほか「太田で取って凌ぐ」と絶対的エースの中堅・太田晴奈に賭ける淑徳、黒木和世・美晴の姉妹エースの活躍で九州ナンバーワンとの評もある宮崎商、松岡静也監督のもとグイグイ追いこんできている阿蘇、70kg級九州王者松延祐里を軸に全国優勝を目標に掲げる長崎明誠などに注目が集まっている。 (写真:淑徳はエース太田で中堅戦に絶対の自信) トーナメントをA~Dの4つのブロックに分けて展望を試みてみよう。 [Aブロック] 敬愛(福岡)・松商学園(長野)・紀央館(和歌山)・小牛田農林(宮城)・甲府工(山梨)・旭川大(北海道) 藤枝順心(静岡)・兵庫商(兵庫)・岡豊(高知)・出雲西(島根)・三浦学園(神奈川)・阿蘇(熊本) 敬愛の力が抜けており、ベスト8進出は堅い。 阿蘇、藤枝順心(静岡)がその挑戦権を掛けて3回戦で対戦する。 今年の阿蘇は小粒、実績を残してきた選手も少ないが、松岡静也監督は12月に「叩き上げのチームだが、追いかけてなんとか夏に間に合わせたい」と成長の手ごたえを語っており、この春の段階でどこまでチームが出来上がっているかが鍵だ。 1回戦の注目対決はその阿蘇と好チームの三浦学苑(神奈川)。阿蘇は受けて立つようだと意外に苦戦があるかもしれない。 敬愛は前述の通り若潮杯決勝で阿蘇を一蹴している。 そのときとメンバー構成は変わるが、現時点での戦力を考えればベスト4への勝ち上がりは敬愛が有力だろう。 ![]() (写真:敬愛のポイントゲッター木村) [Bブロック] 埼玉栄(埼玉)・富山商(富山)・八頭(鳥取)・長崎明誠(長崎)・盛岡中央(岩手)・鶯谷(岐阜) 東大阪大敬愛(大阪)・新潟第一(新潟)・本荘(秋田)・八千代(千葉)・徳島商(徳島)・鳳凰(鹿児島) 埼玉栄、長崎明誠、鴬谷、東大阪大敬愛、八千代と好チームが集まった。 長崎明誠と埼玉栄の3回戦がブロックの山場。長崎明誠は09年インターハイ3位時のレギュラーから中堅鴨川成美と大将松延祐里の2人が残っている。 埼玉栄は試合運びの巧い選手が揃うが、パワーと寝技の強さを裏付けにどんどん前に出てくる長崎明誠の柔道をどう捌くか。松延らは場数も踏んでおり、好試合は必至だ。 ![]() (写真:長崎明誠の大将・松延祐里) この試合はどちらに軍配が上がるか非常に微妙。大将戦が勝敗を分けるのではと見られるが、ここを堅く戦って埼玉栄が小差で勝ち上がるのではないか。 [Cブロック] 新田(愛媛)・大宮工(埼玉)・田村(福島)・比叡山(滋賀)・小城(佐賀)・金沢学院東(石川) 山形中央(山形)・同朋(愛知)・沖縄尚学(沖縄)・利根商(群馬)・奈良育英(奈良)・西京(山口) 井上を大将に配する新田のベスト4勝ち上がりが濃厚。 注目は3回戦の比叡山戦。比叡山は先鋒候補に講道館杯48kg級3位の遠藤宏美、インターハイ52kg級3位の中西悠を擁しており、前重心の比叡山と後にエースを配する新田と面白い試合が期待できそうだ。 比叡山は好チームの金沢学院東との2回戦をどう戦うか。 第2シードに挙がっている山形中央は例年に比べ戦力にやや劣る。沖縄尚学、奈良育英とどこがベスト8に勝ち上がるかは非常に予想が難しいが、新田を崩すのは難しい。 [Dブロック] 淑徳(東京)・名張(三重)・高松商(香川)・明豊(大分)・國學院大栃木(栃木)・おかやま山陽(岡山) 宮崎商(宮崎)・光星学院(青森)・清水ヶ岡(広島)・立命館宇治(京都)・福井工大福井(福井)・水戸葵陵(茨城) 淑徳と宮崎商がベスト4を賭けて戦う可能性が大。準々決勝最大の好カードだ。 宮崎商は先鋒にポイントゲッターの黒木美晴を配する。 淑徳のエース、中堅の太田は、宮崎商のもう1枚の看板、黒木和世と対戦。もしここで黒木が粘って引き分けるようだと勝負は大きく宮崎商に傾く。試合の行方はやはり太田の出来次第だ。 正直この試合の行方は予想することが難しい。 ![]() (写真:宮崎商先鋒の黒木美晴) 宮崎商は2回戦で清水ヶ丘と対戦するが、このチームも指導者間での評価が非常に高い。まずはここをしっかり勝って勢いに乗ることだろう。 [準決勝~決勝] 以上の結果、準決勝のカードは 敬愛 vs 埼玉栄-長崎明誠の勝者 新田 vs 淑徳-宮崎商の勝者 と予想される。 敬愛のブロックは、前2枚にポイントゲッターを並べた敬愛の勝ち上がりの可能性が高い。 埼玉栄が来た場合、大将は結城(浜砂)-畠中とともに70kg前後の選手で、ここでいずれかが取る計算を立てるのは難しい。前2枚の質がポイントということになるが、戦力の安定した敬愛が埼玉栄の巧さを押し切って1点もぎ取る可能性が高いのではないだろうか。 新田のブロックは、大将に井上がいるだけにここも前2人の出来が鍵。 淑徳は中堅に大駒の太田を配しここで1点しっかり挙げることが可能だが、代表戦で110kgの井上愛美と対戦する可能性も考えるとやや不利。 宮崎商が来た場合、ポイントゲッターは先鋒・中堅の前2枚。井上の前に2点挙げての勝ち逃げを狙ってくるだろう。 圧倒的な3人を並べたチームが見当たらず、この6チームの戦力重心はそれぞれ異なる。 当然そこには対戦順自体の相性が出てくるし、埼玉栄のような巧さのあるチームは、巧いチームにはつきあってしまう傾向がある一方、パワーのあるチームにもそれぞれが凌いで全体としてはリードしたまま試合を終えるような試合が出来るので、番狂わせを起こす可能性を大いに秘めている。 非常に予想の難しい大会だが、特に準決勝以上は、配列、戦力重心の偏りが大きく勝負を左右することになるだろう。 戦力的に「弱点」とされている選手が活躍したチームは優勝に大きく近づくことになるのではないか。その点では、雰囲気作りを含めたチームのまとまり、監督の手腕が問われる大会でもある。 ※eJudo携帯版「e柔道」3月16日掲載記事より転載・編集しています。 ![]() docomo版QRコード au版QRコード 【docomo版アクセス方法】 iMenu→ メニュー/検索 → スポーツ → 格闘技/大相撲 → e-柔道 【au版アクセス方法】 EZメニュー → EZトップメニュー → カテゴリで探す → スポーツ・レジャー → 格闘技 →eJudoトップページに戻る →「マッチレポート・ニュース」一覧に戻る |
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