PAGE TOP ↑

柔道1

柔道2
柔道4 柔道5

eJudoとは?情報募集・お問い合わせサイトマップ

マスターズ・スウォンマッチレポート⑤70kg級、78kg級、78kg超級

(2010年2月27日)

※eJudo携帯版「e柔道」1月25日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


【70kg級】伏兵ファン・イスルが優勝、渡邉はまさかの初戦敗退も國原頼子が準優勝

【日本人出場選手】
渡辺美奈(コマツ・WR3位)
國原頼子(自衛隊体育学校・WR7位)
岡明日香(コマツ・WR9位)
上野巴恵(三井住友海上・WR12位)

日本人でもっとも期待の掛かったロッテルダム3位・グランドスラム東京王者の渡邉美奈はまさかの初戦敗退。
中国のヤオ(WR13位)を相手にエンジンがかかり切らないまま、2分51秒「指導1」を受け、4分19秒には一本背負投で叩きつけられ一本負けといいところがなかった。

100年IJFマスターズ70kg級1回戦・渡邉美奈
(渡邉はまさかの初戦敗退)

コンディション調整に失敗したのか動きもいまひとつで、焦って一本背負投で掛けつぶれる悪い時の渡邉の典型。試合後は「調整ができていなかった。軽々と落としてしまって失った信頼は大きい」と肩を落とし、「欧州遠征はしっかり調整して臨みたい」と語って試合場を後にした。

岡明日香は初戦のパスケ(フランス・WR11位)を袖釣込腰で破る上々のスタートだったが、勝負どころの準々決勝、ロッテルダム2位・メサロシュ(ハンガリー・WR2位)の体落で一本負けし敗退。ワールドクラス相手に結果を残すことはできなかった。

若手の上野巴恵は初戦で63kg級世界王者で現在70kg級ランキング1位のデコス(フランス)と対戦。小外掛で一本負けしたものの、世界トップクラスの選手と4分以上を戦い今後に貴重な経験を得た。

10年IJFマスターズ70kg級1回戦・デコス-上野巴恵
(上野巴恵は世界王者デコスとで対戦、小外掛で敗退)

日本勢から決勝に進出したのは國原頼子。

初戦でショレット(フランス・WR17位)に横四方固、準々決勝はロブラ(スイス・WR10位)に大内刈「有効」を先行されながらも崩袈裟固といずれも一本勝ちで準決勝に進出。

10年IJFマスターズ70kg級1回戦 國原頼子-ショレット
(國原が1回戦を横四方固で勝利)

準決勝は國原右、デコス左のケンカ四つ。

デコスは釣手を上から、國原は下から肩を握る。デコスは内股に二段の小外刈、國原は払腰に体落と攻めあい、1分21秒デコスに「指導1」、2分54秒には國原に「指導1」。

4分過ぎに國原内股を連発するがデコス完全に読み切手動ぜず。厳しい展開と思われたが、残り22秒、デコスの左小外掛が高く入り、これを体捌き良くかわして空振りさせた國原、体を浴びせて「技有」。

10年IJFマスターズ70kg級準決勝 國原頼子-デコス
(國原が足技を透かして「技有」)

デコス、終盤での失点に血相を変えて追いかけるが、國原これをよく捌き、デコスの右一本背負投を潰したところで時間。國原が決勝進出を決めた。

決勝はその國原に地元韓国のファン・イスル(WR14位)がマッチアップ。戦前はダークホース的な評価だったファンだが、準決勝では強豪メサロシュから4つの「指導」を奪って圧勝しており、その実力はあなどれない。

國原は右、ファンは左のケンカ四つ。
國原は下から、ファンは上から釣手を持つ展開が続く。
國原は体落に脇を差しての大腰、ファンは大内刈に内股、小内刈を織り交ぜて攻めあう。
2分過ぎから払腰に内股とファンが連発。國原しっかり受け止めるが、ファンの攻勢の印象が残ったか、2分34秒國原に「指導1」。
以降も組み手の形はほとんど変わらないまま、國原は袖釣込腰に背負投と今度は担ぎ技を中心に試合を進める。

4分8秒、両者に「指導」(國原指導2、ファンは指導1)。
逆転を狙うしかない國原、4分26秒に小外掛で前に出るがファンはこれを内股で切り返し「待て」。
この小外掛が効ありと見たか、4分39秒、ファンと腰の入れ合いになったところから國原再び右小外掛。これが深く入り、勝負どころと見た國原前に出てこれをさらに追う。しかし追いかけきれず隙間が出来てしまい、ファン下がりながらこれを透かして浴びせ、ファンの「技有」。

10年IJFマスターズ70kg級決勝 國原頼子-ファン・イスル
(決勝、ファンは國原の小外掛を透かして浴びせ「技有」)

そのまま時間となり、ファンが見事優勝を飾った。

落ち着いて戦っていた國原だが、最後はやや焦れたか非常に惜しい試合。
が、自身「調子が良くなかった」と語った大会を、逆転の連続で決勝まで進出した地力は評価されて良いだろう。

【入賞者】
優勝:ファン・イスル(韓国)
準優勝:國原頼子
第3位:デコス(フランス)
第3位:メサロシュ(ハンガリー)

10年IJFマスターズ70kg級入賞者
(70kg級入賞者。左から國原、ファン、デコス、メサロシュ)

【決勝】
ファン イスル○優勢[技有]△國原頼子

國原頼子選手のコメント
「全て逆転での決勝進出、調子が悪い中ではここまでこれたのは良かったと思います。優勝できたら自信になったとは思いますが・・・。先にポイントをとって攻めて行くのが自分の形ですが、それが出来なかったのは残念。デコスは自分の憧れの選手だったので思い切って行こうと思っていました。すごく柔道が上手でセンスがあって、自分もああいう選手になりたい。今日勝った試合はたまたま。得意な組み手の中で稽古をしているので、苦手な組み手から組み立てる稽古をしていきたい。」

渡邉美奈選手のコメント
「調整不足が出てしまった。減量がいつものように進まず、ご飯食べれば大丈夫かと思ったのですが、試合をやってみても力が出なかったです。試合は勝とうというより5分耐えなきゃという思いで、組み合っているのが精一杯でした。組んでも投げられる相手だなとは分かっていたのですが、ばててしまいました。勝負する前に気持ちで負けてしまった。せっかくこうやって出られるのに軽々と落としてしまって、失った信頼は大きい。ヨーロッパ遠征では体の調子を整えて、今回みたいな負けはしないようにしたいです。」

【78kg級】ルブラン優勝、日本勢は穴井と岡村が3位に食い込む

【日本人出場選手】
岡村智美(コマツ・WR10位)
穴井さやか(ミキハウス・WR12位)
緒方亜香里(筑波大1年・WR14位)

中沢さえ(綜合警備保障)が引退し、この階級は首脳陣が「一から作り上げなければならない」と語る重要強化ポイント。急成長の若手・緒方を軸に3人の代表を送り込んだ。

世界ジュニア王者、グランドスラム東京を制した19歳の緒方亜香里は初戦(準々決勝)でランキング1位のルブラン(フランス)に挑戦。小外掛「技有」で敗退したが、「ランキング1位の選手と戦えてよかった。組み手も試合運びも全然違う」と落ち込む様子はなく、「グランドスラム・パリでも優勝を狙う」と手ごたえを感じた様子だった。

10年IJFマスターズ準々決勝・緒方亜香里-ルブラン
(準々決勝、緒方はルブランに得意の横三角を試みる)

穴井さやかは講道館杯・グランドスラム東京と緒方に連敗中だが、この日は踏ん張った。
初戦はマトロソワ(ウクライナ・WR11位)を背負投「一本」で一蹴。準々決勝では優勝候補の一角、ポッサマイ(フランス・WR3位)と対戦し、3つの指導を奪った末に大外返「一本」の完勝。見事ベスト4に駒を進めた。

10年IJFマスターズ1回戦・穴井さやか-マトロソワ"
(穴井は初戦を背負投「一本」と上々の立ち上がり)

岡村智美も初戦(準々決勝)で楊秀麗(中国・WR4位)に1分20秒、内股返「一本」で勝利。準決勝進出を決めた。

準決勝最初の試合は、ルブランに穴井がマッチアップ。
穴井右、ルブランは左のケンカ四つ。お互いに奥襟の欲しい両者、ルブランは払腰、穴井は小内刈に体落で攻撃。
55秒、穴井に「指導1」。
奮起した穴井は片襟であおっての体落に、大内刈、大外刈で攻め込む。
2分を過ぎた頃から疲労したルブランは運動量が落ち、「待て」の際も膝に手を置き苦しそう。しかりルブラン、ここから、組際に奥襟を取っての払腰に払巻込、腰車で先に攻め始める。いずれも掛け潰れだが、組み合わずに先に掛けて潰れるこの省エネ作戦に穴井は先手を許し続けてじっくり攻めることができない。

試合はそのままGSへ。
ルブラン、帯を締めなおすその立ち振る舞いにも相当な疲労が見えるが、30秒、組際の左腰車が深く入り穴井横転。「技有」となりルブランの決勝進出が決まった。

10年IJFマスターズ準決勝・穴井さやか-ルブラン
(延長、ルブラン何度めかの腰車が「技有」)

ルブランの組際の技(払巻込、腰車)は本戦の中盤以降、この腰車まで実に9回。決まった腰車も特段これまでの技に較べて入り方に工夫があったようにも見えず、これまですべて捌いて、あるいは引きずり込まれながらも腹ばいで耐えてきた穴井がなぜ今更この技を食ったのか、非常に残念。
本人も「来るのはわかっていた、ひるんだつもりはなかったが・・」と煮え切らないコメント。
穴井は講道館杯、グランドスラム東京で緒方の横三角を「それしかない」と思っていながら対応を誤って2連続一本負けを喫したばかり。今回も「しっかり自分の柔道をする」とコメントした穴井だが、状況に応じた試合の進め方を考えることも必要かもしれない。

準決勝もうひとつの試合は、岡村と地元韓国のチョン・ギョンミ(WR9位)が対戦。
こちらは、岡村が組み手で封じられ、47秒、2分27秒、3分と立て続けに「指導」を失い敗退。終盤「指導2」までチョンを追い詰めたが惜しくも届かなかった。

10年IJFマスターズ準決勝 岡村智美-チョン・ギョンミ
(岡村、チョンに組み際の技で先手を許してしまう)

決勝はルブランとチョンが対戦。
ルブランは右、チョンは左のケンカ四つ。
43秒に両者「指導1」。ルブランは奥を叩いて小内払に小外刈と足技で攻めながらジワジワと前に圧力をかける。
2分55秒、ルブラン組際に奥襟を叩いて払巻込。これが深くチョンを捕らえて「技有」。この試合でも度々見せては掛け潰れていた技だが、がここ一番での決めの強さはさすが。

10年IJFマスターズ決勝、ルブラン-チョン・ギョンミ
(ルブラン、準決勝同様に組み際に飛び込んで「技有」)

以降ルブランは組み手を変え、相手の袖をしっかり殺す作戦。嫌ったチョンがこれを切ろうとするとそこに合わせて飛び込んで巻き込むなどうまく展開を封じる。チョン、組際に右の一本背負投を再三見せるがルブラン心得て崩れず。
3分56秒ルブランに「指導2」が与えられるが大勢は変わらず、優勝候補のランキング1位、ルブランが順当に優勝を決めた。

【入賞者】
優勝:ルブラン (フランス)
準優勝:チョン・ギョンミ (韓国)
第3位:岡村智美
第3位:穴井さやか

10年IJFマスターズ78kg級入賞者
(78kg級入賞者。左からチョン、ルブラン、穴井、岡村)

【準決勝】

ルブラン○GS技有△穴井さやか

チョン・ギョンミ○優勢[指導3]△岡村智美

【決勝】

ルブラン○優勢[技有]△チョン・ギョンミ

穴井さやか選手のコメント
「動きは悪くなかったけど、もう少し自分を前に出していけたらよかった。大きな失敗をしないように、試合に集中していきたい。(代表争いは)相手がどうより、自分の試合をしていけばよいと思っています。(ルブランの腰車は)来るのはわかっていたし、ひるんだつもりもなかったんですが・・。自分がどうするのか研究してきたけど試合では自分の思うように出来ない。出るからには結果が欲しかったが、いい経験。プラスに考えていきます」

緒方亜香里選手のコメント
「試合前から、強い人と対戦したいと思っていました。試合をしてみて自分はまだまだだし、戦い方もワンパターンだと思った。自分の柔道は全然出来ませんでした。巧いし、試合の組み立て方も上手だし、ランキング1位の人とやれて本当に良かったです。パリもそのあとも優勝を狙っていきます。」

【78kg超級】調整不足の塚田が敗退の波乱、優勝は中国の2番手チン

【日本人出場選手】
塚田真希(綜合警備保障・WR2位)
田知本愛(東海大3年・WR16位)

トウブン欠場で、実力的に頭ひとつ抜けている塚田の優勝はほぼ動かない、と見られていたがその塚田が準々決勝で破れる波乱。

塚田の初戦はコカターク(トルコ・WR18位)。塚田は立ち上がりが遅く、1分5秒「指導」で先行されるが、落ち着いて「指導2」まで奪った上で払腰一閃。1分44秒、一本勝ちで準々決勝に進出した。

10年IJFマスターズ78kg超級1回戦・塚田真希-コカターク
(1回戦、組み勝って相手を圧倒する塚田)

準々決勝は地元韓国のキム・ナヨン(WR13位)と対戦。塚田はケンカ四つの巨漢キムの組み手をもてあまし、頭を下げさせられる苦しい展開。52秒塚田に「指導1」、その後両者に指導が累積したが、中盤の3分18秒、両者に「指導3」が与えられ、この時点で塚田は「指導3」、キムが「指導2」とキムがリード。
塚田は片襟の背負投、小外刈と攻撃するがキムは崩れず。通常であれば中盤以降塚田のプレッシャーが効いてくるはずだが、キムは地元の大声援を背に最後まで粘り時間。まさかの塚田敗戦となった。

試合後は「不甲斐ない試合をしてしまった」と語った塚田だが、この試合にフォーカスし調整をしていなかったこともあってか、ショックの表情はなし。「結果も内容も良くないが、この結果を受け止めてどうしていくか、帰国して考えたいと思います。」と会場を後にした。

日本代表のもう1人、大学3年生の田知本遥は初戦でポラウデル(スロベニア・WR4位)を「指導3」優勢、準々決勝でイサノヴァ(カザフスタン・WR15位)を反則勝ち(指導4)で破って準決勝進出。準決勝では巨漢のチン(中国・WR7位)に攻め手なく、払巻込「技有」で敗退。全試合を通じて技のポイントはなかったが、組み手の巧さと地力で3位に入賞した。

10年IJFマスターズ78kg超級準決勝・田知本愛-チン
(準決勝、チンが田知本から払腰「技有」を奪う)

決勝はキム・ナヨンとチンの巨漢対決。
キムは左、チンは右組みのケンカ四つ。
キムは内股、チンは右の背負投、一本背負投に袖釣込腰と担ぎ技を中心に攻撃。
力勝負の様相を呈したこの決勝戦は1分38秒、2分36秒と立て続けにキムに「指導」が与えられチンが優勢。
チンにも2分54秒、偽装攻撃の「指導」が与えられるが、試合を通してチンが大きく崩れる場面はほとんどなく「指導2」でチンが優勢勝ちを決めた。

10年IJFマスターズ78kg超級決勝、チン-キム・ナヨン
(キム・ナヨン(青)とチンの決勝)

【入賞者】
優勝:チン(中国)
準優勝:キム・ナヨン (韓国)
第3位:サドコワスカ (ポーランド)
第3位:田知本愛

【決勝】

チン○優勢[指導2]△キム・ナヨン

10年IJFマスターズ78kg超級入賞者
(78kg超級優勝者。左からキム・ナヨン、チン、サドコワスカ、田知本)

塚田真希選手のコメント
「自分の試したかったことを試してその先に優勝、世界選手権につながればと思っていましたが、また不甲斐ない試合をしてしまいました。結果も内容も良くなくこれを受け止めてどういう風にしていくか、帰国して考えたいと思います。いい試合ができなくて情けなかったです。自分の中で気持ちが足りなかった。相手がどうではなく、自分が地に足がついていなかったのかなと。自分自身の甘さが出たのだと思います。」


※eJudo携帯版「e柔道」1月25日掲載記事より転載・編集しています。

ドコモ版QRコード KDDI版QRコード
 docomo版QRコード    au版QRコード


【docomo版アクセス方法】
iMenu→ メニュー/検索 → スポーツ → 格闘技/大相撲 → e-柔道

【au版アクセス方法】
EZメニュー → EZトップメニュー →
カテゴリで探す → スポーツ・レジャー → 格闘技

→eJudoトップページに戻る
→「マッチレポート・ニュース」一覧に戻る



supported by KAYAC 運営会社サイトポリシー  RSS copyright (c) 2005 ejudo all rights reserved.