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マスターズ・スウォンマッチレポート④81kg級、90kg級

(2010年2月24日)

※eJudo携帯版「e柔道」1月23日掲載記事より転載・編集しています。

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2日目は男子が81kg級、90kg級、100kg級、100kg超級の4階級、女子は70kg級、78kg級、78kg超級の3階級の競技が行われた。

【81kg級】地元韓国のキム・ジェブンが優勝、塘内は初戦敗退

【日本人出場選手】
塘内将彦(旭化成・WR8位)

日本人唯一の出場となった塘内将彦は初戦で北京五輪2位、ロッテルダム世界選手権3位のキム・ジェブン(韓国・WR2位)と対戦。3つの「指導」を受けた末に3分19秒、背負投「一本」でトドメをさされ敗退。

10年IJFマスターズ81kg級1回戦・塘内将彦-キム・ジェブン
(1回戦、キム・ジェブンに敗れしばし立ちあがれない塘内)

試合を通じて技を掛ける場面すらほとんどない完敗に、篠原信一全日本監督は「この階級に誰もいないから使っているだけ」「なんのために練習しているのか。意味がない」「2倍3倍練習するしかない。それができないなら要らない」と厳しい叱責を連発していた。

ほか、ランキング1位のロッテルダム王者ニフォントフも初戦敗退。スツィアシェンカ(ベラルーシ・WR10位)と「技有」を取り合ったが、先行された「指導2」を取り返せなかった。
グランドスラム東京王者のバートン(イギリス・WR6位)も、準々決勝でクレアゲット(フランス・WR11位)に「指導2」で敗退。
東京大会の決勝では片襟で相手を制しておいての払巻込で優勝を飾ったバートンだが、この日はその楽な形を自らなぞり続けてしまい、膠着の末、2回の片襟「指導」を受けて終戦。しっかり2本持つ、本来の良い柔道を見せることができなかった。

0年IJFマスターズ81kg級準々決勝・バートン-クレアゲット
(グランドスラム・東京優勝のバートン(青)も準々決勝敗退)

決勝に進出したのは地元韓国のキム・ジェブンと、ダークホースのクレアゲット(フランス・WR11位)。

キムは前述の通り初戦で塘内将彦に背負投で完勝。パワーファイターのマゴメドフ(ロシア・WR7位)との対戦も投技によるポイントこそ挙げられなかったが、巴投、背負投(有効取り消し)、小外刈に内股と攻め続けて「指導2」で勝利して決勝進出。

10年IJFマスターズ81kg級準決勝、キムジェブン-マゴメドフ
(キムとマゴメドフの準決勝)

クレアゲットは組み合わせにも恵まれ初戦で前述のバートンに「指導2」で勝利。ニフォントフとの対戦が予想された準決勝も、上がってきたのはランキング17位のムミノフ(ウズベキスタン)で、ここも同じく「指導2」で乗り切って決勝に駒を進めた。

決勝はキム、クレアゲットともに右組みの相四つ。
キムは得意の背負投、クレアゲットは背中を持って組み勝っておいての捨身技などで攻撃。
1分54秒、両者に「指導1」。
互いに釣手を落としあった3分14秒、さらに両者に「指導2」。
ここが勝負どころとみたか、キムは片襟を握っての右背負投、飛び込んでの右一本背負投と大技を連発。クレアゲットも巴投を見せるが後手に回り、3分34秒、クレアゲットに「指導3」。

10年IJFマスターズ81kg級決勝、キムジェブン-クレアゲット
(キムは左一本背負投が抜けたところを、そのまま右の担ぎ技に移行する執念)

クレアゲット、奥襟を叩いて必死に追うが、キムなんとかこれを凌ぎ、キムが奥襟を叩いたところをクレアゲットが片襟の背負投に入ったところで時間。「指導3」でキムの優勝となった。

キムは人差し指を立てて観客の歓声に応え、一方僅かひとつの指導を追いつけず敗戦のクレアゲットは失望からしばし立ち上がれず。キムが技を集中させた中盤の攻防が勝敗を分けた。

【入賞者】
優勝:キム・ジェブン (韓国)
準優勝:クレアゲット (フランス)
第3位:マゴメドフ (ロシア)
第3位:ムミノフ (ウズベキスタン)

10年IJFマスターズ81kg級決勝、キムジェブン-クレアゲット
(81kg級入賞者。左からクレアゲット、キム、マゴメドフ、ムミノフ)

【準決勝】

キム・ジェブン○優勢[指導2]△マゴメドフ(ロシア)
クレアゲット○優勢[指導2]△ムミノフ (ウズベキスタン)

【決勝】

キム・ジェブン○優勢[指導2]△クレアゲット

【90kg級】小野強い!オール投技「一本」で見事年間世界王者に

【日本人出場選手】
小野卓志(了徳寺学園職・WR1位)
吉田優也(東海大学2年・WR17位)

優勝候補筆頭の小野、初戦(準々決勝)の相手はいきなり強豪ママドフ(アゼルバイジャン・WR8位)。
小野は右、ママドフは左のケンカ四つ。
小野、開始数秒の内股で高くママドフを跳ね上げてやる気十分。以降も大内刈、支釣込足、大外刈と鋭い技が止まらずママドフは防戦一方。36秒にママドフに「指導1」、2分7秒にはママドフに片襟で「指導2」。
小野はさらに背負投、組際の大内刈、体落と連続攻撃。支釣込足でママドフが両膝を屈した3分21秒、ママドフに「指導3」。

小野、後のなくなったママドフを2分53秒低い右背負投「一本」に仕留めて仕上げ。まさに完璧な試合ぶりで準決勝に進出した。

10年IJFマスターズ90kg級1回戦 小野卓志-ママドフ
(1回戦、小野は強豪ママドフを背負投に仕留める万全のスタート)

小野は12月のグランドスラム東京に続いてこの日も非常に動きが良く、技も迫力十分。どこからでも「一本」を狙えるといった感じで、減量に苦しんだ81kg時代終盤と較べると「小野ってこんなにいい選手だったっけ?」と思わず唸るほどの好内容。開始早々の内股を見ただけで「小野は優勝するのでは」と予感させるだけのものがあった。

吉田優也は初戦(準々決勝)でウズベキスタンの強豪、チョリエフ(WR3位)に敗退。
釣手で奥襟、背中を取ってくるケンカ四つのチョリエフに対し内股、出足払などでよく対抗、中盤まで「指導1」をリードしたが、2分5秒、チョリエフに背中を抱えられての小外掛で敗退。奥襟から内股などの大技を狙ってくるチョリエフのプレッシャーにジワジワと追い詰められ、最後は捕まってしまった形だった。
国内での当面のライバル、1学年下の西山大希(筑波大1年)が12月のグランドスラム・東京でチョリエフを一蹴しているだけに、吉田はさらに苦しい状況に置かれることとなった。

10年IJFマスターズ90kg級1回戦 吉田優也-チョリエフ
(吉田-チョリエフの準々決勝)

小野の準決勝はまたも強豪、ロッテルダム王者のイ・ギュウオン(韓国・WR6位)との対戦。

小野は右、イは左のケンカ四つ。
内股、巴投と技の良く出る小野はこの試合も動きが良い。49秒に内股のフェイントから抱きついての小外刈でイ、畳に落ちポイントかと思われたが主審はノーゼスチャー。
小野優勢に試合を進めるが地元で負けるわけにはいかないイ、左片襟背負投、左一本背負投に袖釣込腰と、小野が技を仕掛ける度に必死で技を返し、なんとか「指導」をまぬがれつつチャンスを狙う。
小野の右内股を、イが股中でなんとか捌いた3分10秒、ようやくイに「指導1」。
以降も、小野が良い組み手になるとイは先に掛けつぶれ、小野優勢のままポイントなしで試合は推移。勝負の行方はGSにもつれ込んだ。

GSは小野の地力が発揮されイはタジタジ。21秒の小内刈でイを大きく崩し、36秒には大内刈で場外まで押し込む。
ここまで良く持ちこたえてきたイだが、57秒ついに決壊。小野の小外掛に大きく崩れ、一瞬蹲踞の体勢で耐えたものの、勝機とみた小野すかさずこれに胸を合わせて浴びせるとイは背中から落ちて、文句なしの「一本」。

10年IJFマスターズ90kg級準決勝 小野卓志-イ・ギュウオン
(小野はイを右小外刈で崩すとすかさず飛び込んで体を浴びせる)

本戦と合わせて6分近い時間を戦いながら、勝機を見逃さない鋭い動き出し。勝負勘はもちろんのこと、小野の動きの良さとスタミナには驚かされるばかりだ。

小野、決勝はランキング2位のデニソフ(ロシア)とマッチアップ。

小野は右、デニソフは左のケンカ四つ。
この試合はデニソフのパワーが勝り、常に小野が組み勝って試合を引っ張ってきたこれまでの2試合とは違う様相。
デニソフ、奥を叩いて動き良く横に走ると小野これに応じたまま場外。デニソフは続けて支釣込足、大内刈、内股と連発し動きも非常に鋭い。
しかし、プレッシャーを掻い潜れば小野には一発で相手を持っていくだけの技のキレがある。小内刈で潜り込み、1分23秒には内側から横襟を握る絶好の組み手から内股で深く入り込む。 さらに片襟の背負投を繰り出す小野に、デニソフも隅返に体落と状況に応じて持ち技を次々に出して応戦。

10年IJFマスターズ90kg級決勝 小野卓志-デニソフ
(小野(青)-デニソフの決勝はお互いに攻めあう緊迫した試合)


2分40秒、奥襟を持って小野がプレッシャーを掛けると横走りに両者場外へ。ここでデニソフが深々と裏投を放てば小野高々と宙を舞って畳に叩きつけられるが場外でポイントはなし。
場内であれば完全な「一本」であった技で、この後小野が萎縮してもおかしくはない状況であったが小野はまったく怯まず技を連発。対するデニソフも一歩も引かず、小野の右背負落をデニソフが左内股に切り返しさらに大内刈につないだ3分50秒の「待て」の直後には、激しい攻め合いに場内から大歓声が沸き起こった。

その後も両者攻撃の手をまったく緩めず、いつ「一本」が生まれてもおかしくない好試合。4分20秒には、これまで観客席中段から指示を送っていた篠原監督が最前列まで走りより檄を飛ばし始める。

試合はとうとう両者にひとつの「指導」もないままGSへ。
小野は開始からケンケン内股で攻め込むが、疲労の極にあるはずのデニソフも小内刈を繰り出して譲らず。
22秒、デニソフ組際に鋭い左内股。実に巧いタイミングでの飛び込みであわやと思われたが、小野反応よくこれを捌き、透かす形で返す刀の右内股。ひきずり出されるようにデニソフは宙を舞い文句なしの小野の「一本」。

10年IJFマスターズ90kg級決勝 小野卓志-デニソフ
(小野、延長戦の末に内股で見事な一本勝ち)

今大会のベストマッチと呼んでよい緊迫の試合は小野の勝利で幕。小野が見事世界年間王者の座を獲得した。
決勝の小野は心身ともに疲労の極にあったはずだが、全く心が折れなかった。
初戦、準決勝とも、動きの良さや技術の高さ以上に目立ったのは「一本」を狙い続ける貪欲さ。これがなければあれだけの連続攻撃は生まれない。81kg時代からの上積みは間違いなく「心」の部分の充実だろう。
抜群の技のキレに運動能力、スタミナに加え、いよいよ加わった心の強さ。今後の小野には大いに期待したい。

【入賞者】
優勝:小野卓志
準優勝:デニソフ(ロシア)
第3位:チョリエフ(ウズベキスタン)
第3位: イ・ギュウオン (韓国)

【決勝】
小野卓志○GS内股△デニソフ

10年IJFマスターズ90kg級
(90kg級優勝の小野)

小野卓志選手のコメント
「GSに入ってから、これで負けたらまた子供が泣くなと思いましたが、勝って自分も泣きそうでした(笑)体力はギリギリでしたが、気持ちで負けないようにと。監督にも言われていましたし、バテたときも、気持ちの勝負だと自分に言い聞かせていましたし、ここで一皮剥けるためには優勝しかないと思ってもいました。海外選手がキャンセルしたり、調整不足の選手がいたかもしれないですが、優勝できたのは嬉しい。ランキングは簡単に1位になったので、すぐ交代できないなと思っていました。とりあえずグランドスラム・パリ)を勝って、ロッテルダムのリベンジを東京で晴らす。その先は考えていません。」


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