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マスターズ・スウォンマッチレポート③57kg級、63kg級

(2010年2月16日)

※eJudo携帯版「e柔道」1月21日掲載記事より転載・編集しています。

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■【57kg級】積極柔道で宇高に雪辱、年間世界王者は松本薫!

【日本人出場選手】

松本薫(帝京大4年・WR3位)
徳久瞳(三井住友海上・WR4位)
宇高菜絵(コマツ・WR7位)

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(写真:宇高-松本の決勝戦)

ランキング1位のモンテイロ(ポルトガル)は出場しなかったものの、この階級の実力差は紙一重。
ロッテルダム王者リボー(フランス・WR2位)をはじめ、松本薫(WR3位)、カラカス(ハンガリー・WR4位)、グランドスラム東京王者の徳久瞳(WR5位)、宇高菜絵(WR7位)など年間世界王者を決めるに相応しいメンバーが集まった。

【1回戦】

ベロリン(スペイン)○合技△リボー(フランス)
徳久瞳○合技△カプリオリウ(ルーマニア)
松本薫○合技△シュ(中国)
カラカス(ハンガリー)○内股△アレル(フランス)
キム・ジャンディ(韓国)○優勢[指導2]△シルバ(ブラジル)

第1試合でロッテルダム王者リボーが、ベロリンの背負投で2回「技有」を奪われるという一方的な試合で敗退を喫する波乱の幕開け。

2010年IJFマスターズ57kg級・リボー
(写真:まさかの初戦敗退にリボーは呆然)

徳久瞳は強豪カプリオリウ(ルーマニア・WR11位)から「指導2」を奪った末に、内股「技有」から上四方固に移行して一本勝ち。
松本薫も中国のシュ(WR16位)を小内刈から朽木倒に変化して「有効」をリード。「指導3」を奪った末に横四方固の合技で盤石の一本勝ち。
カラカスも内股「一本」で問題なく勝ち上がった。

【準々決勝】

宇高菜絵○大外巻込△ベロリン
徳久瞳○袈裟固△ハイン(ドイツ)
松本薫○小内巻込△ボウオパラ(ギリシャ)
カラカス○優勢[指導3]△キム・ジャンディ(韓国)

講道館杯で松本薫を破って優勝しながらグランドスラム東京に出場が叶わなかった宇高(東アジア大会に派遣、優勝)は気合十分。1回戦でリボーを食ったベロリンを1分40秒大外巻込「有効」、さらに3分14秒再度の大外巻込で「一本」と圧勝。

徳久瞳はいまひとつ動きが重く、ハインに巴投「技有」を先行される厳しい展開だったが、4分4秒袈裟固で一本勝ち。得意の寝技に救われた形で準決勝進出を決めた。

松本薫は強気の攻めで相手を圧倒。31秒早くも「指導1」を奪うと、1分23秒、小内巻込で一本勝ち。

2010年IJFマスターズ57kg級準々決勝・松本薫-ボウオパラ
(写真:松本が小内巻込を決め「一本」)

カラカスは技によるポイントはなかったものの、一方的に3つの指導を奪い優勢勝ち。
日本勢は出場3人が全てベスト4に進出した。

【準決勝】

宇高菜絵○優勢[指導2]△徳久瞳

松本薫○上四方固△カラカス

宇高と徳久は、右の相四つ。宇高が奥襟を叩いて再三大外刈を見せ、2分14秒徳久に「指導1」。3分には両者に「指導」が与えられ、宇高「指導1」、徳久「指導2」となり宇高がリード。
終盤、徳久は左出足払に右大外刈などで攻め込んでこれを追いかけるが、宇高、技を受けながらも足技での攻撃を止めず試合展開に差はつかず。
残り数秒、主審のラシュワン氏が宇高に不可解な「指導」を宣告するが、即座に副審2人と審判委員から取り消しのアピール。主審これを取り消し、「指導2」の優勢勝ちで宇高の決勝進出が決まった。

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(写真:宇高(青)-徳久の準決勝)

松本とカラカスの準決勝は松本右、カラカス左のケンカ四つ。

松本、序盤から積極的に前に出て試合の主導権を握る。十分な位置で釣手を握った30秒、松本が袖釣込腰を掛けたところでカラカスに「指導1」。
カラカスは松本の釣手を落として両袖の絞り合いに持ち込もうとするが、松本は両袖のままでも足技が止まらず膠着を許さない。
カラカス、奥襟を叩いてイニシアチブを取ろうと試みるが、いずれも握るなり松本がこれをしっかり落とし、組み手は完全に松本が制す。
2分半、松本が右内股。伏せたカラカスの腕を足で極めて回し、横四方固に入りかかるが惜しくもこれは決まらず。

2分20秒、カラカスの左背負投を潰した松本、相手の後ろに抱きついて真裏にこれを倒しながら、腰を切って相手の体を乗り越え逆側から横四方固。さらに上四方固に移行するとカラカス頭を打ったか、抑え込みが宣告されると早々に「参った」。
根こそぎ刈り取るような迫力の寝技で松本が見事決勝に進出した。

2010年IJFマスターズ57kg級準決勝・松本薫-カラカス
(写真:準決勝、松本が強豪カラカスをしっかり抑え込んで一本勝ち)

決勝戦の顔合わせは宇高菜絵と松本薫。講道館杯決勝の再現となる、大学の先輩後輩同士の対決となった。

宇高、松本ともに右組みの相四つ。

お互いに相手の釣手を制し合う厳しい組み手争いから、奥襟を叩いた宇高が右大外刈、小外刈と強気に攻めれば松本は背負投でこれに応じる。

1分19秒、奥襟を叩いた松本、思い切った払巻込を試みるが宇高余裕を持ってこれを捌いて崩れず。
さらに1分25秒、松本再度奥襟を叩くと宇高これを切り離して制する。しかしこの攻防が消極的と判断されたのか、ここでやや唐突に宇高に「指導1」。

宇高、松本の釣手を抑えるが、松本構わずに巻き込みの形で手を回しながら大外刈を狙う。 2分20秒、宇高が奥襟を持つと応じた松本が左大腰。宇高なんとか耐えて「待て」。
宇高の奥を握っての大外刈は松本が返しを狙って「待て」。
一進一退の攻防が続くが、釣手の有無に関わらず巻込技のプレッシャーを掛けながら攻撃を狙う松本の手数がやや勝る。
3分50秒、前襟からジワジワと手を滑らせて、宇高が釣手で奥襟を握る。松本先手を打って左袖釣込腰。この技は潰れたが松本の攻勢と評価され、直後に宇高に「指導2」。

2010年IJFマスターズ57kg級決勝・松本薫-宇高菜絵
(写真:決勝、松本は再三の払巻込で先手を取る)

宇高、朽木倒に大内刈と必死で追いかけるが松本も袖釣込腰で応戦。
苦しい宇高、残り13秒、釣手で相手の腰を差したまま強引に大外刈に飛び込むが、さすがに体勢を崩して返されかかり「待て」。

宇高最後まで得意の大外刈を狙うが、残り時間はほとんどなく試合は終了。
松本薫が、IJF年間世界王者のビッグタイトルを手にした。

IJFマスターズ57kg級入賞者
(写真:57kg級入賞者。左から宇高、松本、徳久、カラカス)

宇高、松本ともに奥襟を握って戦いたい選手だが、しっかり握ってからでないと技を出さなかった宇高に対し、釣手を制された形からでも巻込技で攻撃できた松本、「指導」の早い今大会ではこの差が出たという印象。
講道館杯の対戦では、自分の組み手に徹底的にこだわる我慢の柔道でワンチャンスをモノにした宇高が勝利したが、今大会では不利な体勢からでもどんどん技を掛けて出た松本の積極性に凱歌があがった。

長年弱点とされてきたこの階級だが、今大会では3人が入賞。国内にはリオ世界選手権代表の佐藤愛子も控えており、園田隆二女子監督が「世界の中で勝ったり負けたりすることができるようになってきた」と評する通り、ようやく粒が揃ってきた印象。
これから求められるのは園田監督が強調する「安定感」。代表選出濃厚な松本をはじめとした日本選手には「一本」を取る技はもちろん、世界で確実に勝つ試合ぶりの堅さ、2-3月の欧州シリーズの戦いぶりにはその点の上積みを求めたい。

【入賞者】

優勝:松本薫(帝京大4年)
準優勝:宇高菜絵(了徳寺学園職)
第3位:徳久瞳(三井住友海上火災)
第3位:KARAKAS, Hedvig(ハンガリー)

【決勝】

松本薫○優勢[指導2]△宇高菜絵

松本薫選手のコメント
「(講道館杯で負けた宇高に)リベンジというのは特にありません。今、組み手の練習に取り組んでいることもあり、宇高先輩は奥をがっちりとってくるのでそれを防いで落としていくことを意識していました。調子も今日は普通です。準決勝も相手が脇を掬ってくるので、救われてもしっかり落とし込んでいく組み手を意識していました。」

※日本人選手勝ち上がり※

【1回戦】

徳久瞳○合技(内股・上四方固)△カプリオリウ(ルーマニア)
松本薫○合技(指導3・横四方固)△シュ(中国)

【準々決勝】

宇高菜絵○大外巻込△ベロリン(スペイン)
徳久瞳○袈裟固△ハイン(ドイツ)
松本薫○小内巻込△ボウオパラ(ギリシャ)

【準決勝】

松本薫○上四方固△カラカス(ハンガリー)

宇高菜絵○優勢[指導2]△徳久瞳

【決勝】

松本薫○優勢[指導2]△宇高菜絵

■【63kg級】ロッテルダム王者上野順恵、地力の違い見せつけオール一本勝ちのV

【日本人出場選手】

上野順恵(三井住友海上・WR1位)
田中美衣(仙台大4年・WR7位)
平井希(自衛隊体育学校・WR10位)

Aブロックからは世界王者上野順恵が勝ち抜け。
初戦はポリ(フランス・WR15位)に指導2つで先行されたものの落ち着いて1分27秒袈裟固で一本勝ち。準々決勝はジョン・ダウン(韓国・WR20位)を指導2つで追い込み、体落「技有」から袈裟固とつないで3分8秒、合技で一本勝ち。どちらも実力差を考えるとややもたついた感もあるが、安定感のある試合だった。

2010年IJFマスターズ63kg級1回戦・上野順恵-ポリ
(写真:1回戦、上野がポリ(フランス)を袈裟固に仕留める)

Bブロックは、シュレジンガー(イズラエル・WR8位)、フィルツモザー(オーストリア・WR29位)、アーレンス(イギリス・ランキング12位)の3人の中からシュレジンガーが勝ちあがり。準々決勝は、アーレンスを巧みな双手刈で背中から落とし「一本」を奪った。

平井が配されたCブロックは、元70kg級の世界王者エマヌ(フランス・WR5位)を初戦「指導2」で破った地元韓国のコン・ジャヨン(WR19位)が勝ちあがり。平井は初戦のリ・メイリン(中国・WR13位)を「指導3」で破ったが、準々決勝でコンに「指導3」の優勢負けでベスト4入りはならず。

Dブロックは日本の田中美衣(WR7位)が勝ち抜け。初戦はプルボス(フランス・WR9位)を袈裟固、準々決勝はセデンスレン(モンゴル・WR16位)を残り5秒の腕挫腕固といずれも固技で一本勝ち。

2010年IJFマスターズ63kg級・田中美衣
(写真:1回戦に臨む日本の田中)

準決勝は、上野-シュレジンガー、コン-田中で争われることとなった。

上野-シュレジンガーの準決勝は左の相四つ。上野が組み手のコントロールに勝り、シュレジンガーは長身のアドバンテージを生かせない。シュレンシンジャーがようやく奥襟を持っても上野は即座にこれをかいくぐっての大外刈、体落と相手に主導権を渡さない。 1分50秒の「指導」は両者に与えられたが、2分54秒にシュレジンガーが体落を掛け潰れると即座にシュレシンジャーに偽装攻撃の「指導2」。
上野、以降も手を緩めず、3分30秒には大外刈から背負投に変化して高く担ぎあげ、あわやという場面を作る。
4分の一本背負崩れの大外落でも膝をつかせ、シュレジンガーに「指導3」と展開を渡さないまま時間。
序盤の組み手の堅さ、リードして以降の捌きの上手さが際立った。

2010年IJFマスターズ63kg級準決勝、上野順恵-シュレジンガー
(写真:上野が背負投でシュレジンガーを攻める)

田中-コンの準決勝は田中右、コンは左のケンカ四つ。
コン、奥襟を叩いて田中が応じる展開。33秒、田中にやや早めの「指導1」。
ほぼ互角に試合が推移しているかと思われたが、55秒、コンの大内刈が深く入り、コンの「技有」。場内大歓声に沸く。
田中、2分50秒には再度の「指導」を受け大幅なリードを許すが粘り強く試合を進め、3分15秒過ぎに起死回生の後袈裟固にコンを捕らえる。が、地元の大声援に奮起したコン、これを11秒で解いて田中のポイントにはならず。

2010年IJFマスターズ63kg級準決勝・田中美衣-コンジャヨン
(写真:田中、起死回生の後袈裟固は惜しくも11秒で「解けた」)

固技に活路を見出した田中、直後の3分43秒、コンの掛けつぶれに素早く反応し股を掬って横四方固。が、これもコンは2秒で逃れ、またしても田中はポイントを奪えない。

しかし、固技で流れを掴んだ田中、奥襟を叩いて前に出続け、試合は田中ペースに変わる。 コン、奥襟を叩いて応じ応戦するが、守る意識が働いたか、残り30秒で払巻込を掛け逃げ、偽装攻撃でコンに「指導2」。
あと一歩と迫った田中だが、残り12秒で放った払巻込から寝技に持ち込まれ時間を使われる。
追撃惜しくも届かず、コンが「技有」優勢勝ちで決勝に駒を進めた。

決勝の顔合わせは上野順恵とコン・ジャヨン。ゲートを潜るとコンには地元の大声援。
上野、コンともに左の相四つ。
格上の上野に対し、コンは先に袖を制して奥襟を掴み、慎重な手順で組み手を進める。
上野これに対して掛け急がずにじっくり応戦。32秒、上野が組際に袖を持って前に出るとコンはプレッシャーに耐えかねて思わず膝を突く。すかさず横三角を狙う上野だがここはコンが粘り「待て」。
48秒、コン奥襟を叩くと、上野これをくぐりぬけての大外刈。コンこれを承知していたかすかさず返そうとして上野崩れかかるがポイントには至らず。

上野、コンの釣手袖を殺して前に出るとコンも応じ両袖。上野は細かく足技を出すがやや膠着と見られたか、1分36秒、両者に「指導1」。

2分15秒、組み手争いの隙を縫って上野左大外刈。さらに2分23秒、組際に左大内刈に飛び込めばコン応じきれず上野の「有効」。
上野この機を逃さず袈裟固で一本勝ち。

2010年IJFマスターズ63kg級決勝、上野順恵-コンジャヨン
(写真:上野は左大内刈「有効」から押し込んで袈裟固)

コンは力強さと丁寧な組み手で慎重に試合を進めたが、地力の差がジリジリと出、5分を戦いきることが出来なかった。
上野はその実力はもちろんのこと、試合運びの上手さ、状況をしっかり見極めるだけの心の余裕が感じられる試合だった。
反面、全体を通してロッテルダムで大ブレイクした袖を内側に折込みながらの大外刈は、飛び込み、引き出しといずれの形も不発。掛けること自体が少なかったこともあるが、世界王者上野の研究、対策は十分進んでいる印象。地力のみでしっかりと勝ち、しかもオール一本で優勝する上野の強さは素晴らしいが、世界選手権に向けて油断は出来ない。

2010年IJFマスターズ63kg級入賞者
(写真:63kg級入賞者。左から、コン、上野、シュレジンガー、田中)

【入賞者】

優勝:上野順恵(三井住友海上火災)
準優勝:コン・ジャヨン(韓国)
第3位:シュレジンガー(イスラエル)
第3位:田中美衣(仙台大4年)

【準決勝】

上野順恵○袈裟固△シュレジンガー
コン・ジャヨン○優勢[技有]△田中美衣

【決勝】

上野順恵○袈裟固△コン・ジャヨン

上野順恵選手のコメント
決勝以外は全然駄目でした。しっかり組めば何の問題もないのに中途半端にいって技が効かなくて。もちろん勝たなければいけないのですが内容も問われているので、勝ちにこだわるだけではなく、中身のある試合をしていかなければいけないなと思いました。

※日本人選手勝ち上がり※

【1回戦】

上野順恵○袈裟固△ポリ(フランス)
平井希○優勢[指導3]△リン(中国)
田中美衣○合技△プルボス(フランス)

【準々決勝】

上野順恵○合技(体落・袈裟固)△ジョン・ダウン(韓国)
コン・ジャヨン○優勢[指導3]△平井希
田中美衣○腕挫腕固△セデンスレン(モンゴル)

【準決勝】

上野順恵○優勢[指導2]△シュレジンガー(イスラエル)
KONG, Ja-yong○優勢[技有・隅落]△田中美衣

【決勝】

上野順恵○袈裟固△コン・ジャヨン


※eJudo携帯版「e柔道」1月21日掲載記事より転載・編集しています。

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