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平成21年全日本柔道形競技大会レポート

(2009年12月7日)

※eJudo携帯版「e柔道」10月28日掲載記事より転載・編集しています。

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10月25日(日)、平成21年全日本柔道形競技大会が講道館大道場で行われた。

先般行われた第1回世界形選手権大会(10/17~18、マルタ)で日本勢は5種目全てで優勝を飾っており、来年度の世界選手権出場者選考にも大きく影響すると見られる本大会はまさに世界最高レベルの舞台。
今大会には世界選手権優勝組は出場しなかったが、全国10地区から選び抜かれた精鋭が全7種目の形で柔道の極意を披露した。

連覇者は、いずれも東海地区代表の今尾省司・清水和憲組(極の形)と小瀬純子・小枝忠司組(柔の形)。この2組の活躍もあり、地区総合では東海地区が初優勝を果たした。

また今大会には、アメリカで40年以上にわたって形の指導を行っている福田敬子講道館女子九段が特別ゲストとして来場。試合後選手に取り囲まれると「柔道は技から始まりますが、心の中で育つものです。続けて研究して育てていってくださいね」と穏やかな笑顔で話されていた。

平成21年全日本柔道形競技大会
(写真:五の形優勝の丸尾・勝美組)

■地区総合成績

優勝:東海地区
2位:東京地区
3位:近畿地区

※以下、講評は全員に向けられたもの

■投の形

優勝:関東地区
[取]宮田裕介四段(埼玉県警察学校)
[受]市東崇五段(埼玉県警察学校)

2位:東京地区
[取]赤坂洋輔四段(警視庁)
[受]若菜大介四段(警視庁)

3位:東海地区
[取]柘植久嗣四段(米田柔整専門学校)・
[受]
神谷昌利五段(M・かみや接骨院)

平成21年全日本柔道形競技大会 平成21年全日本柔道形競技大会
(写真:投の形優勝の宮田・市東組)

今大会2度の優勝経験がある内山貴之・松井孝文組(北信越)が優勝候補だったが、腰技の払腰を飛ばしてしまったため失格となった。
優勝を果たしたのは、関東の宮田・市東組。2位との差はわずか0.2と接戦だった。
2人は埼玉県警察学校の同僚。2日に1回の稽古を行うことを決意し、授業の合間を見つけて稽古に励んだ熱意が実を結んだ優勝だった。

取・宮田祐介四段のコメント
「全日本選手権で演武させてもらうことが目標。今回は優勝という結果をいただいたが、もっとうまくなりたい。形に出会えてよかった」

受・市東崇五段のコメント
「大会前に地区大会で2度演武の機会を設けてもらって今日は落ち着いてできた。職場の先輩で世界一にもなっている斎藤信司教官に、追いつき追い越すことが目標」

講評・鮫島元成氏
「横掛の崩しが足りない。足を払うのではなく押すように。浮腰は大腰のようにならないよう気をつけてほしい。受が自分から技を受けているようなところがあり、それではメリハリがなくなってしまう。横車は横捨身技だが、受の残身が横捨身でなく、真捨身になってしまっていた組があった。巴投に関しては、下腹にきちんと足が当たっていないところが見受けられた。」

■固の形

優勝:東京地区
[取]小室宏二五段(東京都市大学付属中学・高等学校)
[受]高野賢司六段((株)ランディ コーポレーション)

2位:北海道地区
[取]清野國安六段(教員)
[受]工藤重孝六段(柔道整復師)

3位:東海地区
[取]松川博茂六段(愛知県立ひいらぎ養護学校)
[受]杉山康弘五段(丸運吉田)

平成21年全日本柔道形競技大会 平成21年全日本柔道形競技大会
(写真:固の形優勝の小室・高野組)

東京地区代表の小室・高野組が初出場初優勝を果たした。小室五段と言えば代名詞でもある「コムロック」で知られ柔術の大会でも活躍した固技のスペシャリスト。この「固の形」の演武も流れが自然でなおかつ一つ一つが力強かった。

今大会へ向けて週2回講道館でみっちり稽古を積んできたそうだが、実は当初、さほど出場に乗り気ではなかったとのこと。
小室五段が「東京地区予選で投の形に出場した(08年)ら3組中3位。もう二度と形はやりたくないと思っていた」と語れば、高野五段も「大澤慶巳十段に『固の形をやれ』と言われたんですが出来ませんと言って怒られた。それで思い直し相手を探したら同じ講道館で指導員だった小室君がいた」とエントリーの経緯を明かし、苦笑いを見せた。
大会後も「この先のことは考えていない」という二人だったが、さすがは講道館指導員という見事な形を披露し面目躍如。「1コ下の中橋政彦君がマルタで優勝したので負けたくない」と内には燃えるものもあるようだ。

講評・福島美智雄氏
「機械的に見えた組や迫力がない組があった。自分の体が動くようにするためには、練習しかない。ビデオを見ているだけでは、機械のような動きになってしまう。練習を重ねることで極め方にも重みが出てくる。」

■極の形

優勝:東海地区
[取]今尾省司七段(自営)
[受]清水和憲六段(自営)

2位:東京地区
[取]奥野憲司参段(警視庁)
[受]角田健介四段(警視庁)

3位:北信越地区
[取]村田賢一五段(北信州みゆき農業協同組合)
[受]坪井清仁五段(飯山市役所)

圧巻の演技を披露した東海の今尾・清水組が、2位以下に2.5点差をつけ優勝、2連覇を達成した。

2人は20年来のペア。息もぴったりで迫力ある演技には観戦者から「おぉ」という声も漏れた。「この大会に向けて夜10時から1時間、時間は短いけれど集中して稽古に臨んだ事が良かった」と清水六段。出場順が最後であったことと、常連の強豪ペアであったことで非常に注目が集まる状況での演技となったが、今尾七段は「緊張したが、その中でもしっかり結果を出せて良かった」と安心した表情。連覇の偉業達成については「まだ入り口に入ってきたところなので、今後も同じ形を極めていきたい」と語り、形修行の奥深さを噛み締めている様子だった。

平成21年全日本柔道形競技大会 平成21年全日本柔道形競技大会
(写真:極の形優勝の今尾・清水組)

講評・貝瀬輝夫氏
「全体的に言うと、上手な組とそうでない組との差が大きかった。「極の形」は真剣勝負であること。セオリーを覚えることが始めのステップになる。」

講評・岡本栄八郎氏
「間合いが取れていないところがあった。突掛は45cmの距離をとるところを、20cmくらいしかとっていなかった組や、せっかくとっていても間合いを詰めてしまっている組もあった。」

講評・大川原洋氏
「中央と地方の技術の差が大きかった。短刀が見えてしまっている組もあったので、武器の取り扱いもきちんとやってほしい。」

■柔の形

優勝:東海地区
[取]小瀬純子女子四段(高山信用金庫)
[受]小枝忠司四段(小枝フトン店)

2位:北信越地区
[取]鷲田真純女子初段(福井県立足羽高等学校)
[受]会退由希恵女子初段(福井県立足羽高等学校)

3位:東京地区
[取]谷島義枝女子四段(二宮道場接骨院)
[受]二宮正江女子四段(二宮道場接骨院)

女子同士で組むことが多いこの形だが、今回唯一の男女ペアである東海の小瀬・小枝組が連覇した。講評では「間合いが取れていない組が多く点数が伸び悩んだ」との指摘もあったが、そんな中、小瀬、小枝組は唯一70点代を出し実力をみせつけた。

平成21年全日本柔道形競技大会 平成21年全日本柔道形競技大会
(写真:柔の形優勝の小瀬・小枝組)

「自信はありました」という小枝四段だが、胆石の手術を受けたことが響き、練習が再開できたのは8月から。準備期間が少ないながらもこれまで積み重ねてきた修行がものをいっての堂々の優勝となった。
今年は極の形で出場しようと思っていたそうだが、小瀬四段の「優勝したがやり残したことがある」という強い思いで出場を決意。同四段は今大会については「ほぼ満足しています」と笑顔で振り返った。敢えて選んだ連続出場で掴んだものは大きかったようだ。

またこの形では18歳の高校生ペアが出場し、2位入賞。会場の注目を集めていた。

講評・尾方敬史氏
「間合いが取れておらず、そのために技が正確でなくなってしまった。「柔の形」はゆっくりした動作だが、押す引くは力強さを表現するところが大事。機械のようだとそれも困るが、メリハリがなくなってしまう。そのあたりを工夫してほしい。受が先に動いてしまうところも見受けられた。また、「柔の形」は他の形とは違い、道衣や帯を直す動作はないので帯に触れてはいけないが、帯に触れている組が見受けられた。」

■講道館護身術

優勝:北信越地区
[取]武井弘美六段(武井接骨院)
[受]平林友一五段(セイコーエプソン株式会社)

2位:東海地区
[取]水野博介七段(東海中・高等学校)
[受]大河内信之七段(海陽中等教育学校)

3位:近畿地区
[取]神田俊樹五段(大阪府警察)
[受]守安由充六段(大阪府警察)

上位の組はいずれも70点台と大きい差はなかったが、以下は点数に差があり、また失格者が一組あった。
優勝を果たしたのは昨年2位、一昨年優勝の武井・平林組(北信越)。取の武井六段が「基本を忠実にやりきった」と語れば平林五段も「お互いに気持ちを一つにしてやった」と、日ごろの鍛錬の成果を出し切ったという表情だった。

平成21年全日本柔道形競技大会 平成21年全日本柔道形競技大会
(写真:講道館護身術優勝の武井・平林組)

優勝は2度目だが、「まだまだ出来ないところもありますよ。例えば体さばきとか崩しなんかいつも完璧というわけではないですね」とさらなる修行への意欲を見せた武井七段。新しい種目へはまだ挑戦せず、2人でこの形を極めていくつもりだ。

講評・小俣幸嗣氏
「予選を行っている地区とそうでない地区で点数にも表れているように差が見られた。そういうことを地区に戻って伝えていただきたい。競い合いの中でやれば、その差はうまってくると思う。全体のレベルとしては、ビデオでの研究もあって上がっている。しかし、リズム、テンポ、移動や歩行の動作がゆっくりすぎる。それと急所を攻めること、当て身の位置を確認してやること。」

■五の形

優勝:北信越地区
[取]丸尾泉六段(長野県上田高等学校)
[受]勝見藤一六段(長野県上田市立菅平中学校)

2位:中国地区
[取]花本茂人七段(島根県立松江南高等学校)
[受]高野伸介六段(島根県立武道館)

3位:近畿地区
[取]山本紀市六段(兵庫県警察)
[受]園田真一郎五段(兵庫県警察)

講評で「一生懸命勉強していた」という言葉が出たとおり、70点以上の高得点組が半分以上とレベルが高かった。昨年2位の花本・高野組(中国)は今年も2位と雪辱ならず。昨年3位の丸尾・勝見組(北信越)。が充実の演技を見せ初優勝を飾った。

平成21年全日本柔道形競技大会 平成21年全日本柔道形競技大会

(写真:五の形優勝の丸尾・勝見組)
上田高-日体大の先輩・後輩である2人はペアを組んで5年目。
週2回、上田市の道場での稽古が修行のベースだが、勝美七段は「加えて、岡本栄八郎先生から月1回受けた指導が大きかった。」と語り、技の精度を上げることに注力できた特別指導が今回の優勝に結実した、と自ら分析してみせた。
後輩の丸尾六段も「やっと優勝して念願が叶いました」と笑顔。2人で喜びを分かち合っていた。

講評・佐藤正氏
「波をぶつかってとまらないように。各組とも一生懸命勉強していたと思います。」

講評・山本四郎氏
「自護体の時は、両方の足に均等に体重をかけるが、それが均等になっていない組があった。」

■古式の形

優勝:中国地区
[取]田村吉永六段(岡山県警察)
[受]美濃達也七段(岡山県警察)

2位:北信越地区
[取]瀧澤義人七段(信州医療福祉専門学校)
[受]小林修六段(小林接骨院)

3位:東京地区
[取]清水正敬八段(株式会社滴水)
[受]清家春夫七段(日本映像ソフトソフト制作・販売倫理機構)

1位68.6、2位68.4、3位68.3と上位3組が68点台の大接戦となった。優勝した田村・美濃組(中国)は昨年3位。「区切りをつけるためにも」と今大会に懸けていた。半年前から毎日30分、欠かさずこつこつと稽古に望んできて念願かなっての優勝だ。
「今の柔道を作り上げる基礎になって、文化的にも歴史的にも素晴らしいものだと思っています」と田村七段はこの形の魅力を語る。古式の形を始めて6年になる美濃七段は「警察官なので、講道館護身術をやってみたい」と次なる目標を掲げた。

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(写真:古式の形優勝の田村・美濃組)

講評・千葉翠氏
「受の方が先に飛んでいく場面があった。また重厚さに欠ける。もう少しバチッとした方が良いのではないだろうか。また全体的に細かいところもぴしっとしていくよう、もう少し勉強した方が良いだろう。」


※eJudo携帯版「e柔道」10月28日掲載記事より転載・編集しています。

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