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全日本学生柔道体重別選手権大会マッチレポート①60kg級、66kg級、73kg級、81kg級

(2009年12月3日)
※eJudo携帯版「e柔道」10月16日掲載記事より転載・編集しています。

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平成21年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子28回、女子25回)

10月11、12日の両日、日本武道館において、今年度の体重別学生チャンピオンを決める平成21年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子28回、女子25回)が開催された。

大会連覇を遂げたのは、男子の小倉武蔵(筑波大2年)と女子78kg級の田知本愛(東海大3年、3連覇)のみ。この2人と2年ぶり2度目の優勝の田中美衣(仙台大4年/女子63kg級)以外はすべて初優勝だった。

【大会第1日】

大会1日目は、男子60kg級、66kg級、73kg級、81kg級の4階級。女子は63kg級、70kg級、78kg級、78kg超級の4階級が行われた。

■男子60kg級

昨年2位の矢野大地(天理大3年)は今大会第一位シードだったものの、手首のケガのため欠場。昨年3位で今大会第2シードの蓬田克也(東海大2年)は初戦の2回戦で無名の松中俊樹(札幌大2年)に大外刈で一本負けしてしまい本命不在の混戦となった。

そんななか決勝に勝ち上がったのは今年度全日本ジュニア王者の山本浩史(日体大2年)と川端龍(国士舘大2年)。

山本は1回戦の熊谷樹(金沢学院大1年)を内股「有効」、2回戦の相樂暢貴(道都大3年)を横四方固、3回戦の坂井俊之(東京農業大3年)を三角絞、4回戦の石川裕紀(東海大3年)を小内刈「有効」で破って準決勝へ進み、準決勝では足立学園高の同級生・三枝智哉(明治大2年)を三角からの横四方固でくだし初の決勝進出を果たした。

一方、川端は持ち前のしぶとさを見せ、2回戦の表寛紀(北陸大1年)を「指導2」、3回戦の大久保省吾(國學院大2年)を「有効」、4回戦の片渕健太郎(広島大2年)を背負投、そして、準決勝の坂本潤二(山梨学院大4年)を「指導2」で破って決勝へ駒を進めた。

決勝は山本、川端の2年生対決。山本左組み、川端右組みのケンカ四つ。山本が内股、川端は背負投を中心に技を繰り出す。ともに動きが速く、相手の技にも素早く反応するため技の効果は見られない。
2分32秒、やや守勢となった山本に「指導」。4分12秒には、逆に山本が内股で攻め込み、受け気味となった川端に「指導」が与えられてまったくの互角。
しかし、その直後、川端が背負投に入りしぶとく巻き込んで「有効」を奪取。さらに横四方固に入るも数秒で解ける。
残り時間はほとんどなく、山本は反撃できずにそのまま時間。川端がうれしい初タイトルを手にした。

全日本学生柔道体重別選手権大会60kg級決勝
(写真:決勝戦、川端龍が背負投を巻き込んで「有効」)

ベスト4のうち3人、ベスト8のうち6人が2年生だったこの階級。実力が充実してくると言われる来年3年が本当の勝負の年と言っていいだろう。ちょっと気が早いが、来年の大会でどのような戦いを見せるのか、今回の上位進出者の今後の活躍に注目したい。

【入賞者】

優勝:川端龍(国士舘大)
準優勝:山本浩史(日体大)
第3位:坂本潤二(山梨学院大)、三枝智哉(明治大)

全日本学生柔道体重別選手権大会60kg級優勝・川端龍
(写真:優勝の川端)

川端選手のコメント
「信じられないです。今までは3位、4位で満足していたところがあったのですが、今回は本気で勝ちたいと思っていたので、本当にうれしいです。(今後の目標は)講道館杯で上位に入って、国際大会に出させてもらいたいです」

【準々決勝】

山本浩史○優勢[有効]△石川裕紀(東海大)

三枝智哉○上四方固(2:48)△右田晃介(国士館大)

坂本潤二○GS掬投(7:40)△坪田啓介(鹿屋体育大)

川端龍○背負投(4:01)△片渕健太郎(広島大)

【準決勝】

山本浩史○横四方固△三枝智哉

川端龍○GS指導2△坂本潤二

【決勝】

川端龍○優勢[有効]△山本浩史

■男子66kg級

昨年優勝の小倉武蔵(筑波大2年)、昨年準優勝の早野友樹(山梨学院大4年)はともに順当な勝ち上がりを見せ、準決勝へ進出。

小倉は2回戦の長谷川太聖(徳山大2年)を背負投「技有」、3回戦の青木勇介(日体大4年)を小内刈「有効」、4回戦の岩田幸典(中京大4年)を「指導2」で破って準決勝へ進むと、準決勝では関根優一(国士舘大4年)の払腰を裏投で返して「技有」を奪って優勢勝ち。安定した実力を見せ、昨年に続く決勝進出を果たした。

一方の早野は、2回戦、3回戦とゴールデンスコア(GS)にもつれる接戦の末の判定勝ち、さらに4回戦も「指導2」による優勢勝ちでなんとか準決勝まで勝ち上がったが、準決勝では田中浩平(筑波大2年)にGSの末の判定負けした。その田中は、2回戦の田邉友章(龍谷大1年)を小内刈「有効」、3回戦の魚山皓平(鹿屋体育大1年)を「指導2」、4回戦の羽沢龍弘(国士舘大3年)を小外刈「有効」で破っての準決勝進出だった。

決勝は、小倉と田中、筑波大の同級生対決となった。
過去の大会での対戦成績は小倉の1勝3敗。中学時代からライバルの二人は日頃から大学で稽古しお互いを知り尽くしているものの、「普段は手の内をあまり見せたくないので、全力ではやらない」(小倉)そうだが、「今日はそんな気持ちを取っ払ってやろう」と臨んでいた。
しかし、その思いとは裏腹に、試合は双方ともに思い切りのいい技の見られない消極的な展開となった。
1分5秒には両者に「指導」。田中は巴投、小内刈、小倉は背負投などを出すもいずれも単発で、相手を崩すまでにはいたらない。5分では決着がつかずGSに突入。GSになり積極的になった田中が、小内から巴投、小外から大外、さらに背負投と技を繰り出すが、この背負投がすっぽ抜けてしまい掛け逃げと判断されて「指導」。その後、小倉が掬投、裏投で田中をうつ伏せにし、それが勝敗の分かれ目となり判定勝ち(3-0)。小倉がライバルに辛勝し大会2連覇を達成した。

09年全日本学生柔道体重別選手権大会66kg級決勝
(写真:決勝、小倉が掬投で田中を攻める)

決勝は観客席もシーンと静まり返るほど活気のない試合となった。同門対決ということもあるが、両者ともにほとんど技が出ない展開が続いた。なぜ、審判が消極的「指導」をもっと出さなかったのか、2人を積極的に戦わせるような指示を出さなかったのか。タイトルの重さは確かにあるだろうが、こんな試合をしていたら、上(全日本)から目をかけられるのは難しいのではないか。小倉本人も「こんな試合では、何もアピールできない」と反省しきりだったが、まだ2年生なのだから、学生らしいガツガツとした試合を見せてほしかった。

なお、全日本ジュニア選手権優勝の小寺将史(筑波大)は1回戦で郡司明(東海大)に4分45秒巴投で敗退。自身最大の目標としていた世界ジュニア代表に選出されなかった悔しさを今大会で晴らすことはできなかった。

【入賞者】

優勝:小倉武蔵(筑波大)
準優勝:田中浩平(筑波大)
第3位:関根優一(国士舘大)、早野友樹(山梨学院大)

  09年全日本学生柔道体重別選手権大会66kg級優勝・小倉武蔵
(写真:優勝の小倉)

小倉選手のコメント
「決勝の田中は、日頃からやっていて投げられないのはわかっていましたが、やはりやりづらかった。過去4戦で3敗している相手なので、とりあえず勝ててよかったです。この階級は同期や少し下の学年にも強い選手が結構多くてライバルも多いのですが、突出した選手はいないと思うので、自分がそういう存在になれるよう頑張りたいと思っています」

【準々決勝】

小倉武蔵○優勢[指導2]△岩田幸典(中京大)

関根優一○優勢[指導3]△郡司明(東海大)

早野友樹○優勢[指導2]△千葉祐弥(天理大)

田中浩平○優勢[有効]△羽沢龍弘(国士館大)

【準決勝】

小倉武蔵○優勢[技有]△関根優一

田中浩平○GS僅差3-0△早野友樹

【決勝】

小倉武蔵○GS僅差3-0△田中浩平

■男子73kg級

連覇を狙う齋藤涼(天理大4年)、07年講道館杯優勝の粟野靖浩(筑波大3年)、07年講道館杯2位の中矢力(東海大2年)。学年は1つずつ異なるが、この3人が優勝候補として挙げられ、齋藤と中矢は順当に決勝へ勝ち進んだ。
粟野は2回戦を内股、3回戦を小外掛で一本勝ちしたものの、4回戦で鈴木誠(国士舘大2年)にGSの末に判定負け(3-0)。準決勝を前に姿を消した。

昨年の覇者・齋藤は、2回戦の大隈直樹(山梨学院大2年)とはGSにもつれる接戦となったが内股で一本勝ちし、続く3回戦の伊藤亮彦(慶應義塾大4年)を上四方固、4回戦の八巻祐(東海大3年)を縦四方固で手堅く勝って準決勝進出。準決勝の渡邉聖貴(関西大3年)戦は際どい試合となったが、GSの末の判定で破り決勝進出を果たした。

対する中矢は、2回戦の多田羅信玄(同志社大4年)に内股、3回戦の郡司成晃(筑波大2年)に大外刈でともに一本勝ちして好調に勝ち上がり、4回戦の太田博和(筑波大4年)に「指導2」、準決勝の鈴木誠には終了間際の掬投「有効」で優勢勝ちし、決勝へ進んだ。

決勝は、齋藤と中矢、優勝候補同士の戦いとなった。
齋藤、中矢ともに右組みの相四つ。なかなか組み合えない両者に1分24秒「指導」。直後、中矢は引き手をとると、齋藤の右足に引っ掛けるように浅めに大外刈に入り、そこから跳ね上げて「有効」を奪う。ポイントを取られた齋藤は右大外、小外、さらに小内、大内と果敢に攻め込み、中矢も大外返、大外などで対抗。
終盤、やや守勢となった中矢に2つ目の「指導」が与えられてポイントが並び、そのまま5分間が終了。試合はGSに突入した。
GSに入ると中矢が俄然元気になり、小外から隅返、さらに大外、右一本背負投で果敢に攻撃、中矢に先手の攻撃をされて齋藤はほとんど技らしい技を出せないまま3分が終了。判定は中矢に3本が揃い、2年生・中矢の初優勝が決まった。

09年全日本学生柔道体重別選手権大会73kg級決勝
(写真:中矢が大外刈で攻める)

齋藤は決勝の本戦後半、「有効」ポイントのビハインドを追いかけるのに力を使い、その疲労がGSになって出てしまったようだ。決勝までに2試合のGSを戦っていたことも響いた。逆に中矢は本戦の終盤に守勢になって追いつかれたことで、GSでは「前に出て、先に技を掛けていこう」という意識がそのまま試合の内容に表れた。中矢は足取り系の技も多用するためルールへの対応が心配されたが、逆に、大外刈や小外などから担ぎ技などにつなぐ中矢本来の持ち味が出てきたように感じた。学生タイトルを獲り、さらなる飛躍が期待される。

【入賞者】

優勝:中矢力(東海大)
準優勝:齋藤涼(天理大)
第3位:鈴木誠(国士舘大)、渡邊聖貴(関西大)

09年全日本学生柔道体重別選手権大会73kg級優勝・中矢力
(写真:優勝の中矢)

中矢選手のコメント
「決勝は苦しい戦いでしたが、齋藤選手には絶対に負けられないという気持ちで戦っていました。今大会では齋藤選手と粟野選手に勝って優勝するのが目標でしたので、粟野さんとやれなかったのが残念。大学で獲りたかったタイトルなのでうれしいです。11月の講道館杯では上位を狙いたい。そうしないと国際大会にも選んでもらえませんから。でもその前に、尼崎(学生体重別団体)があるので、まずはそこで頑張ります」

【準々決勝】

齋藤涼○GS縦四方固(3:00)△八巻祐(東海大)

渡邊聖貴○小外掛△田村和也(国士館大)

鈴木誠○GS僅差3-0△粟野靖浩(筑波大)

中矢力○優勢[指導2]△太田博和(筑波大)

【準決勝】

中矢力○優勢[有効]△鈴木誠

齋藤涼○GS僅差△渡邊聖貴

【決勝】

中矢力○GS僅差3-0△齋藤涼

■男子81kg級

今大会で一番衝撃的だったのが81kg級、田中康介(筑波大3年)の活躍だ。とにかく抜群の強さだった。はっきり言って今までまったくの無名選手。過去の最高実績は城ノ内高校3年のときのインターハイ・ベスト16。昨年のこの大会には、出てはいるものの1回戦敗退である。ちなみに昨年は90kg級で出場している。

その田中の勝ち上がりを追ってみよう。
まず初戦(2回戦)の世古大和(天理大3年)を小内返でくだすと、続く3回戦の武田茂之(明治大3年)は出足払で一蹴。さらに4回戦の藤田武志(関西学院大4年)には腕挫十字固で一本勝ちし快調にベスト4進出を果たす。
準決勝の相手は昨年3位、同門同学年の川瀬孝司(筑波大3年)。途中で足を負傷した様子だったが、田中は容赦なく攻め込むと最後は豪快な内股で一本勝ち。決勝へ進んだ。

別ブロックは、昨年優勝、今年度全日本ジュニア王者の川上智弘(國學院大2年)が有力と見られていたが、初戦(2回戦)の高木漠(筑波大2年)に大内返で「有効」を奪われ、終了間際には勝負の内股を透かされて一本負け、早々と姿を消していた。
川上の敗退で混戦模様となったAブロックを勝ち上がったのは、平尾譲一(中央大4年)。平尾は2回戦の細工藤徹(道都大3年)を「指導2」、3回戦の小林雅司(日体大2年)をGSの末の判定(3-0)、4回戦の八重樫祐太(国士舘大2年)を腕挫腕固、そして準決勝の長島啓太(東海大3年)をGS判定(2-1)で勝ち上がった。

田中と平尾の決勝というのは、おそらく誰もが予期しなかったカード。ともにアグレッシブな柔道で勝ち上がってきただけに好試合が予想されたが、その結末は会場を大いに興奮させた。
田中右組み、平尾左組み。開始早々から前に出て激しい組み手争いをする両者。組んだ瞬間、田中が思い切りよく小内刈に入れば、これが「技有」。さらに田中は間髪を入れずに腕挫十字固に入って「一本」、32秒。田中が電光石火の攻撃で初のビッグタイトルを手にした。

09年全日本学生柔道体重別選手権大会81kg級決勝 09年全日本学生柔道体重別選手権大会81kg級決勝
(左:決勝戦、田中康介が見事な小内刈で「技有」を奪う))
(右:田中が腕挫十字固で優勝を決める)

全試合一本勝ちというすばらしい内容で初優勝を果たした田中。昨年までは90kg級だったが成績も上がらず「このままでいいのか」と今年の年始に81kg転向を決めたという。普段の体重は85kgくらいということで、減量は苦にならない程度。180cmの長身から繰り出す大外刈、内股が武器だが、今回は瞬時の判断が冴え腕挫十字固で2試合に勝っている。「今回は相手の動きがはっきり見えていた。でも、できすぎ」と謙遜する反面、「周りからは笑われるかもしれないが、優勝は密かに狙っていたし、自分ではダークホースだと思っていた」と自信も見せる。
人材不足の81kg級に楽しみな選手が出てきたことはうれしい限り。真価を問われるのはこれからだが、注目したい逸材だ。

【入賞者】
優勝:田中康介(筑波大) 
準優勝:平尾譲一(中央大)
第3位:川瀬孝司(筑波大)、長島啓太(東海大)

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(写真:優勝の田中)

田中選手のコメント
「優勝は心のなかで密かに狙っていました。今回は全体的に流れがよかったし、相手の動きがよく見えて、瞬間の判断もすべてよかったと思います。85kgという中途半端な体重で、去年までは90kg級でやっていたのですが、結果が出せなかったので、思い切って階級を落としました。この階級では長身なので、自分の内股や大外刈なども効くかなと。講道館杯でも番狂わせを起こしたいですね」

【準々決勝】

長島啓太○大内刈(4:57)△吉井健(明治大)

平尾譲一○腕挫脇固(3:48)△内門卓也(天理大)

川瀬孝司○合技(4:25)△中井貴裕(流通経済大)

田中康介○腕挫十字固△藤田武志(関西学院大)

【準決勝】

平尾譲一○GS僅差2-1△長島啓太

田中康介○内股(3:24)△川瀬孝司

【決勝】

田中康介○腕挫十字固(0:32)△平尾譲一

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