【日整全国少年柔道大会】6年生選手充実の兵庫県が4年ぶり2度目の優勝飾る(09年12月2日)
※eJudo携帯版「e柔道」10月13日掲載記事より転載・編集しています。 ![]() docomo版QRコード au版QRコード →eJudoトップページに戻る →「ニュース・トピックス」一覧に戻る (写真:兵庫の大将・長井と愛知・今江の決勝戦) 第18回日整全国少年柔道大会は12日、講道館大道場で行われ、各県の代表チームが5人制(小学4年・5年・5年・6年・6年)の団体戦で優勝を争った。 昨年度優勝の神奈川県のほか、戦力の揃った兵庫県、大阪府などが優勝候補に挙げられる中、準決勝に勝ち上がったのは神奈川県、兵庫県、愛知県、広島県の4チーム。 神奈川県は今年度二度の全国優勝を経験している朝飛道場の小野優太・辻湧人を軸に危なげない戦いを披露。 副将の小澤一徹(己盡塾冨吉道場)の充実もあり、1回戦は青森県を5-0、 2回戦は鳥取県を3-1、3回戦は熊本県に粘られたものの辻・小澤とポイントゲッターがしっかり一本を並べて2-1と順調に勝ち上がり、松前柔道塾単独チームである東京都Aとの準々決勝も先鋒関根聖隆(港武館道場)が一本背負投「有効」で勝利してリードすると中堅辻が超重量級のライバル村田圭祐から横四方固で一本勝ち。副将小澤も横四方固で勝利して3-0の大差でここを乗り切り、準決勝に進出した。 (左:神奈川・辻と東京A・村田の対決) (右:辻が村田の技を返してポイント) 兵庫県は副将前濱忠大(稲美創武館)、大将長井達也(社柔道少年団)の6年生2人を軸に穴のないチーム。1回戦は岩手県を5-0、2回戦も山口県を5-0で一蹴すると、3回戦は全国小学生学年別大会5年生超級王者の粟野諒平(大原町柔道教室)を擁する千葉県にも3-1で勝利。 優勝候補同士の対戦となった大阪府との準々決勝は1点をリードされたまま副将戦を迎える苦しい展開だったが、副将前濱が合技、大将長井が内股で一本勝ちして2-1で逆転勝利。ベスト4へ駒を進めた。 ポイントゲッター2人の活躍が光った兵庫の中でも、特に大将長井は171cm、91kgの恵まれた体格を活かして一本勝ちを連発し、大会前半戦の主役と言って良い活躍だった。 愛知県は中堅磯村亮太、副将鈴木涼太の羽田野道場コンビがポイントゲッター。73kgの磯村以外は全員50kg台以下の小兵チームだが、1回戦は大分県を3-0、2回戦は秋田県を3-0、3回戦は埼玉県を4-0と尻上がりに調子を上げて勝ち上がり、準々決勝で山場と目された岐阜県との対戦を迎えた。 大将に08年全国少年大会5年生の部優勝の山田伊織(羽島柔道少年団)を配する岐阜県に対し体格に劣る愛知県は苦しい戦いが続く。ポイントをとるべき中堅磯村も引き分けに持ち込まれたが、0-0で迎えた副将戦で鈴木が「警告」の反則をもぎ取り1点リード。 大将の女子選手・中江美裕(大石道場)は山田から攻めに攻められながらもポイントを与えずに粘りきって殊勲の引き分け。1-0で愛知の勝利となった。 愛知は初戦からの4試合で失点ゼロ。粘りの戦いでベスト4へと駒を進めた。 広島県の軸は全国小学生大会6年生50kg超級2位の竹村昴大(有朋柔道塾)。初戦である2回戦は大将に同大会王者の太田彪雅(岩舟柔道会)を擁する栃木県と対戦し、竹村は太田に一本負けしたもののチームは副将までに3点を奪い3-1で快勝。3回戦は強豪宮崎県と2-2で代表戦にもつれ込む激戦となったが、ここは竹村が軽量級の好選手・竹下将樹(芦塚柔道場)に内股で一本勝ちして勝利。続く福井県との準々決勝は前半に一本勝ちを並べ、2-0で手堅くまとめて準決勝進出を決めた。 (広島の竹村が、宮崎・竹下とのエース対決を内股「一本」で制す) 準決勝第1試合は優勝候補筆頭の神奈川、これに対抗すると目された兵庫の2強が激突。 先鋒戦は兵庫・毛利友弥(姫路中央柔道教室)が払巻込「有効」、大外刈「技有」と神奈川の関根聖隆を圧倒。最後は崩上四方固に決めて合技で勝利し、まず兵庫が先制。 次鋒戦、神奈川・小野優太と兵庫・百々雄弥(兵庫少年こだま会)の対戦はケンカ四つの引き手争いが続き引き分け。 中堅戦は神奈川のポイントゲッター辻湧人が早い仕掛けで河田闘志(神刑Jr.柔道クラブ)に柔道をさせずに横四方固で勝利し、神奈川が1-1のタイスコアに持ち込む。 (左:兵庫の先鋒毛利が「技有」を奪う) (右:神奈川・辻が攻め込む) 神奈川・小澤一徹に兵庫・前濱忠大とポイントゲッター同士の対決となった副将戦は中盤、場外際で前濱が得意の左背負投に潜り込んで「技有」を奪取。 しかし寝技に絶対の自信を持つ小澤はここから相手を離さずに下からめくって逆に横四方固で抑え込み、抜群のパワーを見せ付けて逆転の一本勝ち。この試合初めて2-1と神奈川県がリードを奪った。 迎えた大将戦は、兵庫の大黒柱・長井達也が岩本活(長澤武道館)を圧倒。一本勝ちで追いつくしかない状況だったが、崩上四方固でしっかりと勝利。試合は2-2で代表戦に縺れ込んだ。 代表戦は神奈川・辻、兵庫・長井のマッチアップ。 辻は左、長井は右のケンカ四つ。体格に劣る辻、果敢に左体落で攻めるが、長井はこの戻りを隅落気味にひねり倒すように落として「有効」を奪うとそのまま横四方固でガッチリと抑え込んで一本勝ち。4年ぶりの決勝進出を決めた。 (写真:代表戦、長井(兵庫)が辻(神奈川)から隅落でポイント) 神奈川は先鋒戦が誤算。ポイントゲッター2人はしっかり仕事をしたが、絶対のポイントゲッターを大将に置く兵庫に対し結果的に点の取り合いとなってしまう落ち着かない試合展開。大将戦の前に試合を決めるという勝利のシナリオを完遂することができなかった。 もう片方の山は愛知県と広島県が対戦。 大将に竹村昴太という超重量級のエースを配する広島に対し、愛知は副将までに2点を並べる他勝利は難しい。お互いしぶとい選手を揃えていることを考えると広島がやや有利かと予想されたこの試合だったが、この厳しい戦いを制したのは愛知県。 先鋒原田秀平(県武柔道クラブ)、次鋒加藤虎之助(小牧柔道会山北)が引き分けに持ち込んでポイントゲッター2人に繋ぐと、中堅磯村亮太は縦四方固、副将鈴木涼介は払腰で一本勝ち。大将中江美裕は竹村に内股で敗れたものの、これしかないという戦い方で2-1で勝利し、5年ぶりの決勝進出を決めた。 【決勝】 兵庫県 1-0 愛知県 (先)毛利友弥×引分×原田秀平 (次)百々雄弥×引分×加藤虎之助 (中)河田闘志×引分×磯村亮太 (副)前濱忠大×引分×鈴木涼介 (大)長井達也○大外返△中江美裕 先鋒の兵庫・毛利と愛知・原田の対戦は互いに手堅い試合ぶりで引き分け。 次鋒戦。兵庫・百々は左、愛知・加藤は右のケンカ四つ。上背に勝る百々が左大内刈、左内股で攻め込み、57秒教育的指導、1分21秒「指導」までもぎ取るがポイント奪取には至らず、この試合も引き分け。 (左:兵庫・毛利(右)と愛知・原田の先鋒戦) (右:兵庫・百々が左大内刈で攻め込む) 中堅戦は愛知のポイントゲッター磯村と兵庫・河田が対戦。 右の相四つ。序盤お互いガッチリ組み合って、両者に教育的指導。 河田が右払巻込、払腰で攻めやや優勢。愛知としてはここで取りたいところではあるが、磯村は河田の地力の強さに中盤から作戦を切り替え、一転して慎重な試合ぶり。 磯村、2度の払巻込も河田揺るがずしっかり潰し、互いに大きなチャンスのないまま時間。 副将戦は兵庫・前濱と愛知・鈴木のポイントゲッター対決。 左の相四つ。共に担ぎ技を得意とする2人だが体格に勝る前濱がまず主導権を握り、左背負投で攻める。 40秒過ぎ、鈴木の技を潰した前濱が下からめくって抑え込みを狙えば鈴木、足を二重絡みに絡めてこれを耐える。長い攻防の末、一瞬足が解けたが、「抑え込み」が宣告される前に鈴木すかさず絡み直して「待て」。 チャンスを逸した形の前濱、左一本背負投で攻めるが鈴木も体捌き良く左小内刈、小内巻込で対抗。 これが効ありと見た鈴木が再度の左小内巻込を見せた場面で時間となり、0-0のまま勝敗は大将戦に委ねられた。 (左:河田(左)-磯村の中堅戦) (右:副将戦、愛知・鈴木が兵庫・前濱を攻める) 大将戦は兵庫のポイントゲッター、長井が登場。 右の相四つ。171cm、91kgの長井に対して愛知の中江は161cm、54kg。 体格に劣り守勢が予想された中江だが、逆に自分から大外刈に飛び込んで長井をぐらつかせ会場大いに沸く。 しかし長井慌てず、28秒に中江に大外刈を掛けさせておいて大外返に切り替えし「有効」を奪う。 それでも引かない中江、再度の大外刈を試みるが長井払巻込で捕らえて「有効」。 1分すぎ、同様の展開から十分に相手を呼び込んだ長井、大外返で「一本」を奪って完勝。 主砲がしっかりと仕事をした兵庫県がしぶとい愛知県チームを2-0で振り切り4年ぶり2度目の優勝を決めた。 (兵庫・長井が大外返「一本」で優勝を決める) 兵庫県チームを率いた中村直義監督(社柔道少年団)は「帯に『全国制覇』の刺繍を入れて試合に臨んだ長井をはじめ、子供たち全員が、強く優勝を意識してくれたことが何よりの勝因」とまず選手を称えるコメント。 大阪、神奈川と優勝候補と連続して対戦する厳しい組み合わせにも「ひとつひとつ大事に戦えば絶対に勝てる。大将に長井が控えているから安心して戦え」と落ち着いた試合運びを指示。「アドバイス通りに選手がきちんと仕事をしてくれた」と会心の表情で試合を振り返った。 (写真:優勝の兵庫県チーム) 中村監督が語る通り、大将長井に対するチームの信頼は絶大。県大会ではいつも個人戦の決勝を争うという副将の前濱は「長井君は頼れる大将。絶対一本取ってくれると思うから全員が安心して試合できた。」と笑顔で語り、「0-3で来ない限りは自分と長井君とで必ず勝てると思っていた。」と強気で押し通したチームの戦いぶりを振り返った。 その長井はオール一本勝ちの素晴らしい内容で優秀選手賞を獲得。個人戦では県大会でライバル前濱の壁を破れずなかなか檜舞台に立つことはなかったが、選抜チームが集うレベルの高い大会でその真価を発揮。「将来はオリンピックで優勝したい」と大きな夢を語ってくれた大器に今後も注目だ。 (写真:優秀選手賞の長井) 一方、敗れた愛知県チームの羽田野剛監督(羽田野道場)は、「負けたことよりも、体が小さい中であきらめずに戦って決勝まで辿り着いた選手達を褒めてあげたい」とこちらも選手を称えるコメント。「誰がポイントゲッターというわけではないチームだが、一戦一戦まとまってよく戦った。準々決勝の岐阜戦など、正直私自身もあきらめかけた試合もあったが、選手はそうではなかった。5人のまとまりとがんばりがもたらした準優勝です。」と満足げに選手を眺めていた。 また、昨年優勝、今年度も優勝候補筆頭にあがっていた神奈川県チームの朝飛大監督は「長井君がいるので、代表戦に持ち込ませてはいけなかった。選手は劣勢をよく跳ね返してくれたのだが」と悔しそうな表情。「もっとイキイキと試合をさせてあげたかった。負けてはいけない、というような顔で試合をしている場面が多かったのは、私の言葉の端々に(昨年優勝しているからという)プレッシャーを感じさせるようなものが潜んでいたのかもしれない」と自身の采配を反省していた。 県選抜という形式ならではのニューヒーロー誕生に沸いた今年度大会は、「日整全国」の面白さを堪能できる好内容の大会だった。 毎年、NHK-BSのドキュメンタリー番組でも取り上げられ、少年柔道家の憧れの大会のひとつである本大会。今後も一層の発展を期待したい。 兵庫県チーム・中村直義監督のコメント 「決勝の前は、「もうやるしかない」と激を飛ばしました。分けてきても大将で必ず勝てる、最後の試合、悔いを残さないようにしっかりやれと話ましたが、その通り、選手は非常によくやってくれました。」 兵庫県チーム・長井達也選手のコメント 「小学生最後の全国大会で優勝できてうれしい。このチームは全員が一本勝ちできる力を持った素晴らしいチーム。なので、落ち着いてやれば絶対優勝できると思っていました。得意技は払腰。穴井隆将選手の内股のように綺麗に投げて「一本」取れる技を作りたい。」 【成績優秀チーム】 優勝:兵庫県 準優勝:愛知県 第3位:神奈川県、広島県 敢闘賞(ベスト8):福井県、東京都A、岐阜県、大阪府 フェアプレー賞:長野県、徳島県、和歌山県、秋田県 (準優勝の愛知県チーム) (第3位の神奈川県(左)、広島県(右)) 【準々決勝】 神奈川県 3-0 東京都A (先)関根聖隆○優勢[有効]△三浦玲奈 (次)小野優太×引分×河内優斗 (中)辻湧人○横四方固△村田圭祐 (副)小澤一徹○横四方固△長谷川数馬 (大)岩本活×引分×冨田若春 兵庫県 2-1 大阪府 (先)毛利友弥△上四方固○東部直希 (次)百々雄弥×引分×今村達哉 (中)河田闘志×引分×山本晋平 (副)前濱忠大○合技△樋口裕大 (大)長井達也○内股△東部雄大 広島県 2-0 福井県 (先)長岡季空○大外刈△前川千夏 (次)岡本拓也×引分×大西希明 (中)空辰乃輔○崩上四方固△米澤里菜 (副)上田貫志×引分×龍崎優勝 (大)竹村昴大×引分×荒崎ジュリオ 愛知県 1-0 岐阜県 (先)原田秀平×引分×尾崎良慶 (次)加藤虎之助×引分×田中大地 (中)磯村亮太×引分×島村尚大 (副)鈴木涼介○優勢[警告]△林郁磨 (大)中江美裕×引分×山田伊織 【準決勝】 兵庫県 ②代-2 神奈川県 (先)毛利友弥○合技△関根聖隆 (次)百々雄弥×引分×小野優太 (中)河田闘志△横四方固○辻湧人 (副)前濱忠大△横四方固○小澤一徹 (大)長井達也○崩上四方固△岩本活 (代)長井達也○横四方固△辻湧人 愛知県 2-1 広島県 (先)原田秀平×引分×長岡季空 (次)加藤虎之助×引分×岡本拓也 (中)磯村亮太○縦四方固△空辰乃輔 (副)鈴木涼介○払腰△上田貫志 (大)中江美裕△内股○竹村昴大 【決勝】 兵庫県 1-0 愛知県 (先)毛利友弥×引分×原田秀平 (次)百々雄弥×引分×加藤虎之助 (中)河田闘志×引分×磯村亮太 (副)前濱忠大×引分×鈴木涼介 (大)長井達也○大外返△中江美裕 --------------------------------------------------------------- 【1回戦】 奈良県 3-0 香川県 長崎県 2-1 北海道 神奈川県 5-0 青森県 京都府 1-0 長野県 千葉県 3-0 富山県 兵庫県 5-0 岩手県 大阪府 ②-2 茨城県 石川県 3-0 佐賀県 栃木県 3-0 山形県 滋賀県 3-2 新潟県 福井県 3-0 鹿児島県 和歌山県 2-1 山梨県 埼玉県 2-1 岡山県 愛知県 3-0 大分県 静岡県 1-0 福島県 岐阜県 2-0 愛媛県 【2回戦】 三重県 2-0 奈良県 東京都A 2-1 長崎県 神奈川県 3-1 鳥取県 千葉県 1-0 福岡県 兵庫県 5-0 山口県 大阪府 ①代-1 徳島県 石川県 ②-2 群馬県 広島県 3-1 栃木県 福井県 3-0 宮城県 和歌山県 3-0 高知県 埼玉県 2-0 島根県 愛知県 3-0 秋田県 沖縄県 2-1 静岡県 岐阜県 2-1 東京都B 【3回戦】 東京都A ①代-1 三重県 神奈川県 2-1 熊本県 兵庫県 3-1 千葉県 大阪府 3-0 石川県 広島県 ②代-2 宮崎県 福井県 2-1 和歌山県 愛知県 4-0 埼玉県 岐阜県 4-1 沖縄県 ※eJudo携帯版「e柔道」10月13日掲載記事より転載・編集しています。 ![]() docomo版QRコード au版QRコード →eJudoトップページに戻る →「ニュース・トピックス」一覧に戻る |
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