【全日本ジュニア体重別選手権レポート】①女子48kg級、52kg級(09年9月30日)※eJudo携帯版 9月14日掲載記事より →eJudoトップページに戻る →「ニュース・トピックス」一覧に戻る 全日本ジュニア柔道体重別選手権大会は9月12日(土)、13日(日)の両日に埼玉県武道館で行われ、男女それぞれ7階級で熱戦が繰り広げられた。 ■48kg級・遠藤宏美が負傷乗り越え2連覇 ![]() (遠藤(右)と十田の決勝戦) 決勝に進出したのは昨年この大会に優勝、8月の世界カデ選手権でも金メダルを獲得した遠藤宏美(比叡山高2年)と、ダークホースの十田美里(近畿大1年)。 遠藤は1週間前に胸鎖関節を負傷。全治2週間の診断を押しての出場で動きに精彩を欠き、金田結花(浜松商高3年)との初戦では痛みのため蒼白となる場面もあったがここを「指導2」で乗り切ると、3回戦は石川秀美(日本大2年)から左大内刈を右小外刈で切り返して「有効」を奪い勝利、準決勝の森崎由里江(鹿屋体育大1年)戦も朽木倒「有効」で乗り切って決勝に進出した。 (3回戦、負傷の痛みに耐えた遠藤は大内刈を切り返して「有効」を奪う) 一方の十田は初戦の2回戦を不戦勝、3回戦は昨年2位の黒江優希(山梨学院大2年)にしぶとく食らいついて延長の末僅差でこれを降すと、準決勝では塚原唯有(環太平洋大1年)からこれも延長戦で小内巻込「有効」を奪って勝利。強豪2人を立て続けに破って初の決勝進出を決めた。 決勝は遠藤右、十田左のケンカ四つ。 開始直後は両袖の絞りあいとなり膠着したが、30秒過ぎから遠藤が右背負投、小内刈と攻め込み1分20秒には右大内刈から右背負投の連続技。 十田は両襟を持っての左体落で対抗するが遠藤はペースを失わず、釣手を上から絞り込んだ3分4秒、十田が右に移動するところを引きずりこむように右小外刈。これが見事に決まり「一本」。今大会初の一本勝ちで2連覇を決めた。 ![]() (決勝、遠藤が小外刈で見事な「一本」) 昨年はダークホース的存在からの優勝だったが、今年は厳しいマークを受けながら堂々の連覇。関係者が「調子は良くなかった」と語る通り決して良い出来ではなかったが、その中でもしっかり勝ち上がる凄みを見せ、国際大会で腕を磨いた経験を見せ付けた。 年上の選手に組み負ける場面が多かった昨年と様相は一転、組み勝ってペースを握り続けることのできた地力の強さが優勝の要因。この階級はシニアに強豪が揃うが、遠藤も着実に距離を詰めてきている印象だ。 3位には塚原唯有、黒江優希が入賞した。黒江は遠藤との再戦が期待されたが、初戦から動きが重く、ペースを掴む前に十田に敗北。敗者復活戦では鋭い動きを見せていただけに非常に悔やまれる大会となった。 【入賞者】 優勝:遠藤宏美(比叡山高2年) 準優勝:十田美里(近畿大1年) 第3位:塚原唯有(環太平洋大1年)、黒江優希(山梨学院大2年) ![]() (優勝の遠藤) 遠藤宏美選手のコメント 「怪我をしていて不安でしたが、先生から「高2なんだから思い切っていけ」とアドバイスされ吹っ切れて試合ができました。昨年は失うものがなかった状態でしたが、連覇のかかった今年は成績を残さないといけないというプレッシャーもあり、全試合がヤマでした。その中で勝つことができて自信になりました。 (世界カデに優勝、世界ジュニアに向けて)理由はわからないですが、戦ってみて外国人選手のほうが日本人よりやりやすいと感じました。これからも頑張っていきます。」 【準決勝】 遠藤宏美○優勢[有効]△森崎由里絵(鹿屋体育大1年) 十田美里○GS有効△塚原唯有(環太平洋大1年) 【3位決定戦】 塚原唯有○優勢[技有]△小原優 黒江優希(山梨学院大1年)○優勢[技有]△森崎由里絵 【決勝】 遠藤宏美○小外刈△十田美里 ■52kg級・加賀谷千保が貫禄見せつけ連覇 決勝に進出したのは加賀谷千保(山梨学院大1年)と山本杏(六角橋中3年)。 昨年の全日本ジュニア、世界ジュニア王者の加賀谷は今大会圧倒的な優勝候補。初戦となる2回戦は魚山莉央(新田高3年)を送襟絞、続いて石松千奈(阿蘇高3年)を内股、準決勝は楠智恵(奈良育英高1年)を送襟絞とオール一本勝ちの好内容で決勝進出を決めた。 (加賀谷は緒戦を送襟絞で勝利) 一方の関東ジュニア1位・山本杏はまだ白帯の中学3年生。しかし常に相手より先に動き出すスピードにキレ味鋭い足技、飛び込んでの担ぎ技と全戦通じて如何なく本領を発揮し、1回戦の井口麻美(兵庫商高3年)を崩袈裟固、2回戦はヤマと見られた渡邉美樹(東海大1年)を「指導2」、3回戦はインターハイ王者の谷本和(南筑高)を崩袈裟固「技有」で降し、準決勝の田中千尋(帝京高3年)戦も左小内刈で相手を転がし(「有効」取り消し)、縦四方固で抑えこむ(4秒)などスピード豊かな柔道で相手を翻弄、僅差3-0で初の決勝進出を決めた。 王者・加賀谷に新鋭・山本が挑む構図の非常に興味深いマッチアップとなった決勝戦は左の相四つ。 加賀谷は先に引き手を抑えて相手に釣手を与えず、ガッチリと奥襟を掴んで山本を組みとめる。 ![]() (加賀谷(左)は引き手をしっかり抑えて相手に釣手を与えない) 動きを封じにかかる加賀谷の作戦を察知した山本、30秒過ぎから組際の右小内刈に左小内刈、左体落、左一本背負投と技を繰り出すが加賀谷は崩れず。 1分過ぎから加賀谷落ち着いて相手を組み止め、左内股を連発。 山本なんとか釣手を取りたいが、襟を掴んでも加賀谷が片手で切り離しパワーの差は明らか。加賀谷だけがしっかり両方握る展開を強いられた山本は技を出せず、1分49秒、山本に「指導1」。 (決勝戦、組み勝った加賀谷(左)が攻め込む) 活路を見出したい山本、先に奥襟を叩いての左内股、左体落、組み際の右小内刈と技を繰り出す。 組み際に足を飛ばす山本、組み止めたいが山本の足技を警戒して迂闊に飛び込めない加賀谷、と両者離れての組み手争いが続いた3分11秒、「相手と組み合わない」と見なされ両者に「指導」。 以降、山本が3分34秒に袖釣込腰で加賀谷を大きく浮かせきっかけを掴んだかに見えたが、反撃もここまで。「指導2」の優勢勝ちで加賀谷が連覇を決めた。 【入賞者】 優勝:加賀谷千保(山梨学院大1年) 準優勝:山本杏(六角橋中3年) 第3位:田中千尋(帝京高3年)、楠智恵(奈良育英高1年) ![]() (優勝の加賀谷) 加賀谷千保選手のコメント 「(決勝で対戦した)山本選手は強いと思いました。向こうは動いてくるので、とにかく捕まえて離さないように心がけて試合を進めました。(今春から)大学に入ってスランプになって苦しかった。先輩方が強くて、返されたり投げられなかったりしているうちに、それが試合に出てくるようになり国体の関東予選でも一本負けしてしまった。見かねた大学の先生方が色々考えてくださり、高校の恩師にアドバイスを貰ったり、両親に声を掛けてもらえたことで不調から脱出できたと思います。支えてくれた人たちに感謝したいです。」 【準決勝】 加賀谷千保○送襟絞△楠智恵 山本杏○GS僅差3-0△田中千尋 【3位決定戦】 田中千尋○優勢[指導2]△福本奈緒(渋谷教育学園渋谷高2年) 楠智恵○GS僅差2-1△堀井江梨子(立命館大1年) 【決勝】 加賀谷千保○小外刈△山本杏 ※eJudo携帯版「e柔道」9月14日掲載記事より転載・編集しています。 ![]() docomo版QRコード au版QRコード →eJudoトップページに戻る →「ニュース・トピックス」一覧に戻る 写真:K2PhotoClub 國井敬児 |
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