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東海大が連覇達成・平成21年度全日本学生優勝大会男子マッチレポート

(2009年7月3日)
eJudo携帯版 7月2日掲載記事より
※女子5人制、女子3人制のマッチレポートはeJudo携帯版「e柔道」に掲載しています。

平成21年度全日本学生柔道優勝大会・東海大
(優勝の瞬間、喜びを爆発させる東海大ベンチ)

今年の大学日本一はどこか――。大学柔道の最大イベント、全日本学生柔道優勝大会(男子58回、女子18回)が、6月27日(土)、28日(日)の両日、東京・九段の日本武道館において開催された。

初日は、女子の3人制と女子5人制の決勝までと男子1回戦、2日目は男子の2回戦以降が行われ、あいにくの雨天のなかではあったが、熱く激しい試合が展開された。

注目の男子は、東京大会を制した国士舘大が準決勝で天理に敗れる波乱のなか、東京大会で国士舘大に敗れた東海大が安定した力を発揮して決勝進出。決勝では天理大に2点を先取される絶体絶命の危機から驚異の粘りを見せ、見事な逆転勝利で2年連続15回目の優勝を果たした。

また、女子5人戦は東京大会決勝と同カードの決勝となったが、帝京大が東京大会に続き、東海大との息詰まる接戦を制して4年ぶり4度目の優勝を飾った。

■男子■

体重による区分なし、選手配列自由の、7名による点取り戦で、大学日本一を決めるこの大会。全国9地区の予選を勝ち上がった62校により覇が競われた。

優勝候補は、昨年優勝、東京大会2位の東海大。東京大会優勝の国士舘大、さらに、東京大会準決勝で東海大に、代表戦にもつれる接戦で敗れた明治大などが挙げられ、ここ3年、ベスト8にも入っていなかった名門、天理大が関西地区で優勝しダークホース的な存在と目されていた。

大会前半戦の見所となったのは、3回戦の天理大―明治大戦。両校は昨年も3回戦であたっており、そのときは2-2の内容で明治大が勝っている。因縁の対決は、先鋒戦から大将戦まで息詰まる試合の連続となった。

まず、天理大・先鋒の小林督之が大外刈「技あり」で先取点を挙げると、すかさず明治大・次鋒、2年生エースの上川大樹が「指導2」で勝ち1-1。五将戦で天理大・近間陽介が払腰で一本勝ち、さらに谷本義人も「指導2」の優勢勝ちで3-1と突き放す。三将戦引き分けのあと、明治・副将の清水龍太が横四方固で一本勝ちして、この時点で3-2。

大将戦で明治が追いつくには「技あり」ポイントが必要。西岡和志(明治)と齋藤涼(天理)、両校の主将同士、73㎏級のライバル対決は、緊迫した好試合となったが引き分けに終わり、天理大が昨年の雪辱を果たし、準々決勝へ駒を進めた。

準々決勝の4試合は、まず、東海大が穴のない強さを発揮し福岡大に7-0で、筑波大と日本体育大は着実に勝利を重ねた筑波が3-0で、天理大は予想外の失点をするも國学院大に5-2で、そして、国士舘大は地力の違いを見せつけ、国際武道大に5-0で勝って準決勝進出を果たした。

東海大と筑波大の準決勝。
先鋒戦で東海大・熊代佑輔が藤原浩司から小内巻込で「有効」を奪い先行するも、次鋒戦は筑波大・白本周太郎が上四方固で海老泰博を破り1-1ながら内容で筑波大リード。
続く五将戦引き分けのあと、東海大は中堅・吉田優也が登場。ポイントゲッターの責務をきっちりと果たし、開始13秒の背負投で金子亮平に一本勝ち。一気に流れを引き寄せた。

三将戦でも、東海大キャプテンの石井竜太が反中佑起を合技で破り、筑波大を一気に突き放した(3-1)。

平成21年度全日本学生柔道優勝大会準決勝・東海大・石井竜太
(準決勝、東海大・石井が横四方固で一本勝ち)

副将戦でポイントを取らなければ負けが決定する筑波大だったが、73㎏級の実力者・粟野靖浩は100㎏級の高木海帆からポイントを奪うことはできずに引き分け。大将戦を待たずに東海大の決勝進出が決まった。

大将戦は気落ちする筑波大・新井優来に、東海大・手塚龍大が体落「有効」で優勢勝ち。最終的なスコアは4-1だった。

天理大と国士舘大の準決勝は、先鋒戦の村岡大潤(天理)―上杉亮太(国士舘)引き分けのあと、天理大・次鋒の近間陽介が出足払「有効」で寺島克興に優勢勝ちし、天理大がまずは先取。

続く五将戦も天理大・小林督之が春山友紀から内股「有効」を奪ったあとにさらに内股で一本勝ちして2-0に。
国士舘大は中堅の、キャプテン西潟健太が果敢な攻めで谷本義人を守勢にし、「指導2」を奪って1点を取り返した(2-1)。

三将戦の津田賢一(天理)と高嶋昌史(国士舘)が引き分けに終わり、あとのない国士舘大は、一年生の岩尾敬太に期待を寄せるが、勝負に出たところを逆に松宮広に肩車で担がれ「技あり」を奪われて万事休す。大将戦の齋藤涼(天理)と百瀬優(国士舘)の一戦も引き分けに終わり、天理大が3-1で勝利。実に14年ぶりの決勝進出を果たした。

平成21年度全日本学生優勝大会準決勝・天理大 松宮広
(準決勝、天理大・松宮が国士舘大・岩尾から肩車で「技あり」奪取)

決勝戦
   東海大 3-2 天理大
(先)穴井亮平△足 車○小林督之
(次)熊代佑輔△内 股○近間陽介
(五)須藤孝清○優勢(指導3)△村岡大潤
(中)石井竜太○小外掛△津田賢一
(三)手塚龍大×引 分×谷本義人
(副)吉田優也○優勢(指導2)△松宮 広
(大)高木海帆×引 分×齋藤 涼

  先鋒戦。両チームにとって重要な一戦だったが、天理大1年生の小林が、見事その起用に応えた。

穴井右組み、小林左組みのケンカ四つ。まず、穴井は右小外掛で「有効」を奪って先行するも、小林が前に出て、内股、小内刈、大外刈とつなぎ最後は足車で逆転の一本勝ち。2分41秒。取られた穴井を責めるより、取った小林を褒めたい好勝負だった。

次鋒戦。ともに左組み。近間が力のある内股で2度3度と熊代を浮かせるが、いずれも引き手が不十分で腹ばい。組み勝った近間が再度の内股にいけば、熊代は思い切って横車に切り返そうとするも、近間の身体は回り切らず、熊代の背中が先につく形で落ちてしまい、「一本」。2分48秒。

平成21年度全日本学生優勝大会準決勝 天理大・小林督之の足車 平成21年度全日本学生優勝大会決勝・天理大次鋒、近間陽介の内股
(左・天理大先鋒の1年生小林が見事な足車「一本」)(右・天理大は近間の内股でリードを2点に広げる)

五将戦。181㎝、120㎏の須藤と165㎝、98㎏の村岡。右の相四つ。体格に勝る須藤が奥を掴んで引きつけると、村岡は守勢になってしまい再三の「指導」が与えられる。これといった技はなかったものの、「指導3」により須藤が優勢勝ち、東海大が1点を返した。

中堅戦。東海大はエースの石井が登場。193㎝115㎏の石井と組み合うと小さく見える津田も181㎝、120㎏の堂々たる体躯。しかし、石井は奥襟を掴んでプレッシャーをかけ、場外際で大外刈から小外掛気味に身体を浴びせて「一本」。1分4秒。

平成21年度全日本学生柔道優勝大会決勝戦、東海大・石井竜太
(東海大中堅・石井は小外掛を浴びせて一本勝ち)

三将戦。188㎝125㎏の谷本と178㎝、90㎏の手塚の対戦は、体格で勝る谷本に対し、手塚が巧い組み手と試合運びで、柔道をさせず引き分け。

副将戦。右ヒザのケガのため、準決勝と決勝限定出場の東海大ポイントゲッター・吉田。対する松宮は奇襲技もある曲者で、開始早々、組み際にいきなり抱え上げようとするも、吉田はなんとか逃れる。その後、吉田が素早い動きから大外刈、足車、巴投などを繰り出し、技の出ない松宮に「指導2」が与えられ、吉田が優勢勝ち。ここで東海大が逆転に成功。

平成21年度全日本学生柔道優勝大会決勝、東海大・吉田優也
(写真:東海大副将の吉田は連続攻撃で「指導2」まで奪取)

大将戦。あとのない天理大は主将の齋藤にすべてを託すが、東海大は1年生ながら、安定感抜群の高木が落ち着いた試合運びで齋藤に付け入るスキを与えず、逆に大内刈などで攻め込むなど危なげない内容で引き分け。

東海大が見事な逆転勝ちで2年連続14度目の優勝を飾った。


平成21年度全日本学生優勝大会・天理大学
(大魚を逸し肩を落とす天理大だが、大会を大いに盛り上げた)

ここ数年、低迷していた天理大だが、篠原信一氏の全日本監督就任、穴井隆将の全日本選手権優勝の"追い風"に乗ったのか、正木嘉美監督率いる天理大は "台風の目"として、今大会を非常に盛り上げた。

決勝戦も、先鋒、次鋒が一本勝ちして、優勝まであと一歩のところまで迫っていただけに、関係者は非常に悔しかったことだろうが、関西の雄、古豪の復活は柔道ファンとしては嬉しい限り。最近は、巧い柔道をする選手は多いが、天理大の選手のような、粗削りながら、一発ハマると強いという選手が少なくなっている。そういった意味では、伝統の天理柔道を見せてもらった気がする。

一方、東海大は先鋒、次鋒を取られたことにより、チームの結束がより深まり、中堅以降の選手たちに「俺が取り返す」という強い気持ちが生まれたのが勝因だろう。全体としては、団体戦の戦い方を熟知した東海大の妙技ともいうべき流れが感じられる試合ではあったが、選手一人ひとりの強い自覚と精神力が生み出した勝利だと言っていいだろう。

監督、コーチ陣が揃って「一皮むけた」と絶賛したキャプテンの石井竜太はチームをよくまとめていたし、吉田優也はケガのため準決勝と決勝のみの限定出場だったが、しっかりと結果を出し、チームを勢いに乗せた。また、それ以外の選手も自分の役割をしっかりと理解し、気持ちで戦っていたのが印象的だった。

天理大に不覚をとった国士舘大、明治大、そして、優勝した東海大、準優勝の天理大も1~2年生の若く楽しみな選手が多い。それらの選手の今後の成長にも大いに期待したい。

上水研一朗監督のコメント

「決勝で、先鋒と次鋒をとられたときは、正直負けを覚悟しました。でも、選手たちは誰もあきらめていなくて、逆に『やってやる』という気持ちが伝わってきた。普段から『まさかの展開はある』、『最悪の状態を想定しろ』と話しており、今回はその『まさかの、最悪の状態』でしたが、そこでみんなの底力が出ました。選手を最後まで信じなければいけないと、逆に学生に教わりました」


平成21年度全日本学生優勝大会優勝・東海大学
(優勝の東海大)

大会名:第58回全日本学生柔道優勝大会
日時:2009年6月27日~28日
場所:日本武道館

優勝:東海大学
準優勝:天理大学
第3位:筑波大学、国士舘大学
ベスト8:福岡大学、日本体育大学、國學院大学、国際武道大学

優秀選手:石井竜太(東海大)、須藤孝清(東海大)、近間陽介(天理大)、小林督之(天理大)、白本周太郎(筑波大)、西潟健太(国士舘大)、七戸龍(福岡大)、小林雅司(日本体育大)、坂崎光太(國學院大)、川北大祐(国際武道大)

【準々決勝】  

東海大 7-0 福岡大

(先)海老泰博○ 肩車 △森貴顕
(次)穴井亮平○ 袈裟固 △鐘井佑真
(五)熊代佑輔○ 優勢[技有] △平嶋孝史
(中)須藤孝清○ 背負投 △七戸龍
(三)手塚龍大○ 優勢[有効] △中村大悟
(副)石井竜太○ 小外刈 △長田浩輝
(大)高木海帆○ 袈裟固 △青木政貴

筑波大 3-0 日本体育大

(先)新井優来○ 袈裟固 △河野雄司
(次)金子亮平× 引分 ×赤尾将吾
(五)西山大希× 引分 ×小林雅司
(中)粟野靖浩× 引分 ×川端恭平
(三)藤原浩司○ 裏投 △下和田翔平
(副)白本周太郎○ 優勢[指導2] △月波貴広
(大)川瀬孝司× 引分 ×村上祐二

天理大 5-2 國學院大

(先)村岡大潤○ 小外刈 △大畑侑介
(次)松宮広○ 小外刈 △川上智弘
(五)近間陽介△ 優勢[技有] △北野祐一
(中)小林督之○ 払腰 △谷村裕介
(三)津田賢一○ 払腰 △東海光泰
(副)谷本義人△ 内股 ○坂崎光太
(大)齋藤涼○ 谷落 △山田恵太

国士舘大 5-0 国際武道大

(先)西潟健太○ 合技 △菅野達彦
(次)春山友紀○ 優勢[注意] △施威任
(五)百瀬優○ 大外刈 △植田竜平
(中)上杉亮太× 引分 ×川北大祐
(三)高嶋昌史× 引分 ×藤井健太
(副)岩尾敬太○ 払腰 △増田光
(大)寺島克興○ 大腰 △脇内豊年

【準決勝】

東海大 4-1 筑波大

(先)熊代佑輔○ 優勢[有効] △藤原浩司
(次)海老泰博△ 上四方固 ○白本周太郎
(五)須藤孝清× 引分 ×西山大希
(中)吉田優也○ 背負投 △金子亮平
(三)石井竜太○ 合技 △反中佑起
(副)高木海帆× 引分 ×粟野靖浩
(大)手塚龍大○ 優勢[有効] △新井優来

天理大 3-1 国士舘大

(先)村岡大潤× 引分×上杉亮太
(次)近間陽介○ 優勢[有効] △寺島克興
(五)小林督之○ 内股 △春山友紀
(中)谷本義人△ 優勢[指導2] ○西潟健太
(三)津田賢一× 引分 ×高嶋昌史
(副)松宮広○ 優勢[有効] △岩尾敬太
(大)齋藤涼× 引分 ×百瀬優

【決勝】

東海大 3-2 天理大

(先)穴井亮平△ 足車 ○小林督之
(次)熊代佑輔△ 内股 ○近間陽介
(五)須藤孝清○ (指導3) △村岡大潤
(中)石井竜太○ 小外掛 △津田賢一
(三)手塚龍大× 引分× 谷本義人
(副)吉田優也○ (指導2) △松宮広
(大)高木海帆× 引分 ×齋藤涼


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※女子5人制、女子3人制のマッチレポートはeJudo携帯版「e柔道」に掲載しています。

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