(2009年3月22日)
※eJudo携帯版 3月21日掲載記事より ※女子詳報はeJudo携帯版 に掲載中 (写真:東海大相模大将の羽賀が内股で効果をもぎとる) 第31回全国高等学校柔道選手権大会は20日、日本武道館で行われ男子団体戦は東海大付属相模高校(神奈川)が3連覇を達成した。 決勝の相手は昨年に続きまたも国士舘高校(東京)。 東海大相模は絶対的なポイントゲッターの羽賀龍之介を大将に、この日好調の巨漢・王子谷剛直を副将に据え、「前半で1点ビハインド゙でもそこから勝負出来る」(高橋洋樹監督)後ろ重心の布陣。 先鋒の五十嵐唯太は「指導1」で敗れたものの、次鋒野村幸汰が取りかえしタイに持ち込み、中堅藤井岳も1人を抜いて1点リードで副将の王子谷剛直へと繋いだ。 ここまでは完全に東海大相模ペースだったが、その王子谷が国士舘の大将・佐藤雄哉の背負投に1回転。開始僅か13秒、まさかの一本負けで勝負は大将同士の対決に持ち込まれた。 豪快な一本に会場が騒然とする中、しかし主将の羽賀龍之介は落ち着いていた。「ここで(相手のペースに)合わせたら国士舘の思うつぼ。最初にラッシュをかけた」と開始から得意の内股を連発。29秒、内股で「効果」を奪うとその後も内股、巴投と連続攻撃で相手に息をつかせる間を与えず、1分20秒にはそのプレッシャーに屈した佐藤が思わず場外に下がり「指導1」。一方的な試合ぶりで国士舘に傾きかけた流れをあっさりと引き戻して見せた。 2分52秒、腕挫十字固を立ち上がって防いだ際、主審の「待て」が相手に聞こえず技が継続され、肘を負傷するアクシデント。 再開後肘をかばう仕草を見せた羽賀だが、それも一瞬。開き直って前に出始めると、3分20秒内股、3分29秒内股、3分32秒内股、3分40秒内股巻込と再び鬼気迫る連続攻撃。3分50秒には内股から大外刈に変化してあわやという場面を作り、最後まで一本を狙う姿勢を崩さずに優勢勝ち。新チームでの全国初タイトルを決めた。 (写真:優勝の東海大相模) 圧倒的優勝候補に挙げられる中での勝利に「まずはホッとした気持ち。」と語った高橋洋樹監督。勝利の要因はとの問いに「生徒に恵まれたことと、大学という環境に恵まれたこと。お礼を言いたい」と答え、「佐藤の背負投には国士舘の執念が表れていた。ただ、あの雰囲気の中でペースを取り戻せる羽賀は大したものです」と、試合を振り返った。 「3冠は過去の話。チャレンジャーに徹するということを頭で理解するだけではなく、体で覚えさせなければならない」と1ヶ月前から生徒に課したのは大学生との猛稽古。 高橋監督が「選手は自分が果たして本当に強いのか不安になるくらいだったはず。」と評し、羽賀主将が「選手全員が泣きながら稽古している日もあった」と振り返る中身の濃い稽古で精神力を養った。 対国士舘対策として「組み際、場外際、奇襲技」の攻撃を想定した稽古も行い、準備万端で試合に臨んだ。 昨年は「国士舘に勝つには先行する展開が必須」とポイントゲッターの羽賀を前半に投入した高橋監督だが、今回は王子谷・羽賀と得点力のある2人を後ろに並べた。 その点については「野村、五十嵐がまだ不安定なところがあり、現在のチーム力では羽賀を前に使うことは難しかった。」と率直に語ったが「そこがまさにこのチームの伸びしろ。みなまだまだ強くなるし、橋本(壮市)も戻ってくる。穴があったら国士舘には勝てないので、しっかり修正します。」と前を見据え、「夏までに一回り大きくなって3冠に挑みたい」と締めくくった。 羽賀主将は「3連覇がかかっていたが、このチームで出場するのは初めて。皆で初出場、初優勝を目指した」とチーム力での勝利を強調。相手に流れが傾いた場面での登場については「常に最悪の状況を想定しているので焦りはなかった」と淡々と試合を振り返った。 一方、あと一歩で優勝を逃した国士舘高校・岩渕監督は「大将戦は、佐藤の持っているものを信じてもっと本人の感性に任せるべきだった。対策として練習してきたことにこだわらせてしまい、流れを失ったかもしれない」と反省の弁。戦力不足が伝えられた中での3人残し2回という勝ち上がりの良さに水を向けると「昨年の春山や上杉のような存在はいないが、今年のチームはミスをしない。全員の力を集めて戦えた。」と選手を評価し、夏のリベンジ゙を誓っていた。 3位には大成高(愛知)、日体荏原高(東京)が入賞。 優勝候補の一角に挙がっていた大成高は東海大相模に惜敗。追いかける展開を強いられた大将のポイントゲッター・高橋良介が東海大相模の王子谷剛志に一本負けを喫し、形としては完敗。好選手を揃えて頂点に挑んだが、エース稲木貴統の欠場が最後まで響いた形となってしまった。 台風の目となったのは九州王者の福岡大大壕高(福岡)。初戦の強豪・桐蔭学園(神奈川)戦は代表戦に縺れ込んだがエース重松賢太郎が西山雄希に大外刈で一本勝ち。これで波に乗ると近畿大学附属(大阪)を4人残しで一蹴してベスト8入り。準々決勝では敗れたものの国士舘高から2勝を挙げて総合力の高さをみせつけ、金鷲旗、インターハイの有力校に名乗りを上げた。 (写真:最優秀選手に選ばれた羽賀) ■男子成績優秀校・優秀選手 優勝:東海大相模附属相模高校(神奈川) 準優勝:国士舘高校(東京) 第3位:大成高校(愛知)、日体荏原高校(東京) 敢闘賞:東海大付属仰星高校(大阪)、世田谷学園高校(東京)、福岡大大壕高校(福岡)、國學院栃木高校(栃木) 最優秀選手:羽賀龍之介(東海大付属相模高校) 優秀選手:王子谷剛志(東海大付属相模高校)、佐藤雄哉(国士舘高校)、稲田基(大成高校)、森内涼平(東京) 【決勝】 東海大相模高○1人残し△国士舘高 (先)五十嵐唯太△優勢[指導1]○手嶋将太郎(先) (次)野村幸汰○優勢[指導2]△手嶋将太郎(先) (次)野村幸汰×引分×能津仁(次) (中)藤井岳○優勢[指導1]△浅沼拓海(中) (中)藤井岳×引分×釘丸太一(副) (副)王子谷剛志△背負投○佐藤雄哉(大) (大)羽賀龍之介○優勢[効果]△佐藤雄哉(大) (写真:国士舘・佐藤が豪快な背負投で一本勝ち) ■準決勝 国士舘高○3人残し△日体荏原高 (先)手嶋将太郎×引分×山本怜於(先) (次)能津仁○優勢[指導1]△田中諒真(次) (次)能津仁○優勢[技有]△平岡裕二(中) (次)能津仁△後袈裟固○森内椋平(副) (中)浅沼拓海○腕緘△森内椋平(副) (中)浅沼拓海○優勢[効果]△佐々木貴大(大) (副)釘丸太一 (大)佐藤雄哉 東海大相模高○2人残し△大成高 (先)野村幸汰×引分×清水大樹(先) (次)五十嵐唯太×引分×六郷雄平(次) (中)藤井岳×引分×稲田基(中) (副)王子谷剛志○上四方固△近藤将太郎(副) (副)王子谷剛志○合技△高橋良介(大) (大)羽賀龍之介 (写真:東海大相模・王子谷は大成・高橋を合技に仕留めてガッツポーズ) ■準々決勝 東海大相模高○2人残し△東海大仰星高 (先)松雪直斗×引分×石田勇太(先) (次)野村幸汰○優勢[指導1]△有田翔(次) (次)野村幸汰×引分×寺本裕基(中) (中)王子谷剛志○大外刈△内村拓瑠(副) (中)王子谷剛志×引分×奥村達郎(大) (副)藤井岳 (大)羽賀龍之介 大成高○1人残し△世田谷学園高 (先)清水大樹×引分×小林巧(先) (次)六郷雄平×引分×金子良大(次) (中)高橋良介○優勢[有効]△片岡仁(中) (中)高橋良介×引分×永瀬将貴(副) (副)近藤将太郎×引分×大野将平(大) (大)稲田基 (写真:大成・高橋が大内刈で有効を奪う) 国士舘高○2人残し△福岡大付属大壕高 (先)手嶋将太郎○優勢[指導1]△小田賢誉(先) (先)手嶋将太郎△優勢[効果]○重松賢太郎(次) (次)能津仁○内股△重松賢太郎(次) (次)能津仁△背負投○三苫亮人(中) (中)佐藤雄哉○横四方固△三苫亮人(中) (中)佐藤雄哉○背負投△水田良一(副) (中)佐藤雄哉×引分×宿輪幸治(大) (副)釘丸太一 (大)浅沼拓海 (写真:国士舘・佐藤が福大大壕・宿輪から小外刈で技有を取り返し引き分けに持ち込む) 日体荏原高○1人残し△國學院大學栃木高 (先)佐々木貴大△優勢[効果]○伊藤健太郎(先) (次)山本怜於○優勢[効果]△伊藤健太郎(先) (次)山本怜於×引分×竹内輝(次) (中)平岡裕二×引分×日向野泰彬(中) (副)森内椋平○裏投△羽鳥雄介(副) (副)森内椋平×引分×渡邊将之 (大)田中諒真 -------------------------------------------- ■1回戦 日本航空第二(石川)○1人残し△鹿児島商業(鹿児島) 伊香(滋賀)○1人残し△中京(岐阜) 埼玉栄(埼玉)○4人残し△平田(島根) 新田(愛媛)○1人残し△宮崎日大(宮崎) 東海大浦安(千葉)○代表戦△福井工大福井(福井) 水戸短大附属(茨城)○3人残し△田村(福島) 豊栄(新潟)○1人残し△近大福山(広島) 北海道栄(北海道)○1人残し△盛岡大附(岩手) 京都学園(京都)○代表戦△城ノ内(徳島) 西海学園(長崎)○4人残し△倉吉北(鳥取) 天理○1人残し△佐賀商(佐賀) 小牛田農林(宮城)○3人残し△旭川竜谷(北海道) 桐蔭学園(神奈川)○1人残し△静岡学園(静岡) 秋田中央(秋田)○1人残し△高水(山口) 近大附属(大阪)○5人残し△日川(山梨) 作陽(岡山)○代表戦△箕島(和歌山) 小杉(富山)○3人残し△高松商業 山形工(山形)○1人残し△四日市中央工(三重) 科学技術(兵庫)○代表戦△松本第一(長野) 前橋育英(群馬)○1人残し△沖縄尚学(沖縄) ■2回戦 東海大相模(神奈川)○1人残し△日本航空第二 青森北(青森)○1人残し△伊香(滋賀) 東海大仰星(大阪)○1人残し△埼玉栄 新田○1人残し△東海大浦安 大成(愛知)○1人残し△水戸短大附属 豊栄○1人残し△東海大第二(熊本) 世田谷学園○3人残し△北海道栄 京都学園○1人残し△西海学園(長崎) 国士舘(東京)○3人残し△天理 旭川竜谷(北海道)○4人残し△小牛田農林 福岡大大壕(福岡)○代表戦△桐蔭学園 (写真:重松(福大大壕)は代表戦で西山(桐蔭)に大外刈で一本勝ちしガッツポーズ) 秋田中央○1人残し△近大附属 日体荏原(東京)○2人残し△箕島 小杉○1人残し△国東(大分) 國學院栃木(栃木)○2人残し△山形工 前橋育英○代表戦△科学技術 ■3回戦 東海大相模○4人残し△青森北 東海大仰星○2人残し△新田 大成○2人残し△豊栄 (写真:豊栄躍進の原動力となった阿部は、稲田(大成)から払巻込で一本勝ち) 世田谷学園○2人残し△京都学園 国士舘○1人残し△旭川竜谷 福岡大大壕○4人残し△近大附属 日体荏原○代表戦△小杉 國學院栃木○2人残し△前橋育英 (写真:準優勝の国士舘高) (写真:第3位の大成高) (写真:第3位の日体荏原高) 写真:K2photoclub 國井敬児 →eJudoトップページに戻る →「ニュース・トピックス」一覧に戻る