(2008年12月14日)
※eJudo携帯版 12月12日掲載記事より (写真:決勝で江種は豪快な払腰が決まる) ベテラン江種辰明(警視庁)が60kg級からの階級変更後、初の国際大会優勝を飾った。 決勝の相手は安正煥(韓国)。開始から一本背負投、大外刈、巴投と次々に技を繰り出す安に後手に回ったが1分48秒、相手の一瞬の隙をついて脇を掬いながらの巴投。いったん技は止まりかけたが最後まで決めを続けて相手をめくり、しぶとく「技有」を奪取した。 以後は追いかけてくる安をうまくいなし続け、残り5秒、追い詰められた相手が飛び込んできた勢いをそのまま利用して払腰で相手を跳ね上げ一本勝ち。片襟を握りながらの「山嵐」を思わせる豪快な技で見事に優勝を決めた。 (写真:優勝の江種) 「階級を上げて初の国際大会、優勝したことで他の66kg級の人間にしめしがつけられて良かった」と安堵の表情を見せた江種。 階級変更により現在はベスト体重。減量に苦しんだ60kg級時代後半と比べると動きの良さは明らかで、5試合を戦い3試合がGSという消耗戦にも「まったく疲れていない。自分の持ち前の若さを出せたと思う。みんなも減量なんかやめて、もう当日計量で戦ってみてほしい。」と周囲を笑わせる余裕すら見せた。 内柴正人(旭化成)、秋本啓之(了徳寺学園職)と有力選手が次々と敗れる波乱の展開の中での優勝。 若手重視を打ち出している篠原監督だが「当然、優勝は評価する。彼はロンドンまでやると言っているので、ロンドンに向けての評価をしていく」と欧州国際への派遣を示唆。 「(60kg級とは)パワーもリーチもぜんぜん違うが、技術は変わらない。上積みするのはむしろスピード」と66kg級対応への自信を見せた江種。3回戦では北京五輪60kg級王者の崔敏浩(韓国)も破っており、まだまだ活躍が期待できそうだ。 若手期待の海老沼匡(明治大2年)は溌剌とした柔道を見せ3位入賞。今後のホープとして可能性を見せた。 (写真:溌剌とした柔道で3位入賞の海老沼) 共に期待に応えられなかったのが秋本啓之、内柴正人の世界代表経験組。 久々の試合の秋本は初戦を順調に勝ちあがったものの2回戦でドラスティッチ(スロベニア)の朽木倒で一本負け。 「攻める気持ちはあったが先にやられた。相手の技に嵌ってしまった。」と呆然。「次の目標はまだ考えられない」とショックの表情のまま試合場を後にした。 (写真:秋本は2回戦、朽木倒で一本負け) 北京五輪以来の試合となった内柴正人も2回戦敗退。ツァガンバータル(モンゴル)を一度は抑え込みながらも、最後は奇襲の谷落で完璧に投げられて一本負けした。 吉村和郎強化委員長は「北京ではあれを捌いていたわけだし、懐に入れてしまうというのはどこかで気持ちに甘さがある。(抑え込みで決め切れなかったことは)ベテランだったらワンチャンスでしっかり決めないといけない」と指摘。「今の気持ちだったら欧州国際で使っても意味はない」と厳しくコメントした。 内柴自身は「負けたら悔しい。それだけ。」と淡々と試合を振り返った。 (写真:内柴も奇襲の谷落で敗退) 優勝:江種辰明(警視庁) 準優勝:安正煥(韓国) 第3位:海老沼匡(明治大2年)、コバルスキ(ポーランド) 決勝 江種辰明○払腰(4:55)△安正煥(韓国) 3位決定戦 海老沼匡○肩車(2:04)△ドラスティッチ(スロベニア) コバルスキ○GS有効△崔敏浩(韓国) 【日本人選手成績】 海老沼匡:第3位 1回戦:○有効優勢△ポピエル(カナダ) 2回戦:○送襟絞△クォン(中国マカオ) 3回戦:△送襟絞○安正煥(韓国) 敗者復活戦:○一本背負投△ベルテロ(フランス) 3位決定戦:○肩車△ドラスティッチ(スロベニア) 内柴正人:2回戦敗退 1回戦:○横四方固△ウォン(中国香港) 2回戦:△谷落○ツァガンバータル(モンゴル) 秋本啓之:2回戦敗退 1回戦:○崩袈裟固△バイアリノフ(キルギスタン) 2回戦:△朽木倒○ドラスティッチ(スロベニア) 江種辰明:優勝 1回戦:○GS腕挫十字固△タラバ(ハンガリー) 2回戦:○総合勝(4:06)△アフマドフ(アゼルバイジャン) 3回戦:○GS技有(2:59)△崔敏浩(韓国) プールファイナル:○GS腕挫十字固(1:45)△ドラスティッチ(スロベニア) 決勝:○払腰△安正煥(韓国) 写真:K2PhotoClub 國井敬児 →eJudoトップページに戻る →「ニュース・トピックス」一覧に戻る