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第40回全日本ジュニア体重別選手権・結果詳細

(2008年9月15日)

eJudo携帯版 9月14日掲載記事より

第40回全日本ジュニア体重別選手権大会は14日、埼玉県立武道館で行われ、90kg級では吉田優也(東海大1年)が優勝した。
ほか、73kg級の中矢力(東海大1年)が連覇するなど概ね戦前に優勝候補に挙げられた選手が優勝。

絶対的な優勝候補が不在だった66kg級はダークホースの橋口靖史(東海大2年)が強豪を次々に破り初優勝した。


■60kg級■

優勝:松木武志(足立学園高3年)
準優勝:西尾享介(天理高3年)
第3位:山本浩史(日本体育体大1年)、高上智史(桐蔭学園高2年)

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(写真・松木が内股を押し込んで「効果」奪取)

【決勝】
松木武志○効果優勢[内股]△西尾享介

決勝は松木右、西尾左のケンカ四つ。前半は互いに攻め手を欠き一進一退の攻防が続いたが3分18秒、松木が相手の動きによく反応して抱え込むように内股。やや浅かったがこれをあきらめずに押し込んで「効果」を奪取。試合の中でひとつしっかりと山場を作った松木の勝負勘が光った。

松木は今夏のインターハイに続くビッグタイトル。初戦の一本勝ちのあとはGS2試合、決勝も効果優勢と決して圧勝ではなかったが、マークされる中での連勝で地力をアピールした。

昨年優勝の右田晃介(国士舘大1年)は初戦で志々目徹(宮崎日大高2年)にGS「技有」で敗退。今大会からはベスト8以上のみの敗者復活戦にも進めなかった。

【プールファイナル】
西尾享介○GS3-0△山本浩史
松木武志○GS効果[横掛]△志々目徹(宮崎日大高2年)

【敗者復活戦】
高上智史○技有優勢[袖釣込腰]△林健太(豊栄高3年)
柴田大貴(国士舘大2年)○後袈裟固(1:35)△三木秀輝(天理大1年)

【3位決定戦】
山本浩史○内股(3:29)△柴田大貴
高上智史○GS2-1△志々目徹

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(写真・60kg級優勝の松木)


■66kg級■

優勝:橋口靖史(東海大2年)
準優勝:海老沼匡(明治大1年)
第3位:前野将吾(東海大1年)、千葉祐弥(天理大2年)

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(写真・序盤から海老沼を振り回す橋口)

【決勝】
橋口靖史○効果優勢△海老沼匡

橋口左、海老沼右のケンカ四つ。
開始から橋口が相手を振り続けて巴投、背負投と激しく攻撃。44秒にはあおり合いに応じた海老沼を振り返しながらの背負投で「効果」を奪取。
その後も橋口の技は止まらない。背負投を3連発した直後の2分10秒には海老沼に「指導」が与えられる。
2分30秒過ぎからさすがに橋口の息があがりはじめたが、海老沼は試合のペースを取り返すには至らず「指導」奪取は試合終了と同時。
前半に持てるスタミナをフルに投入した橋口がビッグタイトルを獲得した。
海老沼は橋口の釣手を制し始めた中盤以降は危ない場面は無く、自由に釣手を動かされた前半の戦いが悔やまれる。

橋口は東海大暁星高2年時にこの大会で3位に入ったことはあるものの以後全国レベルでの活躍はなくこの大会もノーマークに近い存在。が、初戦で優勝候補の小倉武蔵(筑波大1年)から技有を奪って勝利し勢いに乗ると千葉祐弥を有効優勢、前野将吾を効果優勢と強豪を次々に破ってあっという間に頂点に駆け上がった。
「正直優勝は考えていなかった。勝ったのはたまたまです。」と語りながらも「自分の柔道をやればと考えていた」と攻めの姿勢を貫いた決勝を振り返り満足げ。今後の目標には「まず講道館杯。1つでも多く勝って来たい」と抱負を語った。
混戦の66kg級にまた一人有力選手が名乗りを上げた形だ。

今夏のインターハイ覇者小寺将史は3回戦で前野将吾に腕挫十字固で敗退。その際の負傷で敗者復活戦は棄権し、入賞には届かなかった。

【プールファイナル】
橋口靖史○効果優勢[朽木倒]△前野将吾
海老沼匡○内股(3:27)△田中浩平(筑波大学1年)

【敗者復活戦】
吉田惟人(東海大1年)○上四方固△吉本幸紀(大阪産業大2年)
千葉祐弥(天理大2年)○不戦勝△小寺将史(鶴来高2年)

【3位決定戦】
前野将吾○効果優勢[巴投]△吉田惟人
千葉祐弥○肩車(0:32)△田中浩平

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(写真・66kg級優勝の橋口)


■73kg級■

優勝:中矢力(東海大1年)
準優勝:西山雄希(桐蔭学園高校2年)
第3位:森下純平(鶴来高3年)、鈴木誠(国士舘大1年)

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(写真・序盤に中矢が隅返で「技有」を奪う)

【決勝】
中矢力○合技(1:25)△西山雄希(桐蔭学園高3年)

ここまでオール一本勝ちの中矢が開始から西山を圧倒。57秒に隅返で綺麗に回して「技有」を奪うと横四方固に連絡して2連覇を決めた。

昨年の本大会での優勝以降、講道館杯で2位とシニアでも活躍。
優勝候補筆頭として厳しいマークを受けたが「研究されても自分の柔道を貫けば勝てると思っていた」と貫禄のコメント。終始危なげない戦いぶりでこの世代では頭ひとつ抜け出した印象だ。
7日に行われた東京学生体重別を欠場してこの大会に絞ってきた中矢。「自分の基本は寝技なのでこれからもしっかり磨いていきたい」と話し、世界ジュニアの代表に選ばれたらとの問いには「絶対に優勝します。」と力強く決意を表明した。

昨年のインターハイ覇者、森下純平はプールファイナルで西山雄希にGSの末敗退。鮮やかな内股の一本勝ちを2つ並べて3位に食い込んだが安定感に課題を残した。

【プールファイナル】
西山雄希○GS2-1△森下純平
中矢力○合技(2:36)△大辻康太(桐蔭学園高3年)

【敗者復活戦】
玉城一生(延岡学園高3年)○腕挫十字固△熊澤幹二(札幌第一高3年)
鈴木誠○上四方固(1:01)△福長優司(立教大1年)

【3位決定戦】
鈴木誠○GS3-0△大辻康太
森下純平○内股(3:29)△玉城一生

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(写真・73kg級優勝の中矢)


■81kg級■

優勝;小林雅司(日本体育大1年)
準優勝:中井貴祐(大成高3年)
第3位:吉井健(明治大1年)、山邉雄己(筑波大1年)

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(写真・小林の内股が中井を捉える)

【決勝】
小林雅司○内股(0:47)△中井貴裕

小林右、中井は左のケンカ四つ。
開始から中井は釣手で帯を取りにいく柔道。47秒、これをよく見た小林が腰をつけてくる中井を呼び込むように内股を放つと見事に決まって「一本」。
中井はやや投げ急いだ感。試合が落ち着く前に悪い展開に嵌ってしまい初の全国タイトルを逃した。

【プールファイナル】
中井貴祐○優勢[指導1]△山邉雄己
小林雅司○効果優勢(大内刈)△吉井健

【敗者復活戦】
鈴木敏和(明治大2年)○大外刈(2:13)△山邊章平(東海大相模高3年)
川上智弘(國學院大1年)○内股透(3:14)△高木漠(筑波大1年)

【3位決定戦】
吉井健○GS2-1△鈴木敏和
山邉雄巳○大内刈(2:21)△川上智宏

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(写真・81kg級優勝の小林)


■90kg級■
優勝;吉田優也(東海大1年)
準優勝:大田茂文(近畿大1年)
第3位:穴井航史(東海大相模高3年)、池田賢生(日本大1年)

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(写真・吉田が大田の内股を潰し、引き手を離さず寝技へ移行)

【決勝】
吉田優也○縦四方固[3:23]△大田茂文

吉田右、大田左のケンカ四つ。
優勝候補筆頭の吉田は二本持って技を仕掛けたいが、大田はなかなか引き手を取らせず、片手で振り崩しながらチャンスを伺う。
下がる大田に対して攻めきれない吉田だが、常に前に出続けるうちに大田にプレッシャーが掛かり始める。
2分36秒、大田が苦しい体勢から掛けた内股を吉田は見逃さずに崩してすかさず寝技に移行。動きを止めずに反転して足を抜き、縦四方固に仕留めた。

優勝した吉田だが、決勝については「早く2つ持って攻撃を仕掛けていきたかったが、思うように行かなかった。持たせてくれない相手に対して2本持つ手順のバリエーションをいくつも練習してきたが、いざ試合となるとなかなか出ない。」と反省の弁。
同僚の中矢力と同じく、東京学生体重別を欠場。全日本学生体重別出場の権利を捨ててこの大会と世界ジュニア(10月23日~26日)に賭けてきた。
「大きな目標はロンドン五輪での金メダル。それを達成するためにも、まずは目の前の試合をひとつひとつしっかり勝つこと。世界ジュニアに選ばれたらしっかり勝って来たいと思う」と力強いコメントで大会を締めくくった。

吉田は本大会オール一本勝ちで、この日の最優秀選手に与えられる「JOCジュニアオリンピックカップ」を獲得した。

吉田との対決が注目された春山友紀(国士舘高3年)は欠場した。 この階級は大学生優勢の結果となったが、3位には今年度高校3冠の東海大相模を引っ張った同校主将・穴井航史が食い込んだ。

【プールファイナル】
吉田優也○大外刈△西山大希(桐蔭学園高3年)
大田茂文○GS3-0△山口真史(中央大1年)

【敗者復活戦】
池田賢生○縦四方固(3:41)△小倉大樹(慶応大1年)
穴井航史○背負投(1:27)△平嶋孝史(福岡大2年)

【3位決定戦】
池田賢生○肩車(0:46)△山口真史
穴井航史○GS有効[袖釣込腰]△西山大希

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(写真・90kg級優勝の吉田)


■100kg級■
優勝:寺島克興(国士舘大1年)
準優勝:高木海帆(東海大相模高3年)
第3位:藤原浩司(長崎東高3年)、村上祐二(日本体育大1年)

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(写真・寺島がGS終盤に背負投で攻める)

【決勝】
寺島克興○GS2-1△高木海帆

寺島、高木の優勝候補同士の対戦は右相四つ。
釣手を持ったほうが有利になるが、持たれたほうは腰を抑えて防御という形で試合が進み、非常に厳しい組み手争い。
2分58秒、お互いに「取り合わない」反則で「指導1」。
試合はそのままGSへ移行するがお互いほとんど技のないまま試合は終了。
どちらが勝ってもおかしくない試合だったが、試合終盤に大内返、背負投と技数をまとめた寺島に2本旗があがり寺島の優勝となった。

寺島は本大会初優勝。国士舘らしいしぶとい柔道が光った。

一方、インターハイの大活躍以来の大舞台で期待された高木は決勝まで一本勝ちゼロとらしくない柔道で生彩を欠いた。関係者によると「腕・股関節・肩と怪我だらけでボロボロの状態」。高橋洋樹監督も「言い訳はすべきではないが、夏の疲労が残る中よく戦ったと思う」と語るなど明らかな不調で、真価発揮は今後に持ち越しとなった。

勝ちぶりの良さで高校柔道界を沸かせた岩尾敬太はプールファイナルで寺島、3位決定戦で村上を相手に2敗し入賞できず。
3位には九州の実力者、藤原浩司が食い込んだ。

【プールファイナル】
高木海帆○GS3-0△藤原浩司
寺島克興○有効優勢△岩尾敬太(修徳高3年)

【敗者復活戦】
村上祐二(日本体育大1年)○払腰(0:45)△下和田翔平(崇徳高3年)
手島尚宏(東海大2年)○小外刈(1:51)△明石弘平(天理大1年)

【3位決定戦】
藤原浩司○払腰(0:22)△手島尚宏
村上祐二○優勢[指導2]△岩尾敬太

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(写真・100kg級入賞の寺島)


■100kg超級■
優勝:百瀬優(国士舘大1年)
準優勝:上川大樹(明治大1年)
第3位:兒玉雄一(修徳高3年)、上杉亮太(国士舘高3年)

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(写真・GSの末、百瀬が大内刈で有効を奪う)

【決勝】
百瀬優○GS有効△上川大樹

ここまで全試合を一本勝ちの上川と試合巧者百瀬の同学年ライバル同士の対決。
じっくり持って大きい技を仕掛けたい上川だが、百瀬はうまく捌きながら技を仕掛けて上川に狙う間合いを容易に与えない。
試合はGSに入ってから百瀬が積極的に技を仕掛ける。1分35秒に背負落、1分40秒には大内刈とポイントに近い技を並べ、直後の1分55秒、巻き返そうとやや上川が前がかりになった瞬間、大内刈に飛び込んで「有効」を奪取。試合を決めた。

百瀬は昨年のインターハイ準決勝、ジュニア決勝と上川に苦杯を喫していたがついに雪辱しビッグタイトルを獲得。
敗れた上川は「自分が弱いだけ。それ以外に言うことは何もありません。」とだけコメントした。

3位には兒玉雄一、上杉亮太の高校生2人が入賞。
兒玉は金鷲旗で負傷、インターハイではその影響で生彩を欠いたが今大会では健在をアピールした。
インターハイを豪快な柔道で制した豊田竜太は3回戦で同学年の兒玉雄一に小外掛で敗退。敗者復活戦でも月波貴広から内股で「技有」を奪いながら全て小外掛で3つポイントを失い入賞を逃した。

【プールファイナル】
百瀬優○内股(2:24)△兒玉雄一
上川大樹○大内刈(1:47)△上杉亮太

【敗者復活戦】
月波貴広(日本体育大2年)○有効優勢[小外掛]△豊田竜太(東海大相模高3年)
津田賢一(天理大1年)○横四方固[4:07]△増田哲也(山梨学院大1年)

【3位決定戦】
兒玉雄一○優勢[指導1]△津田賢一
上杉亮太○有効優勢[出足払・足車]△月波貴広

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(写真・100kg超級優勝の百瀬)


■総評■

優勝候補が順当に勝ちあがる階級が多く、概ね波乱の少ない大会だったと言えるだろう。優勝候補と呼ばれる選手はどの選手も経験豊富で試合運びが手堅い。地力に加え、この世代でも試合自体の上手さとディティールが勝敗を決定づけることが非常に多くなってきた。

ただ、ファンの視点からするともう一つ面白みに欠けた大会、小粒な印象の大会だったとも言える。
岩尾敬太(100kg級)、豊田竜太(100kg超級)、兒玉雄一(100kg超級)、上川大樹(100kg超級)、森下純平(73kg級)というような、豪快な一本を身上にする選手にもう一暴れして欲しかったところだ。

上記に挙げた選手、上川以外はまだ高校生。
裏側の技への弱点を露呈した豊田竜太に対して所属の高橋洋樹監督が「伸びしろと捉えてこれから鍛えればいい」と語ったように、これからの環境、稽古次第でさらに大きく成長できるだろう。今後に大いに期待したい。

また、この結果と内容を受けての、世界ジュニア選手権大会(10月19日~)の代表選考が非常に楽しみである。
実績・内容とも圧倒的と言って良いのは73kg級・中矢力と90kg級・吉田優也。アジアジュニア代表として活躍し今大会も取った100kg超級百瀬・100kg級寺島も選出が濃厚である。
しかし、中には中にはディティールで敗退したが実績・内容も非常に優れている選手がいる階級、出場していないが実力的に上と思われる選手がいる階級もある。大会がジュニアのものであるということも踏まえ、将来性を取るのか実績なのか、勝ちにこだわるのか。シニア以上に面白い選考と言えるかもしれない。

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(写真・各階級優勝者)
写真:K2PhotoClub 國井敬児

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