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小室宏二 柔道固技教本

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寝技師「コムロック」による固技指導書の決定版

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著者:小室宏二
対象者:初心者、中上級者、指導者
出版年:2011年2月
出版社:晋友社
ページ数:AB版 175P
価格:本体2200円+税

選手時代は全日本強化選手として活躍し、DVD「コムロック 柔道実戦的寝技」(2005年クエスト社)、DVD「柔道固技上達法」(2009年クエスト社)、書籍「柔道絞め技入門」(2008年ベースボールマガジン社・柏崎克彦氏と共著)、書籍「柔道関節技入門」(2010年ベースボールマガジン社・柏崎克彦氏と共著)などの著作でもおなじみ、現在は各地の固技講習会にひっぱりだこで指導者としてもオンリーワンの地位を築いている小室宏二氏がついに単独で著した技術書。固技指導書の決定版的一冊である。

小室氏が研究、研鑽を積んだ「血の通った技術」を網羅性高く、かつわかりやすく掲載するというのがこの本を貫くテーマ。「使える技術」であることを一貫させながらここまで広範な技術を網羅できるのはさすがである。

いったいに技術書は、網羅性の高いものは建前の解説のみに留まり中上級者の修行には不向き、逆に有用性の高いものには体系だったものが少なく「読者を選ぶ」傾向にあり、網羅性の高さとその有用性が必ずしも比例しない、むしろ反比例する傾向が強いのが常ではあるが、この網羅性と有用性を両立させたのが本書最大の特徴。基礎運動や打ち込みも含め広範な技術ひとつひとつを「使える」レベルで解説している。
例えば「脚抜き」や「際の攻防」「踵返」といった固技の基本技術は現場では当然のように使われていながらも、「使える」レベルのものは口承に頼ってきた部分がありきちんと解説している技術書は実は少ないのだが、この作品はまさにその部分もしっかり埋めているという印象。レベルの高い技術はわかりやすく、容易なはずの技術にはレベルの高いポイント指摘が為されるという感じで、とにかくつまらないページがない。もちろん「コムロック」「春日ロック」「袖車絞」といった氏の代名詞的な技術も詳述されている。

また、いったいに寝技好きな人々が愛好するディープな寝技技術には「寝技のための寝技でしか決まらない」というステージのものも多くあるが、そこは強化選手として活躍し、現役の指導者としても研鑽を怠らない氏のこと。技術の選定、シチュエーションの吟味と見事に競技柔道と折り合いをつけ、「使える技術」という軸がぶれることはない。発売元の晋友社が掲げた「高専柔道と競技の融合」というキャッチフレーズはこの点まことに適切であるといえよう。

もう一つ、解説のわかりやすさにも言及しておきたい。氏は講道館指導員として少年部を指導した際に「ポイントを3つに絞り込んでわかりやすく解説する」ことをモットーとしていたが、書籍という限られたスペースの中ではそこでの経験が存分に発揮されている。簡潔に要点を記載していく無駄のない解説ぶりは少年指導経験者ならではだ。

そして、何よりこの本を特徴づけるのは、非常に「気づき」が多い一冊であるということだ。特に小室氏が自らが成長する過程を自伝的に綴ったコラム計18本は読み物としてのレベルの高さはもちろん、「強くなる」道筋で考えたこと、きっかけなどが整理して描かれており、柔道家が「強くなる」ための示唆に満ちている。そもそもこの本の章立て・分類自体が「寝技で勝つためにはどうすれば良いか」という主張そのものであるという一面もあり、本当に強くなりたいと思っている修行者であれば年齢問わず必ず何かを掴むであろうこと受け合いだ。

欲を言えば、現在有用な技術を網羅するという観点から「横三角」「国士舘返し」といった現在の試合で見られる固技攻撃の中で大きな流れをなす2つにも言及が欲しかったということだろうか。自身の血の通った技術を解説するという前提があるからか、もしくは既にポピュラー化しすぎて自明のものであるという認識か、間接的に触れた形に留まっていてここはやや惜しいところ。
また、もっと突っ込んでその技術をモノにしたいという方にはやや写真の点数が少なく感じられる(書籍としては十分すぎる量が掲載されているが)かもしれない。クエスト社のDVD「柔道固技上達法」と重なる部分もあるのでそこは映像と併用することもまた良いだろう。

いずれ、固技技術書としては決定版的な一冊であることは間違いない。上記の特徴から初心者、中上級者と指導者と全ての柔道家にとって有用な作品、手元に置いておいて絶対に損のない一冊と断じて間違いないだろう。

投稿者:運営者

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<構成>

1章・寝技基礎運動
 エビ、逆エビ、横エビ(ジャンプ)、横エビ(捻り)
 足回し、蹴りだし、腰切り(スライディング)、腰切り(ジャンプ)
 腰切り(仰向足交差)、すり足、スパイダーマン
 抱っこ回転、抱っこ腹筋&レスラーリフト

  2章・寝技の打ち込み
 前転くぐり抜け、スイッチバック、飛行機投げ、飛行機バック
 クロスステップパス、腕取り横四方(基本)、腕緘、腕緘からの抑え込み
 腕緘からの腕挫十字固、腕括り、腕括りからの後袈裟固
 腰切り横四方固1、腰切り横四方固2、足の抜き方(肩固)、足の抜き方(後袈裟固)
 腕挫十字固(パスカル式)、腕挫十字固(引き込み式)、腕挫十字固(カナダ式)

3章・寝技世界一周
 寝技世界一周(全体図)
 袈裟固-後袈裟固、後袈裟固-横四方固A、横四方固A-横四方固B
 横四方固B-縦四方固、縦四方固-肩固、肩固-袈裟固

4章・引き込みからの攻撃
 横返し(基本形)、横返し(ポイント)、横返し(逆に返す)
 横返しからの変化1(潜って返す)、横返しからの変化2(ヤスケビッチ式腕挫十字固)
 横返しからの変化3(コムロック)
 草刈り1、草刈り2、踵返、小手絞り、片手絞
腕挫十字固、片十字絞、腕挫腕固、前三角絞

5章・亀姿勢への攻撃
 送襟絞の要点、送襟絞、送襟絞の逃げ方&巻き込みへの対処
 回転送襟絞、うつ伏せで攻める、回転送襟絞からのヤスケビッチ式腕十字+引き戻し
 片羽絞から腕挫十字固、ヤスケビッチ式腕十字固
 腹包み(裾)、腹包み(襟)、腹包みからの横三角絞
 肘掛け返し、回転式後袈裟固、ヒラメへの回転式後袈裟固、足三角
 亀になってしまってからの展開

6章・春日ロック
 横崩し、春日ロック、春日ロック(裾)、春日ロック(前転&ローリング)
 春日ロックからの腕挫脚固1、春日ロックからの腕挫脚固2
 春日ロックから腕挫十字固、立ち姿勢から春日ロック

7章・袖車絞
 袖車絞の形、正面からの袖車絞、側面からの袖車絞
下からの袖車絞、亀に対する袖車絞

8章・コムロック
 コムロックの形と入り方、コムロックからの抑え込み
 コムロックからの突っ込み絞め、コムロックからの片十字絞
 コムロックからの三角絞、コムロックからの腕挫膝固
 コムロックからの腕挫脇固、袖車からコムロック
 コムロックから立った相手への腕挫十字固

9章・立ち姿勢から固技への移行
 巴投の練習方法、 巴投(直線的な入り方)、巴投(横からの入り方)
 巴投(両足を使って)、巴十字
 帯取返、帯取返からの変化、隅返、腕挫腕固、腕返
 送襟絞、片手絞、掬投、際の攻防

コラム
 01:柔道との出会い、02:平田鼎師範と高専柔道、03:思い出の試合内柴正人戦
 04:転機-学生時代-、05:寝技が強くなるには、06:怪我と病気
 07:講道館、08:固の形、09:女子選手における関節技
10:「不動心」と「修身」、11:幻の技術、12:技の習熟度
 13:寝技に関する規定、14:中井祐樹氏とブラジリアン柔術、15:コンテンダーズ
 16:3つの技術、17:「際」を制するものが寝技を制す、18:足立学園

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