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DVDでわかる!柔道入門

DVDでわかる!柔道入門

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初心者の「投げたい」ニーズに簡潔的確に応える秀作

監修者:中西英敏
対象者:指導者、初心者

出版社:西東社
出版年:2007年(7月中旬発売予定)
ページ数:175ページ+DVD65分
価格:本体1500円+税

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東海大学柔道部監督、モスクワ世界選手権71kg級金メダルの中西英敏氏監修による初心者向けの柔道入門書。
山下泰裕氏、井上康生選手、福岡政章選手ほか東海大系列の豪華なメンバーが実演で参加している。

最近、スポーツの指導書にはDVDが付属しているものが増えてきた。
その波に乗って柔道書籍も「一本で勝つ柔道」(2005年・古賀稔彦)、「DVD上達レッスン 強くなる柔道」(2006年・小俣幸嗣)とDVDつきの良作が出版されてきたが、この作品にも約60分のDVDが付属、豪華メンバーによる実演と解説を映像で確認することができる。
DVDは内容的にも付録の域ではなく、これだけでも十分指導ビデオとして成立する質の高さ。「解説書つきの指導ビデオ」として考えるべきであろう。豪華実演陣の出演もあり、読んでも見ても楽しい1冊となている。

内容は、初心者学習の骨組となる中心的な投技・固技の解説。
網羅性の高さを志向した性質の指導書ではなく、初心者の「投げたい」欲求に簡潔・的確に応えるべく、技を絞って簡潔かつ非常に実効性の高い解説を行っている。

レイアウトもビジュアル性が高く、初心者にとっては「大事なことだけが見やすく載っている」一冊と捉えられるだろう。

簡潔で実効性が高い、ということを志向した結果として必然といえば必然であるが、本書の解説は基礎の段階から投技を「動きながら」「動かしながら」解説している。初心者指導書としては非常に珍しい構成。

第1章で崩しを「惰性を利用する」「リアクションを利用する」と解説、投技解説は一貫してその「相手の動きを利用する」という観点から説き起こされており、結果として技の理合、メカニズムが非常に学習しやすくなっている。
初心者であれば実施するだけで「崩す方向とその理由」が腑に落ちるのではないだろうか。
もちろん、同時に実戦で効く技に直結する体さばきが学習できることは言うまでもない。

従来の指導書は静止している状態からの解説が多かった。
理由の一つには、どうしても「動き」の解説をテキストに落すと煩雑でわかりにくくなるということがあったのではないかと思うが、DVDで実際の動きが確認できるこの作品にはそのディスアドバンテージがまったくない。監修者の指導的な着眼をメディアの特性が生かした好企画である。

また、各技、大項目ごとに簡潔な「ポイント」を数個挙げるのであるが、この選択が素晴らしい。

初心者指導に際して行われる一般的な説き起こしには自明のものとしてあまり踏み込みすぎず、独自の観点から重要事項、または初心者が陥りやすい悪癖に言及し、非常にわかりやすい基準を示している。
たとえば背負投であれば「一歩目の、足と顔を立体的に同じ線に置く」、袖釣込腰であれば「相手の体を開かせない」、抑込技であれば「顔とその向きの反対側の肩を抑える」といった具合だ。

投技の「担ぐ技」「片足を跳ね上げる技」「刈る技」「足で支える技」「捨身技」という独自の分類にも顕著であるが、余計なものを省き「投げる」という行為の本質にズバズバと切り込んでいこうという迫力がある。

こう言ってはなんだが、通常、本・ビデオ・講習会等で説明される「初心者向けの解説」は純粋に内容だけを見ればさほど大きく異なることはない。
「外せない大事なこと」を網羅しようとする結果、どの指導者、どの本でも語られることの焼き直しということになり競技者にとってはさほど魅力のある解説にならない、ということも多い。競技者であればそのような講義を「わかっていること」と無視してしまったことも一度や二度ではないだろう。

ということは、初心者指導書・ビデオの評価は、内容の選択は勿論のこと、いかにそれが「実の詰まった言葉(内容のある言葉、説得力のある言葉、わかりやすい観点)」で説明されているかということにある。
この作品は、内容自体の選択も、それを説き起こす説明もその点非常に魅力的。
「ポイント」として挙げられている項目は、上級者が言語化されない状態で理解できてはいるが従来の初心者指導には欠落していたものが多く、改めて指摘されるとなるほどと膝を打つものばかり。聞き飽きたもの・陳腐化しているものは全くない。

指導者は自身の解説の観点を増やす、語彙を増やす、という意味だけでも一見の価値ありである。

山下泰裕氏、井上康生選手の実演解説はもちろん魅力的であるが、それ以上に、監修内容・解説を評価したい秀作。
目次を見ただけでは地味に見えるかもしれないが、いままでにない内容の初心者指導書、と評価していい一作である。

初心者は網羅的な指導書を一冊購入し、併用して学習すると良いだろう。


投稿者:運営者


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■内容■

■第1章 基本動作と受身
・基本姿勢
・組み方
・体さばき
・崩し

第2章 基本の投技
・投技の基本要素
・動きながら投げる
・投技の形

【かつぐ技】
①大腰 ②体落 ③背負投 ④一本背負投 ⑤袖釣込腰

【片足を跳ね上げる技】
①内股 ②払腰

【刈技】
①大外刈 ②大内刈 ③小内刈 ④小外刈

【足で支える技】
①支釣込足

【捨身技】
①巴投 ②引込返

【練達の投技】
①山下泰裕八段の大内刈
②山下泰裕八段の大外刈
③井上康生五段の内股
④井上康生五段の背負投

第3章 基本の固技
・固技で攻める基本の形
・固技での体の使い方

【抑込技】
①袈裟固 ②肩固 ③横四方固 ④上四方固
⑤崩上四方固 ⑥縦四方固

【絞技】
①裸絞 ②山下泰裕八段の送襟絞
③片羽絞 ④三角絞

【関節技】
①腕緘 ②腕挫十字固

第4章 実戦の連絡技と変化技
・技をつなぐ、技を返す
【投技から投技「先の先」】
①小内刈→背負投 ②捨身小内刈→一本背負投
③井上康生五段の大内刈→体落
④小内刈→大内刈→内股
⑤大内刈→大外刈
⑥小内刈→大内刈
⑦井上康生五段の支釣込足→大外刈
⑧支釣込足→体落
⑨背負投→小内刈
⑩一本背負投→捨身小内刈
【投技から投技「後の先」】
①大内返 ②小内刈返 ③大内刈に対して背負投
【投技から固技「先の先」】
①一本背負投→崩上四方固
②大内刈→袈裟固
③山下泰裕八段の大外刈→袈裟固
④山下泰裕八段の大内刈→横四方固
⑤背負投→腕挫十字固
【投技から固技「後の先」】
一本背負投を送襟絞→崩上四方固
【固技から固技「先の先」】
①横四方固→腕挫十字固
②腕緘→崩上四方固


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