体型別技の大百科 第1巻 背負投・体落

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スペシャリストの得意技を技別・体型別に分類解説した実戦的技術書
監修者:佐藤宣践
対象者:中上級者・指導者
出版社:ベースボールマガジン社
出版年:1999年
ページ数:183
定価:\2500+税
世界チャンピオンやオリンピック金メダリストをはじめとするそれぞれの技のスペシャリストの技を技別・体型別に分類し解説した技術書。
他に実戦的投技技術書としては現在「柔道立技テクニック」や「バイタル柔道」などがあげられるが、出版年が比較的新しいことや掲載技術の多いこと、体型別インデックスという野心的な分類方法など、一般に手に入る「実戦に使える」技術書としては現在最高の評価を与えていいシリーズではないだろうか。
特に、自分の得意でない技や自分と異なる体型の選手にも実戦的な「掛かる技」を教えなければならない指導者には必携の一冊といえるだろう。
また、初心者も「打ち込みはうまくなったがうまく掛からない」「先生の言っている通りに掛けているのにうまくいかない」場合は体型や適性に合わせて工夫した「自分の技」を開発する段階。その際、このような実戦的技術書から示唆を得ることは非常に重要。
技(記事)によって解説の精度や量、掲載写真の点数や質にかなり差があるものの、「近代柔道」誌をはじめスポーツ出版に長い経験と豊富なコンテンツの蓄積をもつベースボールマガジン社の出版だけあって、その平均値は高い。確かな作りの一冊である。
また、その技のかけ方の特性に応じて、組み手や練習法などにもきちんと紙幅を割いてくれている。
「技術秘話」「上達へのアドバイス」「閑話休題」など、有名選手のインタビューを軸にしたコラムも掲載。
なお、本書で解説をされているのは1960年代〜90年代前半までに選手として活躍した方々が中心であるが、現在この企画は月刊「近代柔道」誌の連載「入門!一流の技術」に引き継がれているものと思われ、そちらでは90年代以降の選手も貴重な技術を公開してくれている。一部はウェブサイト「Sports click」でも閲覧できるようであろうが、ぜひこの「技の大百科」のような形でまとめて出版してもらいたいものだ。
この第1巻収録「背負投・体落」は他の技に比べて比較的オーソドックスであり、驚くような応用技は少ない感があるが、それでもその入り方、工夫は千差万別。非常に興味深い。
-掲載されている技-
アルファベットは体型タイプ
(G=がっちり型、F=ふとっちょ型、Y=やせ型)
<背負投>
G:木村政彦 「10年間無敗を誇った伝説の柔道家」 右一本背負投
G:丸木英二 「材木かつぎからヒントを得た独自の技」 左背負投/大内刈から背負投
G:松田博文 「内股と同じ組み手で繰り出した片襟の背負投」 左背負投
G:岡野功 「柔よく剛を制すを体現した昭和の三四郎」 左一本背負投/「後の先」の背負投
G:野村豊和 「世界・オリンピックを制した左右のかつぎ技」 右背負投/左一本背負投
G:岩田久和 「引き落とすように投げる背負投」 右背負投/一本背負投
G:藤猪省太 「世界が絶賛した畳の上のアーティスト」 左背負投 (基本動作、組み手、相手の組み手・体型・対処に応じた崩し方と投げ方の解説ページあり)
G:南喜陽 「軽量級を越えた破壊力で世界2連覇」 左背負投×3種(相四つ重量級相手・相四つ軽量級相手・ケンカ四つ)
G:原吉実 「体を弓なりにして全身で投げる」 右一本背負投(相四つ)
G:香月清人 「足腰の強さを生かした背負投」 左背負投(相四つ)/小外刈から背負投(ケンカ四つ)
G:高橋政男 「得意の寝技につないだ立ち技」 右一本背負投
G:加瀬次郎 「じゃまな相手の釣り手を逆利用」 捨身小内から一本背負投 (左組右技、ケンカ四つ)
G:諏訪 剛 「相手の奥襟柔道に対応」 右一本背負投(相四つ)
G:濱田初幸 「全身の力を利用した鋭い背負投」 右背負投(右相四つ、ケンカ四つ、右変形相手)(ポイントクローズアップ解説あり)
G:松岡義之 「師匠・藤猪譲りの足腰を生かした背負投」 左背負投/大内刈から背負投(相四つ)
G:中西英敏 「世界を制した”鉄人”」 左一本背負投(自分右、相手左組み)/一本背負投から大外刈
G:細川伸二 「研究を重ねた緻密な背負投」 左背負投(相四つで相手が左に動く場合、右に動く場合、飛び込んでの投げ、引き出しての投げ)(ポイントクローズアップ解説あり)
G:山本洋輔 「猛稽古で世界を制覇」 左背負投(相四つ)
G:吉鷹幸春 「独特の左右のかつぎ技」 左背負投(相四つ)/小内巻込から一本背負投(左組右技、ケンカ四つ)
G:越野忠則 「入り込むときにスペースを作る」 右背負投(相四つ)
F:遠藤純男 「豪快にして華麗な重量級の背負投」 右一本背負投/片襟一本背負投(相四つ)
Y:蔵本孝二 「寝技への連絡変化のための片ひざつき背負投」 右一本背負投
Y:大迫明伸 「上半身は背負投、下半身は体落」 左変形背負投 (「組み手のいろいろ」解説ページあり)
<体落>
G:猪熊功 「強烈な体落かつぎ技で一時代を築いた闘志の権化」 右体落
G:関勝治 「36歳まで現役を支えた得意技」 左体落
G:関根忍 「中量級で全日本を制した左変形」 左体落
F:神永昭夫 「全日本3回優勝。体の回転を利用した引き手に特徴」 左体落
F:上村春樹 「さまざまなケースに応じた理論的柔道」 左体落(相手が前に出てきた場合、後ろに下がった場合、横へ移動した場合)
F:斎藤仁 「史上5人目の全日本・五輪・世界3冠」 左体落 (ポイントクローズアップ解説あり)
Y:中谷雄英 「東京五輪覇者のテクニック」 左体落
Y:湊谷弘 「切れる立ち技で世界2連覇」 左体落(ケンカ四つ)
Y:津沢寿志 「岡野門下で鍛え上げられたテクニック」 左大内刈から体落(連絡技・フェイント)
Y:大熊政彦 「引き手を巻き込むように強く引く」 左体落(相四つ)
投稿者:運営者
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