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柔らかころび

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受身をベースにした一般向け「ころび方」指導

著者: 船木賢咲
対象者: 指導者

出版社: メディアコンテンツ
出版年: 2007年
ページ数: 56
定価:¥1200(税込)

Book Review
柔道の受身をベースにした、老年世代・子ども向けの「ころび方」指導書。
ころび方という単純な技術論に留まらず、「ころび体操」というエクササイズの導入を柱とする「健康生活はいかにあるべきか」という大きなテーマで貫かれた意欲的な一書である。

従来の福祉において「転倒」というテーマは「転倒防止」という観点で扱われてきており、各種講習会も「いかにころばないか」という視点で行われてきた。
それに対し本書は、転倒はありうるという姿勢から「ころび方を学ぶ」「正しくころぶために運動能力の整備を図る」というスタンス。
転倒の可能性をゼロにすることが不可能である以上、より現実的なスタンスと言えるかもしれない。

内容は、現実に即した「ころび方」指導と、エクササイズによる体力養成・運動能力の整備。

提案されている「ころび方」は単なる受身の応用ではなく例えば「両足が同時に滑った場合」など実際のころび方の分析と対処などもあり、技術的にも非常に興味深い。
このあたりには、秋田高校柔道部監督として全国大会に多くの出場歴を誇る著者の経験が存分に生かされているといえよう。

エクササイズとしては運動自体に楽しさがあることが非常に可能性を感じさせる。
かつて柔道界においては「シルバー柔道体操」という高齢者向け体操が発案されたが普及には至らなかった。
普及に際してはその効果の程もさることながら「行っていて楽しいものであるかどうか」ということが重要であるが、運動自体がはらむ楽しさ、音楽を利用してのエクササイズなど「ころび体操」はその点非常に期待が持てる。
「最近の子どもはうまくころべない」という声を聞くことも多い昨今、子どもと老人をつなぐコミュニケーションツールとしての可能性もありそうだ。

転倒は、転倒事故それ自体のダメージだけでなく、負傷が引き金となった寝たきり、痴呆症、それによる介護の必要性などの、家族を巻き込んで生活に劇的な変化を与える可能性をはらんでいる。
その意味で言えば、「柔らかころび」は単なる技術に留まらず「老人の健康生活の有り方」自体を提案するマクロな視点の活動であると言えよう。

柔道界からすれば柔道経験者がそのスキルを生かして社会に貢献できる、「新しい柔道の生かし方」と言えるかもしれない。
既に講習会なども行われているようだが、普及の意義、可能性の高い活動であると評価したい。

レイアウトにやや難があること、実施の基準となる統計的データの不足など本としての改善点は多々あるが、福祉関係者のみならず、道場でシニア世代を受け持つ指導者、地域の老年世代に深く携わる接骨関係者などの柔道関係者にもぜひご一読をお薦めしたい一書である。

投稿者:運営者

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