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琥珀の技 三船十段物語

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「空気投げ」で有名な三船久蔵十段の伝記小説

著者: 三好京三
対象者: 全ての柔道家

出版社: 文芸春秋
出版年: 1985
ページ数: 195
定価: ¥950円

Book Review
一五九センチ、五十六キロの体ながら、技の追求者・求道者として空気投げなど数々の技を開発し、生涯無敗を誇ったといわれる三船久蔵十段。負けじ魂と精妙な技で日本柔道の一時代を造りあげたその生涯を、同郷の直木賞作家三好京三が描いた伝記的小説。

岩手県久慈での悪童時代から仙台二中での柔道との出会い、講道館入門と出世、「空気投げ」を生み出した円熟時代、と十段の柔道人生が筆者の取材過程と並行する形で描かれている。特に、横山作次郎・前田光世らが重鎮として君臨する草創期から弟子格の徳三宝の活躍に至る1920年ごろまでの講道館の雰囲気が濃密に味わえる。

本書は、出世物語という体の単純な伝記作品ではなく、「何がなんでも勝つ」という生き方を老境に至っても貫き通した三船十段という個性が出来上がる過程を見据えた、落ち着いた筆致の作品となっている。

「老人童」ともいうべき負けず嫌いの三船十段の性格を浮き彫りにする数々のインタビューは、彼が神格化された時代を生きた世代の読者には新鮮に映るのではないだろうか。

投稿者: 運営者

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