ヘーシンクを育てた男

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長らくフランス、オランダ等で最高技術顧問を務めヘーシンクを育てた道上伯の生涯
著者: 眞神 博
対象者: 全ての柔道家
出版社: 文藝春秋
出版年: 2002年
ページ数: 238
定価: ¥1,762 + 税
Book Review
本書は、長らくフランス、オランダなどで最高技術顧問を務め、ヘーシンクを育て上げた道上伯(1912-2002)の生涯を描いたノンフィクションである。
道上は武道専門学校出身、卒業までに五段を取得し、圧倒的実力を誇った。卒業後は、上海などで柔道を教え、40歳の時フランスに渡る。渡仏早々当時フランス最強の10人と十人掛けをしてわずか5分30秒で全員を負かしたという。1955年以降オランダでも柔道を指導。そこでヘーシンクを見出し、以後徹底的に鍛えあげる。
道上は反講道館の反骨の士でもあった。ヨーロッパ主導で柔道がスポーツ化していく中、講道館が指導力を発揮できなかったことを憂い、講道館に対し本格柔道への回帰を訴えた。しかし、聞き入れてもらえず、以後講道館から疎まれる存在となる。
1961年ついにヘーシンクは第三回世界選手権で優勝し、1964年東京オリンピック無差別級でも優勝する。弟子のヘーシンクが世界一となり、道上は打倒講道館を果たしたが、それは同時に祖国日本の柔道が敗れたことを意味し、道上は嬉しさと同時に寂しさを覚えたのであった。
柔道の世界的な発展・普及のためには、日本が一人勝ちし続けるのではなく、寧ろ日本と世界の選手が切磋琢磨しレベルを向上させて行くことが重要であるが、その契機となる象徴的偉業を成したヘーシンク・道上の功績は大きいと言えよう。
投稿者: 運営者
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